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第31章:沼田の惨劇
三の丸東堡塁の激戦
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1559年5月上旬
上野国沼田城乾門
上杉景信
(ちょっとは見直したぜ、お坊ちゃん)
無理して小型の大砲を持ってきてよかった。
攻城砲としては誠に頼りないが、城門の蝶番を壊す程度は出来る。
これが今回は大きな役割を果たした。
これまた頼りない小型の矢盾も、3匁弾を防御できるくらいはできる。それをかき集めて、乾の小さな門の蝶番と閂部分を破壊した。
その後一斉に50名程突撃させ、城門を空けることに成功。
先鋒部隊200程を場内に突入させることが出来た!
使い番を飛ばし、午の門前で囮をしている1200の半数をこちらへ寄こす。
よしっ、これであと600の兵を流し込めば……
がらがら
ばりばり
どがががーん
こ、これは!
壊れた城門を押しつぶすように新たな城門が上から落ちてきた!
鉄格子のような、いかにも堅牢そうに見える門が上から落ちてきた。
しまった。侵入した200が孤立した。
幸い鉄門は1間半程の高さだ。
乗り越えられない高さではない。
急いで足がかりとなるものを探して乗り越えねば。
左右からの銃撃は少ない。と言っても次から次へと死傷者が増えていく。
これで矢盾がなければ今頃全滅であろう。幸いにして大砲は左手にしかない。
それに火薬不足か?
更に丸弾しか撃ってこない。
あの恐ろしい葡萄弾は襲って来ない。
矢盾ごと吹き飛ばされることは稀だ。
必ずやこの門を落としてやろうぞ!
◇ ◇ ◇ ◇
本丸
矢沢綱頼
(これから粘り強く防衛するのか?ロシア系なのか?)
「利根川渓谷南を迂回したと思しき敵3000程、二手に分かれて午の門1200、乾門800へ。乾門破壊されました!
第二落とし門によって緊急閉鎖。場内侵入を果たした兵、およそ200。東三の丸からの射撃が少なすぎて殲滅は困難との信号です!」
乾門は一番弱い。
移動式大砲でも持ってこない限り壊せない程度には作ってあるが、上杉勢は大胡製の旧式大砲を持ってきたか。
これは儂の失態じゃな。今少し蝶番を強く作ればよかった。
第二鉄門を作っておいて正解じゃったが、いつまで持つか。
少々手抜きに作ってしまったか。
早急に手当てが必要。乾門方面は兵員が少ない。
三の丸東には正規の兵が1小隊50しか居らん。
それも砲兵のみ。
今は多分、鉄砲を後備に任せるなどして急場をしのいでいるであろうが、その内、東三の丸をぐるりと左回りして午の門を開けようとするであろう。
もしくは内部構造を知って居れば、三の丸の入り口である三の丸北門を落とすか。
頼みの二の丸からの射撃も正規兵が少ない。
三峰城守備と北迂回敵部隊を追い返すのに兵を割きすぎた。
兎に角、三の丸東堡塁へ至急増援を送らねばならん。
既に北部正面の脅威はなくなった。
東部の1200のうち1000をこちらへ降り向けるよう差配したが、入り組んだ市街の道。
それも半里も道のりがある。
間に合うかどうか。
「矢沢様。自分に行かせてください!
このような時の総予備! 必ずやこの窮地を救って見せましょうぞ!」
威勢よく、無茶口大隊長が声を上げる。
此奴を下手に独立して采配を振るわれては困ると思い、手持ちの総予備を任せていたが。こうなると不安しかないが、致し方ない。
「では総予備のうち、2個中隊600を指揮。
午の門を守備せよ。決して死守などという事はするな。敵は城内に入れて包囲、集中射撃で殲滅する。東三の丸北口が危うい時はそちらを優先。二の丸と三の丸で囲まれた中庭にて勝負をつける。
くれぐれも作戦目的を間違えるな。勇戦を期待する」
最後の言葉だけ余分であったか。むやみやたらに張り切られては困る。
攻城戦は敵の攻撃力を削ぎ落す事じゃ。それが大戦略上の目的にも合致する。これが解らぬようでは大隊長止まりだな。
三の丸東堡塁。
ここが勝負の分かれ目になるのか?
◇ ◇ ◇ ◇
東三の丸北障壁外側
胤栄
(槍と言えばこの人でしょう)
バタバタと上杉の兵が死んでいく。
それも全て鉄砲と大砲でだ。
これが今の戦か……。
儂の求める槍働きの世は終わったか?
