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第31章:沼田の惨劇
もくひょ~、あのお城。ふぁいえる!
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1559年5月中旬
上野国名胡桃城
上杉景信
「どうするのじゃ!
ええいっ!
20000の軍勢がたった2500になっただと!?
それも先手の柏崎衆は柿崎殿と共に壊滅。
大将の宇佐美殿は自刃。
いくら御本城様のご下命とて、もうここにはいられぬ。
既に兵糧も尽きた。
帰らせてもらうぞ!!」
色部殿が席を立つ。
所々に巻かれた赤黒く血が滲んだ包帯が痛々しい。
座っていた床几が勢いよく倒れた。
今の越後を象徴するような倒れ形だ。
一瞬で崩壊した。
この沼田を攻め始めて11日。
たった11日だ。
それで20000の軍勢が2500とは……
吾妻方面にも4000を派遣したが、そちらも手痛い損害を受けているという。
この越後の、そして政虎様の軍勢がこうも脆くも破れるとは。
ここにいる皆の顔が蒼白となっている。
今日の朝までは四釜川の陣にて大胡が出撃してきたら迎え撃つと威勢よく胸を張っていた者たちが、夕暮れ迫った名胡桃城に「尻尾を撒いて」帰って来た。
負け犬じゃ。
誇り高き越後の、もののふでは既にない。
これほどまでに大胡が沼田の防備を強化していたとは。
鉄砲と大砲対策はしてきた。
大砲は脅威だが配備の少ない所から攻めれば行けると思っての迂回作戦も見破られていた。
その前に水の手を断つことも、出城を攻めることもした。だがそれらは全て意味がないか防がれてしまった。守将の矢沢は7年の歳月を懸けてこの地を富ませ、要害の地へと変えていた。
その費用、如何程掛かったのであろう?
普通では考えられぬ銭が投入されたのであろう。
その鉄壁の守備力が越後勢の気勢を削ぐばかりか、士気の崩壊を招き兵の半数が死傷離散した。そして半ば温情のような形で、半数の兵があの城の咢のような場から無事に脱出できた。
色部殿は越後へ帰ってから、多分離反するであろう。
既に国衆は自分のことで精いっぱいじゃ。
大体ここが落ちなければ御本城様はどこから越後へ帰られるのだ?
そのことを考えての攻城だった。
最初から無謀であったのだ。
鶴岡八幡宮にて政賢を捕縛し、大胡を瓦解させるなどと。
御本城様らしくないことを考えられたのがいけなかった。
正々堂々と戦場にて決着を。
これが道理であったものを。
あの里見が余計な口を挟まねば……
今更それを言っても無駄。
武田も立つという時期、この越山をご自身で為されてこの沼田の堅城で壊滅ともなれば、それこそ取り返しがつかなかった。
まだやり直せる。
再び越後を平定し、力を蓄える。
それまでの辛抱。
御本城様。
御勘気召されず講和を。
そう軒猿に文を持たせた。
私の言葉、どこまで届くかわからない。
だがそうせねば越後の国が、
崩れる……
がががが~~~ん!
突如、土塁の上に構築してあったナマコ塀に大穴が開いた。
破片が四方八方へ散るのが目に見えた。
この館の開け放たれた南と東の障子戸から埃が寄せて来る。
なにがあった?
大砲か?
しかしここ、名胡桃城は沼田城から優に1里(4km)以上あるぞ!
もしや沼田盆地へ大砲を下ろした?
いや。
この破壊の大きさ。
1欣砲程度では収まらぬ。
様子を見に物見櫓へと駆け寄る。
しかしそこまで行きつけなかった。
物見櫓の直ぐ近くにまた着弾。
木の破片がこちらへ飛んできて甲冑に当たる。
馬廻りの者に止められ引きずられるように城の奥へ入る。
また着弾があり、遂に物見櫓の近くが大きく崩れた。
……10発は着弾したであろうか。
そこで終わった。
これが毎日続くのか?
