4 / 33
ゲームのルール
しおりを挟む
白い部屋から出て、廊下にあるランタンを引っ張り隠し通路を出した。暗闇の中を進み、隠し通路の奥にある監視室へと向かった。
縦横無尽に走っているこの隠し通路は、子供の頃に使って遊んでいた事もある為、どう行けばいいか頭の中に完璧な地図が入っている。
監視室に着くと、皆んなの視線が俺に向いた。無視し、監視室を見渡す。監視室という名の通り、この屋敷に仕掛けられた隠しカメラを壁一面にあるモニターで一望できる部屋だ。
「遅かったな。てっきり逃がしていたのかと思っていたが」
良太兄さんの瞳が虚無に戻っている。さっきまでの狂気はどこに行った。
「隠しカメラで見ていただろ」
あの白い部屋にも隠しカメラが付いているはずだ。以前の部屋の隠しカメラの位置そのままならば、見えない様に背を向けていたから、俺が彰の額にキスしていたのは気付かれていない筈だ。
「まあな。海斗も来たから、犯す順番を決めるぞ」
どうやらバレていない様だ。犯す順番って……。
「どういう事だ」
「生贄……白くんには、この屋敷で脱出ゲームをして貰う。謎や問題を解き、鍵を集めて玄関から出たら白くんの勝ち。だが、僕達を躱しながらだ。僕達は、始めに一人で、三時間置きに一人ずつ増え最大で六人で館内を探す。白くんを見つけ次第犯し、快楽落ちさせ壊せば僕達の勝ちだ」
舌なめずりをしながら、うっとりとしている良太兄さんを見てゾッとした。狂ってやがる。捕らえたまま犯すのではなく。希望を与えて壊す気でいる。
「謎と問題は?」
俺の問いに拓也兄さんが答えた。
「良太の兄貴と俺が考えて、もうセットしてある」
謎解き……。彰は解けるのだろうか。
「それでだ。順番を決めようと思ってね。誰が一番初めに白くんを犯そうか。拓也どうだ」
ふざけんな。拓也兄さんは体格が半端なくでかい。それに比例し萎えた状態のアソコも当然デカイ。それが勃ち上がって突っ込まれたら、彰は一発で壊れちまう。拓也兄さんだけは、絶対ダメだ。
「俺が行く」
拓也兄さんが返事をする前に、慌てて立候補した。
「へぇ、処女は面倒だぞ。まあ、慣らさないで貫いてもそれはそれで面白いけどな」
鬼畜だ。そんなの全然面白くない。どっちかと言うと、甘々トロトロに蕩けさせて、気持ち良くて堪らないって感じの顔を見る方が好きだ。
以前の良太兄さんはこんなに鬼畜じゃなかったのに。優しかった良太兄さん、本当にどこに行ってしまったんだ。
「それでは、一番目は海斗ですね」
「海斗が一番なら、次は俺が行くよ」
聖司兄さんの言葉に続く様に大地が言ってきた。二番目が大地なら協力を得られそうだ。
「分かりました。では、後は適当に決めますか」
こうして決まった順番は、俺、大地、聖司、幸平、拓也、良太だ。聖司兄さんになる前に何とかして脱出させないと。
「おっ、目覚めたみたいだ」
拓也兄さんの声に、皆モニターを見た。
彰が目を覚まし、寝台の上で周りを見ている。知らない内に誘拐されてしまって怖い筈だ。今の彰の気持ちを考えると切なくなってくる。おどおどと寝台から立ち上がって、扉に近づいて行っている。
そんな時、良太兄さんがマイクを手に取った。
「起きた様だね。仔羊ちゃん」
突然の声に驚いたように彰の身体が跳ねた。愛らしい瞳が恐怖を表す様に揺らめいている。
「誰だ!」
それでも、強くあろうとしているのだろうか。以前よりも低くなった声を張り上げている。
「怯えた顔も可愛いね。我々は狼。君は神聖なる生贄に選ばれた。ここは我々の巣穴さぁ」
「ふざけるな!ここからだせ!」
「ふざけてなぞいないさぁ。ここから出たければゲームをしよう。我々から逃げ、巣穴から脱出できれば君の勝ち。我々に捕まれば負け。単純なゲームだ」
「何?!」
「君が扉から出たら始まる。我々は始めに一人で君を探そう。三時間毎に一人ずつ増え最大で六人になる」
「捕まると……。殺すのか」
強く張り上げていた声が萎んでいく。恐怖を煽られて切なそうに眉が少し下がっている。何とかして、助けてあげたい。
「そんな野蛮な事はしないさぁ。だが、君を美味しく頂くけどね」
「どういう意味だ!」
「それは捕まった時にわかる事だ。健闘を祈るよ、仔羊ちゃん」
そう言って良太兄さんは、マイクのスイッチを切った。それから、モニターから目線を外し俺達に向けてきた。
「俺達の決まりは、三つ。一つ、射精は一回だけ。あ、白くんは何度イかせてもいい。二つ、ヤった後はタオルと着替えを渡す事。汚れてたら次のヤる奴が可哀想だからな。三つ、アフターはしないだ」
その言葉に俺と大地以外が頷いた。
「さぁ、俺達の狩が始まるぞ。まずは、海斗行け」
表情は愉しそうなのに、何処か切なそう声をだした良太兄さんに違和感を覚えながらも、俺は監視室を後した。
縦横無尽に走っているこの隠し通路は、子供の頃に使って遊んでいた事もある為、どう行けばいいか頭の中に完璧な地図が入っている。
監視室に着くと、皆んなの視線が俺に向いた。無視し、監視室を見渡す。監視室という名の通り、この屋敷に仕掛けられた隠しカメラを壁一面にあるモニターで一望できる部屋だ。
「遅かったな。てっきり逃がしていたのかと思っていたが」
