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レッスンだ
しおりを挟む今日はダンスのレッスンだ。
私もシルもそれぞれの家で習っているが2人で合わせた事はないので、練習することになった。
シルのデビューで初めて2人で人前で踊る。
誰とも踊らなかった私がシルと踊れば婚約を正式に発表してなくとも、婚約者だと皆思うだろ。
シルがどれ程の腕前かは知らなが私は王子らしくリードしてみせる。
「では始めますよ。」
先生の合図で音楽が流れて出した。
まずはお辞儀。
手を取って、腰に手をまわす…
こんなに細いのか?
どこまで回せばいいかわからん、片腕で収まりそうだ。
近い!柔らかい、柔らかい!
「はい、けっこうです。殿下少し力んでますか?動きが固いですよ?」
「すまない。もう一度頼む。」
だめだ集中しないと、シルに下手だと思われる。
始めてはシルと踊りたいと思って、女性と練習してこなかったのが失敗だった。
リードってどうするんだ?体を合わせる?呼吸を合わせる?
柔らかい、かわいい、好きだ!
「ストップ。殿下どうしました?」
「ほんとにすまない、シルと踊るのを楽しみにしていたのだが。意識してしまって。」
もうだめだ、自分じゃどうにも出来ない。
練習不足だ、情けない。
「確かに緊張しますよね。私は兄様でなれてますから。…クロウは女性パートはできますか?」
「一通り出来るが。」
「音楽お願いします。」
「えっ?シル?」
「舌を噛まないようにしてくださいね。」
「えっ?ええ!」
シルが男性パートで私が女性パートだと?
やめてくれ、どんな嫌がらせだ。
え?ちょっと待ってくれ!
「けっこうです。素晴らしい踊りでした。殿下参考になりましたか?」
「はい…すてきでした…」
シルから手を握られたり、かっこよく微笑まれたり、抱きつかれたり…支えられたとも言うが。
最高だった。
顔が暑いし胸が苦しいし恥ずかしい。
もう無理…立ち上がれない。
しゃがみこんでうつ向いてると、絶対見られたくなかったやつの笑い声が聞こえて来た。
「くくっ面白い事になってるね。少し休んだら。」
最悪だ…
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