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第29章:謙信と真っ向勝負
どうなる?狐のごん(兵衛)
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1559年4月下旬
上杉本陣
本庄実乃
(ドラゴンの若い頃からの軍師役)
「なんとか敵陣へ乗り込みましたな」
中条殿が機転を利かせて南風の弱まりを読んで、白煙を充満させた。そこへ南から大胡の射撃をものともせず突っ込んだ。今頃、白煙の中死闘が繰り広げられているであろう。
「まだだ。他の3方向が分厚い。これを内側から崩せば勝利だが……」
西の大胡の陣を見やり、御本城様はピンと張りつめていらっしゃる。
戦場では天賦の才を発揮成される。正しく軍神といえよう。
儂も目を凝らして白煙の中を伺った。
◇ ◇ ◇ ◇
方陣南部正面
高崎権兵衛
(あまり可愛くない狐)
「ツーマンセルで1人ずつ仕留めよ!
銃剣の者の背後に散弾拳銃!」
中隊長が叫ぶ。
それは俺が言わなければ狙われるだろうが。
お前……名前は誰だったか?
いつも冷やかしで中隊長2号と呼んでいたから忘れちまった。
悪いなぁ。
お前、凛々しすぎるから目立つ。
だからもっと引っ込んでいろよ。敵のど真ん中に居やがる。俺は小隊長がやられた右翼を受け持っているが、これはまずいなぁ。
白煙が南面を覆う前に確認した限りでは、西の揚北衆らしき精鋭が1500位は南部に移動していた。
これが全部突撃してきたとしたら、この250名の南部正面は持ちこたえられるか?
敵は手槍を持っている。
長柄は捨ててきたらしい。
中には弓兵も混じり出した。
近距離で矢を放ってくる。
乱戦だなぁ。
俺は手足が短い。
大して役には立てん。
だから拳銃を9丁持っている。
重いったらない。
(べ、別に九尾の狐じゃない!と、自分で突っ込む)
そして背後には従兵。
要らんといったんだがなぁ。
旅団長の命令で付けられた。
普段は一緒になって家の庭に作った畑を耕しているが、此奴は槍の使い手だ。
幸い此奴だけは手槍を持っている。
頼もしい。
鍬の方が似合ってるんだがなぁ
「大隊長!
第2中隊長負傷!
重傷の模様。指揮は第1小隊長が継承!」
目立っていたからしょうがないか。
この仇は……
というわけにはいきそうもないな。
目の前に越後兵4名が迫る。
手にした冬木式は長さ半間ちょっと(1m10cm)。
これ以上長いと小兵の兵が弾薬を込められなくなる。
そのため、このような手槍との取っ組み合いには長さが足りない。
そこで長巻を思い浮かべるような銃剣を付けている。
刃渡り1尺以上(40cm)以上の大脇差を付ける。
これでも手槍に先手を取られる。
そこで誰が考案したのか、片鎌槍のような鉤爪を下に付けた。
これで槍を巻き取り柄に沿って前進し突きを入れる。
これが大胡の銃剣術だ。
右の敵兵が最初に動いた。
構わず腰だめで近距離射撃。
どてっぱらに大穴が開いた。
左の敵がひるまずに突っかけてくる。
槍を巻き取って近づき胸を刺す。
倒れた敵を踏んで銃剣を引き抜いたところに、他の2名が近寄る。
こいつはやばい。
と思った途端に銃声。
従兵がピストルを発射して、一人を射殺。
俺は眼で感謝の意を伝えて、怯んでいる敵に銃剣をしっかりと保持し腰を低くして構え、突っ込んでいった。
「大隊長!
西正面から2個小隊援軍に来ました!
敵左翼を蹴散らします!」
後ろから声がした。
馬鹿! 中隊長4号!
自分でこっちへ来るな!
西に何かあったらどうする?!
しかたない。
「射撃後、銃剣で突っ込め! 敵後続を狙え。
撃てぃ!」
◇ ◇ ◇ ◇
上杉本陣
本庄実乃
(忠臣だけど大熊との派閥争いで大変)
乱戦となった。
これは思ったより揚北衆に被害が出る。
何とかせねば。
「右翼の大熊を西に回り込ませ、手薄になっていよう西を攻めよ」
やはりそれしかあるまい。
大熊に手柄を立てさせるのは本望ではないが、このままでは損耗が大きすぎる。
一気に片を付けねば。
直ぐに手配させるよう命を伝えるがそれで間に合うのか?
別動隊の殆どが突っ込んでいよう。
それに従い大胡も西から兵を引き抜き南に当てていよう。
乱戦の方が付くまでに大熊が突っ込むことが出来るか?
それで勝負が決まるであろう。
「申し上げます!
南の上条後衛から使い番!
南方より大胡らしき兵多数!
1000は下らぬ模様!!」
「距離は!?」
焦りから声が裏返った。
「すぐに鉄砲の射程圏に!」
ぱぱぱぱ~ん!
ぱぱぱぱ~ん!
ぱぱぱぱ~ん!
南方から一斉射撃音。
これで南部正面は裏崩れするであろう。
あちらは戦線崩壊じゃ。
「その備え、どちらへ向かうか見て参れ」
その必要は無さそうだ。
煙が晴れてきた。
南方間近に青紫の甲冑を纏った軍勢約1000。
その後ろにも1000程は続いていよう。大胡の陣の西をかすめ北へ足早に行軍していた。その者たちの足が、更に速くなって小走りに近くなっていく。
太鼓の音が聞こえてきた。あれに合わせて行軍して来たのか?
