ひらたい日々

ちょこ

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【閲覧注意】断末魔の叫びを耳にしたのかもしれない

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読む前に確認してください。
気分が悪くなるかもしれません。気持ち悪いって思うかもしれません。胸が苦しくなるかも、痛くなるかも、しれません。恐ろしくなるかもしれません。感じやすい人は辛くなったり、震えがきたり、どうしようもなさにどうしようもない事態になるかもしません。
或いは、なんだよ、大袈裟な、と腹が立つかもしません。妄想だと気分を害するかもしれません。つまらないと頭にくるかもしません。
これを読んで、そういういろんな気持ちや事態に陥ったとしても、助けることも、謝ることもできません。それをご了承いただける場合のみ、読んでください。少しでも不安、異論がある方は、ブラウザバックするか、閉じるかしてください。

現に私は、最初は恐ろしく、気分が悪く、その後はどうしようもなく不安になって、家を出たくないと、閉じこもりました。
大袈裟かもしれないけれど、自分でもそこまでか、と疑問に思うけれど、二日、そんなでした。
この行以降を読み進める場合は、どんな気持ちになろうとも、すべて自己責任。
ということで、お願いします。


ーーーーー

梅雨らしいジメジメがありつつも、晴れた日でした。
夕方と呼ぶにはまだ少し早いかな、くらいの時間に、私はゴロリとベッドに横になりました。暑い中、外出して戻った後で、少し昼寝しようかな、そんな気持ちになっていました。
と、そのときです。奇妙な鳴き声が聞こえました。
「なんの動物?」
そう思いました。
「まさか、猿?」
動物園で手の長い猿がびゅんびゅんと綱を飛び歩きながら雄叫びをあげているときのような声でした。そんな鳴き声が結構な音量で続いています。
案外、近くから聞こえている。そう思って、窓を開けました。相変わらず、キーキーとギャーギャーの中間のような鳴き声が続いていましたが、見渡す事のできる範囲に、動物の姿はありません。
が、ふと、変な光景が目に留まりました。目の前の芝生に鳩が3羽、いるのですが、ピッタっと静止しているように見えたのです。
「あれ、置物?」
そう思ってじーっと見続けるも、全く動きません。たぶん、時間にして1、2分は見ていたと思います。それでも動く気配はなさそうです。じっとしている鳩なんて、見たことがないので、やっぱり置物かと思って、窓を閉めました。この時には、猿のような鳴き声は止んでいたと思います。
カーテンを閉め、窓から離れつつも、どうもなにか引っ掛かります。
「あんなところに置物なんて誰が置くのだ?」
私はもう一度カーテンを開き、窓を開け、びっくりしました。
そこでは青々とした芝生をちょんちょんと突っついている、3羽の鳩の姿がありました。


この日、旦那さまも在宅していました。
「今の、なんだったんだ?」
二人でよく行く動物園の、馴染みの猿にも似た鳴き声について話しつつ、私は今見た鳩の様子を報告しました。
が、話ながら自分でも変な感じが抜けません。視力もそんなによくないし、妄想癖のある自分のことが、私にとっては最も怪しいのです。さっきの鳩はもしかしたら私の勘違い、ってことも十分あり得ます。
そんなこんなで、まあ、あたり前ではありますが、結論は出ず、この話はそこで終了しました。

夜と呼ぶにはまだ少し早いかな、くらいの時間になって、やっと暑さもひいてきました。今だ、とばかりに、私たちは食料品の買い出しに出かけることに。お買い物トートを持ち、そろって家を出たところで、「えっ?」と思うことが。フワフワとした綿毛のような小さな羽が散乱しているのです。それも尋常ではない量が。
イヤな感じがしました。まさか、という不安に襲われながら、先を行くと、すぐ近くに、また大量の羽が、今度は羽ペンのような形状の羽がたくさんと、小さな鳥の脚、それからどうにも内臓の一部としか思えないものが落ちていたのです。付近には血痕などはありませんでした。どうしてこんなところに、と思うぐらい唐突に、ポツンと落とされたものがあるだけ。
恐ろしい光景でした。
私たちはどうしようもない気持ちで、ただ脇を通り過ぎたのでした。


あれ、たぶん、鳩だよね。
なんであんなことになってるんだ?
なにかに襲われたんだろうね、たぶん。
なにかって、なに?
あ、もしかして、さっきの鳴き声の! あいつが犯人じゃない?
今までこんなことなかったし、あんな声も聞いたことない。あいつが犯人かも。
いったいなんの動物? 猿?

私たちは犯人について推理の話し合いをした。
突如聞こえた、この辺りでは聞いたことのないような鳴き声。あれを発した生物こそが犯人じゃないかと考えた。
天敵の雄叫びに、鳩も豆鉄砲を食らったようにフリーズした。そう考えれば、さっき見た光景にも納得がいく。
あいつはどこに行ったのだ?
またあの声がしたら、同様の事件が起きてしまうのではないか?
なんとか防ぐ手立てはないか?
そんな話し合いをした。
「でもさ、考えてみたら、襲う方は声を発したりしないんじゃないかな」
話し合いが堂々巡りとなった頃、旦那さまがそんなことを言った。
確かに。静かに近づいて、無言で襲う。成功率を高めるにはそうするのが一番な気がする。
「だとしたら。。。」
しばらくなにも言えなかった。
仲間の辛く悲しい悲鳴に、鳩は身動きが取れなくなったのかもしれない。

犯人の手がかりは無くなった。
そうして私は、どうしようもなく不安になって、家を出たくなくなり、二日ほど家に閉じこもったのでした。

いったい犯人は誰なのだ。
同様の事件が起こらないことを祈っている。
頭から離れない鳴き声に苦しみながら、なんとか気持ちを消化すべく、一度気持ちを完結させるべく、ことの顛末をここに記します。


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