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苦痛と快楽の狭間

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 拓也が迫ってくる。

「もう、無理だ! やだ!!」

 縛られた両手を外そうと暴れたが、外れない。

「おいおい、暴れんなって」

 拓也が俺の顔のそばに大量の玩具を並べ始める。見た事あるのは電気マッサージ位で、後のものは用途不明な物ばかりだ。

「何だ、不思議そうな顔して。見た事ないのか」

 その問いかけに、つい頷いてしまった。

「そうか。なら実際に試して経験して行くか!」

 ニコニコと笑う拓也に蹴りを入れてやりたいが、射程圏外だ。

「いやだ!」

「即答だな。そう、心配するな。優しくしてやるからよ」

 俺に拒否権はないようだ。

「休みたいんだって!」

「そうか。休んで居ていんだぞ。お兄さんが気持ちよくさせてやるから」

 はい、此奴も人の話が聞けない人の様です。

「初心者だからな。取り敢えずは、コレとコレにしようか」

 そう言って取り出したものは、ピンク色で楕円形の小さな物体とリモコンの間に線がある物と、男性の屹立を真似た物だ。どう見たっていやな予感しかしない。

「そんなのやだって!」

「大丈夫!お兄さんの一押しでもあるから」

 くそ、誰か話の通じる人は居ないのか。

 拓也がピンク色のものを俺の胸の飾りに当てる。

「気持ち良くて、癖になるぞ」

 リモコンのスイッチが入る音が聞こえた途端に、ピンク色の物が震え出す。その震えに嬲れて快感がぞくぞくと体に溜まっていく。

「ふぁぁ、い、あぁぁあああ!」

 開いている片方の飾りを拓也が舐る。軽く齧られ痛みと快楽で頭がおかしくなる。

「いやらぁああ!」

 イきたいという感情に理性が塗りつぶされていく。張り詰めた陰茎に刺激を受けて見ると、聖司が上下に扱いていた。先走りすら、吐き出せない陰茎は苦しみと快感を与えてくる。

「だしたい! 外してぇぇえ!」

「もう、一回ドライでイけたら外してやるよ」

「も、う無理だってぇぇえええ!!」

 いつ拓也が持ったのか分からない。男性の屹立を真似たそれを後孔一気に挿入され、頭が真っ白になってくらくらする。

「入れただけでイったか。まあ、大分苛めたらからな。ほら、外してやるよ」

 赤いリングは拓也が触れるとパッカリと二つに割れた。堰き止められていた白濁が亀頭からとろとろと溢れ、ぞくぞくとした物が背筋を走る。強い快感は地獄でしかない。荒く呼吸し、落ち着こうとした。

 拓也は、手も自由にしてくれたが、もう、腕も上がらないほど動けなかった。ぼーっとしていたせいで、拓也にうつ伏せにされ、腰を上げあられた事さえも分からなかった。

「ほら、まだだぞ」

 その言葉と共に、玩具が引き抜かれ、何か熱く硬い物が宛てがわれる。その感触で、理性が一気に戻ってきた。

「無理だ! やめ、あぁぁあああ!!」

 ぐちゅっと粘着質な音が響き、入り口が引き伸ばされる。今まで入れられた事の大きさに、後孔が裂けれてしまうのではないかと思う程、痛みを感じた。

「痛、いって!」

「まだ、狭かったか。だが、もう退けねぇ。最後まで呑み込んでもらう」

 くそ、此奴こそ鬼だ! 痛すぎる。海斗に最初を奪われた時ですらこんなに痛くはなかった。ぐっぐっと腰を押し付けられて、痛みに悲鳴を上げたくなるのを下唇を噛んで我慢した。

「もう少しだ。ほら力抜けって」

 胸を摘まれて、押し潰され弱い快感に驚き、力が一瞬抜けた。その一瞬を逃すまいと、拓也の腰が一気に叩き付けられて、腹に衝撃を受けた。快感なんてない。痛みと苦しみで一杯一杯だ。

「痛い……もう、抜いて……」

「すまねぇな。もう少し付き合ってもらうぞ」

 拓也が俺の腰を掴み、抽送を始める。ぐちゅぐちゅと水音が響いているのに。拓也が気持ち良さそうに吐息を漏らしているのに。なんで、俺は痛みに耐えないといけないんだ。

「だぁぁぁああ、痛い! やめろ! 助けて!」

 聖司が苦痛に喘ぐ俺の顔を覗いてくる。

「流石に、可哀想ですね。少しだけですが、誤魔化してあげます。後ろじゃなくて前に意識を持って行きなさい」

 そう耳元で囁かれたと思った次には、陰茎からの快楽が襲ってくる。聖司のローションで濡れた手が、俺の陰茎を扱いていた。後孔からの痛みと陰茎からの快感で頭が可笑しくなって行く。

「ほら、気持ちいいでしょ。前に集中しなさい」

 もう、何が何だが分からなくなった俺は、何かに縋りたくて近くの枕に顔を埋めた。

「ん、んん、ん、ん」

「よし、行くぞ!」

 段々と早くなる抽送と、陰茎の扱きに頭が真っ白になっていく。

「んんんんんん!!!」

 俺は痛みと快楽の狭間で、イかされた。体がバラバラになってしまったのかの様に、疲れ果て眠りに落ちていった。最後に感じた感覚は、お腹の中が暖かく感じた事だけだった。


 何かの声が聞こえて意識が浮上し、目を開けた。俺は天蓋のベットの上だった。体は汗と白濁と唾液やらもろもろでドロドロだ。

 動きたがらない体に鞭を打って、上半身を起こす。後孔に痛みが走って、一瞬動きを止める。くそ、乱暴しやがって。

「目が覚めた様ですね」

 聖司が俺の顔を覗いてくる。

「大分、いい感じに進んでいる様ですね」

 何を言ってる?

 そう言った聖司は後を振り返り、ベットから離れていく。

「拓也、準備できましたか」

「おう、もう行けるぜ」

 二人が俺を見る。その目はもう用済みだと言う様な冷たいものだった。

「子羊ちゃん、着替えとタオルと水差しはテーブルに置いてあります。それでは、またお会いしましょう」

 そう言って、二人は部屋を出て行った。
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