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第35章:東部戦線
【幕部・1】やはり此奴は壺が好きなのかな?
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1559年5月7日辰の刻
上野国赤石城城下町巡羅隊駐屯地
幕部駿河
(純粋な坊やというわけではなさそう)
「では私はこれから既定の計画通りに南下する。
後は頼んだ。貴様の足跡をこの地へ刻み込んでやればいい」
赤井はそういうが早いか輿に飛び乗り、それを担がせている大男に行く先を手にした采配で指し示して目標である那和城へ進軍していった。
彼奴の素顔は数度しか見たことは無い。
だがそれだけで十分だ。
奴は「生き急いでいる」
先がないのを知っているのだろう。
多分、そのために周りを巻き込んでいる。
そしてそれを現実とする知略があるものだから迷惑極まりない。
今、私も目の前で整列している約100名の巡羅隊。
此奴らも赤井の差し金で謀反へと走った。
なんでも大胡に不満を持つものだけをここ赤石に集めたのだそうだ。
「どのような手を使った?」
そう聞いても笑い声を上げながらはぐらかされた。ここまで来てそれはないだろう。右腕だろうこの私は。
そんな仲間にも教えない手練手管。
何を考えているか全くわからない。
しかし私がやることのお膳立ては出来た。
大胡の領地を、その一部を我が手に。ここ赤石は大胡の中枢。商業の集散地だ。
ここを占領したまま終戦状態まで持って行けば、どこか辺境の一地域を掠め取れる。そこから善政を敷くのだ。
そして生き別れた姉上を探して住処を作り上げる。
そうでもしなければ、幼き頃にどこかの武将に連れ去られた姉上に見つけてもらえないだろう。もう自分で見つけられるところはなくなった。
一旗揚げてこちらへ来てもらうようにする。これだけが私の願いだ。
「幕部様。ご下令を」
巡羅隊の副指揮官だった者。
いまは司令官として任命されたゲリラ隊の指揮官に命令を下す。
「元巡羅隊は北から南下してくる華蔵寺駐屯兵を市街戦で混乱させる。
大通りは本隊で塞ぐ。脇道から襲撃を繰り返して疲弊させよ。市街は熟知していよう。頼んだぞ!」
応!
皆、口元が釣り上がっている。
相当な不満がたまっていたようだ。
この街は町人が主人だ。
官吏は下僕。
そう殿様が決めた。
今まで国衆として威張り腐ることが当たり前であった者達だ。
それが草履のように名誉を踏みつけられ、すり減るまでこき使われる。
元武士であった巡羅隊の殆どが反旗を翻したのも無理はない。
指揮官の元、各所に散って行く少人数の集団を端で見ながら、私は自分の仕事に戻った。
「第1第2小隊は私の下で赤石城大手門を守れ。第3小隊は北町橋、第4小隊は南町橋を東方から来るであろう大胡軍を、櫓を使用してその侵攻を阻止。それぞれ鉄砲50丁を持って行け。射程は十分確保できるはずだ」
そして振り返り西の赤石城三の丸を指して皆に聞こえるように大声で言う。
「最後はあの三の丸を死守する。あの反乱兵が確保した地点が最終防御地点だ。大胡を屈服させるまでの間、あそこを守り切れば国衆の世を取り戻せる。皆の者、家名の復活に命を掛けよ!」
三の丸。
あそこには赤石城にあった煙硝の半分は置いてある。
残りは全て燃やした。
歯向かった守備兵の躯100近くと共に。
残るは本丸にいる敵200程。
鉄砲はあっても火薬がなければ何も出来まい。
私もどうやら口元が不気味な笑い方になっていたらしい。
戦闘員はそれでもいいが指揮官は冷静でなければと習った。
冷静に正義顔をしている大胡の連中を倒していこう。
◇ ◇ ◇ ◇
同日同刻
吾妻幸信
(この人のステータスが知りたい。え?作者が作れって? いあいあ、それはお楽しみです、はい)
なんてこった!
赤石城陥落?
いや、三の丸だけか。
幸いにして通信所は無事だ。本丸は200名近くの兵に守られているが……火薬がないだと??
