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解決

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「そ、それなら。俺に、最高の武器を見繕ってもらうのはどうだろう」

「武器ですか?」

 グランデが首を傾げた。美形が首を傾げる仕草に、ドキッとしない人はなかなかいないと思う。

「店を奪われて、暗殺者になってしまう程だ。武器屋という職業に誇りを持っているのだとしたら、武器や防具にも誇りを持っていてもおかしくない。そんな大切な武器が、憎き仇に渡るんだ。これ以上の罰はないと思うんだが」

 ゲーム内でロッドは、確か武器に愛着を持っていた。店で扱かう武器の全てを把握し、詳しく説明してくれる。そして、主人公に合わせた武器の選択や強化なども全てやってくれるのだ。それ程、武器に対して全てを注いできた男だ。相当の罰になる筈。それに、最高の武器は、俺のお金でロッドが調達をして、俺に渡すのだから、損にもならない。完璧だろう。

「そうですね。確かに、彼にとっては相当つらい罰になりますね。ライトは、どう思います?」

「あぁ、同感だな。それに、最高の武器となると値もはるし、つらいだろうな」

 グランデとライトの言葉にほっとした。二人とも納得してくれた様だ。これで、ロッドはたすか……。

「なぜだ」

 ロッドの声に驚きを隠せなかった。ロッドは、信じられないという表情をしている。

「俺が、お前に何をしたか忘れたのか! 憎いと思わないのか。俺の所為で……お前は傷ついたのに、なぜそんなに優しくできる?」

 ロッドの不安が伝わってくる。それもそうだ。命を狙われたというのに、なぜ優しくできるのか。それは、ロッドの内面や事情を知っているからだ。もしも、知らなかったら、俺はロッドを処刑していたかもしれない。それ程、恐怖や苦しみ、憎しみはあった。

「俺は、優しくない。ロッドから全てを奪った。その報いを受けた。これ以上に報復を受けたくないから、優しいフリをしただけだ」

 これ以上、バレる訳にはいかない。レイルなら言いそうな言葉を紡ぐ。本当は、ロッドの幸せを願ってるなんて言えやしない。

 俺の答えに、失望したのか。それとも、納得してくれなかったのか。ロッドは溜息を吐いた。どうすれば、納得してもらえるんだろう。

「そうかい。ブレイド様は、素直じゃない。可愛い所もあるって事か」

「え?」

 ロッドは、ニヤニヤし始めた。なんだか、俺の思っている様な感じではない? 誤解されてる?

「最高の武器か……。やりたくないが、命には換えられない。仕方がないな」

「ロッド!」

 歓喜余って、ロッドに飛びつこうとしたが、華麗に避けられてしまった。床へ盛大に転んだ。毛足の長い絨毯のおかげで痛みは少なかったが、痛いもの痛い。

「おっと、ただし、ちゃんとさっきの条件は頼むぜ。領主様」

 ロッドの揶揄うような優しい声とグランデの微笑み、ライトの笑い声に、やっと全てが終わったんだと思った。色々と誤解されているかもしれないが、部屋の中が優しい何かに包まれている様に感じた。
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