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6.陥れられた者達
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赤ん坊は驚くほど静かだった。
客が帰ると乳を求めて泣く声がした。
「あんたにも強い魔法がかかっているね。母親の強い気持ちが守りの魔法になってあんたを包んでいるよ。あんたを捨てたのは母親じゃないのは間違いないね」
赤ん坊は規則的に乳を求めたが、その他の時間は眠っているか静かにしていた。
強い加護のおかげだ。
デーティアは子供が旅に耐えられるまでの間に情報を収集し、思いつく限りの伝手を頼った。
エルフの村の呪術や学校時代の魔法の講師達。
その中で魔法の講師を引退して辺境のロナウ地方に住む、シルアという名の魔導士の女性が詳細を掴んでいた。
エルーリアは大金を詰んでシルアの友人の魔法使いアンダリオという男に接触していたという。その後、アンダリオは消息を絶ち、不審に思ったシルアが探ると、彼は死んでいた。
死体はサドン男爵領の山の中で見つかった。
エルーリアとアイリーンはアンダリオを利用して幻惑の魔法をかけさせた後、始末していた。
「アンダリオは魔力が強く、世間知らずですが善良な男でした」
シルアからの手紙には悲しみと悔しさが滲んでいた。
「おそらく、ほんのひと時の幻惑を楽しみたいと言う手紙を鵜呑みにして依頼を受け、その後で王子や侯爵令嬢を陥れたことを知り、魔法を解こうとして殺されたのでしょう。術者が死ねば魔法は解けるものですが、エルーリアは領地から王都への長旅に耐えられるようにと願い、時を止める時間固定魔法もかけさせています。これはその魔法の網を破らないと解けません。固定材のようなものです。
私達の力ではアンダリオの魔法を破ることはできません。
デーティア、あなたならばこの忌まわしいいかさまを破ることができるでしょう。
しかしそれには、あなたでも近くに行かなくてはなりません。
ひとつ間違えばあなたの命も危ういでしょう。
それでもこの国の未来のために力を貸してほしいのです」
デーティアは手紙を返した。
「一ヶ月後にお会いしましょう。その時にお返事致します」
文面はそれだけ。そこに魔法で伝言を組み込んだ。
まずは子供の成長が先だ。
旅に耐えられるようになったら侯爵令嬢を訪ねよう。
日々はあっと言う間に過ぎ、子供は丈夫に育っていった。まだ一ヶ月だが健康に育ち、移動魔法にも耐えられる自信がある。
新月の夜、デーティアは慎重に術式を重ね、子供と共に空間転移魔法でダンドリオン領レムスへ飛んだ。
レムスのダンドリオン邸は暗闇に沈み込んでいた。
子供を通じて母親の気配を探り、そこへ飛ぶ。
バルコニーから部屋の中を探ると、やつれ切った少女がベッドに横たわっていた。
魔法で鍵を開けて少女の傍らに立つ。
少しためらったがフィリパを起こす。
フィリパははっと目覚めると怯えてベッドの奥へ後ずさったが、腕の中の子供を見ると飛びつかんばかりに近寄ってきた。
「ジルリア!わたくしのジルリア!!」
泣きながら子供に縋りつく。
「しーっ」
デーティアはフィリパに言うと、部屋に静寂の結界を張った。
「リャドの町近くの森に捨てられていたんだよ。あんたの子で間違いないね?」
そう言って王家の印章付き指輪と二の腕の痣を見せる。
「わたくしの子です!わたくしの大切なジルリア!!」
フィリパは金髪の美しい娘だった。
赤ん坊の、ジルリアの髪はフィリパが強く出たね。王家は赤毛が多いからね。
デーティアは思った。
フィリパはまだ王宮にいたある夜、酔っぱらった第一王子キリアンと関係を持った。望んだことではなかった。
その頃すでにキリアンはエルーリアと体の関係を持っており、フィリパは婚約者の座を辞するつもりでいた。すぐにでも侯爵邸に帰りたいと申し出ていたが、国王も王子もそれを許さなかった。
国王はフィリパを王子妃として留めておきたがったが、王子キリアンはエルーリアとの関係の隠れ蓑として、またエルーリアが濡れ衣を着せるために留めておきたかったのだ。
建国祭目前でフィリパは衆目の元に断罪され放逐された。
「あの男爵令嬢が現れるまで、真面目で優しい方だったのです。なのに野獣のようにおなりあそばしました」
涙の中でフィリパが言う。
「殿下がお望みならば、わたくしは御心のままに辞しましたのに。陛下からも引き止められずるずると王宮にいるうちにあのようなことに…」
衆目の中で謂れのない罪、それも些細な濡れ衣を重ねてなすりつけられて、フィリパは一方的に婚約破棄を言い渡された。
