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想い合った行為
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ローションを纏った海斗の指が一本、俺の後孔に挿入されていく。痛みは無いが異物感がある。何かに気付いた海斗が優しく微笑む。
「俺達との最後から、誰ともしてなかったんだね。痛くない?」
「大、丈夫」
海斗に心配かけたくない。
「ごめんね。優しくしてあげるから我慢してね」
ゆっくりと、中を解す様に指が動く。初めてされた時は痛くて気持ち悪くて最悪だったのに、今は期待に揺れ動き、気持ち良い場所を触って欲しくて堪らない。ある一点を海斗の指が偶然触れた。びりびりとした快感が駆け抜けて、気持ちが良い。
「ふぁあ! かい、と、もっと……」
「ここ? 好き?」
海斗の言葉に小さく頷いた。
「気持ち良いんだね。顔、真っ赤だ」
その言葉と共に指が気持ち良い場所を引っ掻く様に動く。
「あ、ああ、ん、ああ、んん」
気持ち良くて喘ぐのを止められない。
一本から二本、三本と増えていき、中をばらばらと指が動く。強い快楽に何もかも分からなくなった。
「可愛い。そろそろ俺に、ここ頂戴」
海斗の指が抜けていく。イきそびれた中は、いかないでと海斗の指を締め付ける。
「大丈夫だよ。もっと良いものあげる」
抜けた指の代わりに、熱く硬いものが宛てがわれた。欲しいと願ったものが貰えると期待して中が疼く。
「かいと、あいしてる……」
「俺も愛してる」
俺の気遣う様に、海斗の屹立がゆっくりと挿入されていく。ぐちゅっという水音が愛されていると教えてくれているようで、嬉しくて身体を震わせた。海斗の顔が間近に見えた。俺の表情を何一つ見落とさない様にじっと見つめるその表情は、とても優し気なのに少し辛そうだ。一気に挿れたいのを我慢してくれているからだろうか。その優しさに、涙が溢れた。
「あきちゃん!? 痛かった?」
その言葉に、頭を振って答えた。
「痛くない。俺幸せだ。こんなにも優しい彼氏がいるんだから」
中にある海斗の屹立が少し大きくなった気がする。
「煽らないで」
耳元で囁かれたと同時に、ゆっくりと挿れられていた屹立が最奥に到着した。ぐっと押し込まれて、快感がお腹から頭へとはしる。抽送しながら、俺の良い所をカリで引っ掻くように刺激してくる。びりびりした快感に頭が可笑しくなっていく。
「ふ、あ、んん、いあぁ、そこだぁ、あ、めぇ、んん!」
ぐちゅぐちゅと響く水音と、自らあがる甘い嬌声に恥ずかしくなった。激しくなっていく快感に怯え、何かに縋りたくなって海斗に向かって両手を伸ばす。俺の動きに気づいた海斗が、俺の両手を自らの首元へと導いてくれた。首元から背中へと手を回した。
「ふぁあ! もう、い、んん、あ、あぁ!」
「イって。今だけは、可愛い顔を俺だけに見せて」
段々早くなる抽送に与えられた快感に、頭が真っ白に染まった。
「あぁぁああ!」
熱い。お腹の中に、熱い何かがどくどくと吐き出されているのが分かる。それが海斗のものだって思うと嬉しい。
ぼんやりとした視界の中で海斗が気怠そうに俺を見ている。
「可愛かった」
優し気に笑う海斗に惚れ直してしまった事は言うまでもない。俺の彼氏、格好良すぎる。
海斗の顔が段々と近づいてくる。キスされるのかな、なんて思っていたその時。
「やっぱりね。ちょっとズルくない。俺を出し抜いてさ、感謝して欲しいくらいだよ」
扉が開くと共にそんな不平不満な声が聞こえてきた。海斗が毛布で俺を隠す様に覆ってきた。
「大地か、驚かすなよ」
「酔っ払い三人と心配性な兄さんをやっとの思いで、部屋に押し込んできたのに。その間海斗は、愛しの恋人とヤってたなんて羨ましいよね。俺だって、あきくんと恋人同士なのに」