それではここにはいられぬ。
そう思った。
明日には皆に諮り撤退を考えねば。
しかし遅かった。
再び遠くからの砲声と共に、城の北、利根川沿いに一直線に整備された街道を越後へ帰ろうとする色部殿の軍勢と、慌てふためいた小荷駄の群れから血飛沫が上がり、それに遅れて悲鳴が聞こえてきた。
早く逃げろ!
逃散してもよい!
そのまま越後へ帰ってもよい!
だから命を落とすな。
無駄な死をこれ以上見たくない。
そう思う私は臆病なのか?
武将として失格なのか?
だが一人の人間として、そう思わざるを得なかった。
◇ ◇ ◇ ◇
沼田城本丸物見櫓
矢沢綱頼
(ナヒーモフやコンドラチェンコよりも有名になりそう)
無残なものよ。
あの精強をもって鳴る越後の軍勢が雨散霧消した。
20000の兵が既に兵としてではなく敗残兵、いや既に足軽は二度と戦場へ出たくはなかろう。殊に大胡との戦には。
これで武田を滅ぼせば当分、大胡は安泰。その間に里見と宇都宮を潰し関東を支配下に置く。そこからは如何いたすのか?
殿のお気持ちはいかなるものか?
いまそれを言うても仕方がない。
これから沼田の掃除じゃ。逃げ遅れた足軽が多数大胡へ投降して来た。
この差配と転がっている躯を丁重に葬る。
そのための祠と地蔵じゃ。
大分榴散弾で傷が付いたが、それもここで戦があったとの証。
これを以ってこれからの世は「太平の世」でなければならぬと皆が毎日思いをいたさねばやっていけぬ。
殿が言っていたな。
「この長砲身砲は【城崩し】でもあるけど【国崩し】でもあるね~。自分に向けられないように気を付けなくちゃね」
そうだ。
今回は一方的に火力で叩き潰した。
だが敵がこの兵器を扱い始めたら。
その砲口が大胡の兵に向けられたら?
今度は大胡が崩されることになる。
それは何としてでも止めねばならぬ。
◇ ◇ ◇ ◇
数日後
政虎本陣
上杉政虎
(意気消沈すると思ったら)
剃髪した。
これからは謙信と号する。
沼田では多くの兵が倒れた。軍勢が瓦解した。忍城から西での戦いでも多くの兵を失った。
儂の失態じゃ。
大胡政賢という男を人として意識し過ぎたせいだ。
他の要因は些細な事。
あ奴は人の非ず。
鉄砲と大砲にて人を殺戮する悪鬼。
そしてこの将軍の収める世を破壊して、自分の思う形に変えようとし殺戮を繰り返す魔王。仏法とこの世を破壊する第六天魔王じゃ。
その魔王に立ち向かうに、儂は仏法の守護者【毘沙門天】だけではいかぬ。
破壊者に対抗する。
それに賛同するものを集めねば。
今までの戦法では勝てぬ。
全ての良い所を取り入れる。
たとえそれが仏法に適っていなくとも、毘沙門天様の力を最大限引き出す。
これから儂は「戦神」そのものとなる。
全てを捨てる。
そうでなければ、必要な力は手に入れられぬ。
そうでなければ、あの大胡には勝てぬ。
目の前に平伏している鍛冶屋達に目を向ける。
儂の今の顔では怯えてしまうであろう。
用意してあった白い越後上布で頭を覆った。
「その方ら。製鉄と鉄砲の生産に長けていると聞く。
雇うてやるが何が望みじゃ」
一番手前で平伏していた代表のものらしき男が、少しだけ頭を上げその問いに答えた。
「はっ。顕如上人様のお傍で暮らしたく。そのように取り計らっていただければ。それ以外は望みませぬ」
一向宗とは和睦した。
堺とは縁が切れたが、それに対抗する勢力との同盟が結べるように着々と手配が進んでいる。
これで畿内でも高炉というものが作れるであろう。
さすれば大胡だけではなく儂も鉄の恩恵にあずかれる。
その鉄にて大砲を作り、その砲口を大胡へ向けてやろうぞ!
