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グランデ・エトワールの視点『主治医』
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夜勤担当の召使いに医師を呼ぶように伝え、メイド長の部屋に向かった。部屋の前にたどり着き、扉を少し強めにノックし、声をかけた。
「グレア様! 起きて下さい!!」
「……どうか致しましたか?」
部屋の扉が薄らと開き、中からメイド長のグレアが顔を見せた。艶は失っているが、肩まである金色の髪はいくつになっても綺麗に整えられ、背後で一本に縛られている。少し眠そうな銀色の瞳に、年配には見えないふっくらとした頬が特徴的だ。メイド長である彼女はレイル様の祖父時代から働いているメイドだ。この屋敷で一番の年長者でもある。
「レイル様が熱を出されまして」
他の者はレイル様を恐れて、介抱してくれないだろう。いつもレイル様の体調が崩れた時に、対応してくれるのは私とライトを除けばグレアだけだ。
「やはり……わかりました。今、着替えて参ります」
「……お願い致します」
グレアは部屋の中へと戻っていった。
さぁ、私ものんびりとしては居られない。厨房へ行き、氷嚢を用意して、レイル様が目を覚めた時に少しでも食べられるものを準備しておかなければ。
氷嚢を作り持ってレイル様の部屋へ入ると、紅の鞄を持ち、白衣を着た人物がレイル様のベッドの脇に立っていた。
「夜分、遅くに申し訳ありません」
「夜中に呼びつけるなんて、本当に大迷惑な領主様だな」
そう言いながらこちらを振り向いた男は、クリスト・マルバール医師だ。夜中というが、オールバックに整えられた深緑の髪はあからさまに起きていた事を物語っている。ずり落ちてきた眼鏡を指で軽く上げ、こちらを睨む瞳は空色だ。幼い頃のレイル様を診てくれていた老医師の弟子で暴言を吐きつつもレイル様の主治医をしてくれている。
「その言葉、聞かれたら反逆罪で処刑されますよ」
「別に構わん。俺を殺して困るのは領主様だからな」
マルバールは紅の鞄を絨毯の上に置き、中から聴診器を取り出した。確かに、彼が診てくれなくなれば、レイル様は病に苦しむ事になるだろう。街に住む他の医師は、レイル様の言いがかりや懲罰を恐れて診たがらない。
「たく、爺ぃの遺言がなければ、今頃違う国に行くっていうのに」
文句を言いつつも、しっかりと診療を始めてくれている。レイル様の胸元のボタンを外し、聴診器を胸元に当て胸の音を聞き始めた。
「そう言う割には、きちんと診て頂けて助かってます」
「お前は、なんでこんな奴について歩いてるんだ? お前ほどの腕があれば断罪できるだろ」
「……自分でもよくわかりません」
そう、よく分からないのだ。領民を人質に取られたというのは理由としてあるが、それ以上に、何かが私を押し留める。
その他にもレイル様を断罪できない理由がある。それは貴族達だ。もし、貴族達の都合ばかりの良い世の中になれば、泣くのは平民達だ。そんな貴族達を束ね、抑え込んでいるのはレイル様だ。貴族達はレイル様を崇拝している。貴族達にとって儲かる話や策をレイル様は持ってくるからだ。それだけではない、他の領主達とのやり取りも上手である為、領地を奪われる事も起きていない。
レイル様を断罪しても良いが、次の領主がすぐに同じ様に出来なければ、弱みにつけ込まれ近隣の領主に領地を奪われてしまうだろう。その為には準備する時間が必要なのだ。レイル様に気付かれないように、貴族達や他の領主達との大きな繋がりを作る。そして、私が裏で様々な事を対処出来る様に、表立って領主となる人物が必要だ。そう思った瞬間に、チクリと胸が痛んだ。痛む理由が分からず、右手で痛んだ胸をさする。
「まぁ、良いけど。ただの風邪だな」
「そ、そうですか」
「元々、身体は強くないからな。まさかと思うが、酒を飲んだりしてないだろうな」
「申し訳ありません。飲ませた馬鹿がいまして……」
「弱い癖に飲んだのか! 全く、飲酒と疲れ、後、季節の変わり目だからな。自律神経が乱れ、抵抗力が下がったんだな」
聴診器を外し、レイル様の着衣を元に戻したマルバールは紅の鞄を持ってベッドから離れて行った。
「薬は用意して、後で持ってくる」
「いつも申し訳ありません」
「爺ぃに感謝しろよ」
