絶望の白 〜狼の館から脱出せよ〜

番傘と折りたたみ傘

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快楽の導き 第三と第四と第五の狼

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 濡れる視界の中で、苦しそうに俺を見つめる幸平が映った。なんで、お前が苦しそうなんだよ。慰めたくて幸平の頬に触れたかったが、押さえつけられた腕は上げられなかった。

「幸平、もう良いですよ」

 俺の手を押さえていた幸平が離れて行く。そんな幸平を視線で追う。俺、酷いことされたのになんで慰めたいなんて思ったのだろう。分からない。

「子羊ちゃん。よそ見ですか」

 後孔からのびりびりとした快感が襲ってくる。急な感覚に驚き、俺に覆いかぶさっている聖司を見る。いつの間にか、両手を聖司の片手で頭上に拘束され、屹立を挿入されていた。

 聖司の背後に良太が立ち、俺の羞恥を見つめてくる。視姦されるなんて慣れたと思っていたが、こんなにじっくりと見られるのは嫌だ。

 聖司の顔が、驚き、それから苦しそうな表情に変わった。

 聖司が上半身を倒し、俺の耳元で囁く。

「目を瞑りなさい。それから、好きな人に抱かれてるのだと思いなさい」

 好きな人。

「海斗……大地……」

 心で思った筈の名前は、ぼそっと口から出てしまった。

「そう、良い子」

 聖司の体が俺を覆い隠す。聖司の首元で周りの様子が見えない。

「聖司、見えんぞ」

「兄さん。すみませんが、私は密着する体位が好きなので、このままさせて貰います」

 聖司、なんで。嘘なんてついた。

 疑問を問う前に、聖司の屹立が抽送を始めた。湧き上がる快感と共にぐちゅぐちゅと水音が響く。目を瞑ると、海斗の優しい責めが思い出される。ゆっくりと抽送し、俺の快感を高めて行く。聖司と俺の腹に挟まれ扱かれ陰茎からも快感が襲ってくる。大地に扱かれている時を思い出す。ゆったりとだが、確実に追い込んでくる動きに喘いでしまう。

「あ、あ、ん、あぁ」

「ほら、イっても良いだよ」

 聖司の声なのに、海斗と大地に言われている様に思ってしまった。その瞬間に大きく腰を叩きつけられて、イかされた。

「ああ!!」

 身体が快楽に震える。お腹の中に熱いものが吐き出されるのが分かった。もう、疲れた。やめたい。聖司が離れて行く。その表情は辛そうだった。

 何で、あんなに優しく抱いて辛そうな表情をする。憎めなくなってしまいそうで、怖い。聖司は何を考えているんだ。

「ちっ、面倒だ。拓也と幸平でヤり潰せ」

 俺がまだ壊れていない事に腹が立っているのか。良太が3Pを強要してきた。

「仕方がない。やんぞ、幸平」

「……分かった」

 逃げたいのに、連続でイかされた身体はピクリとも動かせない。幸平に抱き上げられ、座った幸平を背に膝の上に座らせられる。屹立がゆっくりと後孔に挿入されて行く。

「あぁ、ああ!」

「ごめん。せめて痛くないのにするから」

 優しく奥を突く様な、突き上げに抵抗できない。目の前に拓也の屹立が突きつけられた。拓也の顔を見上げる。

「すまない。早く終わらせる」

 顎を掴まれ、指が口腔に差し入れられ開く様に促される。

 嘘、無理だ。拓也のものなんて入らない。顎が外れてしまう。嫌だと、小さく首を左右に振る。

「命令なんだ。逆らうとふわふわちゃんが酷い目にあう。二本差しなんて、嫌だろ」

「綿菓子ちゃん。お願いだ、口を開けて。じゃないと、ここに、二本挿れる事になるんだよ」

 幸平が、屹立を咥えている後孔の際を撫ぜる。二本だって。そんな事したら切れてしまう。痛いのなんて嫌だ。

 顎が外れるのと、お尻が切れるの。どっちが痛くないのだろう。恐怖の所為で、決意が付かない。

「どうした。上がダメなら、下に突っ込めば良いだろ」

 焦れたのか、良太が煽り出した。まずい、このままだと二本突っ込まれる。仕方が無しに、大きく口を開けた。

「すまない」

 拓也の巨根の屹立が口腔内に挿れられる。顎が限界までに開かされるが、大きくて全て収まらない。喉奥に少し亀頭が当たり、苦しい。涙で濡れた視界に苦悶を浮かべた拓也が映る。どうして、聖司も幸平も、拓也もそんなに辛い顔するんだ。そんな顔するなら、俺を逃してくれよ。

「んん!!」

 幸平に後孔を突き上げられ、頭の中が快楽に染まって行く。拓也にご奉仕させられて、頭がおかしくなって行く。さっきまでの恐怖はどこに行ったのだろう。気持ちがいい。咥えている屹立が美味しくて、舌を這わせる。

 もう、何が良い事で悪い事なんて分からない。全てが快感で気持ちがいい。全身を貫く快感で頭の中が霧がかる。

 良太が耳元で囁く。

「快楽は、君の味方さ。堕ちちゃいなよ」

 快楽に染まった頭は、良太の誘惑に唆された。快楽に染まっている時だけ、孤独を感じない。海斗と大地を想って泣くこともない。全て考えないで済む。楽になれる。そんな誘惑が俺を襲う。もう、自由になりたい。

 “置いて行かないで。一人にしないで。寂しいんだ”

 誰かが泣いている。誰なのか分からない。しかし、構っている暇はない。
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