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銀髪と黒い瞳の男 第一の狼

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 薄っすらと扉を開け、廊下の様子を伺う。
 静まり返った廊下は不気味だ。そろそろと廊下に出る。さっきの男は右の方に行った。戻る事になるが左に行くべきだろうか。

 よし、戻ろう。さっきの男に会っても最悪だ。左の方へと向かった。

 広ろ過ぎる。扉を七つ通り過ぎてやっと右曲りの角に来た。曲がった先を覗くと所々にランタンの光で薄暗く照らされているが、先は遠くは真っ暗だった。

 早く、太陽の光が見たい。こんなに暗いと気が滅入る。
 薄暗い廊下を歩いていくと、やっと上に行く為の階段を見つけた。階段の上を見上げると踊り場には狼の絵画が飾られている。相当狼が好きな様だ。ゆっくりと階段を上がっていく。踊り場まで後五段くらいで、上から降りてくる誰かの人影が見えた。階段を降りて逃げようと背を向けた俺を奴は見つけた様だ。

「みーつけた!」

 長身の男が階段から降りてきて鉢合わせしてしまった。捕まる前に階段を降りきって、走ろうとしたが間に合わなかった。

 俺は男の腕の中に囚われた。背後から抱き込まれ両腕に囲われる。

「捕まえた」

「離せ!」

 力で振り切ろうとするが、男の方が強く逃げられない。ふぁっと何か甘い匂いが立ち上がり力が抜けていく。

「な……んで……」

「ふふっ、可愛い。ねぇ、名前は彰って言うんだよね? あきちゃんって呼んでも良い?」

 男と向かい合わせにさせられた。紺色のジャケットにスラックス、青の縦縞ワイシャツは品があり高級感が漂っている。男のジャケットにしがみ付く事しか出来ない俺の腰に右腕を回し、左手が頬に添えられ、頬を擽る様に優しく触れる動作に不安を覚えた。ゆっくりと頬から顎まで移動した左手は優しく顎下に人差し指を添え、親指の腹で下唇を撫でられる。
 そのまま顔を上げさせられ、男と視線が合う。銀髪がキラキラとし、切れ目の漆黒の瞳と眉が優しく垂れて甘い雰囲気を醸し出している。甘いマスクと言うのはこういう顔の事を言うんだなぁと思った。これは、女性にするべきであり、俺は遠慮願いたい。

 男の顔が近づき、唇が俺の唇と重なる。

「ん! んんっ」

 ぼーっと口を開けたままにしていたせいで、男の舌が口の中に差し込まれる。上顎をざらりと舐められ、舌が絡み合い、くちゅくちゅと水音が響く。どちらとも言えない唾液が口の端から垂れる。噛み付いてやろうとしても、体に力が入らない。

「あきちゃん、ちゅっ。とろとろの顔、んっ、好きだなぁ」

 男の指に舌を掴み出され、しゃぶられる。頭の中がくらくらして何も考えられない。

「んー!んんっん……。んん」

 やっと離され、酸欠で粗く呼吸をする。

 気付くと背中が壁に寄りかかっていて、男と壁に挟まれている。

 押しやろうと両手に力を入れようとしたが、男と自分の胸に挟まれ動かせなくされてしまう。

「逃げちゃダメ。キス好き? 気持ちいいでしょ」

 又、唇を奪われてしまう。優しく唇を甘噛みし舌が慰める様に這わされ、口を開く様に促す愛撫に噛み締めていた口を開けてしまう。

 するりと男の舌が入ってくる。頬の裏や上顎を擽られて舌を絡め合う深いキスに気を取られていた。気持ちいい。互いの粘膜が擦り合い心地良い快楽に支配されていく。

「んん!」

 いつの間にか、男の手がワンピースの裾をめくり上げ陰茎を撫で上げていた。キスで軽く立ち上がった陰茎をやわやわと摩られ、びりびりとした快楽が走る。

「んー! ん、ん、んん……。んん」

 男はキスをやめず、俺の喘ぎを欲する様にキスが深くなっていく。口腔に溜まる唾液を呑まされ、コクリと喉がなる。

 もう少しで絶頂しそうな時、男の唇と陰茎を撫でていた手が離れる。
 イキそびれた体が焦れて苦しい。

「ふふ、イキたい?」

「……そんな、訳ない」

「我慢は良くないよ」

 男が急にしゃがみ込んだ。ただでさえよくわからない匂いのせいで足がフラフラするのに、支えを失った俺は慌てて男の頭部に手を置いた。

 そんな俺を気にせずに、男はワンピースをめくりあげた。

「可愛いおちんちんだね」

 そう言うと、男は俺の陰茎を咥えてきた。暖かく、ぬるぬるの口の中は、気持ちが良く上下に舐められ啜られればたまったものではない。

「ああ……やぁ、んん」

 何度も何度もイキそうになると愛撫を止められ、狂いそうになる。
 もう立っていられなくなり、座り込んだ。

「もう、いい感じになったね」


 力の入らない体を抱き上げられ、近くの部屋に運ばれてしまった。
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