282 / 339
第30章:山越え、やめて!
弓と火薬は下仁田名産、え“?
しおりを挟む
1559年5月上旬
上野国下仁田西普通渓橋
大野忠治
(赤岩砦の時からの歴戦の兵士です)
「中隊長~。なんでこうなっちゃったのですかねぇ」
第1小隊長の小西が愚痴る。こいつは愚痴が多いが、仕事はしっかりしている。
なんだかんだ言いながら統率もきちんとできるし、軍令・命令は守るが臨機応変に対応できる。なんだか俺よりも才能あるんじゃねぇか?
俺は背丈も横幅も膂力も普通だ。
だが指揮官として優秀だと認められた。
ド根性があると。
雑草のようにたくましいと殿が言ってくれた。
殿が決戦場に出る事は少なくなったが、出る時には「いつ寝てるんだ?」というくらいに皆に声を掛ける。なぜか全員の名前を言える。
そして皆が
「俺のことを知っている?」
「こんな人の為なら死ねる!」
と気張ってしまう。
そうでない奴もいるが、それは表面上拗ねているだけだ。
同じことが出来る大名がいるか?
俺は大胡に生まれてよかった。
粕川の畔で狭い畑を耕し麦や粟稗を食って生きてきた。
俺の上には2人の兄貴がいた。下にいた弟は食えなくてちっこいまま死んでいった。下にできた妹は水に流した(注)。
そんな地獄の中、大胡の殿さんが兵を集めるという。
飯は腹一杯食えるという。
働き手として1人いなくなるのは問題だが、土地が狭いんじゃあ意味がない。
志願したさ。
飯は食えたが、毎日地獄が待っていた。動けなくなるまで走ったかと思うと少し休んだのちまた走る。その内、甲冑のようなもんを着て走ることになった。
長い槍も使う訓練もした。
弩弓も使えるようになった。
なんでも普通ならば長柄は長柄の足軽。
弓は弓兵。
騎馬は武将。
それぞれ別のもんがやるのだそうだ。
だが大胡の兵は、その全てが出来るように訓練した。
勿論、指揮も統率なんかも理論はやった。
使うときは無かったが。
その多くが死んでいったが、残ったものは俺のように中隊長くらいにはなっているんだろう。俺ほどあっちへ行ったりこっちで戦ったりはしなかっただろうけどな。
色々と働き過ぎたから、少しは休めという感じだったのか?
この辺境守備隊の次席指揮官となった。
600人の下仁田方面の守備隊は、この付近の地侍の威張っている奴がなったが、所謂お飾りだ。
と油断したのが悪かった。
下仁田城に詰める200の兵の訓練と称して、俺たち前線の砦守備隊の指揮官の半数を集められて、そこで拘束された。
武田に内通したという。
この御時世、よくあることだが、このような重要地点を旗色不鮮明な奴に指揮官を任せるのは、やはり大胡の人材不足の表れか?
いや、これは俺の失態だ。
それを考慮して油断しないように、御目付としていた筈なのだから。
「すまん。俺の失態だ。むざむざ兵員の半数以上を敵に渡しちまった。188名残っただけでも御の字よ」
「で、その188名のうちに、俺も入っているんですかねぇ。あ~あ、お家へ帰りたい。帰ったら幼馴染に結婚を……」
「よせ!
殿の命令を忘れたか?