三の丸は反乱兵数十名が占拠していると。
しかも皆後備兵だ。
弩弓だと鉄砲との射撃戦など出来るわけがない。
最近の弩弓は射程が伸びているが連射性能は低下している。
絡繰りが複雑になったせいだ。
クランクを回して弓を引く。
1分に1発撃てれば御の字だ。
大手門上の回廊は遮蔽物で塞がれたため、虎口の両側に分かれての射撃戦だという。矢の消耗が激しいだろう。
大した戦果は期待できない。
足利城や国峰城、そこかしこで反乱が絶えない。
謎だ。
なぜこの大胡でそんなに多くの不満分子が出る?
そしてそ奴らが「そこに集中」しているのだ?
もうすぐ俺の指揮下にある本隊、正規兵500と後備兵300が本丸北1町まで近づく。
急に縦隊の前方で射撃音が連続して起きる。
「敵襲!
左翼!
斬り込み隊。
巡羅隊の制服!
約10!」
巡邏隊までもか!?
これはまずい。
巡邏隊ならばこの込み入った街並み、知悉していよう。
ゲリラ戦術が取り放題だ。
幸いにして武装は銃がなく、斬り込みだけらしい。
銃を持っているのであったら今頃先程の奇襲で使用され、大量の犠牲が出ている。
「左右に警戒。3列縦隊。中央は後備兵。逃げる敵だけ弩弓で狙え。左右の正規兵は銃剣で応戦。敵のどてっぱらに銃口を押し付ける以外は発砲を禁じる!
まあ、そこまで行けば銃剣が敵にめり込んでいるか」
部下の笑いを誘いながら辺りを伺う。
これは。
下手に偵察も伝令も出せない。
伝令は本丸の通信台を使うか。
荒砥川の東岸を兵300の部隊2つを送る。
そこに架かる二つの橋。
多分既に占領されているだろう。
あそこには櫓が建っている。
これを攻略できれば東から市内へ入れる。
敵は三方向から包囲されることになる。
いや。城の南。
三の丸のすぐ南にも橋がある。
あそこを塞ぐ。
もしくは渡る行動をとれば本丸の200が三の丸を攻めることも可能か。
まずは火急的速やかに巡邏隊を殲滅……できないか。
ゲリラとはそう言うもの。
そちらへの防備をしつつ、分遣隊を派遣することにした。
この作戦を考えた奴。
相当な策士だぜ。
敵が何人いるかまでは分かんねえが、多分こっちの半数もいまい。
精々600か?
これで那和城への後詰が遅れるとやばい。
あそこにはもう後備兵1000もいない。
3方向から攻め寄せたら兵員が足りなくて城に取りつかれるかもしれん。
5月の強い日差しが照り付ける中、そろそろ小休止を入れ水を飲みたいと思うがそれどころではない状況に頭を抱えたくなった。
◇ ◇ ◇ ◇
「交通の要衝」
高崎は現在北関東随一の交通の要衝となっています。
新幹線の分岐点。
自動車道が四方に延び、JRも高崎線湘南新宿ライン八高線両毛線信越線上越線がありそのほか上信鉄道も通っています。
それだけこの辺りはそれだけのポテンシャルを持っているという事です。
ただ実際の所は赤石=伊勢崎市は利根川が邪魔して高崎市の役割は果たせません。
特に鉄道が敷設され始め、河川交通がなくなると一気に衰退するでしょうね。
「右腕」
結局、推政君は自分だけで突っ走って周りを巻き込むタイプの人だったと。
だからそれがばれる時一気に崩壊します。
「巡邏隊」
サーベルの代わりに日本刀持っています。
浅黄色のだんだら模様を付けていないことを切に願います。
そういえば「こらー!」の語源は薩摩言葉の「こらこら」=「もしもし」から来ているとか。
巡査に薩摩藩士が多かった時の名残だと。
「渡り廊下」
彦根城の大手門上にある矢倉を想像してください。
あれがあると大手門に近寄るのは死を意味する。
上野国赤石城城下町巡羅隊駐屯地
幕部駿河
(純粋な坊やというわけではなさそう)
「では私はこれから既定の計画通りに南下する。
後は頼んだ。貴様の足跡をこの地へ刻み込んでやればいい」
赤井はそういうが早いか輿に飛び乗り、それを担がせている大男に行く先を手にした采配で指し示して目標である那和城へ進軍していった。
彼奴の素顔は数度しか見たことは無い。
だがそれだけで十分だ。
奴は「生き急いでいる」
先がないのを知っているのだろう。
多分、そのために周りを巻き込んでいる。
そしてそれを現実とする知略があるものだから迷惑極まりない。
今、私も目の前で整列している約100名の巡羅隊。
此奴らも赤井の差し金で謀反へと走った。
なんでも大胡に不満を持つものだけをここ赤石に集めたのだそうだ。
「どのような手を使った?」
そう聞いても笑い声を上げながらはぐらかされた。ここまで来てそれはないだろう。右腕だろうこの私は。
そんな仲間にも教えない手練手管。
何を考えているか全くわからない。
しかし私がやることのお膳立ては出来た。
大胡の領地を、その一部を我が手に。ここ赤石は大胡の中枢。商業の集散地だ。
ここを占領したまま終戦状態まで持って行けば、どこか辺境の一地域を掠め取れる。そこから善政を敷くのだ。
そして生き別れた姉上を探して住処を作り上げる。
そうでもしなければ、幼き頃にどこかの武将に連れ去られた姉上に見つけてもらえないだろう。もう自分で見つけられるところはなくなった。
一旗揚げてこちらへ来てもらうようにする。これだけが私の願いだ。
「幕部様。ご下令を」
巡羅隊の副指揮官だった者。
いまは司令官として任命されたゲリラ隊の指揮官に命令を下す。
「元巡羅隊は北から南下してくる華蔵寺駐屯兵を市街戦で混乱させる。
大通りは本隊で塞ぐ。脇道から襲撃を繰り返して疲弊させよ。市街は熟知していよう。頼んだぞ!」
応!
皆、口元が釣り上がっている。
相当な不満がたまっていたようだ。
この街は町人が主人だ。
官吏は下僕。
そう殿様が決めた。
今まで国衆として威張り腐ることが当たり前であった者達だ。
それが草履のように名誉を踏みつけられ、すり減るまでこき使われる。
元武士であった巡羅隊の殆どが反旗を翻したのも無理はない。
指揮官の元、各所に散って行く少人数の集団を端で見ながら、私は自分の仕事に戻った。
「第1第2小隊は私の下で赤石城大手門を守れ。第3小隊は北町橋、第4小隊は南町橋を東方から来るであろう大胡軍を、櫓を使用してその侵攻を阻止。それぞれ鉄砲50丁を持って行け。射程は十分確保できるはずだ」
そして振り返り西の赤石城三の丸を指して皆に聞こえるように大声で言う。
「最後はあの三の丸を死守する。あの反乱兵が確保した地点が最終防御地点だ。大胡を屈服させるまでの間、あそこを守り切れば国衆の世を取り戻せる。皆の者、家名の復活に命を掛けよ!」
三の丸。
あそこには赤石城にあった煙硝の半分は置いてある。
残りは全て燃やした。
歯向かった守備兵の躯100近くと共に。
残るは本丸にいる敵200程。
鉄砲はあっても火薬がなければ何も出来まい。
私もどうやら口元が不気味な笑い方になっていたらしい。
戦闘員はそれでもいいが指揮官は冷静でなければと習った。
冷静に正義顔をしている大胡の連中を倒していこう。
◇ ◇ ◇ ◇
同日同刻
吾妻幸信
(この人のステータスが知りたい。え?作者が作れって? いあいあ、それはお楽しみです、はい)
なんてこった!
赤石城陥落?
いや、三の丸だけか。
幸いにして通信所は無事だ。本丸は200名近くの兵に守られているが……火薬がないだと??
三の丸は反乱兵数十名が占拠していると。
しかも皆後備兵だ。
弩弓だと鉄砲との射撃戦など出来るわけがない。
最近の弩弓は射程が伸びているが連射性能は低下している。
絡繰りが複雑になったせいだ。
クランクを回して弓を引く。
1分に1発撃てれば御の字だ。
大手門上の回廊は遮蔽物で塞がれたため、虎口の両側に分かれての射撃戦だという。矢の消耗が激しいだろう。
大した戦果は期待できない。
足利城や国峰城、そこかしこで反乱が絶えない。
謎だ。
なぜこの大胡でそんなに多くの不満分子が出る?
そしてそ奴らが「そこに集中」しているのだ?