しかし一旦、白兵戦ともなれば未だ手槍の威力は鉄砲よりも遥かに強い。
太刀よりも遥かに有利だ。これは今でも変わらぬ筈。
この200人、いやもう既に半数を切ったか。
指揮をする徒武者。
よくやる。
というよりも運が良い。
自分が矢盾を集めて周囲からの銃撃を一身に受け持ち、手勢を指揮、運用している。しかしどうも西へ向かい、午の門の閂を上げる事のみに執着しているように見える。
儂は周りを見渡し、城の構造を知ろうとした。
どうやらこの場所は敵をわざと入り込ませて殲滅する場所と見た。
しかし兵の練度が足りないのか銃撃が当たらぬ。
精強と聞く大胡にしては珍しい。
今のうちにこの城郭の一部でも占拠せねば、増援が来てしまう。
さすればここで全滅じゃ。
儂は近くの足軽に、持っている鉤縄を投げて上へあがるよう促した。指揮権はないものの、それくらいは足軽とて判断できよう。
そのために鉤爪を持たされているのであろうから。
今は儂のできることは無い。
致し方ない。仏の真似でもするか。
幸いにして返り血を多く浴びてしまった。まだまだ修行が足りぬ。極めたるものならば、このような無様な真似は致さぬのであろう。
そのような者がおれば弟子入りでもなんでも致そう。
この乱戦の中、儂は座禅を組む気持ちで城壁に寄りかかった。
上から声がかかった。
どうやら先のものが無事に辿り着いたようだ。
指揮をする物頭へ声を掛け、綱をかっさらい十文字槍を背中に背負い高さ2間程の胸壁を登る。結び目が付いている故、意外とすんなりと昇れた。
上では先の足軽が3人の農民兵らしき大胡兵を相手に奮戦している。
既に血だらけだ。
大胡の兵は銃の先に脇差程の長さの刃を付けている。
これが手槍であったら既に死体となっていよう。
儂は持ってきた縄を辺りにあった石に括り付けナマコ塀の向こうへ垂らす。
そしていよいよ槍働きの時間だ。
◇ ◇ ◇ ◇
三の丸東堡塁北門前
太助
(沼田市民に怒られそう)
東三の丸の東に隣接する避難区画が沼田盆地南部にある、俺たち練炭工場と機織工場で働く者たちの避難場所にあてられていた。
そのすぐ下で戦が繰り広げられていた。
乾門は狭く小さな門だ。
もともと作る予定のなかったものだけんど、どうしても工場や桑畑から城下町へ登る道が遠回りで危険だった。だから作ってもらった道だ。
それが今破壊されて、一隊がなだれ込んできた!
俺たちが無理を言ったからいけなかったのか?
そんなことは今更どうでもいい。
今は三の丸を守らないと。敵兵が三の丸まで占領したら苦戦を強いられるという。
しかし正規の兵が50。
避難区画にも50いるが、これは砲兵だ。それにいざというときここを守るための兵だ。
だから後備の兵が既に100人ほど東三の丸へ向かった。
しかし思ったよりも鉄砲が当たらないらしい。
それはそうだよな。
最近までほとんど練習が出来なかった。
最近少しだけ的に当てる訓練をした。
しかもそれは2匁弾。
今持っているような3匁や4匁弾とは反動が違い過ぎる。
後備の兵は槍など訓練していない。
弾込めとちょっとだけ銃剣術。
その程度だ。
俺も銃剣術ぐらいしかできない。
撃っても当たる気がしない。
でも取り敢えず人数はいた方がいいと矢沢様が言っておられた。
だから行く。
鮎を二度と乱暴させねえ。
30間先の東三の丸入り口の門を背にして、袈裟を着た僧兵が槍を振り回しては突き、大胡の後備兵を次々と倒していく。
その右手には幾人かの上杉の兵がナマコ塀に上がり、下へと縄を投げている!
もう一刻も猶予ならねぇ。
俺は自分の手にした今では練習用となっている2匁の鉄砲に銃剣を付けただけの武器で突進していった。
あの強そうな坊主に向かって。
◇ ◇ ◇ ◇
早い話が、場内でシュリーフェンプラン
(内線作戦)
しようとしています。
「手持ち筒」
重さは分かりませんが、あの桟道を通るには手槍の長さが邪魔。
重さは何とかなったという設定。
文句は受付けませぬw
上野国沼田城乾門
上杉景信
(ちょっとは見直したぜ、お坊ちゃん)
無理して小型の大砲を持ってきてよかった。
攻城砲としては誠に頼りないが、城門の蝶番を壊す程度は出来る。
これが今回は大きな役割を果たした。
これまた頼りない小型の矢盾も、3匁弾を防御できるくらいはできる。それをかき集めて、乾の小さな門の蝶番と閂部分を破壊した。
その後一斉に50名程突撃させ、城門を空けることに成功。
先鋒部隊200程を場内に突入させることが出来た!
