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優斗の誕生日は11月29日でちょうどその前日が日曜日だった。朝からケーキを焼き上げた。1時ちょうどに優斗がやってくる。
「1日早いけど」とケーキを出した。
「誕生日おめでとう」
優斗の目がまん丸になる。
「ケーキって自分の家で作れるものなの? 買ってくるものだと思ってた」
スタンダードなストロベリーショートケーキ。ろうそくを吹き消した後は切って1ピースずつ配った。食事は鶏肉のトマトソース煮込みにパスタを添えたものと、付け合わせにポテトサラダ。こちらは前日に作っておいた。柊里がシャンパンを開け、優斗に勧めた。蓮は未成年なのでジンジャーエールを飲んだ。
「勉強はどう?」と柊里が聞く。
優斗はにっこり笑って「順調です」と答える。
「12月の短答は絶対パスします」
優斗は公認会計士を目指していた。それは蓮との安定した生活の為と分かっていたので柊里は応援していた。
蓮の部屋に行くと待ちきれず抱き合いキスをする。蓮は綺麗になったと優斗は思う。10周年記念パーティが終わって、週刊誌に蓮の写真が載っているのを見るとはらはらする。
「蓮、好きだよ」
「ゆうと、ぼくもすき」
蓮はとろんとする。この前11月初めに2回目のヒートを一緒に過ごした。出会ったばかりの頃はヒートが早まったり安定しなかったが、その後定期的にセックスするようになったためか、いつも通りの周期のヒートに戻ったようだ。蓮の体は優斗との行為に慣れてきて甘みが増してきた。
蓮のシャツのボタンを外すと白い肌が現れる。もともと滑らかな肌だったが、最近はしっとりと吸い付くようでずっと撫で回したくなる。ピンク色の胸の尖りが少し膨らんできて美味しそうに誘惑する。軽くチュッとキスすると蓮の体がびくつく。もう少し強く吸って、反対側を指で捏ねる。
「あ、ゆうと、だめ」
蓮から吐息が漏れる。その声を聞くと優斗も我慢できなくなり、蓮の残った服を剥ぎ取り始める。何回しても飽きずにまたしたくなる。最初は青く硬かった蓮の体が解れてきてしなやかに優斗の体に絡み付く。ゴムを装着し蓮の中に入る。温かく締め付けられほとんど我慢できない。
「ちょっと待ってて」
行為が終わって体の火照りが醒めた後、蓮はベッドから降り、また戻ってくる。
「誕生日プレゼント」
開けると革のサイフだった。手に馴染み使い込むと革がいい色になりそうだ。
「ありがとう」
「身に付けてくれるものがいいな、と思って」
「蓮と思って大事にする」
蓮の頬に感謝のキスをする。
「今度、テレビに出るんだよ」
「すごいね。なんで?」
「あず先輩が『プロの仕事』っていう番組で密着取材されたの」
「それ人気番組じゃない? 時々、見てる」
「番組中に友人として出たの。あず先輩はお菓子作りすごく上手だからあず先輩の家で一緒に作って、桜華学園時代のあず先輩との思い出を話したの」
「え? いつ放送? 録画する」
「12月22日。でも僕の出番10分位だよ」
「何のお菓子作ったの?」
「放映が12月22日だからクリスマスケーキ。あず先輩が『さくゆり』のデコして凄いの出来上がったんだよ」
「さっきのケーキも美味しかったよ。蓮も料理上手だよね」
「僕は普通のお菓子しか作れないんだけど、あず先輩は独創的なお菓子も作れてプロ級なんだよ。僕は助手役やったんだよ」
優斗はまた蓮の頬にキスして「可愛い助手さんだ。俺は助手さんを食べたいな」と呟いて頬を甘噛みした。くすぐったくて蓮はくすくす笑う。
「テレビ局の人に迫られなかった? マスコミってチャラい人が多そう」と優斗が聞く。
蓮も優斗にもたれながら「オメガ2人の撮影だからテレビ局の人も気を遣ってベータ女性2人で来たよ。2人とも漫画やアニメの好きな人で撮影終わった後、残ったケーキを食べながらお喋りして楽しかったよ」と説明した。
「良かった。蓮、可愛いから心配」と優斗が蓮をぎゅっと抱きしめる。
「大丈夫だよ」と答える蓮の唇を優斗が塞ぎ、キスが深くなった。
「1日早いけど」とケーキを出した。
「誕生日おめでとう」
優斗の目がまん丸になる。
「ケーキって自分の家で作れるものなの? 買ってくるものだと思ってた」
スタンダードなストロベリーショートケーキ。ろうそくを吹き消した後は切って1ピースずつ配った。食事は鶏肉のトマトソース煮込みにパスタを添えたものと、付け合わせにポテトサラダ。こちらは前日に作っておいた。柊里がシャンパンを開け、優斗に勧めた。蓮は未成年なのでジンジャーエールを飲んだ。
「勉強はどう?」と柊里が聞く。
優斗はにっこり笑って「順調です」と答える。
「12月の短答は絶対パスします」
優斗は公認会計士を目指していた。それは蓮との安定した生活の為と分かっていたので柊里は応援していた。
蓮の部屋に行くと待ちきれず抱き合いキスをする。蓮は綺麗になったと優斗は思う。10周年記念パーティが終わって、週刊誌に蓮の写真が載っているのを見るとはらはらする。
「蓮、好きだよ」
「ゆうと、ぼくもすき」
蓮はとろんとする。この前11月初めに2回目のヒートを一緒に過ごした。出会ったばかりの頃はヒートが早まったり安定しなかったが、その後定期的にセックスするようになったためか、いつも通りの周期のヒートに戻ったようだ。蓮の体は優斗との行為に慣れてきて甘みが増してきた。
蓮のシャツのボタンを外すと白い肌が現れる。もともと滑らかな肌だったが、最近はしっとりと吸い付くようでずっと撫で回したくなる。ピンク色の胸の尖りが少し膨らんできて美味しそうに誘惑する。軽くチュッとキスすると蓮の体がびくつく。もう少し強く吸って、反対側を指で捏ねる。
「あ、ゆうと、だめ」
蓮から吐息が漏れる。その声を聞くと優斗も我慢できなくなり、蓮の残った服を剥ぎ取り始める。何回しても飽きずにまたしたくなる。最初は青く硬かった蓮の体が解れてきてしなやかに優斗の体に絡み付く。ゴムを装着し蓮の中に入る。温かく締め付けられほとんど我慢できない。
「ちょっと待ってて」
行為が終わって体の火照りが醒めた後、蓮はベッドから降り、また戻ってくる。
「誕生日プレゼント」
開けると革のサイフだった。手に馴染み使い込むと革がいい色になりそうだ。
「ありがとう」
「身に付けてくれるものがいいな、と思って」
「蓮と思って大事にする」
蓮の頬に感謝のキスをする。
「今度、テレビに出るんだよ」
「すごいね。なんで?」
「あず先輩が『プロの仕事』っていう番組で密着取材されたの」
「それ人気番組じゃない? 時々、見てる」
「番組中に友人として出たの。あず先輩はお菓子作りすごく上手だからあず先輩の家で一緒に作って、桜華学園時代のあず先輩との思い出を話したの」
「え? いつ放送? 録画する」
「12月22日。でも僕の出番10分位だよ」
「何のお菓子作ったの?」
「放映が12月22日だからクリスマスケーキ。あず先輩が『さくゆり』のデコして凄いの出来上がったんだよ」
「さっきのケーキも美味しかったよ。蓮も料理上手だよね」
「僕は普通のお菓子しか作れないんだけど、あず先輩は独創的なお菓子も作れてプロ級なんだよ。僕は助手役やったんだよ」
優斗はまた蓮の頬にキスして「可愛い助手さんだ。俺は助手さんを食べたいな」と呟いて頬を甘噛みした。くすぐったくて蓮はくすくす笑う。
「テレビ局の人に迫られなかった? マスコミってチャラい人が多そう」と優斗が聞く。
蓮も優斗にもたれながら「オメガ2人の撮影だからテレビ局の人も気を遣ってベータ女性2人で来たよ。2人とも漫画やアニメの好きな人で撮影終わった後、残ったケーキを食べながらお喋りして楽しかったよ」と説明した。
「良かった。蓮、可愛いから心配」と優斗が蓮をぎゅっと抱きしめる。
「大丈夫だよ」と答える蓮の唇を優斗が塞ぎ、キスが深くなった。
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