それを言ってはならぬと。
全軍に布告した筈」
どういう意味であるか分からぬが、色々な言葉が禁句となっている。
「この戦争が終わったら、○○と結婚するんだ」
「ここは俺に任せて先へ進め!」
「崖の上で自分の罪を告白する」
「だ、大丈夫。少し休めば直ぐに元気になるから」
訳が分からん。
時には必要な言葉もあると思うのだが、それを言うなと。
兎に角、ここは俺たちが死んでも渡らせん。
それだけは言わせてもらうぜ。
目の前に架かる粗末な木の橋。
だがこの断崖絶壁を越えられる場所はここしかない。
田口峠と内山峠から延びる合流地点だ。ここを通らねば、下仁田から富岡国峰城を通り和田、那和へは向かえない。
あの裏切り者の言葉が本当なら、既に和田と倉賀野まで武田に抑えられたという。
それじゃ益々ここは通せねぇな。
木の橋は残念ながら新品だ。
俺が
「すぐに落とせるように工夫するべきだ」
と主張したが彼奴がそうさせなかった。
その時から既に内応を決めていたのだろう。だからこの幅2間弱(3m程度)の釣り橋を守るしかねえ。釣っている綱は要所要所で鉄製だ。
手槍を振り回すこともできねえな。
突き合いか。
あとは敵も100丁以上は鉄砲を持ってきているんだろうな。
こちらは装備を殆ど回収されちまった。
弩弓が何丁かあるが、矢盾なんぞない。
こっちは小さい火薬樽が2つ。
だが導火線も鉄砲もねえ。
幸い樵小屋があったので、そこにあった斧が使えた。
木を切り倒して、何本もの障害物を作って銃弾除けにした。
金具がないので鹿砦も作れねぇ。
太刀が全員分あるだけましか。
手槍は100本あまり。
腰布を使って印地打ちの紐にする。
後できることは無いか。
ああ、そうだ。
大事なことが2つ。
下仁田城方面、東方の橋を落とした。
こちらは回収前だったから容易に落とせた。
こちらに鉤縄を掛けさせない工夫も必要だ。
そして問題は兵糧。
米と雑穀が2週間分。
これが限界だ。
水は渓流から何とでもなるが。今のうちに魚を取って干しておくか。
斥候に出しておいた兵が戻ってくる。
既に放棄した前線の砦まで武田主力は来ているようだ。ちょうど武田兵の居ない間に脱出できたのが奇跡的じゃあねえか。
俺たちはついている!
それを中隊としては少数の全員の前で宣言した。
「俺たち大胡国民軍は最後まで国民を守る!」
と。
◇ ◇ ◇ ◇
「水子供養」
何処の地域でも行っていたことですが、
この辺りでは水沢観音という
伊香保温泉そばのお寺が有名な水子供養寺です。
何処にもそういったお寺があるのでしょうけど、
平和な時代にならないと
それどころじゃないのでしょうね。
「いつ寝てるんだ」
勿論、ナポレオンの逸話です。
3~4時間しか眠らず、執務や戦場指揮を執っていたと有名。
ですが‥‥
実はたっぷりと「昼寝」を取っていたと言います。
40代の人が4時間睡眠で数年間やれば体と精神を病みます。
私みたいに(T_T)
「腹いっぱい飯が食える」
戦争の原因は大抵、食料不足」です。
だから支那大陸では「治水」した人が王様。
戦乱の際には「食料調達できた人」が天下を取るのですよね。
で、今現在、その状況に陥りそうですよね?
穀物の値上がり。
最近全く見ていませんがグレーンファンドなんかもう爆上げじゃないんでしょうかね。
危険な時代となりました。
日本もそろそろやばいですよ。
シーレーンがヤヴァい。
「故郷に帰ったら俺、○○と結婚するんだ」
アニメやラノベを
あまりお読みでない方へ注釈。
「死亡フラグ」といって、
このセリフを言わせると
必ずと言っていい程
戦死をするというテンプレート
(基本)があります。
外のセリフも同じ^^;
「崖の上は、テレビのサスペンス劇場」
「橋の上のホラティウス」
今度は古典に触れる機会がなかった人向けの注釈
この地上の全ての人々よ
死は遅かれ早かれやって来る
恐ろしく優勢な敵に立ち向かう以上に
どんなより良い死があるだろうか
祖先たちの遺灰と
神々の神殿のために
トーマス・バビントン・マコーリーが(古代ローマ詩歌集)のなかで、ローマを守った橋の上のホラティウスの物語として1842年に発表しました。
