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猫耳
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※この話から3話位まで、残酷で強姦表現あります。ご注意下さい。
黒のタキシードとシャツのボタンが弾け飛んだ。乱暴に引き裂かれた布地は、破れ散り俺を彩る。包装を毟られた贈り物の様だ。
「くそ!」
力の入らない両手で傷の男の胸を押し除けようとした。だが、どうやっても退けられない。何故こんなにも、力が入らないんだ! ライトも一切動けない様だった。薬を盛られたとしても、おかしすぎる。
「無駄だ。痺れ霧から回復するには一日かかる。だが、なぜ動ける。一度効き出せば、一歩たりとも動けなくなる筈だが……」
傷の男の右手の親指が俺の下唇を撫でてくる。気持ち悪い筈なのに、左右と行ったり来たりする感覚に背筋がぞくぞくしてくる。
「前の毒の時も後遺症なし。面白い」
肩から胸、腹へと男の左手が肌の上をなぞっていく。くすぐられる様な感覚と腹の奥に何かがじわじわと溜まる様な感覚に身ぶるいし、戸惑う。撫でられているだけなのに……レイルの身体は感じやすい体質なのだろうか。
「ほぅ、感覚まで失っていないのか。ますます面白いなぁ! ブレイド様」
「やめろ!! レイル様に触れるな!!」
ライトの怒声が部屋の中に響く。腹に低く響くこの声に恐怖を抱かないのか傷の男は無視を決め込む様だ。
ズボンと下着を脱がされそうになり、抵抗しようとしたが、傷の男の手によって阻まれた。
「無意味なことを……。そんな事しても、こんなに楽しい事やめやしない」
邪魔な両手はいらないと男のベルトで一括りに縛られてしまった。
「ブレイド様、知ってるか? この魔道具の猫耳ってとっても気持ちいいらしいぞ」
耳元で囁かれる声がくすぐったい。それよりも何だその設定! 実にいらない!
男の右手が俺の頭の上にある猫耳まで向かう。猫耳の付け根からゆっくりと耳先まで撫でられた瞬間、ゾクゾクとした快感が頭から足のつま先まで走った。
「ひぁ!」
「甘いねぇ。もっと触って欲しいか」
「い、いやだ!」
「そうかい。それなら、よっこらしょ」
身体をひっくり返され、うつ伏せ状態にされた。男の顔が見えない。顔が見えないというのは、こんなにも不安で堪らなくなるのか。次に何をされるのか分からない恐怖と快感の板挟みでどうかなってしまいそうだ。
「ほら、気持ちよくてたまらないって言っているぜ」
その言葉と共に、尾てい骨あたりからビリビリとした快感が腰に響いた。何かに縋りつきたくてシーツを両手で掴む。
「ひぁあ!」
「後、尻尾の付け根が気持ちいいんだってな。可愛がってやる」
き、気持ちいい……。猫耳を右手でクニクニの弄られ、尻尾の付け根を、自慰するかの様に、上下に扱かれ愛撫される。
「んん、あぁ!」
自らあがる甘い声に、耳犯され、何が何だか分からなくなっていく。
「腰が揺れてるぜ。仔猫ちゃん。どうする? イかせてやろうか?」
重低音の声が耳元で囁く。イかせてやろうかという言葉が頭の中を支配する。
「どこを触って欲しい。気持ちいいところ、教えろよ」
イきたい。前を触って欲しい。言ってしまえと本能が囁く。そんなのだめだ。ライトがいるのに、言える訳がない。理性で押し留める。
「ち、違う!」
「そうか。それなら、終わりにしようか」
猫耳と尻尾から傷の男の手が離れていった。終わったんだ。そう思った俺は、甘かった。
黒のタキシードとシャツのボタンが弾け飛んだ。乱暴に引き裂かれた布地は、破れ散り俺を彩る。包装を毟られた贈り物の様だ。
「くそ!」
力の入らない両手で傷の男の胸を押し除けようとした。だが、どうやっても退けられない。何故こんなにも、力が入らないんだ! ライトも一切動けない様だった。薬を盛られたとしても、おかしすぎる。
「無駄だ。痺れ霧から回復するには一日かかる。だが、なぜ動ける。一度効き出せば、一歩たりとも動けなくなる筈だが……」
傷の男の右手の親指が俺の下唇を撫でてくる。気持ち悪い筈なのに、左右と行ったり来たりする感覚に背筋がぞくぞくしてくる。
「前の毒の時も後遺症なし。面白い」
肩から胸、腹へと男の左手が肌の上をなぞっていく。くすぐられる様な感覚と腹の奥に何かがじわじわと溜まる様な感覚に身ぶるいし、戸惑う。撫でられているだけなのに……レイルの身体は感じやすい体質なのだろうか。
「ほぅ、感覚まで失っていないのか。ますます面白いなぁ! ブレイド様」
「やめろ!! レイル様に触れるな!!」
ライトの怒声が部屋の中に響く。腹に低く響くこの声に恐怖を抱かないのか傷の男は無視を決め込む様だ。
ズボンと下着を脱がされそうになり、抵抗しようとしたが、傷の男の手によって阻まれた。
「無意味なことを……。そんな事しても、こんなに楽しい事やめやしない」
邪魔な両手はいらないと男のベルトで一括りに縛られてしまった。
「ブレイド様、知ってるか? この魔道具の猫耳ってとっても気持ちいいらしいぞ」
耳元で囁かれる声がくすぐったい。それよりも何だその設定! 実にいらない!
男の右手が俺の頭の上にある猫耳まで向かう。猫耳の付け根からゆっくりと耳先まで撫でられた瞬間、ゾクゾクとした快感が頭から足のつま先まで走った。
「ひぁ!」
「甘いねぇ。もっと触って欲しいか」
「い、いやだ!」
「そうかい。それなら、よっこらしょ」
身体をひっくり返され、うつ伏せ状態にされた。男の顔が見えない。顔が見えないというのは、こんなにも不安で堪らなくなるのか。次に何をされるのか分からない恐怖と快感の板挟みでどうかなってしまいそうだ。
「ほら、気持ちよくてたまらないって言っているぜ」
その言葉と共に、尾てい骨あたりからビリビリとした快感が腰に響いた。何かに縋りつきたくてシーツを両手で掴む。
「ひぁあ!」
「後、尻尾の付け根が気持ちいいんだってな。可愛がってやる」
き、気持ちいい……。猫耳を右手でクニクニの弄られ、尻尾の付け根を、自慰するかの様に、上下に扱かれ愛撫される。
「んん、あぁ!」
自らあがる甘い声に、耳犯され、何が何だか分からなくなっていく。
「腰が揺れてるぜ。仔猫ちゃん。どうする? イかせてやろうか?」
重低音の声が耳元で囁く。イかせてやろうかという言葉が頭の中を支配する。
「どこを触って欲しい。気持ちいいところ、教えろよ」
イきたい。前を触って欲しい。言ってしまえと本能が囁く。そんなのだめだ。ライトがいるのに、言える訳がない。理性で押し留める。
「ち、違う!」
「そうか。それなら、終わりにしようか」
猫耳と尻尾から傷の男の手が離れていった。終わったんだ。そう思った俺は、甘かった。
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