ハゲ戦記

マジキチ組長

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008.禿十二将禿葉月（はげはづき）

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禿十二将の一人、禿葉月（はげはづき）
出生は禿国の農家であったとされている。
幼い頃より占いに興味を持ち、わずか七歳にして様々な占術の知識を得たという。

そして彼が成長して少年となった頃では有名な占い師としてその名が知られ出す。
やがてその噂は領主である禿則宗の耳にも届いた事で彼は禿家に軍配師として仕え始め、主に出陣の吉凶や築城の日時などの占いを行っていた。
また、彼の豊富な占いの知識を活かして領内の民たち個人の占いを行う事もしばしばあったという。

ある日、禿葉月は開墾業務の為に禿国の禿坂村（はげさかむら）を訪れていた。
作業に従事する民たちに対して指示を与えるなどの業務をこなし、その一日の業務は終了。
夜には村で宴会が行われ、彼も招待を受けて宴を楽しんでいた。

宴も終わりに近付き始めた頃、禿葉月が恐怖に満ちた顔をして言う。

『あぁ……何と恐ろしい事が……起きるというのですか……』

『禿葉月様、如何なされたのですか？』

その尋常では無い彼の表情を見た村人たちが問い掛けの言葉を発していた。
すると禿葉月が怯えながら答える。

『良いですか。明日の朝、この地に大きな地震が起きます……』

『な、何ですと？地震が起きると？そ、それは真にございますか？』

明日の朝、この禿坂村は大地震に見舞われるであろう。
彼によるその言葉を聞いた村人たちは、ざわつき始めていた。
そうして混乱し始める様子を打ち壊すように禿葉月が再び声を上げる。

『はい！こちらに留まっては危険にございます！それ故に皆さん、この禿坂村から今すぐに離れるのです！』

必死の形相で声を張り上げる姿に村人たちは先刻に彼が放った言葉を信じ、禿坂村を大急ぎで離れるのであった。

そうして迎えた翌日の朝。
禿葉月の予言通り、大地震が禿坂村を中心に襲った。
その被害は甚大なものであり、村の建物は地震によって一軒も残らず損壊していた。
だが、前日の彼の忠告によって村人たちは隣村へと避難していた事もあり、全員が無事であったという。