大地の爽やかな香りが、海斗の甘い香りと入り混じる。大地がゆっくりとベットに近づいてきた。
「良いだろ。俺だってあきちゃんと一緒に居たかったんだ」
「俺も居たいんだよ。やっと逢えて恋人になれたのに」
大地の嫉妬に気づいた俺は、喧嘩を止めようと毛布から出てそっとベットから立ち上がった。海斗は優しく抱いてくれたけど、久しぶりの交わりに身体はついて来てくれなかった。ふらついた身体は床へと向かって倒れていく。痛いのが来ると予知した身体は耐えるために強張った。
「あきくん! 大丈夫!」
「怪我ない!?」
温かな四本の腕が支えてくれたお陰で転倒しないで済んだ。それなのに、瞳から一筋涙が頬を伝った。
「あきちゃん?」
「どうしたの?」
二人が俺の顔を心配そうに覗く。薄明かりに光る銀髪に両手を伸ばして、二人の髪を触った。
「喧嘩しないで。俺は、優しい二人が大好きだ」
にっこりと笑えただろうか。唖然としていた二人が、微笑んでくれた所を見ると笑えていた様だ。
「あきちゃんには敵わないな」
「そうだね。喧嘩はやめるよ。その代わり……」
そう言った大地が俺をベットへと座らせた。どうしたのか見上げると、大地の瞳がギラギラと輝いている様な気がする。まぁ、そうなるよな。なんて、他人事の様に見ていると、大地がスーツを脱ぎ出した。ジャケットが床に落ち、ワイシャツのボタンを外していく大地。服の合間から見える肌と筋肉に目が離せない。
「俺にも、ヤらせてね」
「うん。優しく抱いてくれ」
「あきちゃん……身体大丈夫?」
断れない。海斗との交わりで疲れて眠たいが、寂しさを必死に隠した瞳をしている大地を邪険に扱う事なんて出来ない。もし、ここで大地を突き放せば、俺の大好きな大地は居なくなってしまうだろう。
優しい海斗の気持ちが心を温かくしてくれる。俺を求めてくれる大地に身体が火照る。
「大丈夫。俺、大地にも愛されてるって身体で感じたい」
「……ありがとう、あきくん。俺達を受け止めてくれて」
瞳から一筋の涙を溢した大地が俺をぎゅっと抱きしめてきた。そんな、寂しがり屋の双子の弟を見つめる兄は微笑んでいた。
「俺達との最後から、誰ともしてなかったんだね。痛くない?」
「大、丈夫」
海斗に心配かけたくない。
「ごめんね。優しくしてあげるから我慢してね」
ゆっくりと、中を解す様に指が動く。初めてされた時は痛くて気持ち悪くて最悪だったのに、今は期待に揺れ動き、気持ち良い場所を触って欲しくて堪らない。ある一点を海斗の指が偶然触れた。びりびりとした快感が駆け抜けて、気持ちが良い。
「ふぁあ! かい、と、もっと……」
「ここ? 好き?」
海斗の言葉に小さく頷いた。
「気持ち良いんだね。顔、真っ赤だ」
その言葉と共に指が気持ち良い場所を引っ掻く様に動く。
「あ、ああ、ん、ああ、んん」
気持ち良くて喘ぐのを止められない。
一本から二本、三本と増えていき、中をばらばらと指が動く。強い快楽に何もかも分からなくなった。
「可愛い。そろそろ俺に、ここ頂戴」
海斗の指が抜けていく。イきそびれた中は、いかないでと海斗の指を締め付ける。
「大丈夫だよ。もっと良いものあげる」
抜けた指の代わりに、熱く硬いものが宛てがわれた。欲しいと願ったものが貰えると期待して中が疼く。
「かいと、あいしてる……」
「俺も愛してる」
俺の気遣う様に、海斗の屹立がゆっくりと挿入されていく。ぐちゅっという水音が愛されていると教えてくれているようで、嬉しくて身体を震わせた。海斗の顔が間近に見えた。俺の表情を何一つ見落とさない様にじっと見つめるその表情は、とても優し気なのに少し辛そうだ。一気に挿れたいのを我慢してくれているからだろうか。その優しさに、涙が溢れた。
「あきちゃん!? 痛かった?」
その言葉に、頭を振って答えた。
「痛くない。俺幸せだ。こんなにも優しい彼氏がいるんだから」
中にある海斗の屹立が少し大きくなった気がする。
「煽らないで」
