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仮装『銀猫』
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あっという間の出来事だった。グレアとメリーナの最速の技術により、鏡の中に映るレイルが、化粧と衣装だけでこうも変わるとは思わなかった。
「これが、俺なのか……」
「ブレイド様! とてもお似合いです!」
「レイル様、全国の女性が魅了される事間違いなしです」
二人が目を輝かせて言ってくる。
「あぁ、それは……」
実に、最悪な出来事である事間違いなしだろう。この姿をグランデやライトに見られたら、レイルの今まで積み上げてきたプライドという物がズタズタになる事間違いない。鏡の中に映るレイルの頭には灰色の猫耳が生えている。黒のタキシードに、赤のタイ、艶々の革靴、それと、背後で尻尾が垂れ下がっている。不思議な事に、耳や尻尾は俺の意志で動かせるという代物。魔法があると知ったばかりなのに、まさかこんな魔道具があるなんて思いもよらなかった。こんなことに、魔法技術を使うくらいなら違うことに使えば良いのに。目元を隠す、マスクをすればそこには銀猫の獣人が立っている光景に、溜息を吐いた。それと同時、猫耳も垂れる。感情が丸分かりのこの状況に、もう一つ溜息を吐く。
「それでは、参りましょうか」
グレアの声が悪魔の様に聞こえてくる。
「え、どこに……」
「エトワール様のお部屋ですよ。そろそろ、お二人も終わっていると思いますし、夜会にも遅れてしまいます」
グレアとメリーナに両脇を抱えられた。
「ま、待って! 嘘だ!!」
「大丈夫です! 似合ってますから!!」
メリーナよ! 似合っているとかはどうでもいいんだ! グランデ達の前に行くのが嫌なんだ。
「そういう意味じゃなくて!!」
「大丈夫です。エトワール様達も仮装されていますから、ご安心を」
「だから、違うんだよ!」
俺の悲鳴なんて関係なしに、グランデの部屋まで連行されてしまった。
「これが、俺なのか……」
「ブレイド様! とてもお似合いです!」
「レイル様、全国の女性が魅了される事間違いなしです」
二人が目を輝かせて言ってくる。
「あぁ、それは……」
実に、最悪な出来事である事間違いなしだろう。この姿をグランデやライトに見られたら、レイルの今まで積み上げてきたプライドという物がズタズタになる事間違いない。鏡の中に映るレイルの頭には灰色の猫耳が生えている。黒のタキシードに、赤のタイ、艶々の革靴、それと、背後で尻尾が垂れ下がっている。不思議な事に、耳や尻尾は俺の意志で動かせるという代物。魔法があると知ったばかりなのに、まさかこんな魔道具があるなんて思いもよらなかった。こんなことに、魔法技術を使うくらいなら違うことに使えば良いのに。目元を隠す、マスクをすればそこには銀猫の獣人が立っている光景に、溜息を吐いた。それと同時、猫耳も垂れる。感情が丸分かりのこの状況に、もう一つ溜息を吐く。
「それでは、参りましょうか」
グレアの声が悪魔の様に聞こえてくる。
「え、どこに……」
「エトワール様のお部屋ですよ。そろそろ、お二人も終わっていると思いますし、夜会にも遅れてしまいます」
グレアとメリーナに両脇を抱えられた。
「ま、待って! 嘘だ!!」
「大丈夫です! 似合ってますから!!」
メリーナよ! 似合っているとかはどうでもいいんだ! グランデ達の前に行くのが嫌なんだ。
「そういう意味じゃなくて!!」
「大丈夫です。エトワール様達も仮装されていますから、ご安心を」
「だから、違うんだよ!」
俺の悲鳴なんて関係なしに、グランデの部屋まで連行されてしまった。
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