その時、日頃男爵令嬢エルーリアを嫌っている人々でさえ、なんの反論もせず、それどころか木偶人形のように突っ立っていたという。
それでも婚約破棄されたフィリパは、重荷から解放されたと安堵してレムスの侯爵邸へ向かい蟄居したが、ほどなく妊娠を知った。
秘密裏に産んだが、エルーリア達に赤子の誕生は知られてしまい、襲撃された。フィリパは子供を必死に守ろうとしたが、抵抗も空しく赤子は、産後で弱っていたフィリパの腕から奪われた。
しかし、母親の念の強い守護の力が働いて、赤子はリャドの近くの森に飛ばされた。そこをデーティアに発見された。
「この子が大事かい?」
デーティアは確認した。
涙の中からフィリパは強く頷いた。
「どんな辛いことも耐えるかい?」
フィリパは再び強く頷いた。
デーティアは子供、ジルリアを抱いたフィリパの肩に手を回し、移動魔法で再び飛んだ。
今度はロナウのシルアの元へ。
シルアはデーティアの手紙と自分の予知能力で予めわかっていたため、驚きはしなかった。
ロナウは山がちな辺境だ。
シルアはフィリパとジルリアが過ごせるように準備を整えてくれていた。
二人を信用の厚い弟子に任せて部屋に休ませると、あの後調べ上げたことを報告する。
アンダリオには弟子が二人いて、うち1人はアンダリオと共に殺されていた。もう一人の弟子ハウランが今、サドン男爵家にいることをつきとめていた。
「魔力も魔力量も、アンダリオどころか私とも比較できないほどお粗末ですが、アンダリオの力を吸い取った魔法道具を使って男爵夫人と男爵令嬢の魔法を保っているようです」
「幻惑の魔法だね。あの二人は見かけよりも年をとっているんだね、あたしみたいに」
「あなたはエルフの特徴で、そのままで若く見えますが、あの二人は魔法なしではもう容貌を保てないのでしょう」
忌々しそうに言うシルアにデーティアは少し驚いた。
学園では若き講師だったシルアはいつも優しく上品で、他人を腐すようなことは口にしなかった。
「さすがにアンダリオは若返りの魔法は使わなかったようだね」
デーティアが言うとシルアは頷く。
「アンダリオは禁術は使いません。それで拷問の末殺されたようです。弟子の方は口封じでしょう。ハウランと違って、男爵夫人達に従うことを拒んだのでしょうね」
シルアの眦に涙が光る。
人間の命はあっという間だ。
デーティアが学園にいた頃、花の盛りのように若々しかったシルアはデーティアの師匠のルチアと同じような老婆になっている。いや、実際に同じくらいの年齢なのだ。
そんなデーティアの気持ちを見透かしたのかと思うようなことをシルアは続けた。
「私はもう人生の終盤です。アンダリオのことを知り、刺し違える覚悟でいましたが力の差は埋められません」
今ではシルアの頬は涙で濡れていた。
「デーティア、このままでは国王も男爵令嬢の、ハウラン達の意のままになってしまうかもしれません。そうなればハウランはこの国の魔法使いや魔導士や魔女から魔力を集めるでしょう」
魔力を集める?
「まさか、封印されていた魔力吸球でも使っているっていうのかい?」
「その通りです」
デーティアは驚いた。
「今のサドン男爵夫人の前の夫は魔術師でした。アイリーンは夫に強請って若返りの魔法を使っていましたが、夫が衰えをみせると冒険者を雇って神聖迷宮を破らせてリタラーガを奪わせたのです。そして夫の魔力を奪ったものの自身が魔力持ちでなかったため使いこなせず、何人もの魔術師を雇ったのです。そしてサドン男爵を誑かし結婚しました」
ふうと息をつぎシルアは続ける。
「リタラーガの威力は膨大なものです。何人もの魔術師がリタラーガを扱い損ねて死にました。そこでアンダリオが呼ばれたのです」
アンダリオは古代の封印秘宝のリタラーガを見て、封印をすすめたらしい。いや、きっと封印に乗り出したのだろう。そこへまだ魅了と幻惑の魔法を纏っているアイリーンやエルーリアに泣きつかれたようだ。
「どうか娘が社交界で楽しむ時間を与えて欲しい。ほんの一年でいい。今まで苦労ばかりだったのだから」
善良なアンダリオは数か月の約束で強固な魅了と幻惑の魔法を与えた。
約束の終わりの時、術を解こうとして拘束され、リタラーガを使用しての魔法の延長を求めて拷問されて命を落としたのだ。
「私がアンダリオと弟子の遺体から読み取れた過去はこれまでです」
シリアは両手に顔を埋め、嗚咽をもらした。
デーティアは思った。
朝露や月の光みたいな綺麗な恋もあるんだね。
お互い触れもせず思い合う心っていう。
でも面倒な気持ちであることには変わりがない。