耳元で囁かれたと同時に、ゆっくりと挿れられていた屹立が最奥に到着した。ぐっと押し込まれて、快感がお腹から頭へとはしる。抽送しながら、俺の良い所をカリで引っ掻くように刺激してくる。びりびりした快感に頭が可笑しくなっていく。
「ふ、あ、んん、いあぁ、そこだぁ、あ、めぇ、んん!」
ぐちゅぐちゅと響く水音と、自らあがる甘い嬌声に恥ずかしくなった。激しくなっていく快感に怯え、何かに縋りたくなって海斗に向かって両手を伸ばす。俺の動きに気づいた海斗が、俺の両手を自らの首元へと導いてくれた。首元から背中へと手を回した。
「ふぁあ! もう、い、んん、あ、あぁ!」
「イって。今だけは、可愛い顔を俺だけに見せて」
段々早くなる抽送に与えられた快感に、頭が真っ白に染まった。
「あぁぁああ!」
熱い。お腹の中に、熱い何かがどくどくと吐き出されているのが分かる。それが海斗のものだって思うと嬉しい。
ぼんやりとした視界の中で海斗が気怠そうに俺を見ている。
「可愛かった」
優し気に笑う海斗に惚れ直してしまった事は言うまでもない。俺の彼氏、格好良すぎる。
海斗の顔が段々と近づいてくる。キスされるのかな、なんて思っていたその時。
「やっぱりね。ちょっとズルくない。俺を出し抜いてさ、感謝して欲しいくらいだよ」
扉が開くと共にそんな不平不満な声が聞こえてきた。海斗が毛布で俺を隠す様に覆ってきた。
「大地か、驚かすなよ」
「酔っ払い三人と心配性な兄さんをやっとの思いで、部屋に押し込んできたのに。その間海斗は、愛しの恋人とヤってたなんて羨ましいよね。俺だって、あきくんと恋人同士なのに」
大地の爽やかな香りが、海斗の甘い香りと入り混じる。大地がゆっくりとベットに近づいてきた。
「良いだろ。俺だってあきちゃんと一緒に居たかったんだ」
「俺も居たいんだよ。やっと逢えて恋人になれたのに」
大地の嫉妬に気づいた俺は、喧嘩を止めようと毛布から出てそっとベットから立ち上がった。海斗は優しく抱いてくれたけど、久しぶりの交わりに身体はついて来てくれなかった。ふらついた身体は床へと向かって倒れていく。痛いのが来ると予知した身体は耐えるために強張った。
「あきくん! 大丈夫!」
「怪我ない!?」
温かな四本の腕が支えてくれたお陰で転倒しないで済んだ。それなのに、瞳から一筋涙が頬を伝った。
「あきちゃん?」
「どうしたの?」
二人が俺の顔を心配そうに覗く。薄明かりに光る銀髪に両手を伸ばして、二人の髪を触った。
「喧嘩しないで。俺は、優しい二人が大好きだ」
にっこりと笑えただろうか。唖然としていた二人が、微笑んでくれた所を見ると笑えていた様だ。
「あきちゃんには敵わないな」
「そうだね。喧嘩はやめるよ。その代わり……」
そう言った大地が俺をベットへと座らせた。どうしたのか見上げると、大地の瞳がギラギラと輝いている様な気がする。まぁ、そうなるよな。なんて、他人事の様に見ていると、大地がスーツを脱ぎ出した。ジャケットが床に落ち、ワイシャツのボタンを外していく大地。服の合間から見える肌と筋肉に目が離せない。
「俺にも、ヤらせてね」
「うん。優しく抱いてくれ」
「あきちゃん……身体大丈夫?」
断れない。海斗との交わりで疲れて眠たいが、寂しさを必死に隠した瞳をしている大地を邪険に扱う事なんて出来ない。もし、ここで大地を突き放せば、俺の大好きな大地は居なくなってしまうだろう。
優しい海斗の気持ちが心を温かくしてくれる。俺を求めてくれる大地に身体が火照る。
「大丈夫。俺、大地にも愛されてるって身体で感じたい」
「……ありがとう、あきくん。俺達を受け止めてくれて」
瞳から一筋の涙を溢した大地が俺をぎゅっと抱きしめてきた。そんな、寂しがり屋の双子の弟を見つめる兄は微笑んでいた。
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