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 はっと目が覚めた。怜太は自分がどこにいるか一瞬分からなくなった。見たことのない部屋で寝ていたようだ。拓哉がソファーにもたれてぐーぐー寝ているのを見て、昨日のことを思い出した。時計を見ると1時だった。外は暗く、夜なのだろう。拓哉は部屋着のようなラフな格好で、グリーンノートの香がした。
 拓哉を起こそうとして、自分が拓哉に迫っていたことを思い出した。起こさないようにソファーを降り、居間を出、浴室を発見する。服を脱ぎ、シャワーを借りた。着替えは持参していないので脱衣所に置いてあったバスタオルを借りて体に巻き付けた。居間に戻る。1つ深呼吸して、拓哉の体を揺すった。
「東さん」
 拓哉は飛び起きた。半裸の怜太が、そばに座っており驚く。
「怜太君」
 怜太はそのまま拓哉に口付けた。ひんやりと柔らかい唇が拓哉の唇に重なる。甘い花の香が濃くなった。怜太が唇を離し微笑む。
「ごめんね。僕、寝ちゃってたんだよね。今、起きてシャワー借りた。着替え持ってきてなくて、バスタオル借りちゃった」
 拓哉は慌てて立ち上がる。
「なんか、着替え貸すわ」
 怜太は座ったまま言う。
「着替えは今、いる?」
 拓哉の頭の中が沸騰する。もうブレーキは掛けられない。
「怜太君」
 怜太を抱き上げ、寝室に連れていく。ベッドに怜太を寝かせ、怜太を抱き締めた。怜太の唇に噛みつくようにキスする。舌を怜太の口に侵入させた。怜太の口の中を舐める。怜太の小さな舌を発見して舌も舐めあげた。怜太は唾液すら甘い。怜太の体を覆っていたバスタオルを外して床に落とす。怜太の肌を左手で撫でる。しっとりして柔らかく滑らかで気持ちいい。
「ン……」
 怜太がびくついたので拓哉は唇を外した。怜太は真っ赤になっている。目が潤んでいて可愛い。可愛い以外の感情がなくなり「可愛い」と呟く。それを聞いて怜太はまた赤くなる。
「東さん、僕のこと、好き?」
「好き。大好き。もう手放さないから覚悟して」と早口で言う。
 奥多摩のデートから葵と出会って、怜太を失った時の辛さを思い出す。怜太は自分で戻ってきたんだから、もう離さない。
「うん。手放さないで。もう東さんのものにして」
 怜太の言葉にまたスィッチが入り、怜太の首筋から胸にかけてキスを落とす。胸の尖りにキスすると「あ……」と怜太の声が漏れた。舌でちろちろ舐めると赤く色づいてくる。ちゅっと強めに吸うと「あン……」と怜太の声が漏れた。下を見ると、怜太の前がゆるりと立ち上がり始めたので右手で軽く扱く。
「そ……んな、両方……ダメ……」
 怜太の切羽詰まった声が聞こえてくる。ダメと言いながら、ダメではなく腰が揺れ出す。右手で前をゆるゆると扱いて、逆の胸の尖りを舌で舐める。芯を持ち固くなってきたので強めに吸いながら、ペニスの先端を指でこすった。
「ん……ん……ん……」
 怜太の腰が動く。反応している怜太が可愛らしくて、拓哉は少し落ち着いてきた。
 アルファは性欲魔人のような扱われ方をすることが多いが個人差がある。拓哉はベータ家庭に産まれたアルファなので家柄は普通だが、T大を卒業してITベンチャー企業を企業しているので、ベータ女性などから普通にモテていた。あまり恋愛にのめりこむタイプでないため、誰とも付き合ってないし童貞だ。性欲が強くないので恋愛には興味がなく結婚も見合いですればいいかと考えていた。総理大臣になるため政略結婚したいという細川葵の気持ちは理解できた。
 でも、怜太に関しては別だ。怜太を失ったと思った昨日は人生の終わりかと思うくらい落胆した。今は細川葵に振られて、怜太はショックを受け自分に縋っている。ヒート中であれば番にしてしまえるけど、残念ながらヒートではない。セックスはできる。次のヒートには番になりたいと、自分に引き付けなければならない。今まで運命の番以外興味がなかったので良かったが、これからは他のアルファもライバルになるということだ。怜太は美人なので、他のアルファが言い寄るかもしれない。自分以外、誰も近寄らせたくない。怜太を愛撫しながら拓哉の頭の中のコンピューターはぐるぐると回転した。
(徹底的に甘やかし、自分に依存させたい)
「あ……もうダメ」
 さんざん愛撫された怜太が震える。
「いいよ。イッて」
 怜太のペニスをきゅっと握り、先端を強く刺激した。怜太が白い蜜を吐いた。
 はあはあと息を吐いている怜太に軽く口付ける。怜太の白い蜜を受け止めた手が怜太の後孔に触れる。柔らかくマッサージする。後孔も既に濡れていた。指を1本入れ、柔らかく動かす。
 怜太が少し不安気な顔で見ているため「好きだよ。愛してる」と言葉ではっきり言ってみると、怜太の顔が赤くなり嬉しそうな表情になる。
「ずっと好きだったんだよ。気付いてなかったでしょ」
「だって、僕、お付き合いしたことなかったんだもの」
「俺もだよ。怜太君以外、誰も好きになったことなかった」
 愛の言葉を囁きながら指を2本に増やす。
「僕……なんにもできなくって、雅兄やさやちゃんのお荷物なの分かってるんだ。東さんだって好きじゃなくなるかも」
「俺にとって怜太君はかけがえのない存在なんだ。怜太君といれば何をしても楽しいし、怜太君がいなければ生きている意味すらない」
 怜太がまっすぐに拓哉を見る。拓哉はさらに迫る。
「好きだよ。お願い。俺と番になって結婚して」
 怜太は嬉しそうに笑う。
「うん、番になる。結婚する」
 約束のキスをする。拓哉は指を3本に増やす。
「怜太君、俺もう限界かも。怜太君が欲しくてたまらない」
「うん、いいよ」
 拓哉はスウェットを下着毎おろし、ゴムを装着する。怜太の後孔に自分のペニスをあてがう。ゆっくりと挿入する。怜太が少し不安そうな顔をするので「好きだよ」と囁きキスをする。怜太の口腔内をゆっくり舐めまわし怜太の意識を口に集中させる。後孔の緊張が解けたところで少しずつ挿入する。
「あ……ん……」
 怜太の良いところを見つける。そこに当てるようにペニスを少し揺する。怜太のペニスが立ち上がってきたので手で軽く握り扱く。
「そんな……両方一緒にしたら……ダメになっちゃう」
「ダメになって。もう俺なしではいられなくなって」
 怜太の耳に囁くと、怜太はびくんびくんと震え、ペニスから白い蜜を吐いた。後孔が緩んだ隙に拓哉はペニスを押し込む。拓哉が怜太の中に注いだ時には怜太は意識を失っていた。
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