客が帰ると乳を求めて泣く声がした。
「あんたにも強い魔法がかかっているね。母親の強い気持ちが守りの魔法になってあんたを包んでいるよ。あんたを捨てたのは母親じゃないのは間違いないね」
赤ん坊は規則的に乳を求めたが、その他の時間は眠っているか静かにしていた。
強い加護のおかげだ。
デーティアは子供が旅に耐えられるまでの間に情報を収集し、思いつく限りの伝手を頼った。
エルフの村の呪術や学校時代の魔法の講師達。
その中で魔法の講師を引退して辺境のロナウ地方に住む、シルアという名の魔導士の女性が詳細を掴んでいた。
エルーリアは大金を詰んでシルアの友人の魔法使いアンダリオという男に接触していたという。その後、アンダリオは消息を絶ち、不審に思ったシルアが探ると、彼は死んでいた。
死体はサドン男爵領の山の中で見つかった。
エルーリアとアイリーンはアンダリオを利用して幻惑の魔法をかけさせた後、始末していた。
「アンダリオは魔力が強く、世間知らずですが善良な男でした」
シルアからの手紙には悲しみと悔しさが滲んでいた。
「おそらく、ほんのひと時の幻惑を楽しみたいと言う手紙を鵜呑みにして依頼を受け、その後で王子や侯爵令嬢を陥れたことを知り、魔法を解こうとして殺されたのでしょう。術者が死ねば魔法は解けるものですが、エルーリアは領地から王都への長旅に耐えられるようにと願い、時を止める時間固定魔法もかけさせています。これはその魔法の網を破らないと解けません。固定材のようなものです。
私達の力ではアンダリオの魔法を破ることはできません。
デーティア、あなたならばこの忌まわしいいかさまを破ることができるでしょう。
しかしそれには、あなたでも近くに行かなくてはなりません。
ひとつ間違えばあなたの命も危ういでしょう。
それでもこの国の未来のために力を貸してほしいのです」
デーティアは手紙を返した。
「一ヶ月後にお会いしましょう。その時にお返事致します」
文面はそれだけ。そこに魔法で伝言を組み込んだ。
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旅に耐えられるようになったら侯爵令嬢を訪ねよう。
日々はあっと言う間に過ぎ、子供は丈夫に育っていった。まだ一ヶ月だが健康に育ち、移動魔法にも耐えられる自信がある。
新月の夜、デーティアは慎重に術式を重ね、子供と共に空間転移魔法でダンドリオン領レムスへ飛んだ。
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子供を通じて母親の気配を探り、そこへ飛ぶ。
バルコニーから部屋の中を探ると、やつれ切った少女がベッドに横たわっていた。
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少しためらったがフィリパを起こす。
フィリパははっと目覚めると怯えてベッドの奥へ後ずさったが、腕の中の子供を見ると飛びつかんばかりに近寄ってきた。
「ジルリア!わたくしのジルリア!!」
泣きながら子供に縋りつく。
「しーっ」
デーティアはフィリパに言うと、部屋に静寂の結界を張った。
「リャドの町近くの森に捨てられていたんだよ。あんたの子で間違いないね?」
そう言って王家の印章付き指輪と二の腕の痣を見せる。
「わたくしの子です!わたくしの大切なジルリア!!」
フィリパは金髪の美しい娘だった。
赤ん坊の、ジルリアの髪はフィリパが強く出たね。王家は赤毛が多いからね。
デーティアは思った。
フィリパはまだ王宮にいたある夜、酔っぱらった第一王子キリアンと関係を持った。望んだことではなかった。
その頃すでにキリアンはエルーリアと体の関係を持っており、フィリパは婚約者の座を辞するつもりでいた。すぐにでも侯爵邸に帰りたいと申し出ていたが、国王も王子もそれを許さなかった。
国王はフィリパを王子妃として留めておきたがったが、王子キリアンはエルーリアとの関係の隠れ蓑として、またエルーリアが濡れ衣を着せるために留めておきたかったのだ。
建国祭目前でフィリパは衆目の元に断罪され放逐された。
「あの男爵令嬢が現れるまで、真面目で優しい方だったのです。なのに野獣のようにおなりあそばしました」
涙の中でフィリパが言う。
「殿下がお望みならば、わたくしは御心のままに辞しましたのに。陛下からも引き止められずるずると王宮にいるうちにあのようなことに…」
衆目の中で謂れのない罪、それも些細な濡れ衣を重ねてなすりつけられて、フィリパは一方的に婚約破棄を言い渡された。