そう言い捨て、マルバールは扉を開けて部屋から出ていった。
レイル様の枕元へと近づく。苦しそうに呼吸をしながら眠るその姿に、何故だか感じた事のない感情に見舞われた。ふわふわの枕に埋もれたレイル様の額に触れる。
「まだ、熱いですね。もうすぐ、楽になれます」
氷嚢を額に乗るように吊るす。その冷たさに、起きたのか瞼がゆっくりと開かれた。熱に浮かされた翡翠と漆黒のオッドアイは涙に濡れて、とても綺麗だと思った。
「おれ……しん、じゃう……の」
不安そうにこちらを見るレイル様を見て、幼い頃の彼を思い出した。あの時のレイル様はとても輝いていて、生き物に優しい子だった。
「心配要りません。もうすぐ、薬がきますから」
「ぐ、らんで……」
「はい? どうしました?」
「あり、がと……う」
何の礼なのか、分からない。それでも、レイル様が微笑んで言ってくれたその言葉を私は一生忘れないだろう。
「お気にせず、ゆっくり休んで下さい」
「かえ、して……」
「何です?」
「め、りーなに……とち。かえ、して」
「土地ですか?」
「かえす……と、やくそ……く」
「分かりました。熱が下がったら、詳しく決めましょう。今は、眠って下さい」
眠りを促すように、頬を撫でた。熱いが、すべすべの肌はずっと触っていたいと思える程だった。私の手が冷たくて気持ち良いのか、レイル様が頬を擦り寄せ目を閉じられた。
体調を崩し、苦しい思いをしていると言うのに、他者の事を考えているのか。以前のレイル様ではあり得ない事だ。
「おやすみなさい」
そう呟いた時、扉を開く音聞こえた。振り向くと、グレアがこちらに向かって歩いてきていた。
「エトワール様、どうですか?」
「今、眠られた所です。後で、主治医が薬を持ってきて下さるそうです」
「そうですか。後は、私が致します。エトワール様はお休み下さい」
「申し訳ありませんが、お願い致します」
「お気にせず、お任せ下さい」
最後に、レイル様の頬に添えたままだった右手をそのまま顎先へと滑らせ、人差し指でそっと唇に触れて離した。
後をグレアに任せてレイル様の寝室から出た。自室に戻り、柔らかなベッドに横になる。右手を持ち上げ、じっと見つめる。親指で人差し指を撫で、先程の柔らかな感触を思い出す。なぜ、レイル様の唇に触れる様なことをしたのだろう。自分でもよく分からない事だった。
「グレア様! 起きて下さい!!」
「……どうか致しましたか?」
部屋の扉が薄らと開き、中からメイド長のグレアが顔を見せた。艶は失っているが、肩まである金色の髪はいくつになっても綺麗に整えられ、背後で一本に縛られている。少し眠そうな銀色の瞳に、年配には見えないふっくらとした頬が特徴的だ。メイド長である彼女はレイル様の祖父時代から働いているメイドだ。この屋敷で一番の年長者でもある。
「レイル様が熱を出されまして」
他の者はレイル様を恐れて、介抱してくれないだろう。いつもレイル様の体調が崩れた時に、対応してくれるのは私とライトを除けばグレアだけだ。
「やはり……わかりました。今、着替えて参ります」
「……お願い致します」
グレアは部屋の中へと戻っていった。
さぁ、私ものんびりとしては居られない。厨房へ行き、氷嚢を用意して、レイル様が目を覚めた時に少しでも食べられるものを準備しておかなければ。
氷嚢を作り持ってレイル様の部屋へ入ると、紅の鞄を持ち、白衣を着た人物がレイル様のベッドの脇に立っていた。
「夜分、遅くに申し訳ありません」
「夜中に呼びつけるなんて、本当に大迷惑な領主様だな」
そう言いながらこちらを振り向いた男は、クリスト・マルバール医師だ。夜中というが、オールバックに整えられた深緑の髪はあからさまに起きていた事を物語っている。ずり落ちてきた眼鏡を指で軽く上げ、こちらを睨む瞳は空色だ。幼い頃のレイル様を診てくれていた老医師の弟子で暴言を吐きつつもレイル様の主治医をしてくれている。
「その言葉、聞かれたら反逆罪で処刑されますよ」
「別に構わん。俺を殺して困るのは領主様だからな」
マルバールは紅の鞄を絨毯の上に置き、中から聴診器を取り出した。確かに、彼が診てくれなくなれば、レイル様は病に苦しむ事になるだろう。街に住む他の医師は、レイル様の言いがかりや懲罰を恐れて診たがらない。
「たく、爺ぃの遺言がなければ、今頃違う国に行くっていうのに」
