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二人から贈られる物 第一と第二の狼
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脱衣場に戻り、長椅子に座らせて貰う。クリーム色のバスタオルが肩にかけられた。あれ、爽やかな香りが鼻腔を擽る。
「これ、大地のバスタオル?」
「そう、洗ったばかりだから安心して」
「うん。あのさ、もしかしてだけど一人一人専用のバスタオルがあるのか?」
なんでそんな事を聞くんだと言う様に、大地と海斗が首を傾げた。初めて二人が同時に同じ行動をした所を見た気がする。あれ? 前にも見たかな?
「そうだけど。何か変?」
「いや、普通。家族だったら一緒の奴使うと思うんだけど」
「え!? 無理だよ。生理的に無理」
大地が心底嫌な顔をしている。
「俺も。大地なら良いけど、他の兄さんと一緒なんて無理だな。幸平とかに汚染されたら、燃やすわ」
そこまで、弟を毛嫌いしますか。弟が嫌なら、赤の他人の俺が使っても良いのだろうか。聞いてみようか。
「そうなんだ。それなら、赤の他人の俺が使ってもいいか?」
「あきちゃんはいいよ」
「あきくんの汗とか精液とかなら全然平気!」
いやいや、それは全然平気じゃないと思うけど。聞かなければ良かった。
「それに、さっきあきちゃんが裸で俺のバスタオルに包まってる姿は、とても煽情的でムラムラしたよ」
「俺も、今のあきくん。とても唆られるよ」
悪い顔をした大人が俺を見下ろしてきます。誰でもいいので、警察呼んでください。
大地が俺の前に座り込み、両膝に手をかけてくる。
「あきくん、良いよね」
上目遣いでにっこりと笑う大地。嫌な予感しかしない。
「何が?」
「ふふ、可愛い。分かってるでしょ。海斗だけなんてずるいよ」
そう言いながら、バスタオルで隠れていた俺の陰部を露わにしてくる。
「おい、あきちゃんの後ろはダメだぞ。薬塗ったばかりなんだからな」
「分かってるよ」
大地が俺の右膝にキスを落とす。その仕草に胸がふわふわしてくる。
「あきちゃん、頬が赤いよ。恥ずかしいの?」
顔を上げれば、海斗の顔が近くにあった。ついつい、ふっくらとした唇に視線が行ってしまう。さっきまでこの唇とキスをしていた事を思い出し、さらに頬に熱が集まってしまう。
「キスしたいの?」
海斗の表情が柔らかな笑みに変わる。見ていられなくなり、目を閉じ首を弱々しく左右に振る。気持ちいいのを知っている体は頷きたいと訴えるが、理性がそれを許さない。して欲しい、でもだめだ。
「あ! ぁん」
下半身から、やんわりとした快感が理性を襲う。優しくだが抵抗を許さないとした大地の両手が俺の両足を左右に押し開いて、キスが内股に落とされていく。舌が過敏で柔らかな肌を舐る。ちゅっと吸いつかれて、ぴりっとした快感がお腹に溜まっていく。
「そうか、俺はしたいな。あきちゃんとキス。ねぇ、いいよって言って、そうしたらたっぷりしてあげるから」
下半身からの快感に耐えながら、海斗へどう返答したらいいのか迷う。理性が中途半端に残っている為、素直に肯定できない。しかし、快感に煽られてキスして欲しい気持ちで頭の中が埋め尽くされていく。両方の気持ちに挟まれて収拾がつかなくなった俺は、海斗の首に両手を回し抱きついた。
「ふふ、許してあげる。可愛いなぁ」
「あきくん、可愛いよね。内股とか足の付け根に吸いついただけで、ビクビクと体震わせちゃうんだから。もう、食べちゃいたい」
そう言った二人が俺に襲い掛かったのは同時だった。
海斗に唇を塞がれ、大地に陰茎を舐られる。
差し込まれた海斗の舌が歯茎や頬の裏をなぞる、上顎を擽られて気持ちがいい。その舌に構ってと自らの舌を這わせてみる。おいでと言われる様に舌が絡み合う。あぁ、これ好きだ。
「ん、んん!!」
陰茎からの強い快感に俺を忘れるなと教えられる。裏筋を下から上まで舐り、亀頭が咥えられて啜り上げられる。気持ちいい。
「ふぅ、ん、ん、んん……」
