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アフターと嫉妬

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 退けと言われたが結果的に退きませんでした。

 俺達によってどろどろになった彰をこのままにして行きたくない為、大地と場所を交代し、アフターする事にします。

 彰から屹立を引き抜き、自分達のはささっと拭いた。可愛い彰のアフターに時間を掛けたい。

 服をささっと整えた大地の膝上に座っている彰。少し不安そうに俺を見上げているその姿は小動物の様に見えて愛らしい。

 クローゼットから着替えとタオルを持ってきた。テーブルの上に置いてあった水差しでタオルを濡らし、手の中で温める。完全には温まらないが人肌くらいで丁度いいだろう。

 その間大地が彰の右手を掴んでマッサージをしていた。

 彰の足元に座り、右足から拭いていく。

 運動部とかに入っていないのか、怪我の痕や豆とかは無かった。ただ綺麗なキメの細かい肌はとても触り心地が良さそうだ。
 素足である為、足の指から足首、膝と拭いていく。太腿を拭くとき、彰の足がぴくりと震えた。

 少し頬が赤い……。まずい、可愛い過ぎてまた勃ってしまいそうだ。

 大腿と脹脛はふにふにで柔らかいが、男の子らしく程よい筋肉で張りがあってとてもそそられる。あぁ、ずっと触っていたい。

「あきちゃんの足綺麗だよね。真っ白の肌に柔かく程よい硬さがある太腿と脹脛。俺好きだな」

「俺は手の方が好きだな。筋っぽいけど、滑らかな肌と親指の付け根がふにふにで堪らない」

 そう言い、彰の右手を撫でさすりながらマッサージをしていく大地。

 何を! 俺だって彰の手好きなのに! 優しい本人と一緒で、感情に従って動く優しい手。その手が慰めようと俺の頬に触れてくれたのをと知っている。温かく優しい手も好きだ。

「何! 俺だってそこ好きなのに真似すんじゃねぇ」

 大地と喧嘩になる事なんて殆どなかったのに、彰の事になると譲れない。

「早いもん勝ちだろ!」

 早いもん勝ちなら、彰と最初にあった俺の勝ちだろ! そう口にしようとしたその時。

「うるせえ! 自分で拭くから、離せこのやろ!」

 俺達の言い合いに怒った彰が、俺の持っているタオルを奪おうとしてきた。飛んでくる左手を躱し、ムッとしている彰を見る。
 いや、怒っていても可愛いなんて天使だな。いや神様だった。その顔を見ているとニヤけてしまう。

「ダメ~。あきちゃん、何か忘れてない」

 そう言ったが、彰に言っただろか? いやそれでも関係ないか。可愛い神様を気持ちよくさせるのも下僕の仕事だもんな。

「俺たちは一回しかダメだって言われてるけど、あきくんは何回イッても良いんだよ」

 腹に響く様な低音で大地に耳元で囁かれた彰が身体を震わせている。彰は低い声が好きなんだろうか。初めて、自分の声に嫌悪を抱いた。
 くそ……俺もあと少し声が低ければ彰に好かれるのだろうか……。

「いぅぅ、ん!」

 そんな思いを振り切るように、彰の陰茎を拭き始めた。そっと優しく拭いていく。
 彰の陰茎は、小さくも大きくもない普通なサイズだ。だが、あまり使用していないのだろうか。黒ずみも少なくピンク色だ。自慰しないんだろうか。そんな事はないか。やりたい盛りの男子高校生がしないなんて聞いた事ない。


 緩く勃ち上がってきた陰茎を拭きながらゆっくりと扱く。裏筋を指先で根元からなぞり上げると、甘い吐息が聞こえ亀頭から滴がぷっくりと浮かんだ。

「あぁ、溢れちゃいそう」

 亀頭をねっとりと舐り、舌先で滴を舐め取った。花の蜜を舐めたかの様に、芳しい香りと味に酔いしれた。

「あ、ふぅ、ん」

 彰の濡れた瞳に呑まれそうだ。可愛い喘ぎと快感に酔いしれた表情に堪らなくなった俺は、亀頭を咥えようとした。その時、そんな雰囲気をぶち壊したのは大地だった。

「ああ! 俺もあきくんの舐めたい!」

 この野郎! 良い感じで彰が呑まれそうだったのに、一気に酔いから覚めて大地を見上げている。良い雰囲気だったのに!

「お前は、さっき兜合わせしただろ! 初めて俺が貰うつもりだったのに!」

 苛立ちを大地にぶつける。彰からのフェラだけじゃなく、兜合わせまで盗られた。愛しい子の初めてを盗られた事は許さずに居られない。

「貰ったって良いだろ! 海斗はあきくんのファーストキスと処女貰ったんじゃないか!」

 貰って何が悪い! 先に恋したのは俺だ! 

「うるせえ! 聖司の野郎にあきちゃんの初フェラして貰うの取られてイライラしてんだよ!」

 苛立ちがおさまらない。聖司兄さんを呼び捨てする程、俺は未練たらしく思っていた様だ。

「うるさいのは、お前らだ!」

 俺達の喧嘩に苛立った彰の一言で、静かになった。だが、険悪な雰囲気を一気に壊してくれたのは、彰のお腹の音だった。
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