死にゲーの世界のキャラに憑依したと思ったら、BL版の世界でした。 ～最悪領主になりきろうとしたが、日本人気質の所為でばれそうです～

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待っていた

　屋敷に到着し俺達を待っていたのは、メイドさん達だった。

「ブレイド様、こちらへどうぞ！！」

　メリーナがニコニコとしながら、俺の手を握ってくる。

「エトワール様、サージル様は、こちらへ」

「な、何です！」

「おい！　離せって！！」

　ぬいぐるみを強奪された二人は、三、四人のメイドさん達に囲まれ連行されていった。

「二人はどこに連れていかれたんだ？」

「その内分かります。さぁ、ブレイド様はこちらです」

　そういう俺も、メリーナに連行されていった。連れて行かれた部屋はレイルの寝室だった。中には、グレアがいた。

「お帰りなさいませ。レイル様」

「た、ただいま……それは何だ？」

　グレアの隣、マネキンのようなものがある衣装を着ていた。それを見た俺は、身震いした。流石に、あれは俺の衣装じゃない筈だ。そう、信じたい！

「はい！　ブレイド様の仮装用衣装になります！」

　ニコニコ笑ったメリーナに寒気がした。その笑顔は、偽りのない綺麗な笑みだった。

「うそだろ！」

「さぁさぁ、急がなければなりません。メリーナ、レイル様を」

「分かりました！」

　メリーナが背後から俺を羽交締めしてくる。逃れようと足掻くが、全くびくともしない。男で、戦で駆け回るレイルの体なのに、全く動けない。女の子に勝てないなんて……。それとも、メリーナが馬鹿力なのだろうか。だとしても、馬鹿力にも程がある！

「め、メリーナ！」

「心配しないで下さい！　すぐに終わりますから」

「レイル様。きっと似合います」

「う、無理だー！！」

　茜色から段々と暗くなっていく空の下。屋敷の中で、男達の悲鳴と女達の黄色の声が響いた。