これ言っちゃうと作品の先行きが見えちゃうような気もしますが、大事な資料的フレーバーテキストなので。
古代ローマのお話を叙事詩にしたものです。
ローマがエトルシア軍に攻め入られようとした時、彼は自分たちでエトルシア軍が来ないよう橋の上で足止めしている間に別の者たちに橋を落とさせるようにしようと他の若者たちに提案しますが、他の若者たちはエトルシア軍のことを考えると恐ろしくて誰も同意しません。
そこで、ホラティウスは自分一人が足止めをするから、他の者は橋を落としてくれと頼みます。
彼はたった一人で橋の上に立ってエトルシア軍に向かって
「ローマの兵士と相対するのに
十分な勇敢さを持つものは
お前たちの中にいるか」
と叫びます。
エトルシア軍は槍で彼を突き刺そうとしますが、橋が邪魔になってホラティウスに届きません。
そしてホラティウスはヒーローのようにエトルシア兵が狭い橋を渡ろうとするのを妨げ、二、三人の友人の助けもあり、ついに橋を落とすことに成功するのです。
Yahoo!知恵袋から引用
チャーチルを主人公とした映画で彼が地下鉄?バス?に乗っていた時、この詩を口ずさみます。
すると一緒に乗っていた客がその詩の後を受け謡い始めます。
それが大合唱となってチャーチルはヒトラーに対して徹底抗戦をする決意を新たにするというものでした。
大野中隊長はそんな気はないけど、逆に大胡の面々がそっちへ走っちゃったというお話です。
ちなみに最近、チャーチルの陰謀を知って嫌いになった作者です。
こいつはひでぇ奴です。
上野国下仁田西普通渓橋
大野忠治
(赤岩砦の時からの歴戦の兵士です)
「中隊長~。なんでこうなっちゃったのですかねぇ」
第1小隊長の小西が愚痴る。こいつは愚痴が多いが、仕事はしっかりしている。
なんだかんだ言いながら統率もきちんとできるし、軍令・命令は守るが臨機応変に対応できる。なんだか俺よりも才能あるんじゃねぇか?
俺は背丈も横幅も膂力も普通だ。
だが指揮官として優秀だと認められた。
ド根性があると。
雑草のようにたくましいと殿が言ってくれた。
殿が決戦場に出る事は少なくなったが、出る時には「いつ寝てるんだ?」というくらいに皆に声を掛ける。なぜか全員の名前を言える。
そして皆が
「俺のことを知っている?」
「こんな人の為なら死ねる!」
と気張ってしまう。
そうでない奴もいるが、それは表面上拗ねているだけだ。
同じことが出来る大名がいるか?
俺は大胡に生まれてよかった。
粕川の畔で狭い畑を耕し麦や粟稗を食って生きてきた。
俺の上には2人の兄貴がいた。下にいた弟は食えなくてちっこいまま死んでいった。下にできた妹は水に流した(注)。
そんな地獄の中、大胡の殿さんが兵を集めるという。
飯は腹一杯食えるという。
働き手として1人いなくなるのは問題だが、土地が狭いんじゃあ意味がない。
志願したさ。
飯は食えたが、毎日地獄が待っていた。動けなくなるまで走ったかと思うと少し休んだのちまた走る。その内、甲冑のようなもんを着て走ることになった。
長い槍も使う訓練もした。
弩弓も使えるようになった。
なんでも普通ならば長柄は長柄の足軽。
弓は弓兵。
騎馬は武将。
それぞれ別のもんがやるのだそうだ。
だが大胡の兵は、その全てが出来るように訓練した。
勿論、指揮も統率なんかも理論はやった。
使うときは無かったが。
その多くが死んでいったが、残ったものは俺のように中隊長くらいにはなっているんだろう。俺ほどあっちへ行ったりこっちで戦ったりはしなかっただろうけどな。
色々と働き過ぎたから、少しは休めという感じだったのか?
この辺境守備隊の次席指揮官となった。
600人の下仁田方面の守備隊は、この付近の地侍の威張っている奴がなったが、所謂お飾りだ。
と油断したのが悪かった。
下仁田城に詰める200の兵の訓練と称して、俺たち前線の砦守備隊の指揮官の半数を集められて、そこで拘束された。
武田に内通したという。
この御時世、よくあることだが、このような重要地点を旗色不鮮明な奴に指揮官を任せるのは、やはり大胡の人材不足の表れか?