使い番を飛ばし、午の門前で囮をしている1200の半数をこちらへ寄こす。
よしっ、これであと600の兵を流し込めば……
がらがら
ばりばり
どがががーん
こ、これは!
壊れた城門を押しつぶすように新たな城門が上から落ちてきた!
鉄格子のような、いかにも堅牢そうに見える門が上から落ちてきた。
しまった。侵入した200が孤立した。
幸い鉄門は1間半程の高さだ。
乗り越えられない高さではない。
急いで足がかりとなるものを探して乗り越えねば。
左右からの銃撃は少ない。と言っても次から次へと死傷者が増えていく。
これで矢盾がなければ今頃全滅であろう。幸いにして大砲は左手にしかない。
それに火薬不足か?
更に丸弾しか撃ってこない。
あの恐ろしい葡萄弾は襲って来ない。
矢盾ごと吹き飛ばされることは稀だ。
必ずやこの門を落としてやろうぞ!
◇ ◇ ◇ ◇
本丸
矢沢綱頼
(これから粘り強く防衛するのか?ロシア系なのか?)
「利根川渓谷南を迂回したと思しき敵3000程、二手に分かれて午の門1200、乾門800へ。乾門破壊されました!
第二落とし門によって緊急閉鎖。場内侵入を果たした兵、およそ200。東三の丸からの射撃が少なすぎて殲滅は困難との信号です!」
乾門は一番弱い。
移動式大砲でも持ってこない限り壊せない程度には作ってあるが、上杉勢は大胡製の旧式大砲を持ってきたか。
これは儂の失態じゃな。今少し蝶番を強く作ればよかった。
第二鉄門を作っておいて正解じゃったが、いつまで持つか。
少々手抜きに作ってしまったか。
早急に手当てが必要。乾門方面は兵員が少ない。
三の丸東には正規の兵が1小隊50しか居らん。
それも砲兵のみ。
今は多分、鉄砲を後備に任せるなどして急場をしのいでいるであろうが、その内、東三の丸をぐるりと左回りして午の門を開けようとするであろう。
もしくは内部構造を知って居れば、三の丸の入り口である三の丸北門を落とすか。
頼みの二の丸からの射撃も正規兵が少ない。
三峰城守備と北迂回敵部隊を追い返すのに兵を割きすぎた。
兎に角、三の丸東堡塁へ至急増援を送らねばならん。
既に北部正面の脅威はなくなった。
東部の1200のうち1000をこちらへ降り向けるよう差配したが、入り組んだ市街の道。
それも半里も道のりがある。
間に合うかどうか。
「矢沢様。自分に行かせてください!
このような時の総予備! 必ずやこの窮地を救って見せましょうぞ!」
威勢よく、無茶口大隊長が声を上げる。
此奴を下手に独立して采配を振るわれては困ると思い、手持ちの総予備を任せていたが。こうなると不安しかないが、致し方ない。
「では総予備のうち、2個中隊600を指揮。
午の門を守備せよ。決して死守などという事はするな。敵は城内に入れて包囲、集中射撃で殲滅する。東三の丸北口が危うい時はそちらを優先。二の丸と三の丸で囲まれた中庭にて勝負をつける。
くれぐれも作戦目的を間違えるな。勇戦を期待する」
最後の言葉だけ余分であったか。むやみやたらに張り切られては困る。
攻城戦は敵の攻撃力を削ぎ落す事じゃ。それが大戦略上の目的にも合致する。これが解らぬようでは大隊長止まりだな。
三の丸東堡塁。
ここが勝負の分かれ目になるのか?
◇ ◇ ◇ ◇
東三の丸北障壁外側
胤栄
(槍と言えばこの人でしょう)
バタバタと上杉の兵が死んでいく。
それも全て鉄砲と大砲でだ。
これが今の戦か……。
儂の求める槍働きの世は終わったか?
