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できるだけ身軽に
しおりを挟む「軽いので着ていて疲れません」という謳い文句のときは、何グラムなのか、実際の重さを書いておいて欲しい、という話。
できるだけ身軽に生きたい、とここのところ思う。
フットワーク軽く生きるためには、みたいな難しいところは、今はまだ頭の整理が追い付かないのでなんとも言えない。けれど、実際問題として自分が使用するもの、身に着けるもの、の「重さ」を身軽に、なるべく軽いものを選ぶように、なってきている。
フライパンが重いと、火を入れながら持ち上げたり、振ったりできない。できあがってお皿に盛りつけるときにも腕がプルプルしてつらい。軽量フライパンを試してみたら、もう重いものはぜったいに無理だという気持ちになった。
食器を落とすことが増えたような気がして、重いお皿を洗うのは案外たいへんだと気付く。毎日土鍋を洗うのはつらいと感じるようになって、あんなに大好きだった土鍋焚きごはんの回数が減り、最近はもっぱら電子ジャーのお世話になっている。
しっかりしたジーンズやウールの分厚いコートを着てでかけた日は疲れが大きい気がする。どんなに見た目が好みでテンションがあがっても、夕方には肩が凝ってつらくなるワンピースがある。
着ていてうれしい服がいいにきまっている。そう思いつつも、なんだかひっかかる。そんなことが増えてきて、見た目も好きで、着ていてラクな服が好みの服になってきた。ゆったりしたサイズ感と着心地、固くも重くも無いもの、例えるなら、スナフキンのような服装がいいみたい。そうわかったけれど、服に関しては、「重さ」がとても厄介だった。
試しにちょっと着てみて、「少し重いかな、でもかわいいし、大丈夫な範囲かも」と思って購入しても、数回で出番が減る服がある。手で持って、着てみて、感じる重さは、私の場合は、信用ならないのだとわかった。
自慢ではないが、私は量を認識する能力が低い。ブラインドボックスのおもちゃの箱の、どちらが重いかを判定できない。四等分して丸めたはずのハンバーグが、ぜんぶバラバラの大きさで焼きあがる。
そんなだから、洋服を重さを感覚で察知して選ぶなんてできっこない。
「軽いので着ていて疲れません」という謳い文句のときは、何グラムなのか、実際の重さを書いておいて欲しい。
アウター特集のページで、軽いを謳うそのコートがいったいどのくらいの重さなのか、書いていない。あなたの「軽い」と私の「軽い」は、私の四等分ハンバーグ以上にちがっていそうだけれど、具体的に書いてくれないと、わからないんじゃないかしら。
別の、重さについては触れられてはいないけれど、コートが掲載されたページをチェックしていくと、ところどころ重さを記載しているものもあった。950グラムから2020グラムまで、おなじコートと分類されるものの中でも様々である。
はて、これは、みんなどこまでを「軽い」って思うのだろう?
「軽いので着ていて疲れません」というコートは、いったい何グラムが該当するの?
服は軽いもののほうが疲れない、というのはまちがいなさそうだと、教えてもらえた気がするから、そこはうれしい。でも、選ぶためには具体的な情報もぜったい必要だと思うの。思うんだけど、「書いてないけど何グラムですか」と問い合わせできるほど、私はマメでも、素直でも、お人よしでもない。面倒だから別を探してしまう。書いてほしいなぁ、なんで書かないかなぁ、とモヤモヤした気持ちを、そこのお洋服に残したまま。。。
できるだけ身軽に生きたい。
こんなふうに煩わしいモヤモヤで、気持ちを重くすることなく暮らせたら、とてもありがたい。
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