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ドラマ化、映画化、アニメ化、小説化、どれでも、原作の結末まで続けてくださいよ、と思わずにはいられない
しおりを挟むこれはもうタイトルどおり。
そしてできることならば、たとえその「部」として完結をしているときでも、続編の制作中止が発表されている場合には、配信の1話目の説明書きや、映像パッケージや書籍の1巻目に、シリーズとしてのその後は用意されていない旨を明記しておいて欲しい、という話。
たとえば、人気漫画のアニメ化。長い長い放送の途中は、漫画の進行に追いついてしまわないよう、アニメオリジナルストーリーが挟まれたり、しばしのインターバルが設けられたりするのに、漫画の最終話には到底届かない、全体としての、承の部分または序から破へと移る直前くらいのところで、放送が終了してしまったりする。
なぜか急展開で話がまとまることもあれば、翌週に続く、みたいな状態で気づけば何年も経過していたり。
たとえば、名作小説のドラマ化。原作にあるエピソードが散りばめられてはいるものの、大きく変更されたストーリー展開は、世界観を共有した新たな物語。さてさてそれからどうなるの。大筋は同じところを目指すのかもしれないけれど、日々の結末は全く新しいそれだ。おっかなびっくり、ワクワクして、やっと新しい旅に慣れてきた頃、物語は終わる。
え、まさかの終わり? 放り出されたエピソードの、続きは、結末は、どうなるの?
二つ目の例えは、まさに今、私がリアルに感じている出来事だ。遅ればせながら、「アンという名の少女」を一気見し、3シーズンで打ち切りになったのだと知って、途方に暮れているから。
物足りない。煮え切らない。
走り切った感、やり切った感、スッキリ感、最終回を迎えたあとの、満たされる感じがまったくない。
モヤモヤする。落ち着かない。背中が痒いのに、手が届かなくってモゾモゾする感じだ。ガマンできない痒みにおかしくなりそうになる。
なぜ終わってしまうのだ。こんなところで終わったら、気持ちが悪いではないか。
私の知っているアンの物語とは、ちょっとちがう、新しいお話を観ていた。
そりゃあ最初は、戸惑いもしたし、どうしてそうなるのだとがっかりする場面もあった。それでも好きな世界の新たな展開だもの、気にならないはずがない。
ああ、もっと続いてほしかった。
原作の完全制覇をしていない私は、別物とはわかりつつも、このドラマで最終地点まで行ってみることができるのではないかと、密かな期待を抱いていたし、少なくとも、何度も読んだ3冊目までの内容は見ることができると信じていた。
けどちがった。しょんぼりした。ここまでで終わってしまうのだと見る前に知っていたら、見なかったかもしれない。
登場人物のイメージがちがう。世界観がずれている。解釈がまちがっている。原作愛がない。改悪されている。もはや別物。
ドラマ化、映画化、アニメ化、小説化、について、問題とされるのはこういうことが多いと思う。たしかにこれはイヤだろう。
でも。。。でも、私が最もイヤなのは、きちんと最後まで見せてくれないことだ。公のものとなっている場所、原作の終わり地点まで、ちゃんと連れていって欲しいのだ。
オレ様、わがまま、な言い方が許されるなら、私の知る最後まではやり切って欲しいと思っている。そうしてもらえないことを私は不満だ、問題だ、と思ってしまう。ほうらね、原作が一番だったね、と憎まれ口をたたきたくなってしまう。
アンの世界も、もっとづついて欲しかった。とてもとても残念だ。
(原作を完全制覇していないくせに、どの口がそんなことを言うのだ、とわかってもおります)
最後まで制作してほしかった。
けれど、創作物全般を考える上で、私は矛盾した考えも持っているんだよね。どこで終わりにするか、物語の作者が決めていい、とも思っているのだ。
誰かから「途中で終わっている」「続きは?」と思われても、書き手が「これで完結」「このお話はここまで」と思ったら、そこで終わりでいいと思っている。
だからもしかしたら、その考えを、ドラマ化、映画化、アニメ化、小説化に適用しないのはおかしいのかもしれない。原作とは別の話なのだから。
そしてまたそれとは反対に、原作があるのに、とも思う。原作に沿わないで終わるというのは途中で放り出すのとおなじではないか。監督の意思? いいえ、あくまで物語の終わりを決めて良いのは原作者だけなのだ、と。
どっちが正しいかはわからない。どちらもまちがっているような気もする。
そしてこれらはすべて、言い逃げ口上かもしれないけれど、私の個人的な希望としては、の意見でしかない。世の中にはいろんな事情があることも、配慮が必要なことも、きれいごとだけじゃ済まないことも、全員の希望を叶えることが難しいことも、わかってはいる。だから、個人的な希望でしかない。
それでも、ドラマ化、映画化、アニメ化、小説化、どれでも、原作の結末まで続けてくださいよ、と思わずにはいられない。ほんと、なんだんだろうね、この性格。
みんなどうしているのだろう。平気だったりするのかしら。気にならなかったり、乗り越えたり、どちらのタイプも存在するのかしら。
諸々結論を出せず、モヤモヤの範囲は広がるだけなのだけれど、一つだけ、わかったように思うことがある。
それくらいおもしろかった、ってことなんだろうな、きっと。
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