◇ ◇ ◇ ◇
だんだん、人格変わってきてしまった謙信君。
このほうが悪龍・邪龍らしくていいかも。
敵はやはり正義の顔をしているよりも、この方が戦いやすいw
『国崩し』
フランキ=大友宗麟が1570年代にポルトガルより購入したカートリッジ式青銅製後装砲の事です。
当時の制作技術ではカートリッジの隙間から爆発のエネルギーが逃げてしまうため威力はあまりなかったようです。
元々は艦載砲で、装填速度を速めるための方式です。
ものすごく高かったけど役に立たなかったw
「4欣長砲身砲」
早い話が家康が大坂城を砲撃した時に使った「18ポンドカルバリン砲」と同等の奴ですw
凄い技術レベルの加速度。
まだ1門のみ。
西洋では初期青銅製だったけど17世紀には鋳造製に変わっていきました。
大胡の製鉄能力の勝利です。
この作品を書く先にこうなることを予測して書いていましたが、まさかここまでになるとはww
「ナヒーモフ、コンドラチェンコ」
前者はクリミア戦争(19世紀の奴)、後者は旅順要塞のときの防衛指揮官です。
「大砲が大胡へ向けられる」
規定方針です。
当たり前。
幾ら隠そうにも技術力は流れ出します。
今回は顕如を使用しました。
「宗教はアヘンだ!」
マルクスの言葉を思い返す。
どんどん近代戦となっていきます。
上野国名胡桃城
上杉景信
「どうするのじゃ!
ええいっ!
20000の軍勢がたった2500になっただと!?
それも先手の柏崎衆は柿崎殿と共に壊滅。
大将の宇佐美殿は自刃。
いくら御本城様のご下命とて、もうここにはいられぬ。
既に兵糧も尽きた。
帰らせてもらうぞ!!」
色部殿が席を立つ。
所々に巻かれた赤黒く血が滲んだ包帯が痛々しい。
座っていた床几が勢いよく倒れた。
今の越後を象徴するような倒れ形だ。
一瞬で崩壊した。
この沼田を攻め始めて11日。
たった11日だ。
それで20000の軍勢が2500とは……
吾妻方面にも4000を派遣したが、そちらも手痛い損害を受けているという。
この越後の、そして政虎様の軍勢がこうも脆くも破れるとは。
ここにいる皆の顔が蒼白となっている。
今日の朝までは四釜川の陣にて大胡が出撃してきたら迎え撃つと威勢よく胸を張っていた者たちが、夕暮れ迫った名胡桃城に「尻尾を撒いて」帰って来た。
負け犬じゃ。
誇り高き越後の、もののふでは既にない。
これほどまでに大胡が沼田の防備を強化していたとは。
鉄砲と大砲対策はしてきた。
大砲は脅威だが配備の少ない所から攻めれば行けると思っての迂回作戦も見破られていた。
その前に水の手を断つことも、出城を攻めることもした。だがそれらは全て意味がないか防がれてしまった。守将の矢沢は7年の歳月を懸けてこの地を富ませ、要害の地へと変えていた。
その費用、如何程掛かったのであろう?
普通では考えられぬ銭が投入されたのであろう。
その鉄壁の守備力が越後勢の気勢を削ぐばかりか、士気の崩壊を招き兵の半数が死傷離散した。そして半ば温情のような形で、半数の兵があの城の咢のような場から無事に脱出できた。
色部殿は越後へ帰ってから、多分離反するであろう。
既に国衆は自分のことで精いっぱいじゃ。
大体ここが落ちなければ御本城様はどこから越後へ帰られるのだ?