大地が咥え切れな部分を手で扱きながら、顔を前後して湿って温かな口腔へ陰茎を抽送させられる。
クラクラする頭で、微小に残っている理性が羞恥を感じさせる。抵抗しようと、両手を大地の頭に伸ばすが、その手は大地には届かなかった。左手は海斗の左手に囚われ、右手は大地の左手に囚われた。抵抗する術を失った俺は、二人に蹂躙されていく。
くちゅくちゅと上下から響く水音が共鳴して、聴覚を犯される。
海斗の舌が突如引き抜かれ去っていく。行かないでと追った俺の舌を、待ってましたとの如くに海斗に咥え込まれる。ちゅっと吸われ、もっとこっちにおいでと海斗の舌に誘われる。おずおずと、舌を海斗の口腔へと進める。海斗にされた様に上顎を擽ってみる。その瞬間、優しく舌を甘噛みされ、早急に舌を絡ませられる。気持ち良くて、成すがままに受け入れる。喘ぎが海斗に飲み込まれていく。
「ん、んん、ん、ふぅ、ん、んんん!!」
大地の責めが段々と早くなり、抽送に耐えられなくなる。二人に与えられる快感に高みまで押し上げられて、落とされた。
海斗の唇から舌が解放される。二人の唇の間に銀色の糸が伝い途切れた。少しの酸欠とイった余韻で、はぁはぁと呼吸を整える。海斗は息切れもしていない。じっと俺を観察し、ふんわり笑う。
大地が俺の亀頭を啜り、中に残った半透明の白濁を吸い取る。ちゅっとキスを落としてから離れていく。ぼんやりとしていても、コクリと白濁を飲み込まれる音は聞こえてしまう。やめてくれと文句を言おうとしたが、ある事に気付いてしまい恥ずかしく文句を言えなかった。俺の両手は未だ彼らの手に囚われている。その手は恋人の様に握られていて、俯く。
俺の様子でその事に気付いた二人が、見合わせて企みを計画していたなんて俯いていて気付かなかった。
「「あきら」」
二人が俺を名前で呼ぶ。いつものあだ名だったならば、多分俺は顔を上げなかった。だが、名前を呼ばれ、驚いた俺は顔を上げてしまった。
二人が俺に見せつける様に、恋人繋ぎされた俺の両手の薬指にキスが落とされた。海斗は左手の薬指へ、大地は右手の薬指へと。贈られたキスに、胸がふわふわして頬が熱い。二人に表情を隠す様に、俺はまた俯いた。
「これ、大地のバスタオル?」
「そう、洗ったばかりだから安心して」
「うん。あのさ、もしかしてだけど一人一人専用のバスタオルがあるのか?」
なんでそんな事を聞くんだと言う様に、大地と海斗が首を傾げた。初めて二人が同時に同じ行動をした所を見た気がする。あれ? 前にも見たかな?
「そうだけど。何か変?」
「いや、普通。家族だったら一緒の奴使うと思うんだけど」
「え!? 無理だよ。生理的に無理」
大地が心底嫌な顔をしている。
「俺も。大地なら良いけど、他の兄さんと一緒なんて無理だな。幸平とかに汚染されたら、燃やすわ」
そこまで、弟を毛嫌いしますか。弟が嫌なら、赤の他人の俺が使っても良いのだろうか。聞いてみようか。
「そうなんだ。それなら、赤の他人の俺が使ってもいいか?」
「あきちゃんはいいよ」
「あきくんの汗とか精液とかなら全然平気!」
いやいや、それは全然平気じゃないと思うけど。聞かなければ良かった。
「それに、さっきあきちゃんが裸で俺のバスタオルに包まってる姿は、とても煽情的でムラムラしたよ」
「俺も、今のあきくん。とても唆られるよ」
悪い顔をした大人が俺を見下ろしてきます。誰でもいいので、警察呼んでください。
大地が俺の前に座り込み、両膝に手をかけてくる。
「あきくん、良いよね」
上目遣いでにっこりと笑う大地。嫌な予感しかしない。
「何が?」
「ふふ、可愛い。分かってるでしょ。海斗だけなんてずるいよ」
そう言いながら、バスタオルで隠れていた俺の陰部を露わにしてくる。
「おい、あきちゃんの後ろはダメだぞ。薬塗ったばかりなんだからな」
「分かってるよ」
大地が俺の右膝にキスを落とす。その仕草に胸がふわふわしてくる。
「あきちゃん、頬が赤いよ。恥ずかしいの?」
顔を上げれば、海斗の顔が近くにあった。ついつい、ふっくらとした唇に視線が行ってしまう。さっきまでこの唇とキスをしていた事を思い出し、さらに頬に熱が集まってしまう。