もうすぐ俺の指揮下にある本隊、正規兵500と後備兵300が本丸北1町まで近づく。
急に縦隊の前方で射撃音が連続して起きる。
「敵襲!
左翼!
斬り込み隊。
巡羅隊の制服!
約10!」
巡邏隊までもか!?
これはまずい。
巡邏隊ならばこの込み入った街並み、知悉していよう。
ゲリラ戦術が取り放題だ。
幸いにして武装は銃がなく、斬り込みだけらしい。
銃を持っているのであったら今頃先程の奇襲で使用され、大量の犠牲が出ている。
「左右に警戒。3列縦隊。中央は後備兵。逃げる敵だけ弩弓で狙え。左右の正規兵は銃剣で応戦。敵のどてっぱらに銃口を押し付ける以外は発砲を禁じる!
まあ、そこまで行けば銃剣が敵にめり込んでいるか」
部下の笑いを誘いながら辺りを伺う。
これは。
下手に偵察も伝令も出せない。
伝令は本丸の通信台を使うか。
荒砥川の東岸を兵300の部隊2つを送る。
そこに架かる二つの橋。
多分既に占領されているだろう。
あそこには櫓が建っている。
これを攻略できれば東から市内へ入れる。
敵は三方向から包囲されることになる。
いや。城の南。
三の丸のすぐ南にも橋がある。
あそこを塞ぐ。
もしくは渡る行動をとれば本丸の200が三の丸を攻めることも可能か。
まずは火急的速やかに巡邏隊を殲滅……できないか。
ゲリラとはそう言うもの。
そちらへの防備をしつつ、分遣隊を派遣することにした。
この作戦を考えた奴。
相当な策士だぜ。
敵が何人いるかまでは分かんねえが、多分こっちの半数もいまい。
精々600か?
これで那和城への後詰が遅れるとやばい。
あそこにはもう後備兵1000もいない。
3方向から攻め寄せたら兵員が足りなくて城に取りつかれるかもしれん。
5月の強い日差しが照り付ける中、そろそろ小休止を入れ水を飲みたいと思うがそれどころではない状況に頭を抱えたくなった。
◇ ◇ ◇ ◇
「交通の要衝」
高崎は現在北関東随一の交通の要衝となっています。
新幹線の分岐点。
自動車道が四方に延び、JRも高崎線湘南新宿ライン八高線両毛線信越線上越線がありそのほか上信鉄道も通っています。
それだけこの辺りはそれだけのポテンシャルを持っているという事です。
ただ実際の所は赤石=伊勢崎市は利根川が邪魔して高崎市の役割は果たせません。
特に鉄道が敷設され始め、河川交通がなくなると一気に衰退するでしょうね。
「右腕」
結局、推政君は自分だけで突っ走って周りを巻き込むタイプの人だったと。
だからそれがばれる時一気に崩壊します。
「巡邏隊」
サーベルの代わりに日本刀持っています。
浅黄色のだんだら模様を付けていないことを切に願います。
そういえば「こらー!」の語源は薩摩言葉の「こらこら」=「もしもし」から来ているとか。
巡査に薩摩藩士が多かった時の名残だと。
「渡り廊下」
彦根城の大手門上にある矢倉を想像してください。
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更に彼は生まれつき身体が弱く、武術も魔導の才もないというハンディキャップを抱えていた。また、日本で得た知識を使った技術革新も、世界を崩壊させる危険な技術として封じられてしまう。
彼の代名詞である“微笑み”も単に苦し紛れの策に対する苦笑に過ぎなかった。
マティアスは愛する家族や仲間を守るため、大賢者とその配下の凄腕間者集団の力を借りつつ、優秀な友人たちと力を合わせて強大な敵と戦うことを決意する。
彼は情報の重要性を誰よりも重視し、巧みに情報を利用した謀略で敵を混乱させ、更に戦場では敵の意表を突く戦術を駆使して勝利に貢献していく……。
■■■
あらすじにある通り、主人公にあるのは日本で得た中途半端な知識のみで、チートに類する卓越した能力はありません。基本的には政略・謀略・軍略といったシリアスな話が主となる予定で、恋愛要素は少なめ、ハーレム要素はもちろんありません。前半は裏方に徹して情報収集や情報操作を行うため、主人公が出てくる戦闘シーンはほとんどありません。
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