ひらたい日々

ちょこ

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手仕事の魔力

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もうやらない。二度とやらない。
そう言っていた旦那さまが、また始めた。それも一体何度目なんだか。

私から見て「プププっ」な案件なのだけれど、旦那さま本人も、「やらないって、あれだけ言っておいて、なにやってんだ、って感じだな」と笑う。
旦那さまがミニチュアドールハウス(キット)を作り始めた。

いちばん始めに作ったのは、お寿司屋さんだったと思う。
日本語の説明書がないため、雰囲気で察しながら、棒から椅子なり机なり、棚なりと調度品を作っていく。
寿司桶も、ビールジョッキも、座布団までも手作りで、こまごまとしたものが山盛り、気の遠くなるような作業を、ときどき叫んだり(なにかまちがえた)、ため息をついたり(細かさにうんざり)、目を瞬かせたり(疲れ目)しながら、旦那さまは作っていた。
休日にちょこちょこと作り進め、完成までは何ヶ月もかかる。

できあがると、それはもう、ぶんどど(おもちゃ遊びと撮影)せずにはいられないステキな世界ができあがるのだけれど、喜びとともにやってくるのは、「もういやだ。ぜったいやらない」という感情らしい。

でもね、ミニチュアドールハウスを作るような手仕事には魔力があるんだよ。
あれだけ「やらない」と宣言しつつ、また始めるの。
これで何度目だろう。小さな庭、本屋さん、コーヒーショップ、今、私の目に入るだけで3つあるよ。つまり、「やらない」は少なくとも三度、破られたということね。

さてさて、今回はどうなることか。
今日は二時間の集中でできた、小さな棚やカウンターをいくつか、嬉しそうに見せてくれた。
本人がまたどこかにレポとか書いたりしたいのかもしれないから、なにを作っているかまでは言わないけれど、パッケージを見る限り、ものすごーくかわいくって、ものすごーく細かいものを作り始めている。

何ヶ月後になるか、わからないけれど、お写真撮るの楽しみだなぁ。
細かすぎて、うまくいかなくって、旦那さまがため息をつくとき、気分転換と励ましの係を私が担当して、見守ろうと思っている。


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