良太兄さんの瞳が虚無に戻っている。さっきまでの狂気はどこに行った。
「隠しカメラで見ていただろ」
あの白い部屋にも隠しカメラが付いているはずだ。以前の部屋の隠しカメラの位置そのままならば、見えない様に背を向けていたから、俺が彰の額にキスしていたのは気付かれていない筈だ。
「まあな。海斗も来たから、犯す順番を決めるぞ」
どうやらバレていない様だ。犯す順番って……。
「どういう事だ」
「生贄……白くんには、この屋敷で脱出ゲームをして貰う。謎や問題を解き、鍵を集めて玄関から出たら白くんの勝ち。だが、僕達を躱しながらだ。僕達は、始めに一人で、三時間置きに一人ずつ増え最大で六人で館内を探す。白くんを見つけ次第犯し、快楽落ちさせ壊せば僕達の勝ちだ」
舌なめずりをしながら、うっとりとしている良太兄さんを見てゾッとした。狂ってやがる。捕らえたまま犯すのではなく。希望を与えて壊す気でいる。
「謎と問題は?」
俺の問いに拓也兄さんが答えた。
「良太の兄貴と俺が考えて、もうセットしてある」
謎解き……。彰は解けるのだろうか。
「それでだ。順番を決めようと思ってね。誰が一番初めに白くんを犯そうか。拓也どうだ」
ふざけんな。拓也兄さんは体格が半端なくでかい。それに比例し萎えた状態のアソコも当然デカイ。それが勃ち上がって突っ込まれたら、彰は一発で壊れちまう。拓也兄さんだけは、絶対ダメだ。
「俺が行く」
拓也兄さんが返事をする前に、慌てて立候補した。
「へぇ、処女は面倒だぞ。まあ、慣らさないで貫いてもそれはそれで面白いけどな」
鬼畜だ。そんなの全然面白くない。どっちかと言うと、甘々トロトロに蕩けさせて、気持ち良くて堪らないって感じの顔を見る方が好きだ。
以前の良太兄さんはこんなに鬼畜じゃなかったのに。優しかった良太兄さん、本当にどこに行ってしまったんだ。
「それでは、一番目は海斗ですね」
「海斗が一番なら、次は俺が行くよ」
聖司兄さんの言葉に続く様に大地が言ってきた。二番目が大地なら協力を得られそうだ。
「分かりました。では、後は適当に決めますか」
こうして決まった順番は、俺、大地、聖司、幸平、拓也、良太だ。聖司兄さんになる前に何とかして脱出させないと。
「おっ、目覚めたみたいだ」
拓也兄さんの声に、皆モニターを見た。
彰が目を覚まし、寝台の上で周りを見ている。知らない内に誘拐されてしまって怖い筈だ。今の彰の気持ちを考えると切なくなってくる。おどおどと寝台から立ち上がって、扉に近づいて行っている。
そんな時、良太兄さんがマイクを手に取った。
「起きた様だね。仔羊ちゃん」
突然の声に驚いたように彰の身体が跳ねた。愛らしい瞳が恐怖を表す様に揺らめいている。
「誰だ!」
それでも、強くあろうとしているのだろうか。以前よりも低くなった声を張り上げている。
「怯えた顔も可愛いね。我々は狼。君は神聖なる生贄に選ばれた。ここは我々の巣穴さぁ」
「ふざけるな!ここからだせ!」
「ふざけてなぞいないさぁ。ここから出たければゲームをしよう。我々から逃げ、巣穴から脱出できれば君の勝ち。我々に捕まれば負け。単純なゲームだ」
「何?!」
「君が扉から出たら始まる。我々は始めに一人で君を探そう。三時間毎に一人ずつ増え最大で六人になる」
「捕まると……。殺すのか」
強く張り上げていた声が萎んでいく。恐怖を煽られて切なそうに眉が少し下がっている。何とかして、助けてあげたい。
「そんな野蛮な事はしないさぁ。だが、君を美味しく頂くけどね」
「どういう意味だ!」
「それは捕まった時にわかる事だ。健闘を祈るよ、仔羊ちゃん」
そう言って良太兄さんは、マイクのスイッチを切った。それから、モニターから目線を外し俺達に向けてきた。
「俺達の決まりは、三つ。一つ、射精は一回だけ。あ、白くんは何度イかせてもいい。二つ、ヤった後はタオルと着替えを渡す事。汚れてたら次のヤる奴が可哀想だからな。三つ、アフターはしないだ」
その言葉に俺と大地以外が頷いた。
「さぁ、俺達の狩が始まるぞ。まずは、海斗行け」
表情は愉しそうなのに、何処か切なそう声をだした良太兄さんに違和感を覚えながらも、俺は監視室を後した。
0
お気に入りに追加
38
あなたにおすすめの小説


どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。


禁断の祈祷室
土岐ゆうば(金湯叶)
BL
リュアオス神を祀る神殿の神官長であるアメデアには専用の祈祷室があった。
アメデア以外は誰も入ることが許されない部屋には、神の像と燭台そして聖典があるだけ。窓もなにもなく、出入口は木の扉一つ。扉の前には護衛が待機しており、アメデア以外は誰もいない。
それなのに祈祷が終わると、アメデアの体には情交の痕がある。アメデアの聖痕は濃く輝き、その強力な神聖力によって人々を助ける。
救済のために神は神官を抱くのか。
それとも愛したがゆえに彼を抱くのか。
神×神官の許された神秘的な夜の話。
※小説家になろう(ムーンライトノベルズ)でも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる