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処女喪失とアフター

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 痛むのか彰の顔が歪み、腰が跳ねた。

「いっ、たぁ……抜け……」

 俺から逃げようとして、身体を上へとずって行こうとする彰の左足を掴んで、逃がさない様にした。

本当は、逃してあげたい。しかし、ここで逃してあげても誰かに襲われ乱暴に初めてを奪われてしまう可能性がある。そんな事になる位なら……。

 俺が奪ってしまいたい。

 彰の初めては俺が貰う。優しく抱いて甘やかしてとろとろにして、俺無しでは居られない様にしてしまいたい。そんな邪悪な思いが俺を支配し始めていた。

「ダメ~、これからが良いだから」

 段々、ぐちゅぐちゅと粘着質な音が響く様になってきた。
彰の前立腺は何処だろう。結ばれることが無いと分かっていても、ついつい男同士のセックスをネットで調べてしまっていた。男は後の孔から前立腺を押す様に刺激すると、気持ちが良いととあるサイトに書かれていた。
 彰に快楽をあげたい。痛いばかりのセックスなんて嫌だ。気持ち良くなって欲しくて、優しく孔の中を探った。ある所を掠めた時、彰の体が跳ねた。

「いっ、んん!」

 急に、びくびくと身体反らした彰が快楽を逃がそうとしていた。折角、見つけた場所から指がずれてしまう。それを恐れた俺は上半身を倒して彰を押さえ込んだ。やっと彰の気持ち良い所、見つけた。

「ここ、好きなんだぁ」

 そう彰の耳元で囁き耳殻を甘噛みしつつ、くいくいと指を曲げてその場所を刺激した。

「やっ、あっ!めてー、あぁん、んっんっ、ふあぁぁ!」

 甘い声を上げながら、腰を揺らす彰。涙に濡れた瞳が蕩け落ちてしまうんじゃないかと思う程、揺らめいている。可愛くて愛しくて。俺、どうにかなってしまいそうだ。

 彰の孔が指を三本まで飲み込めるようになった頃。彰は何度も絶頂し身体は痙攣させて、屹立から白濁をとろとろと溢す様になっていた。

 もう、この位解れれば、俺を受け入れられるだろう。指を引き抜き、ベルトのバックルを外しスラックスの前を寛げた。窮屈な下着を下ろしたその時、勢い良く自身が飛び出した。やっと出番だと嬉しそうに勃ち上がったそれは、いつも以上に大きくなっていた。待ち切れない。彰の孔に硬く熱くなったそれを宛てがった。
 その感触に、気付いた彰が再度身体を上へとずって逃げようとした。快楽に染まっていた顔が真っ青になって目尻が下がり、恐怖を表していた。彰、ごめん。俺も男だ。ここまで来ておいて、引く事なんてできない。

「こらこら、ダメだ。気持ち良いから逃げないんだよ」

 少しでも落ち着けるように彰の頭を撫でた。
そっと彰の腰を掴み、元の位置に戻した。逃げられない様に、彰の両足の間に自分の体を置き、片手で彰の両手を頭上で押さえ込んだ。顔を覗き込む。

 恐怖に彩られ、今にも泣き出しそうな顔。震える身体。心の中で謝りながらも、これから彰の中に挿れれると思うと、嬉しい気持ちに支配された。

 彰の処女……。

「いただきます」

 腰をゆっくりと押し進めた。


 ぐぶっという音と共に、屹立が孔の中へと挿入していく。みちみちと押し広げ、中へ中へと進んだ。
 彰の瞳からぶわッと涙が溢れ落ち、口が大きく開いた。その唇へと唇を重ね、口腔に舌を挿れた。苦痛の声を聞きたく無かった。自分勝手なのは分かっているが、それでも甘い声が聞きたい。

