絶望の白 〜狼の館から脱出せよ〜

番傘と折りたたみ傘

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快楽の虜

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 あれから、どれだけの時間が立ったのだろう。周りが何かを言っているが、よく分からなくなった頭では理解できない。
 それよりも気持ちが良くて、打ちつけられる腰に両足をまわす。誰かなんて分からない。両手を誰かの首に回し、キスを強請る。絡み合う舌が気持ちいい。

「ん、ん、んん!!」

 何度目の絶頂だろう。吐き出すものもなくなった陰茎はビクビクと震える。熱いものをお腹の中で感じたのは何度目だ。グチョグチョにされた後孔は、びりびりとした快楽で痙攣している。抜け出た屹立は誰のもので、新たに挿入された屹立が誰のものかなんて、もうどうでも良い。快楽を与えてくれる物が全てになった俺は、新たに抱いてくれる人に抱きついた。

「あ、あ、くぅ、あぁぁあああ!!」

「大分染まったね。もうすぐ、君は孤独から解放される。」

 良太の囁きが、天の声の様に聞こえる。自由になれる。もう、悩まされなくて済む。
 嬉しくて、俺は良太に微笑んだ。


 いつ終わったのか分からない。誰も俺に触れてこない。全身、汗と唾液と白濁に塗れてベタベタだ。段々と理性が戻ってくる。何かの足音が迫ってくる。もう、孤独なんて嫌だ。快楽が欲しい。何も分からなくなるほどの快楽を俺に……。

 たっぷり犯され快楽主義になってしまった頭は、どうすれば快楽を与えて貰えるか。どうすれば屹立を後孔に入れて貰えるか、それしか考えられなかった。

 たっぷり犯された後孔からは白濁がこぼれ落ちる。そこに自ら指を入れてかき混ぜる。足りない、奥に欲しい。もっと、お腹一杯になるまで注いで。

「俺に、おちんちん挿れて下さい!」

 自分が何言ってるのか分かってる。疼く体、屹立を求めてなく後孔に頭が支配されて、それでも良いと思ってしまう。悲しく泣く心が遠くから俺を見ている。欲しいのはこれじゃない。助けてと泣いているのを無視する。気持ち良いが欲しい。

「堕ちたな。贄の完成だ」

 良太が寝そべる俺の隣に座る。見下す様に俺を見つめ、自慰に耽ける俺の指に指を重ねて、後孔をかき混ぜ良い所を突いてくる。

「あぁぁぁああ!!」

 気持ちいい。寂しいのはもう嫌だ、一人になりたくない。快楽に浸れば浸るほど、寂しくなくなる。もっと、俺を犯して。イった筈なのに、勃ち上がった陰茎からは何も出なかった。

「例の部屋に連れて行け」

 後孔から指を抜かれて、寂しいと泣く様にきゅんきゅんと締まる。

 誰に抱き上げられたかなんて分からない。快楽に埋め尽くされてもう、どうでも良くなった。
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