そのことを考えての攻城だった。
最初から無謀であったのだ。
鶴岡八幡宮にて政賢を捕縛し、大胡を瓦解させるなどと。
御本城様らしくないことを考えられたのがいけなかった。
正々堂々と戦場にて決着を。
これが道理であったものを。
あの里見が余計な口を挟まねば……
今更それを言っても無駄。
武田も立つという時期、この越山をご自身で為されてこの沼田の堅城で壊滅ともなれば、それこそ取り返しがつかなかった。
まだやり直せる。
再び越後を平定し、力を蓄える。
それまでの辛抱。
御本城様。
御勘気召されず講和を。
そう軒猿に文を持たせた。
私の言葉、どこまで届くかわからない。
だがそうせねば越後の国が、
崩れる……
がががが~~~ん!
突如、土塁の上に構築してあったナマコ塀に大穴が開いた。
破片が四方八方へ散るのが目に見えた。
この館の開け放たれた南と東の障子戸から埃が寄せて来る。
なにがあった?
大砲か?
しかしここ、名胡桃城は沼田城から優に1里(4km)以上あるぞ!
もしや沼田盆地へ大砲を下ろした?
いや。
この破壊の大きさ。
1欣砲程度では収まらぬ。
様子を見に物見櫓へと駆け寄る。
しかしそこまで行きつけなかった。
物見櫓の直ぐ近くにまた着弾。
木の破片がこちらへ飛んできて甲冑に当たる。
馬廻りの者に止められ引きずられるように城の奥へ入る。
また着弾があり、遂に物見櫓の近くが大きく崩れた。
……10発は着弾したであろうか。
そこで終わった。
これが毎日続くのか?
それではここにはいられぬ。
そう思った。
明日には皆に諮り撤退を考えねば。
しかし遅かった。
再び遠くからの砲声と共に、城の北、利根川沿いに一直線に整備された街道を越後へ帰ろうとする色部殿の軍勢と、慌てふためいた小荷駄の群れから血飛沫が上がり、それに遅れて悲鳴が聞こえてきた。
早く逃げろ!
逃散してもよい!
そのまま越後へ帰ってもよい!
だから命を落とすな。
無駄な死をこれ以上見たくない。
そう思う私は臆病なのか?
武将として失格なのか?
だが一人の人間として、そう思わざるを得なかった。
◇ ◇ ◇ ◇
沼田城本丸物見櫓
矢沢綱頼
(ナヒーモフやコンドラチェンコよりも有名になりそう)
無残なものよ。
あの精強をもって鳴る越後の軍勢が雨散霧消した。
20000の兵が既に兵としてではなく敗残兵、いや既に足軽は二度と戦場へ出たくはなかろう。殊に大胡との戦には。
これで武田を滅ぼせば当分、大胡は安泰。その間に里見と宇都宮を潰し関東を支配下に置く。そこからは如何いたすのか?
殿のお気持ちはいかなるものか?
いまそれを言うても仕方がない。
これから沼田の掃除じゃ。逃げ遅れた足軽が多数大胡へ投降して来た。
この差配と転がっている躯を丁重に葬る。
そのための祠と地蔵じゃ。
大分榴散弾で傷が付いたが、それもここで戦があったとの証。
これを以ってこれからの世は「太平の世」でなければならぬと皆が毎日思いをいたさねばやっていけぬ。
殿が言っていたな。
「この長砲身砲は【城崩し】でもあるけど【国崩し】でもあるね~。自分に向けられないように気を付けなくちゃね」
そうだ。
今回は一方的に火力で叩き潰した。
だが敵がこの兵器を扱い始めたら。
その砲口が大胡の兵に向けられたら?