「キスしたいの?」
海斗の表情が柔らかな笑みに変わる。見ていられなくなり、目を閉じ首を弱々しく左右に振る。気持ちいいのを知っている体は頷きたいと訴えるが、理性がそれを許さない。して欲しい、でもだめだ。
「あ! ぁん」
下半身から、やんわりとした快感が理性を襲う。優しくだが抵抗を許さないとした大地の両手が俺の両足を左右に押し開いて、キスが内股に落とされていく。舌が過敏で柔らかな肌を舐る。ちゅっと吸いつかれて、ぴりっとした快感がお腹に溜まっていく。
「そうか、俺はしたいな。あきちゃんとキス。ねぇ、いいよって言って、そうしたらたっぷりしてあげるから」
下半身からの快感に耐えながら、海斗へどう返答したらいいのか迷う。理性が中途半端に残っている為、素直に肯定できない。しかし、快感に煽られてキスして欲しい気持ちで頭の中が埋め尽くされていく。両方の気持ちに挟まれて収拾がつかなくなった俺は、海斗の首に両手を回し抱きついた。
「ふふ、許してあげる。可愛いなぁ」
「あきくん、可愛いよね。内股とか足の付け根に吸いついただけで、ビクビクと体震わせちゃうんだから。もう、食べちゃいたい」
そう言った二人が俺に襲い掛かったのは同時だった。
海斗に唇を塞がれ、大地に陰茎を舐られる。
差し込まれた海斗の舌が歯茎や頬の裏をなぞる、上顎を擽られて気持ちがいい。その舌に構ってと自らの舌を這わせてみる。おいでと言われる様に舌が絡み合う。あぁ、これ好きだ。
「ん、んん!!」
陰茎からの強い快感に俺を忘れるなと教えられる。裏筋を下から上まで舐り、亀頭が咥えられて啜り上げられる。気持ちいい。
「ふぅ、ん、ん、んん……」
大地が咥え切れな部分を手で扱きながら、顔を前後して湿って温かな口腔へ陰茎を抽送させられる。
クラクラする頭で、微小に残っている理性が羞恥を感じさせる。抵抗しようと、両手を大地の頭に伸ばすが、その手は大地には届かなかった。左手は海斗の左手に囚われ、右手は大地の左手に囚われた。抵抗する術を失った俺は、二人に蹂躙されていく。
くちゅくちゅと上下から響く水音が共鳴して、聴覚を犯される。
海斗の舌が突如引き抜かれ去っていく。行かないでと追った俺の舌を、待ってましたとの如くに海斗に咥え込まれる。ちゅっと吸われ、もっとこっちにおいでと海斗の舌に誘われる。おずおずと、舌を海斗の口腔へと進める。海斗にされた様に上顎を擽ってみる。その瞬間、優しく舌を甘噛みされ、早急に舌を絡ませられる。気持ち良くて、成すがままに受け入れる。喘ぎが海斗に飲み込まれていく。
「ん、んん、ん、ふぅ、ん、んんん!!」
大地の責めが段々と早くなり、抽送に耐えられなくなる。二人に与えられる快感に高みまで押し上げられて、落とされた。
海斗の唇から舌が解放される。二人の唇の間に銀色の糸が伝い途切れた。少しの酸欠とイった余韻で、はぁはぁと呼吸を整える。海斗は息切れもしていない。じっと俺を観察し、ふんわり笑う。
大地が俺の亀頭を啜り、中に残った半透明の白濁を吸い取る。ちゅっとキスを落としてから離れていく。ぼんやりとしていても、コクリと白濁を飲み込まれる音は聞こえてしまう。やめてくれと文句を言おうとしたが、ある事に気付いてしまい恥ずかしく文句を言えなかった。俺の両手は未だ彼らの手に囚われている。その手は恋人の様に握られていて、俯く。
俺の様子でその事に気付いた二人が、見合わせて企みを計画していたなんて俯いていて気付かなかった。
「「あきら」」
二人が俺を名前で呼ぶ。いつものあだ名だったならば、多分俺は顔を上げなかった。だが、名前を呼ばれ、驚いた俺は顔を上げてしまった。
二人が俺に見せつける様に、恋人繋ぎされた俺の両手の薬指にキスが落とされた。海斗は左手の薬指へ、大地は右手の薬指へと。贈られたキスに、胸がふわふわして頬が熱い。二人に表情を隠す様に、俺はまた俯いた。
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