いや、これは俺の失態だ。
それを考慮して油断しないように、御目付としていた筈なのだから。
「すまん。俺の失態だ。むざむざ兵員の半数以上を敵に渡しちまった。188名残っただけでも御の字よ」
「で、その188名のうちに、俺も入っているんですかねぇ。あ~あ、お家へ帰りたい。帰ったら幼馴染に結婚を……」
「よせ!
殿の命令を忘れたか?
それを言ってはならぬと。
全軍に布告した筈」
どういう意味であるか分からぬが、色々な言葉が禁句となっている。
「この戦争が終わったら、○○と結婚するんだ」
「ここは俺に任せて先へ進め!」
「崖の上で自分の罪を告白する」
「だ、大丈夫。少し休めば直ぐに元気になるから」
訳が分からん。
時には必要な言葉もあると思うのだが、それを言うなと。
兎に角、ここは俺たちが死んでも渡らせん。
それだけは言わせてもらうぜ。
目の前に架かる粗末な木の橋。
だがこの断崖絶壁を越えられる場所はここしかない。
田口峠と内山峠から延びる合流地点だ。ここを通らねば、下仁田から富岡国峰城を通り和田、那和へは向かえない。
あの裏切り者の言葉が本当なら、既に和田と倉賀野まで武田に抑えられたという。
それじゃ益々ここは通せねぇな。
木の橋は残念ながら新品だ。
俺が
「すぐに落とせるように工夫するべきだ」
と主張したが彼奴がそうさせなかった。
その時から既に内応を決めていたのだろう。だからこの幅2間弱(3m程度)の釣り橋を守るしかねえ。釣っている綱は要所要所で鉄製だ。
手槍を振り回すこともできねえな。
突き合いか。
あとは敵も100丁以上は鉄砲を持ってきているんだろうな。
こちらは装備を殆ど回収されちまった。
弩弓が何丁かあるが、矢盾なんぞない。
こっちは小さい火薬樽が2つ。
だが導火線も鉄砲もねえ。
幸い樵小屋があったので、そこにあった斧が使えた。
木を切り倒して、何本もの障害物を作って銃弾除けにした。
金具がないので鹿砦も作れねぇ。
太刀が全員分あるだけましか。
手槍は100本あまり。
腰布を使って印地打ちの紐にする。
後できることは無いか。
ああ、そうだ。
大事なことが2つ。
下仁田城方面、東方の橋を落とした。
こちらは回収前だったから容易に落とせた。
こちらに鉤縄を掛けさせない工夫も必要だ。
そして問題は兵糧。
米と雑穀が2週間分。
これが限界だ。
水は渓流から何とでもなるが。今のうちに魚を取って干しておくか。
斥候に出しておいた兵が戻ってくる。
既に放棄した前線の砦まで武田主力は来ているようだ。ちょうど武田兵の居ない間に脱出できたのが奇跡的じゃあねえか。
俺たちはついている!
それを中隊としては少数の全員の前で宣言した。
「俺たち大胡国民軍は最後まで国民を守る!」
と。
◇ ◇ ◇ ◇
「水子供養」
何処の地域でも行っていたことですが、
この辺りでは水沢観音という
伊香保温泉そばのお寺が有名な水子供養寺です。
何処にもそういったお寺があるのでしょうけど、
平和な時代にならないと
それどころじゃないのでしょうね。
「いつ寝てるんだ」
勿論、ナポレオンの逸話です。
3~4時間しか眠らず、執務や戦場指揮を執っていたと有名。
ですが‥‥
実はたっぷりと「昼寝」を取っていたと言います。
40代の人が4時間睡眠で数年間やれば体と精神を病みます。
私みたいに(T_T)
「腹いっぱい飯が食える」
戦争の原因は大抵、食料不足」です。
だから支那大陸では「治水」した人が王様。
戦乱の際には「食料調達できた人」が天下を取るのですよね。
で、今現在、その状況に陥りそうですよね?