文句を言いつつも、しっかりと診療を始めてくれている。レイル様の胸元のボタンを外し、聴診器を胸元に当て胸の音を聞き始めた。
「そう言う割には、きちんと診て頂けて助かってます」
「お前は、なんでこんな奴について歩いてるんだ? お前ほどの腕があれば断罪できるだろ」
「……自分でもよくわかりません」
そう、よく分からないのだ。領民を人質に取られたというのは理由としてあるが、それ以上に、何かが私を押し留める。
その他にもレイル様を断罪できない理由がある。それは貴族達だ。もし、貴族達の都合ばかりの良い世の中になれば、泣くのは平民達だ。そんな貴族達を束ね、抑え込んでいるのはレイル様だ。貴族達はレイル様を崇拝している。貴族達にとって儲かる話や策をレイル様は持ってくるからだ。それだけではない、他の領主達とのやり取りも上手である為、領地を奪われる事も起きていない。
レイル様を断罪しても良いが、次の領主がすぐに同じ様に出来なければ、弱みにつけ込まれ近隣の領主に領地を奪われてしまうだろう。その為には準備する時間が必要なのだ。レイル様に気付かれないように、貴族達や他の領主達との大きな繋がりを作る。そして、私が裏で様々な事を対処出来る様に、表立って領主となる人物が必要だ。そう思った瞬間に、チクリと胸が痛んだ。痛む理由が分からず、右手で痛んだ胸をさする。
「まぁ、良いけど。ただの風邪だな」
「そ、そうですか」
「元々、身体は強くないからな。まさかと思うが、酒を飲んだりしてないだろうな」
「申し訳ありません。飲ませた馬鹿がいまして……」
「弱い癖に飲んだのか! 全く、飲酒と疲れ、後、季節の変わり目だからな。自律神経が乱れ、抵抗力が下がったんだな」
聴診器を外し、レイル様の着衣を元に戻したマルバールは紅の鞄を持ってベッドから離れて行った。
「薬は用意して、後で持ってくる」
「いつも申し訳ありません」
「爺ぃに感謝しろよ」
そう言い捨て、マルバールは扉を開けて部屋から出ていった。
レイル様の枕元へと近づく。苦しそうに呼吸をしながら眠るその姿に、何故だか感じた事のない感情に見舞われた。ふわふわの枕に埋もれたレイル様の額に触れる。
「まだ、熱いですね。もうすぐ、楽になれます」
氷嚢を額に乗るように吊るす。その冷たさに、起きたのか瞼がゆっくりと開かれた。熱に浮かされた翡翠と漆黒のオッドアイは涙に濡れて、とても綺麗だと思った。
「おれ……しん、じゃう……の」
不安そうにこちらを見るレイル様を見て、幼い頃の彼を思い出した。あの時のレイル様はとても輝いていて、生き物に優しい子だった。
「心配要りません。もうすぐ、薬がきますから」
「ぐ、らんで……」
「はい? どうしました?」
「あり、がと……う」
何の礼なのか、分からない。それでも、レイル様が微笑んで言ってくれたその言葉を私は一生忘れないだろう。
「お気にせず、ゆっくり休んで下さい」
「かえ、して……」
「何です?」
「め、りーなに……とち。かえ、して」
「土地ですか?」
「かえす……と、やくそ……く」
「分かりました。熱が下がったら、詳しく決めましょう。今は、眠って下さい」
眠りを促すように、頬を撫でた。熱いが、すべすべの肌はずっと触っていたいと思える程だった。私の手が冷たくて気持ち良いのか、レイル様が頬を擦り寄せ目を閉じられた。
体調を崩し、苦しい思いをしていると言うのに、他者の事を考えているのか。以前のレイル様ではあり得ない事だ。
「おやすみなさい」
そう呟いた時、扉を開く音聞こえた。振り向くと、グレアがこちらに向かって歩いてきていた。
「エトワール様、どうですか?」
「今、眠られた所です。後で、主治医が薬を持ってきて下さるそうです」
「そうですか。後は、私が致します。エトワール様はお休み下さい」
「申し訳ありませんが、お願い致します」
「お気にせず、お任せ下さい」
最後に、レイル様の頬に添えたままだった右手をそのまま顎先へと滑らせ、人差し指でそっと唇に触れて離した。
後をグレアに任せてレイル様の寝室から出た。自室に戻り、柔らかなベッドに横になる。右手を持ち上げ、じっと見つめる。親指で人差し指を撫で、先程の柔らかな感触を思い出す。なぜ、レイル様の唇に触れる様なことをしたのだろう。自分でもよく分からない事だった。
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