今度は大胡が崩されることになる。
それは何としてでも止めねばならぬ。
◇ ◇ ◇ ◇
数日後
政虎本陣
上杉政虎
(意気消沈すると思ったら)
剃髪した。
これからは謙信と号する。
沼田では多くの兵が倒れた。軍勢が瓦解した。忍城から西での戦いでも多くの兵を失った。
儂の失態じゃ。
大胡政賢という男を人として意識し過ぎたせいだ。
他の要因は些細な事。
あ奴は人の非ず。
鉄砲と大砲にて人を殺戮する悪鬼。
そしてこの将軍の収める世を破壊して、自分の思う形に変えようとし殺戮を繰り返す魔王。仏法とこの世を破壊する第六天魔王じゃ。
その魔王に立ち向かうに、儂は仏法の守護者【毘沙門天】だけではいかぬ。
破壊者に対抗する。
それに賛同するものを集めねば。
今までの戦法では勝てぬ。
全ての良い所を取り入れる。
たとえそれが仏法に適っていなくとも、毘沙門天様の力を最大限引き出す。
これから儂は「戦神」そのものとなる。
全てを捨てる。
そうでなければ、必要な力は手に入れられぬ。
そうでなければ、あの大胡には勝てぬ。
目の前に平伏している鍛冶屋達に目を向ける。
儂の今の顔では怯えてしまうであろう。
用意してあった白い越後上布で頭を覆った。
「その方ら。製鉄と鉄砲の生産に長けていると聞く。
雇うてやるが何が望みじゃ」
一番手前で平伏していた代表のものらしき男が、少しだけ頭を上げその問いに答えた。
「はっ。顕如上人様のお傍で暮らしたく。そのように取り計らっていただければ。それ以外は望みませぬ」
一向宗とは和睦した。
堺とは縁が切れたが、それに対抗する勢力との同盟が結べるように着々と手配が進んでいる。
これで畿内でも高炉というものが作れるであろう。
さすれば大胡だけではなく儂も鉄の恩恵にあずかれる。
その鉄にて大砲を作り、その砲口を大胡へ向けてやろうぞ!
◇ ◇ ◇ ◇
だんだん、人格変わってきてしまった謙信君。
このほうが悪龍・邪龍らしくていいかも。
敵はやはり正義の顔をしているよりも、この方が戦いやすいw
『国崩し』
フランキ=大友宗麟が1570年代にポルトガルより購入したカートリッジ式青銅製後装砲の事です。
当時の制作技術ではカートリッジの隙間から爆発のエネルギーが逃げてしまうため威力はあまりなかったようです。
元々は艦載砲で、装填速度を速めるための方式です。
ものすごく高かったけど役に立たなかったw
「4欣長砲身砲」
早い話が家康が大坂城を砲撃した時に使った「18ポンドカルバリン砲」と同等の奴ですw
凄い技術レベルの加速度。
まだ1門のみ。
西洋では初期青銅製だったけど17世紀には鋳造製に変わっていきました。
大胡の製鉄能力の勝利です。
この作品を書く先にこうなることを予測して書いていましたが、まさかここまでになるとはww
「ナヒーモフ、コンドラチェンコ」
前者はクリミア戦争(19世紀の奴)、後者は旅順要塞のときの防衛指揮官です。
「大砲が大胡へ向けられる」
規定方針です。
当たり前。
幾ら隠そうにも技術力は流れ出します。
今回は顕如を使用しました。
「宗教はアヘンだ!」
マルクスの言葉を思い返す。
どんどん近代戦となっていきます。
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彼は情報の重要性を誰よりも重視し、巧みに情報を利用した謀略で敵を混乱させ、更に戦場では敵の意表を突く戦術を駆使して勝利に貢献していく……。
■■■
あらすじにある通り、主人公にあるのは日本で得た中途半端な知識のみで、チートに類する卓越した能力はありません。基本的には政略・謀略・軍略といったシリアスな話が主となる予定で、恋愛要素は少なめ、ハーレム要素はもちろんありません。前半は裏方に徹して情報収集や情報操作を行うため、主人公が出てくる戦闘シーンはほとんどありません。
■■■
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