穀物の値上がり。
最近全く見ていませんがグレーンファンドなんかもう爆上げじゃないんでしょうかね。
危険な時代となりました。
日本もそろそろやばいですよ。
シーレーンがヤヴァい。
「故郷に帰ったら俺、○○と結婚するんだ」
アニメやラノベを
あまりお読みでない方へ注釈。
「死亡フラグ」といって、
このセリフを言わせると
必ずと言っていい程
戦死をするというテンプレート
(基本)があります。
外のセリフも同じ^^;
「崖の上は、テレビのサスペンス劇場」
「橋の上のホラティウス」
今度は古典に触れる機会がなかった人向けの注釈
この地上の全ての人々よ
死は遅かれ早かれやって来る
恐ろしく優勢な敵に立ち向かう以上に
どんなより良い死があるだろうか
祖先たちの遺灰と
神々の神殿のために
トーマス・バビントン・マコーリーが(古代ローマ詩歌集)のなかで、ローマを守った橋の上のホラティウスの物語として1842年に発表しました。
これ言っちゃうと作品の先行きが見えちゃうような気もしますが、大事な資料的フレーバーテキストなので。
古代ローマのお話を叙事詩にしたものです。
ローマがエトルシア軍に攻め入られようとした時、彼は自分たちでエトルシア軍が来ないよう橋の上で足止めしている間に別の者たちに橋を落とさせるようにしようと他の若者たちに提案しますが、他の若者たちはエトルシア軍のことを考えると恐ろしくて誰も同意しません。
そこで、ホラティウスは自分一人が足止めをするから、他の者は橋を落としてくれと頼みます。
彼はたった一人で橋の上に立ってエトルシア軍に向かって
「ローマの兵士と相対するのに
十分な勇敢さを持つものは
お前たちの中にいるか」
と叫びます。
エトルシア軍は槍で彼を突き刺そうとしますが、橋が邪魔になってホラティウスに届きません。
そしてホラティウスはヒーローのようにエトルシア兵が狭い橋を渡ろうとするのを妨げ、二、三人の友人の助けもあり、ついに橋を落とすことに成功するのです。
Yahoo!知恵袋から引用
チャーチルを主人公とした映画で彼が地下鉄?バス?に乗っていた時、この詩を口ずさみます。
すると一緒に乗っていた客がその詩の後を受け謡い始めます。
それが大合唱となってチャーチルはヒトラーに対して徹底抗戦をする決意を新たにするというものでした。
大野中隊長はそんな気はないけど、逆に大胡の面々がそっちへ走っちゃったというお話です。
ちなみに最近、チャーチルの陰謀を知って嫌いになった作者です。
こいつはひでぇ奴です。
0
お気に入りに追加
67
あなたにおすすめの小説

国虎の楽隠居への野望・十七ヶ国版
カバタ山
ファンタジー
信長以前の戦国時代の畿内。
そこでは「両細川の乱」と呼ばれる、細川京兆家を巡る同族の血で血を洗う争いが続いていた。
勝者は細川 氏綱か? それとも三好 長慶か?
いや、本当の勝者は陸の孤島とも言われる土佐国安芸の地に生を受けた現代からの転生者であった。
史実通りならば土佐の出来人、長宗我部 元親に踏み台とされる武将「安芸 国虎」。
運命に立ち向かわんと足掻いた結果、土佐は勿論西日本を席巻する勢力へと成り上がる。
もう一人の転生者、安田 親信がその偉業を裏から支えていた。
明日にも楽隠居をしたいと借金返済のために商いに精を出す安芸 国虎と、安芸 国虎に天下を取らせたいと暗躍する安田 親信。
結果、多くの人を巻き込み、人生を狂わせ、後へは引けない所へ引き摺られていく。
この話はそんな奇妙なコメディである。
設定はガバガバです。間違って書いている箇所もあるかも知れません。
特に序盤は有名武将は登場しません。
不定期更新。合間に書く作品なので更新は遅いです。

家出したとある辺境夫人の話
あゆみノワ@書籍『完全別居の契約婚〜』
恋愛
『突然ではございますが、私はあなたと離縁し、このお屋敷を去ることにいたしました』
これは、一通の置き手紙からはじまった一組の心通わぬ夫婦のお語。
※ちゃんとハッピーエンドです。ただし、主人公にとっては。
※他サイトでも掲載します。

日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。


お兄様、冷血貴公子じゃなかったんですか?~7歳から始める第二の聖女人生~
みつまめ つぼみ
ファンタジー
17歳で偽りの聖女として処刑された記憶を持つ7歳の女の子が、今度こそ世界を救うためにエルメーテ公爵家に引き取られて人生をやり直します。
記憶では冷血貴公子と呼ばれていた公爵令息は、義妹である主人公一筋。
そんな義兄に戸惑いながらも甘える日々。
「お兄様? シスコンもほどほどにしてくださいね?」
恋愛ポンコツと冷血貴公子の、コミカルでシリアスな救世物語開幕!

