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初めての愛撫 羊さん頂きます。

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 階段を降りている途中で、愛らしい背中を見つけてしまった。焦る様に階段を駆け降りている。何故、こんなにも早く遭遇してしまうんだ。
 嫌われたくないのに……。逃してあげるべきだと訴える心に鞭を打ち、捕らえる為に駆け出す。

「みーつけた!」

 いずれは、ヤらなければなら無いんだ。それなら、一層の事嫌われてしまえ! その柔らかそうな身体を貪ってしまえと何かが唆す。

 彰が階段を降り切った所で、俺の伸ばした右腕が柔らかな胴を捕らえた。ぐっと引き寄せて両腕で抱き締めた。ふわりと香る彰の暖かい陽だまりの匂いを心ゆくまで吸い込んだ。

「捕まえた」

 耳元でそう囁くと、彰は身体を震わせた。怖がらせたくないのに、俺は何をしているんだ……。

「離せ!」

 俺の腕から逃れようと彰が暴れ始めた。だとしても、普段筋トレをしている俺と高校生の彰では力が違いすぎる。このまま抱き締めていれば、いずれは疲れてくるだろうと思っていた。
 だが、彰は突然力を抜いた。どうしたのかと思っていると、彰の困惑した声が聞こえてきた。

「な……んで……」

 何が起きたのか彰も分かっていない様だった。力を抜いたと言う事は、襲ってほしいって事なのか? だとしても、さっきまで逃げようとしていたのだ。何かおかしい。良太兄さんが何かしたのか……。考えてもよく分からない。

 彰は、俺を見ても何も言ってこなかった所をみると、俺の事を覚えていない様だ。それもそうだ。あの時、俺は名前すら名乗っていなかった。それに、今は聖司兄さんに渡されたスーツ姿だ。あの時は、どこにでもあるパーカーとズボン姿だった。

 因みになんでスーツなのか聞くと、襲う側の身だしなみとか言っていた。そんなの必要あるのだろうか。


 彰は俺の事を覚えていない。そう思うと少し寂しくなった。それでも、可愛いあの彰が俺の腕の中にいる。愛おしくて堪らない。

「ふふっ、可愛い。ねぇ、名前彰って言うんだよね? あきちゃんって呼んでも良い?」

 親しくなりたい。俺の事を覚えて欲しい。

 そんな思いから、あだ名で彰を呼びたくなった。名付けのセンスがないのは生まれつきだ。

 彰の顔が見たくて、身体を反転させる。短い黒髪に縁取られた顔が困惑に彩られていた。仄かに赤い頬がとても愛らしい。足元がふらつく為か、俺のジャケットにしがみ付く彰に庇護欲を刺激される。守ってあげたいという思いと、襲ってしまいたいという思いで板挟みになった。
 ふらつく彰の腰に右手を回し、左手を頬に添える。頬に優しく触れ、ゆっくりと頬から顎まで移動した。左手で優しく顎下に人差し指を添え、親指の腹で下唇を撫でた。キスしたい。ふっくらとした唇は、艶やかでとても美味しそうだ。