その時、日頃男爵令嬢エルーリアを嫌っている人々でさえ、なんの反論もせず、それどころか木偶人形のように突っ立っていたという。
それでも婚約破棄されたフィリパは、重荷から解放されたと安堵してレムスの侯爵邸へ向かい蟄居したが、ほどなく妊娠を知った。
秘密裏に産んだが、エルーリア達に赤子の誕生は知られてしまい、襲撃された。フィリパは子供を必死に守ろうとしたが、抵抗も空しく赤子は、産後で弱っていたフィリパの腕から奪われた。
しかし、母親の念の強い守護の力が働いて、赤子はリャドの近くの森に飛ばされた。そこをデーティアに発見された。
「この子が大事かい?」
デーティアは確認した。
涙の中からフィリパは強く頷いた。
「どんな辛いことも耐えるかい?」
フィリパは再び強く頷いた。
デーティアは子供、ジルリアを抱いたフィリパの肩に手を回し、移動魔法で再び飛んだ。
今度はロナウのシルアの元へ。
シルアはデーティアの手紙と自分の予知能力で予めわかっていたため、驚きはしなかった。
ロナウは山がちな辺境だ。
シルアはフィリパとジルリアが過ごせるように準備を整えてくれていた。
二人を信用の厚い弟子に任せて部屋に休ませると、あの後調べ上げたことを報告する。
アンダリオには弟子が二人いて、うち1人はアンダリオと共に殺されていた。もう一人の弟子ハウランが今、サドン男爵家にいることをつきとめていた。
「魔力も魔力量も、アンダリオどころか私とも比較できないほどお粗末ですが、アンダリオの力を吸い取った魔法道具を使って男爵夫人と男爵令嬢の魔法を保っているようです」
「幻惑の魔法だね。あの二人は見かけよりも年をとっているんだね、あたしみたいに」
「あなたはエルフの特徴で、そのままで若く見えますが、あの二人は魔法なしではもう容貌を保てないのでしょう」
忌々しそうに言うシルアにデーティアは少し驚いた。
学園では若き講師だったシルアはいつも優しく上品で、他人を腐すようなことは口にしなかった。
「さすがにアンダリオは若返りの魔法は使わなかったようだね」
デーティアが言うとシルアは頷く。
「アンダリオは禁術は使いません。それで拷問の末殺されたようです。弟子の方は口封じでしょう。ハウランと違って、男爵夫人達に従うことを拒んだのでしょうね」
シルアの眦に涙が光る。
人間の命はあっという間だ。
デーティアが学園にいた頃、花の盛りのように若々しかったシルアはデーティアの師匠のルチアと同じような老婆になっている。いや、実際に同じくらいの年齢なのだ。
そんなデーティアの気持ちを見透かしたのかと思うようなことをシルアは続けた。
「私はもう人生の終盤です。アンダリオのことを知り、刺し違える覚悟でいましたが力の差は埋められません」
今ではシルアの頬は涙で濡れていた。
「デーティア、このままでは国王も男爵令嬢の、ハウラン達の意のままになってしまうかもしれません。そうなればハウランはこの国の魔法使いや魔導士や魔女から魔力を集めるでしょう」
魔力を集める?
「まさか、封印されていた魔力吸球でも使っているっていうのかい?」
「その通りです」
デーティアは驚いた。
「今のサドン男爵夫人の前の夫は魔術師でした。アイリーンは夫に強請って若返りの魔法を使っていましたが、夫が衰えをみせると冒険者を雇って神聖迷宮を破らせてリタラーガを奪わせたのです。そして夫の魔力を奪ったものの自身が魔力持ちでなかったため使いこなせず、何人もの魔術師を雇ったのです。そしてサドン男爵を誑かし結婚しました」
ふうと息をつぎシルアは続ける。
「リタラーガの威力は膨大なものです。何人もの魔術師がリタラーガを扱い損ねて死にました。そこでアンダリオが呼ばれたのです」
アンダリオは古代の封印秘宝のリタラーガを見て、封印をすすめたらしい。いや、きっと封印に乗り出したのだろう。そこへまだ魅了と幻惑の魔法を纏っているアイリーンやエルーリアに泣きつかれたようだ。
「どうか娘が社交界で楽しむ時間を与えて欲しい。ほんの一年でいい。今まで苦労ばかりだったのだから」
善良なアンダリオは数か月の約束で強固な魅了と幻惑の魔法を与えた。
約束の終わりの時、術を解こうとして拘束され、リタラーガを使用しての魔法の延長を求めて拷問されて命を落としたのだ。
「私がアンダリオと弟子の遺体から読み取れた過去はこれまでです」
シリアは両手に顔を埋め、嗚咽をもらした。
デーティアは思った。
朝露や月の光みたいな綺麗な恋もあるんだね。
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