しかし一旦、白兵戦ともなれば未だ手槍の威力は鉄砲よりも遥かに強い。
太刀よりも遥かに有利だ。これは今でも変わらぬ筈。
この200人、いやもう既に半数を切ったか。
指揮をする徒武者。
よくやる。
というよりも運が良い。
自分が矢盾を集めて周囲からの銃撃を一身に受け持ち、手勢を指揮、運用している。しかしどうも西へ向かい、午の門の閂を上げる事のみに執着しているように見える。
儂は周りを見渡し、城の構造を知ろうとした。
どうやらこの場所は敵をわざと入り込ませて殲滅する場所と見た。
しかし兵の練度が足りないのか銃撃が当たらぬ。
精強と聞く大胡にしては珍しい。
今のうちにこの城郭の一部でも占拠せねば、増援が来てしまう。
さすればここで全滅じゃ。
儂は近くの足軽に、持っている鉤縄を投げて上へあがるよう促した。指揮権はないものの、それくらいは足軽とて判断できよう。
そのために鉤爪を持たされているのであろうから。
今は儂のできることは無い。
致し方ない。仏の真似でもするか。
幸いにして返り血を多く浴びてしまった。まだまだ修行が足りぬ。極めたるものならば、このような無様な真似は致さぬのであろう。
そのような者がおれば弟子入りでもなんでも致そう。
この乱戦の中、儂は座禅を組む気持ちで城壁に寄りかかった。
上から声がかかった。
どうやら先のものが無事に辿り着いたようだ。
指揮をする物頭へ声を掛け、綱をかっさらい十文字槍を背中に背負い高さ2間程の胸壁を登る。結び目が付いている故、意外とすんなりと昇れた。
上では先の足軽が3人の農民兵らしき大胡兵を相手に奮戦している。
既に血だらけだ。
大胡の兵は銃の先に脇差程の長さの刃を付けている。
これが手槍であったら既に死体となっていよう。
儂は持ってきた縄を辺りにあった石に括り付けナマコ塀の向こうへ垂らす。
そしていよいよ槍働きの時間だ。
◇ ◇ ◇ ◇
三の丸東堡塁北門前
太助
(沼田市民に怒られそう)
東三の丸の東に隣接する避難区画が沼田盆地南部にある、俺たち練炭工場と機織工場で働く者たちの避難場所にあてられていた。
そのすぐ下で戦が繰り広げられていた。
乾門は狭く小さな門だ。
もともと作る予定のなかったものだけんど、どうしても工場や桑畑から城下町へ登る道が遠回りで危険だった。だから作ってもらった道だ。
それが今破壊されて、一隊がなだれ込んできた!
俺たちが無理を言ったからいけなかったのか?
そんなことは今更どうでもいい。
今は三の丸を守らないと。敵兵が三の丸まで占領したら苦戦を強いられるという。
しかし正規の兵が50。
避難区画にも50いるが、これは砲兵だ。それにいざというときここを守るための兵だ。
だから後備の兵が既に100人ほど東三の丸へ向かった。
しかし思ったよりも鉄砲が当たらないらしい。
それはそうだよな。
最近までほとんど練習が出来なかった。
最近少しだけ的に当てる訓練をした。
しかもそれは2匁弾。
今持っているような3匁や4匁弾とは反動が違い過ぎる。
後備の兵は槍など訓練していない。
弾込めとちょっとだけ銃剣術。
その程度だ。
俺も銃剣術ぐらいしかできない。
撃っても当たる気がしない。
でも取り敢えず人数はいた方がいいと矢沢様が言っておられた。
だから行く。
鮎を二度と乱暴させねえ。
30間先の東三の丸入り口の門を背にして、袈裟を着た僧兵が槍を振り回しては突き、大胡の後備兵を次々と倒していく。
その右手には幾人かの上杉の兵がナマコ塀に上がり、下へと縄を投げている!
もう一刻も猶予ならねぇ。
俺は自分の手にした今では練習用となっている2匁の鉄砲に銃剣を付けただけの武器で突進していった。
あの強そうな坊主に向かって。
◇ ◇ ◇ ◇
早い話が、場内でシュリーフェンプラン
(内線作戦)
しようとしています。
「手持ち筒」
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更に彼は生まれつき身体が弱く、武術も魔導の才もないというハンディキャップを抱えていた。また、日本で得た知識を使った技術革新も、世界を崩壊させる危険な技術として封じられてしまう。
彼の代名詞である“微笑み”も単に苦し紛れの策に対する苦笑に過ぎなかった。
マティアスは愛する家族や仲間を守るため、大賢者とその配下の凄腕間者集団の力を借りつつ、優秀な友人たちと力を合わせて強大な敵と戦うことを決意する。
彼は情報の重要性を誰よりも重視し、巧みに情報を利用した謀略で敵を混乱させ、更に戦場では敵の意表を突く戦術を駆使して勝利に貢献していく……。
■■■
あらすじにある通り、主人公にあるのは日本で得た中途半端な知識のみで、チートに類する卓越した能力はありません。基本的には政略・謀略・軍略といったシリアスな話が主となる予定で、恋愛要素は少なめ、ハーレム要素はもちろんありません。前半は裏方に徹して情報収集や情報操作を行うため、主人公が出てくる戦闘シーンはほとんどありません。
■■■
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