 そっと彰の顔を上げて、その不安そうな顔を覗き込む。
 不安がらせたくないのに、やってしまえと何かが俺を唆す。その柔らかな唇をそっと唇で覆った。

「ん! んんっ」

 驚いたのか、彰の口が薄く開いたのを逃さずに舌が口の中へと差し入れる。上顎をそっと舐り、逃げる舌を追い詰め絡める。くちゅくちゅと水音が響く。

 好きな人とのキスがこんなにも心を温かくするなんて知らなかった。できれば、こんな形じゃない時だったらいいのに……。心の何処かで何かが切なく泣いた。

「あきちゃん、ちゅっ、とろとろの顔、んっ、好きだなぁ」

 好きだ。高鳴る胸を抑えられない。
 
 指でそっと彰の舌を掴み出して、咥え啜り上げた。擦れ合う粘膜が気持ちいい。瞳を閉じて、快楽に耐える彰の頬が赤く染まっている。可愛いその表情が愛おしい。

「んー!んんっん……。んん」

 彰が、苦しそうになってきた為、唇を離した。

 キスに夢中になっていた為、気が付いたら彰を壁側まで追い込んでいた。

 彰もその事に気づいた様で、俺を押しやろうとしてくる。それを封じる様に、彰と俺の胸の間で押さえ込む。

「逃げちゃダメ。キス好き? 気持ちいいでしょ」

 反抗されてしまう前に、また唇を塞いだ。優しく下唇を甘噛みし、舌で慰める様に舐り口を開く様に促す。気持ちいいのか彰が、震えながらもそっと口を開いてくれた。その行動がとても嬉しかった。まるで神が許しをくれた様に思えた。

 舌を差し入れ、頬の裏や上顎を擽り、舌を絡める。互いの粘膜が擦り合う快楽が気持ちいい。

 身体にも触れたい。キスを深めながら、ワンピースを捲りあげ太ももを撫で上げながら、緩く勃ち上がった彰の陰茎に触れる。

「んん!」

 陰茎に触れられる感覚に気付いたのか、彰の身体がびくっと跳ねた。ゆっくりと上下に扱くと、先端からぷっくりと雫を溢し始めた。

「んー! ん、ん、んん……。んん」

 彰の喘ぎを飲み込む様に、深く深くキスを施していく。気持ちいいのか、若干だが彰の腰が揺れている。

 口腔に溜まる唾液を彰がコクリと飲み込む音が聞こえた。俺は変態になってしまった。彰が二人の混ざった唾液を身体に入れたと思っただけで、陰茎が熱く勃ち上がり、スラックスの中が窮屈になった。

 彰の体が震え力が入ってきた。もう直ぐ絶頂するだろうと思う寸前で、キスと愛撫をやめた。
 愛撫を止めた瞬間に、とろりと蕩けた顔をした彰が、何でっと言う様に俺を見上げてくる。

「ふふ、イキたい?」

「……そんな、訳ない」

 反論しながら、蕩けた表情が一気に戸惑いに変わった。あぁ、可愛い顔がなくなってしまった。もう一回攻めたらどうなる。また愛らしい顔を見せてくれるのだろうか。

「我慢は良くないよ」

 そう耳元で囁き、しゃがんだ。やはりふらつくのか、彰が俺の頭に手を置いてきた。
 下がってしまったワンピースをゆっくりと捲りあげる。

「可愛いおちんちんだね」

 特段、小さくも大きくもない陰茎は、腹に付くほど勃ち上がり愛撫を待ち侘びていた。
 男のモノなんて咥えたいと思ったことはない。遠慮したい位なのに、彰のモノだと思うと愛らしくて美味しそうに思えた。そっと手を添えて、根本から上へと舌先で舐り、亀頭を咥えた。舌先でちろちろと舐め、喉奥まで咥え込む。啜り上げながら、上下に扱いていく。

「ああ……やぁ、んん」

 俺のフェラで、彰が気持ち良さそうにしている。
 嬉しくてイかせてあげようとした時、カメラの存在を思い出した。廊下にも隠しカメラはある。

 彰のイく所や顔を兄弟達に見せたくない。可愛い姿を独り占めしたい。そんな思いにかられた。だが、今愛撫をやめると彰が立ち直り、逃げ出してしまいそうだ。やりたくないが、仕方がない。

 彰がイきそうなになったら愛撫を止めた。少し落ち着いてきたら、また攻めるを何度も何度も繰り返した。
 喘ぐ声が段々と甘くなり、切なそうな表情に加虐心が刺激される。イきたいのか揺れる彰の腰を押さえつけ、ゆるゆると太腿を撫ぜた。

 限界になったのか彰がふらふらとして座り込んだ。眉尻が下がり涙目になった瞳、赤く染まった頬、大きく開いた両足。その中心で、健気に精を吐き出したいと涙を零す屹立。気怠そうに呼吸を繰り返す彰。快楽に染まった彼はとても淫らで綺麗だった。

「もう、いい感じになったね」


 脱力した彰をお姫様抱っこし、近くの部屋に運んで行った。
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