グライフトゥルム戦記~微笑みの軍師マティアスの救国戦略~
愛山雄町
ファンタジー
エンデラント大陸最古の王国、グライフトゥルム王国の英雄の一人である、マティアス・フォン・ラウシェンバッハは転生者である。
彼は類い稀なる知力と予知能力を持つと言われるほどの先見性から、“知将マティアス”や“千里眼のマティアス”と呼ばれることになる。
彼は大陸最強の軍事国家ゾルダート帝国や狂信的な宗教国家レヒト法国の侵略に対し、優柔不断な国王や獅子身中の虫である大貴族の有形無形の妨害にあいながらも、旧態依然とした王国軍の近代化を図りつつ、敵国に対して謀略を仕掛け、危機的な状況を回避する。
しかし、宿敵である帝国には軍事と政治の天才が生まれ、更に謎の暗殺者集団“夜(ナハト)”や目的のためなら手段を選ばぬ魔導師集団“真理の探究者”など一筋縄ではいかぬ敵たちが次々と現れる。
そんな敵たちとの死闘に際しても、絶対の自信の表れとも言える余裕の笑みを浮かべながら策を献じたことから、“微笑みの軍師”とも呼ばれていた。
しかし、マティアスは日本での記憶を持った一般人に過ぎなかった。彼は情報分析とプレゼンテーション能力こそ、この世界の人間より優れていたものの、軍事に関する知識は小説や映画などから得たレベルのものしか持っていなかった。
更に彼は生まれつき身体が弱く、武術も魔導の才もないというハンディキャップを抱えていた。また、日本で得た知識を使った技術革新も、世界を崩壊させる危険な技術として封じられてしまう。
彼の代名詞である“微笑み”も単に苦し紛れの策に対する苦笑に過ぎなかった。
マティアスは愛する家族や仲間を守るため、大賢者とその配下の凄腕間者集団の力を借りつつ、優秀な友人たちと力を合わせて強大な敵と戦うことを決意する。
彼は情報の重要性を誰よりも重視し、巧みに情報を利用した謀略で敵を混乱させ、更に戦場では敵の意表を突く戦術を駆使して勝利に貢献していく……。
■■■
あらすじにある通り、主人公にあるのは日本で得た中途半端な知識のみで、チートに類する卓越した能力はありません。基本的には政略・謀略・軍略といったシリアスな話が主となる予定で、恋愛要素は少なめ、ハーレム要素はもちろんありません。前半は裏方に徹して情報収集や情報操作を行うため、主人公が出てくる戦闘シーンはほとんどありません。
■■■
小説家になろう、カクヨム、ノベルアップ+でも掲載しております。

だってお義姉様が
砂月ちゃん
恋愛
『だってお義姉様が…… 』『いつもお屋敷でお義姉様にいじめられているの!』と言って、高位貴族令息達に助けを求めて来た可憐な伯爵令嬢。
ところが正義感あふれる彼らが、その意地悪な義姉に会いに行ってみると……
他サイトでも掲載中。
【完結】サキュバスでもいいの?
月狂 紫乃/月狂 四郎
恋愛
【第18回恋愛小説大賞参加作品】
勇者のもとへハニートラップ要員として送り込まれたサキュバスのメルがイケメン魔王のゾルムディアと勇者アルフォンソ・ツクモの間で揺れる話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる