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第35章:東部戦線
【吾妻・2】通信網をやられた!
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1559年5月7日
上野国華蔵寺公園戦略指揮所
大胡是定
(味方:大胡城代から現在社会福祉を担当。何でも屋)
「是定殿。儂らは何でこういう時役立たずなんじゃろう?」
正面で戦略指揮所の2畳敷きの巨大な地図を、両手をついて覗き込みながら内務尚書の瀬川殿が愚痴る。
「仕方あるまい。適材適所じゃ。儂らは内政だけで食うてきた。下手に軍に手を出せば品川の二の舞になる」
儂は自分の不手際で多くの死傷者を出してしもうた品川の軍備の失策を改めて思い起こした。
口の中が苦い。
「だから儂らは軍制軍備だけすればよい。既に3000の後備兵をたった5日で使い物になるように差配した。これだけで十分じゃ」
「じゃが、たった3000ですぞ。この広大な赤城の裾野をたった3000で守る。これを東雲様の知略をもってしても、いや、竜騎兵が完全装備であっても不可能に近いかと」
現在、東雲殿は配下の竜騎兵2500で新田金山を包囲する20000もの大軍が、未だ兵を入れるまでには完成しておらぬ世良田要塞の東でにらみを利かせている。
そこから逐一、こちらへ指揮をすることは無理というもの。
それで最も信頼している吾妻大隊長をこちらの現地指揮官として派遣された。
その吾妻隊長が作戦指揮所にて疲れ果てて仮眠している。
敵の居所がわからない、いや、どれが本当の情報なのかがわからないのだ。
宇都宮勢3000が桐生を襲った。
小股城が落とされ、茶臼山の砦が落ちた。
ここまでは確認できた。
柄杓山城と高津戸城はまだ落城はしていない。
しかしこの先が分からぬ。
敵3000が忽然と姿を消した。
大胡方面に向かったという高津戸からの連絡を最後に、定時連絡しか通信網で流れてこない。推定されるのは鹿田山の通信所が落とされ通信符丁が奪われたこと。
また茶臼山も重要な通信拠点だ。
この2つが落とされると桐生以東の様子がわからなくなる。
高津戸にも柄杓山城にも連絡が取れない。
高津戸からの「兵2000以上が西進」という連絡も怪しくなってきた。
そちらは囮で2000以上が赤石城と華蔵寺を狙って西進している最中かもしれぬ。
昨夜、吾妻隊長は一睡もせず作戦を練っていた。
それまでの配備を見直すべきと感じたのだろう。
大胡城に500。
華蔵寺公園に500。
赤石城に500。
そして殿の居城。大胡の中枢でもある那和城に2000。
これを昨日1日かけて変更した。
那和城の後備兵1000を赤石城へ。
世良田要塞付近の正規兵を主幹部隊として引き抜く要請をして500を華蔵寺に配備。敵が赤石城に進軍することを念頭にした配備に変えた。
赤石城付近には1500の後備兵がいる。
装備は旧式の鉄砲と長柄が中心だ。
だが宇都宮相手ならこれでもおつりが来るであろう。
時間を稼いでいる間に北の華蔵寺から1000の増援が到着する。
20町程であるから30分とかからぬ。
すぐに出発できれば展開まで1時間であろう。
そこへ吾妻隊長を寝台から飛び上がらせるような情報が舞い込んできた。
「伝令! 通信設備殆ど損壊、もしくは占領される。敵本隊と思われる2000以上の兵。赤石城に攻めかかる勢いです!」
なんと!
誠か?
情報元は駆け込んできた素ッ破のものらしい。
信用が置ける。
耳を澄ませば微かに半鐘の音が聞こえる。
緊急時にならされるものだ。
外に出て確かめる。
南の赤石城から火の手が上がっている!
目を擦りながら吾妻隊長が横に立って南を眺める。
作戦室の2階見晴台から自分の策がどう出たのか判別しているようだ。
「これは……。また内応か? それとも火矢と炮烙か? 兎に角赤石城は長くは持たない。敵2000以上、多分3000すべているだろう。
相当頭の切れる奴。
無駄な遊兵化は避ける筈。
こちらへ来るか。
そこに止まり守備、それはない。
南下して那和城攻め……。
敵の目的はなんだ?
戦争の終結を目的としての戦略機動だろう。
そうなれば行き先は決まりだな。
ここではない。那和城だ!」
吾妻隊長は上着を羽織りながら階段を降り、次々と命令を出していく。
その顔には好戦的な笑いが浮かび上がって来た。
儂には解らんのう。
そんな気持ちで隣に残った瀬川殿の顔を伺った。
「某には怖くてあのような笑顔は決っして出ませぬな。
また胃の腑が……イタタタ」
儂も同じじゃ。
儂の調合した粉薬を飲み始めた瀬川殿。
儂もきっとこのような大役を担うては瀬川殿と同じう、胃の腑に穴が開くわい。
◇ ◇ ◇ ◇
吾妻幸信
(さあ、君の出番だ)
敵は見事に通信施設を破壊しつつ進軍して来たか。
それにしても早いな。まだ辰の刻だぞ?
しかし敵の位置がわかればあとは簡単。
戦えばいい。それだけの事。
それならば俺にでもできる。
俺にはまだ事前に戦略意図までは読み切れねぇ。
だが赤石城まで一直線で来たという事は、工業地帯の破壊ではなくなったという事。だったら大胡の中枢、那和城を落とす。
そしてあわよくば奥方や嫡男の松風様を人質に。
そしてそれを交渉材料として和平を結ぶ。
これならば相当敵に取り有利な約定となろう。
殿はそういうお方だ。
さて敵は何処まで来て何をしているか。
俺なら、こちらへの足止め部隊を置きさっさと主力を率いて那和城へ向かう。
もしこちらへ来ればしめたもの。正規兵500で相手をしてやろう。
たとえ要塞守備のためにいたとしても射撃はずっと訓練して来た。
問題は野戦でどれだけ機動出来るかだが。
粕川と桃ノ木川までの距離が20町以下に狭まる赤石城周辺。
機動もなにもない。
正面からのぶつかり合いだ。
必ずとは言わないが敵を潰せる。
少なくとも那和城に手を出せないほどには削れるだろう。
あとは那和城の1000が持ちこたえれば万全だ。
3000全てが攻めかかっても、そして守り手が後備兵の射撃でもあの城の作りでは攻略はほぼ不可能。
攻略できるのは精々、北側元本丸居館の区画だけであろう。
奥方はじめ重要な人物は主要隔壁に逃げ込む手筈となっている。
大丈夫だ。問題ない。
それでは敵の背後を衝けることを願って進軍だ。
むろん索敵はぬかりなくいつでも対応できるように用心しつつ作戦行動だ。
この前の軍神相手よりも楽だろうよ。
◇ ◇ ◇ ◇
「内務尚書」
民主主義国家を目指している割には君主政治形態の職務名にこだわる主人公。
やっぱり厨二なんだよね。
「裾野は長し 赤城山」
等高線図見ると分かるように平坦な地形が広がります。
グンッと高くなるところからは山あり谷ありです。
その山と谷を利用したのが大胡という小城です。
「通信の要」
鹿田山と茶臼砦が重要な拠点でした。
この二つを遮断されるとここから東が全く状況がわからなくなる。
特に高津戸と柄杓山城の動向がわからないのは致命的。
そして赤井推政は3年間、この辺りを入念に下調べをしていた。
その結果、この電撃戦を成功させている。
「敵の作戦目標」
これがわからないことには対策が立てられない。
わかれば後は作戦を立てて効率よく運用する。
この辺りは吾妻くんでもできそう。
問題は如何に敵の戦略意図を見抜くかだと思うのです。
まだそこまでは見抜いていない。
「軍神と戦うより楽」
それはそうだぁ~
比較対象が違い過ぎるw
上野国華蔵寺公園戦略指揮所
大胡是定
(味方:大胡城代から現在社会福祉を担当。何でも屋)
「是定殿。儂らは何でこういう時役立たずなんじゃろう?」
正面で戦略指揮所の2畳敷きの巨大な地図を、両手をついて覗き込みながら内務尚書の瀬川殿が愚痴る。
「仕方あるまい。適材適所じゃ。儂らは内政だけで食うてきた。下手に軍に手を出せば品川の二の舞になる」
儂は自分の不手際で多くの死傷者を出してしもうた品川の軍備の失策を改めて思い起こした。
口の中が苦い。
「だから儂らは軍制軍備だけすればよい。既に3000の後備兵をたった5日で使い物になるように差配した。これだけで十分じゃ」
「じゃが、たった3000ですぞ。この広大な赤城の裾野をたった3000で守る。これを東雲様の知略をもってしても、いや、竜騎兵が完全装備であっても不可能に近いかと」
現在、東雲殿は配下の竜騎兵2500で新田金山を包囲する20000もの大軍が、未だ兵を入れるまでには完成しておらぬ世良田要塞の東でにらみを利かせている。
そこから逐一、こちらへ指揮をすることは無理というもの。
それで最も信頼している吾妻大隊長をこちらの現地指揮官として派遣された。
その吾妻隊長が作戦指揮所にて疲れ果てて仮眠している。
敵の居所がわからない、いや、どれが本当の情報なのかがわからないのだ。
宇都宮勢3000が桐生を襲った。
小股城が落とされ、茶臼山の砦が落ちた。
ここまでは確認できた。
柄杓山城と高津戸城はまだ落城はしていない。
しかしこの先が分からぬ。
敵3000が忽然と姿を消した。
大胡方面に向かったという高津戸からの連絡を最後に、定時連絡しか通信網で流れてこない。推定されるのは鹿田山の通信所が落とされ通信符丁が奪われたこと。
また茶臼山も重要な通信拠点だ。
この2つが落とされると桐生以東の様子がわからなくなる。
高津戸にも柄杓山城にも連絡が取れない。
高津戸からの「兵2000以上が西進」という連絡も怪しくなってきた。
そちらは囮で2000以上が赤石城と華蔵寺を狙って西進している最中かもしれぬ。
昨夜、吾妻隊長は一睡もせず作戦を練っていた。
それまでの配備を見直すべきと感じたのだろう。
大胡城に500。
華蔵寺公園に500。
赤石城に500。
そして殿の居城。大胡の中枢でもある那和城に2000。
これを昨日1日かけて変更した。
那和城の後備兵1000を赤石城へ。
世良田要塞付近の正規兵を主幹部隊として引き抜く要請をして500を華蔵寺に配備。敵が赤石城に進軍することを念頭にした配備に変えた。
赤石城付近には1500の後備兵がいる。
装備は旧式の鉄砲と長柄が中心だ。
だが宇都宮相手ならこれでもおつりが来るであろう。
時間を稼いでいる間に北の華蔵寺から1000の増援が到着する。
20町程であるから30分とかからぬ。
すぐに出発できれば展開まで1時間であろう。
そこへ吾妻隊長を寝台から飛び上がらせるような情報が舞い込んできた。
「伝令! 通信設備殆ど損壊、もしくは占領される。敵本隊と思われる2000以上の兵。赤石城に攻めかかる勢いです!」
なんと!
誠か?
情報元は駆け込んできた素ッ破のものらしい。
信用が置ける。
耳を澄ませば微かに半鐘の音が聞こえる。
緊急時にならされるものだ。
外に出て確かめる。
南の赤石城から火の手が上がっている!
目を擦りながら吾妻隊長が横に立って南を眺める。
作戦室の2階見晴台から自分の策がどう出たのか判別しているようだ。
「これは……。また内応か? それとも火矢と炮烙か? 兎に角赤石城は長くは持たない。敵2000以上、多分3000すべているだろう。
相当頭の切れる奴。
無駄な遊兵化は避ける筈。
こちらへ来るか。
そこに止まり守備、それはない。
南下して那和城攻め……。
敵の目的はなんだ?
戦争の終結を目的としての戦略機動だろう。
そうなれば行き先は決まりだな。
ここではない。那和城だ!」
吾妻隊長は上着を羽織りながら階段を降り、次々と命令を出していく。
その顔には好戦的な笑いが浮かび上がって来た。
儂には解らんのう。
そんな気持ちで隣に残った瀬川殿の顔を伺った。
「某には怖くてあのような笑顔は決っして出ませぬな。
また胃の腑が……イタタタ」
儂も同じじゃ。
儂の調合した粉薬を飲み始めた瀬川殿。
儂もきっとこのような大役を担うては瀬川殿と同じう、胃の腑に穴が開くわい。
◇ ◇ ◇ ◇
吾妻幸信
(さあ、君の出番だ)
敵は見事に通信施設を破壊しつつ進軍して来たか。
それにしても早いな。まだ辰の刻だぞ?
しかし敵の位置がわかればあとは簡単。
戦えばいい。それだけの事。
それならば俺にでもできる。
俺にはまだ事前に戦略意図までは読み切れねぇ。
だが赤石城まで一直線で来たという事は、工業地帯の破壊ではなくなったという事。だったら大胡の中枢、那和城を落とす。
そしてあわよくば奥方や嫡男の松風様を人質に。
そしてそれを交渉材料として和平を結ぶ。
これならば相当敵に取り有利な約定となろう。
殿はそういうお方だ。
さて敵は何処まで来て何をしているか。
俺なら、こちらへの足止め部隊を置きさっさと主力を率いて那和城へ向かう。
もしこちらへ来ればしめたもの。正規兵500で相手をしてやろう。
たとえ要塞守備のためにいたとしても射撃はずっと訓練して来た。
問題は野戦でどれだけ機動出来るかだが。
粕川と桃ノ木川までの距離が20町以下に狭まる赤石城周辺。
機動もなにもない。
正面からのぶつかり合いだ。
必ずとは言わないが敵を潰せる。
少なくとも那和城に手を出せないほどには削れるだろう。
あとは那和城の1000が持ちこたえれば万全だ。
3000全てが攻めかかっても、そして守り手が後備兵の射撃でもあの城の作りでは攻略はほぼ不可能。
攻略できるのは精々、北側元本丸居館の区画だけであろう。
奥方はじめ重要な人物は主要隔壁に逃げ込む手筈となっている。
大丈夫だ。問題ない。
それでは敵の背後を衝けることを願って進軍だ。
むろん索敵はぬかりなくいつでも対応できるように用心しつつ作戦行動だ。
この前の軍神相手よりも楽だろうよ。
◇ ◇ ◇ ◇
「内務尚書」
民主主義国家を目指している割には君主政治形態の職務名にこだわる主人公。
やっぱり厨二なんだよね。
「裾野は長し 赤城山」
等高線図見ると分かるように平坦な地形が広がります。
グンッと高くなるところからは山あり谷ありです。
その山と谷を利用したのが大胡という小城です。
「通信の要」
鹿田山と茶臼砦が重要な拠点でした。
この二つを遮断されるとここから東が全く状況がわからなくなる。
特に高津戸と柄杓山城の動向がわからないのは致命的。
そして赤井推政は3年間、この辺りを入念に下調べをしていた。
その結果、この電撃戦を成功させている。
「敵の作戦目標」
これがわからないことには対策が立てられない。
わかれば後は作戦を立てて効率よく運用する。
この辺りは吾妻くんでもできそう。
問題は如何に敵の戦略意図を見抜くかだと思うのです。
まだそこまでは見抜いていない。
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彼の代名詞である“微笑み”も単に苦し紛れの策に対する苦笑に過ぎなかった。
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■■■
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◆◆◆
元々は私が昔に自作ゲームのシナリオとして考えていたものを文章に起こしたものです。
小説完全初心者ですが、よろしくお願いします。
※なお、この物語に出てくる格闘用語についてはあくまでフィクションです。
表紙画像は草食動物様に作成していただきました。この場を借りて感謝いたします。
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