絶望の白 〜狼の館から脱出せよ〜

番傘と折りたたみ傘

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全てを焼き付けて 第二の狼

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「どうやら、まだやれるみたいだね。あきくん」

「大地」

「心配してたんだよ。あの変態にやられて壊れてしまったんじゃないかって」

「なあ、心配してくれるなら、ここの謎答え教えろよ」

「それは、できないんだよ。ヒントならあげれるけど。でも、その前に」

 ゆっくりと首筋を濡れた何かが下から上に移動する。ぞくぞくとしてものが背筋を駆け抜け、びくっと体が期待に震える。

「君は俺に捕まった」

 囁かれた言葉と共に耳介を舐られ、甘噛みされる。

「あ、ん、擽ったい」

「今回はあきくんをゆっくりと頂こうかな」

 その言葉に、嫌な予感しかしない。時間をかければかけるほど、誰かくるリスクが高くなる。もし、誰かきたらまた複数でヤられる事になる。そんなのもう嫌だ。

「さっさと、ヤればいいだろ!」

 言葉と裏腹に不安で少し声が震えてしまった。

「何んで? もしかして誰か来たら困る?」

「そ、それは!」

 大地の少し楽しそうな声で、俺の心の内がバレたと知った。

「ふふ、大丈夫だよ。入ってくる時に鍵を掛けたから誰も入ってこれない」

 むかつく。大地の掌で転がされている気分だ。

「嬉しいな。まるで、あきくんが俺と二人きりが良いって言ってくれてるようで」

「俺はそんな事!」

 大地の顔を見ようと振り返った。振り返らなければよかった。大地の瞳は情欲に染まり、俺を喰らい尽くそうとする肉食獣のようだった。

「否定されても良い。少しでもあきくんの心に俺が入れれば、それでいい」

 大地の方を向かされ対面で抱かれる。頬に右手を添えられて逃げれない俺は噛み付くような乱暴な深いキスに溺れて行く。

「ん、んん」

 何度も角度を変え、絡め合う舌と熱い大地の体温に抵抗できない。大地の舌が俺の口腔を余す所なく舐る。粘膜同士が擦れ合う感触が心地良い。爽やかな匂いが鼻腔を擽り、お腹に甘い痺れを起こす。気持ち良くて、自ら大地の舌に舌を触れる。ゆっくりとリードしてくれるその舌に身を任してしまう。口腔に溜まった唾液をコクリと飲み込む。それさえも、神聖に思えてしまう自分はどうしてしまったのだろうか。大地の舌が抜けて、優しいキスが唇に落とされる。

「あぁ、可愛い。頬が赤いよ」

 ワンピースの裾を持ち上げられ、頭から脱がされる。何も纏わぬ体は大地の腕の中でぶるりと震えた。大地に抱き上げられて、調理台の上に寝かされる。ゆっくりと両足を開かされ、大地の前に全てを曝け出される。羞恥に顔を背ける。だが、それを許さないと言うように、頬に両手が添えられ大地の方を向かされる。

「ダメだよ。これから行う全てを見て。俺を記憶に焼き付けて」

 大地の真剣な瞳が俺を逃さないと言うように見つめる。目を離せなくなる。
 大地は俺を見つめたまま、ゆっくりと内股に舌を這わしキスを落とす。少し吸い付かれ、ちくりとした痛みが鬱血痕をつけられた事を知らせる。慰める様に大地の舌に跡をなぞられる。その動作に胸が苦しくなる。もうすぐで性器なのに、際どい所までしか行かない大地の舌や手に焦れる。触って欲しいと無意識に腰を浮かせてしまう。その仕草に大地がくすくすと笑う。お待たせと言う様に優しく、舌が勃ちあがった陰茎に触れられる。

 暖かく滑り気を帯びた舌が裏筋舐る。陰茎から湧き上がる快感が俺の理性を焼く。

「あ、んん、ん、あぁ」

 亀頭から溢れる蜜を舐め取られキスが落とされる。恥ずかしくて、抵抗しようと両手を伸ばすが片手で押さえつけられ固定される。大地の顔が陰茎から離れるが、しっかりと片手で俺の陰茎を上下に扱き、理性の戻る隙を与えない。情欲に染まった笑顔が俺に向けられた。

「可愛い、海斗にもあげたくないなぁ。独り占めしたい」

 その言葉と共に、顔が下がり亀頭が大地の口の中に消える。じわじわと与えられる快感がお腹に溜まって行く。

「あぁ、ん、あん、あ」

 唾液でぬるぬるの口腔は暖かく、気持ちいい。耐えようと必死になるが、それを知ってか知らずか、いきなり大地が陰茎を啜り上げてきた。びりびりとした快感が襲ってくる。

「んあぁぁん! 出ちゃうって!!」

 俺の声は、大地に届いている筈なのに、やつは容赦なく舌を裏筋に這わせて顔を上下させる。じゅぽじゅぽっという水音が俺を辱め、快楽に突き落とす。もう耐えられない。

「ふ、ああぁぁぁあ!」

 イかされて、俺は大地の口の中に白濁を吐き出してしまった。
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