「んんんん!!」

 苦痛で暴れようとする彰の身体を、全身で押さえ付け身動きを取れない様した。暴れれば、ベットの支柱に身体をぶつけて怪我をしてしまうかもしれない。怪我をさせたく無くて力尽くで押さえ付けた。
 キスで痛みを誤魔化そうと優しく口腔を愛撫した。舌先で上顎や頬の裏を擽り、怖がり引っ込んでしまった舌にそっと触れ、大丈夫だと慰めた。
 ゆっくりと腰を進めていた矢先、トンっと奥に当たった。やっと、根本まで彰の中に挿入した。

「ふー。入ったよ。あきちゃんの初めて、ご馳走様」

 嬉しい。俺、好きな子と初めて繋がったんだ。心の底から笑ったのは、子供の頃以来だ。
 俺を唖然として見ていた彰が何かを思い出したかの様にハッとした。

「くっ、抜いて……。ああ!」

 彰が反抗してきた為、ぐっと腰を押し付けた。奥を突く様にぐっぐっと腰を打ちつける。甘い声が漏れ、頬に赤みが戻った事で快感を得ていることが分かった。可愛いくて堪らない。

「ダメ。俺まだだしね」

 甘い声をあげるその唇が可愛くて、唇を重ねた。当たり前の様に舌を絡める。彰の口の中はとても甘い。

「んっ、んっ、んんー!!」

 喘ぎを飲み込むようにキスを深めた。喘ぐ彰が苦し気になってきた為、そっと舌を抜き唇を離した。互いの舌の間に銀色の糸ができて途切れた。

「中、温かくて気持ちいい。あきちゃんも気持ち良くて堪らないでしょ」

 亀頭を残し入り口までゆっくりと引き抜き、また一気に奥まで挿入する。緩急のある動きで攻める。

 とろとろになった顔、下がった眉、僅かに開いた口、荒い呼吸。頬だけじゃなく全身赤みが差した彰は、とても綺麗だった。愛おしい。もっと、俺の手で乱れて。彰の気持ち良い所を刺激する為、腰を回しカリで前立腺を抉った。

「あぁぁぁぁ!!」

 彰の屹立から、白濁が溢れた。自らの腹を汚し、とろとろと竿にも白濁が伝っていった。

 彰がイク時熱い孔が痙攣し、きゅっきゅっと締め付けられてイってしまった。
 まだ余裕だったのに、一気に追いやられて彰の中に精を吐き出す。全て吐き出し、彰を見つめた。ぼんやりとしたその様子は気怠そうで疲れたと言っていた。何度もイかせた為、身体が動かないのだろう。その姿は扇情的だった。

 アフターしたい。綺麗な布で汗や白濁、諸々の汚れを綺麗にしてあげたい。それから、湯船に一緒に入って温まって、沢山の泡でその愛らしい身体の隅々まで洗いたい。裸で俺のバスタオルを纏う彰を思い浮かべ勃ちそうになった為、彰の中から陰茎を引き抜いた。

 まだ一緒にいたい。抱き締めゆっくり話をして、彰を寝かせてあげたい。だが、そうもいかない。聖司兄さんが来るまでには何とか彰を逃さないと。

 シーツで軽く陰茎を拭い、スラックスを履いた。ベットから立ち上がり、クローゼットから着替えとタオルを持ってきて彰に渡した。


「これ着替えとタオルね。水差しとコップは、机に置いておくよ。名残惜しいけど、あきちゃんを犯したら一度報告に戻らないと行けないから、それじゃまた後で捕まえに行くから大人しく捕まってね」

 そう言って軽やかにドアへと向かった。こう明るい振りでもしないと、泣いてしまいそうだ。彰のアフターをしたいという思いと、ベットの上で呆然としている彰を置いて行きたくないという思いに潰されてしまいそうだった。

 ある事に気づいた俺は、部屋を出ていく前に振り返った。彰は切なそうに瞳に涙を溜めていた。そばに行って慰めたい。抱き締めて大丈夫だよって言いたい。その思いを封じ込めて、俺は言った。

「あっ! 俺、海斗って言うんだ。よろしくね! あきちゃん」

 そうして、俺は彰への思いを振り切って部屋を出た。

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