おしが想像と違います

２

ぐいぐい来ます！

さすがヒロン。
お菓子の腕前がなかなかです。
昨日の今日で本当にお菓子を作って来てくれました。
一度断ったのですが…

「私が庶民上がりだからですか？」

と泣き出してしまって。
ゲームではライバルであっていじめはしないし。
私にそんなに度胸もないです…

で、放課後に一緒に食べる事になって今いただいてます。
普通に美味しいですよ。

「クロニクル様よければシル様とお呼びしてもいいですか？」

「え？嫌です…」

「やっぱり私の事！」

「いいです良いですから泣かないでください。」

「ありがとうございます。シル様紅茶もお持ちしました良ければどうぞ。」

「ありがとうございます…」

えっと…なぜか好かれてません？
好かれる理由が分からなくて怖いです…
私に近付いて、クロウをおとす作戦とか？

「シル様。私ずっと気が付いてました。」

まさか！ストーカーしてた事でしょうか？

「ずっと私の事を見守ってくれてましたよね。」

あ～ばれてます！どうしましょう！

「最初は怖くて。とても厳しい方だと入学式では聞きました。先生やシル様の回りの方はとても優しく素晴らしい方だと。私どちらが本当か知りたくていろいろして見たら。雨の日に傘を忘れたら人伝に傘をくれたり。転んで怪我をしたら急いで救急箱を私の友達に届けてくれたそうですね。その時派手に転んで私よりぼろぼろになってたと聞きました。」

ばれてます！しかも恥ずかしいやつも。

「それから私シル様の事が気になって。視線を感じると嬉しくて。見当たらないとつい家の影を使って調べてしまったり、後ろを付けてしまったりしたのですが。お友達になれたらそんな必要なくなるのですが…」

あれ？
知らないうちに逆にストーカーされてたと言うことですか？
そしてやめないと続けると？
リリアさん恐ろしい！

「良ければお友達になっていただけませんか？」

「えっと…」

「確かシル様大事なコレクションが有るとか？」

「え？」

「私その方の直筆のカード持ってますよ？お友達になら譲れますけど…」

「お友達です！」

ライバルは時に助け合う友人でも有りますよね！