14 / 101
感電注意 誘拐犯が用意した物を食べてはいけない
しおりを挟むとりあえず、一階の探索前に二階へと行けるか見る必要がある。今までの奴つらのやり方を考えると、階段に何か謎解きがあるかもしれない。先に把握するのが一番だ。
案の定、二階へ向かう階段途中に、俺の背丈程にかけて鉄線が張り巡らされていた。トゲなどもない為、この位の鉄線なら俺でも外せそうだと思い手を伸ばした。しかし、ある注意書きを見て固まった。鉄線の中央辺りに【感電注意】と書かれた板が括り付けられていた。伸ばしかけた手を瞬時に引っ込める。
気付かないで触っていたらと思うと寒気がする。普通、ここまでするか。ふと、左の方を見ると小さな箱があった。近づいてみると、そこにはバッテリーと書かれた箱があった。もしかすると、このバッテリーで通電しているのだろうか。バッテリーの上にはスマホと小さな紙が置いてある。手にとり見る。
【スマホの電源を入れ、表示される問いに答えよ。さすれば、電気は止まり先への道開かれる。間違えると、狼が貴方を食べにやってきます】
スマホを手に取る。某会社が出している至って普通のスマホだ。スマホの右側にあるボタンを長押しし、電源を入れた。
某会社のマークが出て、普通であれば時間などのメイン画面が出るはずな所が、真っ白の画面になった。因みに、圏外になっていて電話などは掛けれそうもない。
真っ白の画面の中、問いが表示される。
【かわいいさおをかめらにおさめよ】
俺は、スマホを持ったまま固まった。……かわいいさおってなんだ?色々と考えてみる。一つおきに読んでみたり、逆に読んでみたり、漢字やローマ字に変換したり様々な方法を考えてみたがしっくりと来ない。まず、【かめらにおさめよ】これは、普通にスマホのカメラで何かを撮れで合っていると思う。だが、問題は【かわいいさお】だ。なんだろう。思いつかない。とりあえず、スマホを持ったまま一階の探索に向かう事にした。もしかすると、一階にヒントがあるかもしれない。
エントランスに戻り、左右を見比べる。入ってきた扉と反対にもう一つ扉がある。どちらも廊下に繋がっていそうだが、どちらに進むかだ。これは行ったことのない扉に行くべきだろうか。地下を探ったおかげでこの屋敷の構造は大体分かっている。廊下がカタカナのロの形で一周する形だった。その為、どちらから行っても問題は無いと思われる。よし、行っていない方から探って戻ってこようと決めた。
行っていない方の扉を開け、廊下へと出た。太陽の光のおかげで明るい廊下は、地下に比べとても綺麗に見えた。ワインカラーの絨毯と紺の壁は地下と変わらないが、様々な絵画が飾られている。ゆっくりと見れないのが残念だ。そんな事よりも、所々にある扉を開けて部屋を探索していく。始めにあった部屋は談話室だった。豪華な応接セットに、書棚とお酒が入っていそうな棚があるだけだ。ざっと見たが鍵は見当たらなかった。次の部屋へと向かう。
扉をそっと開けたとそこは、食堂だった。
広い部屋の中央に長いテーブルに鎮座し、その周りに椅子が配置されている。俺は、口の中に湧いてくる唾液を飲み込んだ。テーブルの上には沢山の温かな料理が並んでいたのだ。
グーっとお腹がなった。誘拐されてから何時間たったのか分からないが、何も食べていない胃は食べ物を欲した。誘われる様に足を進める。周りを見たが誰もいない。椅子を引いて、座った。
目の前にパンと野菜のスープ、鳥の唐揚げに、ステーキ、葉物のサラダ、山盛りの果物等たくさんあった。少しなら、怒られないだろうか。
パンを手にとった。まだ焼きたてなのだろうか温かいパンを一口ちぎり、口の中に放り込んだ。ふわふわのパンに頬が落ちるほどの美味しさを感じた。喉を通って胃に落ちて行った。
次に、鳥の唐揚げを一つに手にとり、齧り付いた。程よく温かい唐揚げは、外がサクサクで中は肉汁たっぷりで、美味しく二口で食べてしまった。
次の食べ物に手を伸ばそうとした時だ。急に体が熱くなっていくのを感じた。変だ。もしかして、毒でも入っていたのだろうか。身体が熱い、呼吸も荒くなっていく。陰茎が緩く立ち上がりワンピースを押し上げて濡らしてしまう。もしかして、媚薬……。
その時、食堂の扉が開く音がした。
0
お気に入りに追加
462
あなたにおすすめの小説



サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
君に望むは僕の弔辞
爺誤
BL
僕は生まれつき身体が弱かった。父の期待に応えられなかった僕は屋敷のなかで打ち捨てられて、早く死んでしまいたいばかりだった。姉の成人で賑わう屋敷のなか、鍵のかけられた部屋で悲しみに押しつぶされかけた僕は、迷い込んだ客人に外に出してもらった。そこで自分の可能性を知り、希望を抱いた……。
全9話
匂わせBL(エ◻︎なし)。死ネタ注意
表紙はあいえだ様!!
小説家になろうにも投稿
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる