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東拓哉、23歳アルファ男性。T大在学中からIT会社『EAST』を企業している。アプリ開発やシステム開発をしており、業界内で評判が良く、切れ目なく仕事の依頼がくる。好きな仕事だから、徹夜も苦にならないけど、そろそろ人手を増やしていきたいな、というくらい仕事は順調だ。収入が普通預金に貯まってくると、銀行から電話がうるさくなってくる。銀行の人と話している暇がないくらい忙しいので普通預金の額がどんどん増えていく。
実家は千葉県で電気屋をしている。父も母もベータ。子供の頃から、倉庫の故障したコンピューターで遊んでた。友達と遊ぶよりコンピューターの方が好き。父よりもコンピューターについての知識が豊富になり、小学生の時には近所のお得意さんのコンピューターの不具合の相談に乗るようになった。子供なのでおやつ程度でコンピューター修理してくれる拓哉は重宝された。
バースがアルファと判明してから突然女子にもてるようになったが、男女交際するよりコンピューターで遊んでる方が楽しかった。高校生の時は数学オリンピックや情報オリンピックの日本代表に選ばれ国際大会に出場した。高校までは公立だったので、ベータが多かったが、日本最高峰のT大に入学したところアルファが多くなった。アルファの中でも格付けがあるようでベータ家庭の拓哉は家柄としては二流扱いであった。しかし、誰よりもプログラミングができたので能力的には一目置かれていた。
アルファ同志は序列を付け合う。家柄が二流の拓哉の下につくのは一流のアルファにとってはプライドが傷付くらしくアルファからは敬遠された。ずっと昔から一匹オオカミなので敬遠されるのはどうでも良かった。そんな拓哉に愛想良く近寄ってきたアルファは沢渡優斗だった。アルファが近寄ってくるのは珍しかったので下心ありかと最初は勘ぐったが、優斗はベータにも同じように愛想良く、地方出身で知り合いがあまりいないので友人を作ろうとしているだけのようだった。
優斗もベータ家庭出身のため一流のアルファのような傲慢さはない。しかし、能力は高いので自分が一方的に助ける関係ではなく、拓哉が抜けている部分を補ってくれるため居心地が良かった。拓哉は学生時代からIT関連の起業をした。優斗も誘ったところ、公認会計士の資格をとり監査法人での研修が終わったら就職してくれることになった。
そんな優斗だが6月に結婚したばかりで新婚さんだ。相手はオメガ男性らしい。アルファとオメガだから男性同士でもなんの問題もないが、ベータ家庭で生まれ育った拓哉にとっては少し違和感があった。
(自分だったら漫画『さくゆり』に出てくるようなロリ巨乳女子がいいかな)
ちなみに拓哉のファンである大ヒット漫画『さくゆり』の作者如月梓と優斗の配偶者は同じ高校出身の先輩後輩の関係で、配偶者も漫画家らしい。
優斗は配偶者を溺愛しており拓哉もアルファなので番になるまでは会わせないと断言されていた。結婚式は親族のみで行われており、番になったのも結婚後のようで、まだ間もなく拓哉は会えてない。
(俺は男には興味ないんだけどな)
男というより、恋愛に興味ないのかもしれない。恋愛という行為は生産性がなく時間の無駄のように思う。子孫を残すのは生産性がある行為なのでいつかは見合いでもして結婚はするのかもしれない。でも子孫のこと以外で妻の相手をするのは面倒なように思う。
拓哉の妹はベータで今年大学3年生だ。T大には偏差値が足りなかったが、地元の国立C大に入学し楽しく青春を謳歌しているようだ。拓哉が誰とも恋愛しないのを心配している。
「私に似て、見た目は悪くないのに、少しはお洒落したら。お兄ちゃんはアルファなんだから、もてると思うよ」
友達を紹介されてダブルデートもしてみたが、家でコンピューターいじってた方がずっと楽しいと思った。
実家は千葉県で電気屋をしている。父も母もベータ。子供の頃から、倉庫の故障したコンピューターで遊んでた。友達と遊ぶよりコンピューターの方が好き。父よりもコンピューターについての知識が豊富になり、小学生の時には近所のお得意さんのコンピューターの不具合の相談に乗るようになった。子供なのでおやつ程度でコンピューター修理してくれる拓哉は重宝された。
バースがアルファと判明してから突然女子にもてるようになったが、男女交際するよりコンピューターで遊んでる方が楽しかった。高校生の時は数学オリンピックや情報オリンピックの日本代表に選ばれ国際大会に出場した。高校までは公立だったので、ベータが多かったが、日本最高峰のT大に入学したところアルファが多くなった。アルファの中でも格付けがあるようでベータ家庭の拓哉は家柄としては二流扱いであった。しかし、誰よりもプログラミングができたので能力的には一目置かれていた。
アルファ同志は序列を付け合う。家柄が二流の拓哉の下につくのは一流のアルファにとってはプライドが傷付くらしくアルファからは敬遠された。ずっと昔から一匹オオカミなので敬遠されるのはどうでも良かった。そんな拓哉に愛想良く近寄ってきたアルファは沢渡優斗だった。アルファが近寄ってくるのは珍しかったので下心ありかと最初は勘ぐったが、優斗はベータにも同じように愛想良く、地方出身で知り合いがあまりいないので友人を作ろうとしているだけのようだった。
優斗もベータ家庭出身のため一流のアルファのような傲慢さはない。しかし、能力は高いので自分が一方的に助ける関係ではなく、拓哉が抜けている部分を補ってくれるため居心地が良かった。拓哉は学生時代からIT関連の起業をした。優斗も誘ったところ、公認会計士の資格をとり監査法人での研修が終わったら就職してくれることになった。
そんな優斗だが6月に結婚したばかりで新婚さんだ。相手はオメガ男性らしい。アルファとオメガだから男性同士でもなんの問題もないが、ベータ家庭で生まれ育った拓哉にとっては少し違和感があった。
(自分だったら漫画『さくゆり』に出てくるようなロリ巨乳女子がいいかな)
ちなみに拓哉のファンである大ヒット漫画『さくゆり』の作者如月梓と優斗の配偶者は同じ高校出身の先輩後輩の関係で、配偶者も漫画家らしい。
優斗は配偶者を溺愛しており拓哉もアルファなので番になるまでは会わせないと断言されていた。結婚式は親族のみで行われており、番になったのも結婚後のようで、まだ間もなく拓哉は会えてない。
(俺は男には興味ないんだけどな)
男というより、恋愛に興味ないのかもしれない。恋愛という行為は生産性がなく時間の無駄のように思う。子孫を残すのは生産性がある行為なのでいつかは見合いでもして結婚はするのかもしれない。でも子孫のこと以外で妻の相手をするのは面倒なように思う。
拓哉の妹はベータで今年大学3年生だ。T大には偏差値が足りなかったが、地元の国立C大に入学し楽しく青春を謳歌しているようだ。拓哉が誰とも恋愛しないのを心配している。
「私に似て、見た目は悪くないのに、少しはお洒落したら。お兄ちゃんはアルファなんだから、もてると思うよ」
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