聞こえなかったのが不思議だ。
「敵は誰じゃ」
「はっ! 大胡には珍しく旗印を掲げています! 白地に青く桔梗紋。
あれは……」
聞いたことがある。
大胡には緊急の際に手当として派遣される部隊があるという。
確か……
「きゅうきゅうばこにキンカン」
と言っていたか。
「明智十兵衛光秀!
滝山城守備隊です!」
◇ ◇ ◇ ◇
作者の趣味です。
やっぱり光秀っていい奴だと思うんです。真面目で朝廷を蔑ろにしない教養人。かつ戦術・内政に長け、ついでに鉄砲も上手だった。
ただ惜しむらくは「機会主義者」(そうでなければ出世しません)で周りから嫉妬を買っていた。それを秀吉みたいにずる賢く躱せなくてドツボに嵌まった。
だけど平民には優しい。妻にも子にも優しい。
何処が悪いのよ?
彼奴(魔王)を止めねば今頃日本、なくなっていたかもよ?
英雄じゃん?
ということで「もっとひどい破壊者」な魔王政賢を補佐していただきます。こっちの魔王は日本をどのようにしていくのか??
お楽しみに~
ナポレオン時代のデータでちょっと合わないと思うのですが、参考までに。
オーストリア軍の行軍速度が太鼓に合わせて1分間に90歩。
フランス軍がラ・マルセイエーズ(今の国歌)を歌いながら1分間に120歩平均だそうです。凄まじい行軍速度だったそうで。
アウステルリッツの会戦でナポレオン旗下の最高の元帥?ダヴーの部隊4300(大砲も12門あった)は110kmを48時間行軍、そのまま戦場に突っ込んでいきました。これが決定的な一撃となって大勝利します。1日55kmってどんなよ? それで戦闘突入ですよw
道路の状況にもよりますが、この明智軍もまだまだ甘いと思いますね。
上杉本陣
本庄実乃
(ドラゴンの若い頃からの軍師役)
「なんとか敵陣へ乗り込みましたな」
中条殿が機転を利かせて南風の弱まりを読んで、白煙を充満させた。そこへ南から大胡の射撃をものともせず突っ込んだ。今頃、白煙の中死闘が繰り広げられているであろう。
「まだだ。他の3方向が分厚い。これを内側から崩せば勝利だが……」
西の大胡の陣を見やり、御本城様はピンと張りつめていらっしゃる。
戦場では天賦の才を発揮成される。正しく軍神といえよう。
儂も目を凝らして白煙の中を伺った。
◇ ◇ ◇ ◇
方陣南部正面
高崎権兵衛
(あまり可愛くない狐)
「ツーマンセルで1人ずつ仕留めよ!
銃剣の者の背後に散弾拳銃!」
中隊長が叫ぶ。
それは俺が言わなければ狙われるだろうが。
お前……名前は誰だったか?
いつも冷やかしで中隊長2号と呼んでいたから忘れちまった。
悪いなぁ。
お前、凛々しすぎるから目立つ。
だからもっと引っ込んでいろよ。敵のど真ん中に居やがる。俺は小隊長がやられた右翼を受け持っているが、これはまずいなぁ。
白煙が南面を覆う前に確認した限りでは、西の揚北衆らしき精鋭が1500位は南部に移動していた。
これが全部突撃してきたとしたら、この250名の南部正面は持ちこたえられるか?
敵は手槍を持っている。
長柄は捨ててきたらしい。
中には弓兵も混じり出した。
近距離で矢を放ってくる。
乱戦だなぁ。
俺は手足が短い。
大して役には立てん。
だから拳銃を9丁持っている。
重いったらない。
(べ、別に九尾の狐じゃない!と、自分で突っ込む)
そして背後には従兵。
要らんといったんだがなぁ。
旅団長の命令で付けられた。
普段は一緒になって家の庭に作った畑を耕しているが、此奴は槍の使い手だ。
幸い此奴だけは手槍を持っている。
頼もしい。
鍬の方が似合ってるんだがなぁ
「大隊長!
第2中隊長負傷!
重傷の模様。指揮は第1小隊長が継承!」
目立っていたからしょうがないか。
この仇は……
というわけにはいきそうもないな。
目の前に越後兵4名が迫る。
手にした冬木式は長さ半間ちょっと(1m10cm)。
これ以上長いと小兵の兵が弾薬を込められなくなる。
そのため、このような手槍との取っ組み合いには長さが足りない。
そこで長巻を思い浮かべるような銃剣を付けている。
刃渡り1尺以上(40cm)以上の大脇差を付ける。
これでも手槍に先手を取られる。
そこで誰が考案したのか、片鎌槍のような鉤爪を下に付けた。
これで槍を巻き取り柄に沿って前進し突きを入れる。
これが大胡の銃剣術だ。
右の敵兵が最初に動いた。
構わず腰だめで近距離射撃。
どてっぱらに大穴が開いた。
左の敵がひるまずに突っかけてくる。
槍を巻き取って近づき胸を刺す。
倒れた敵を踏んで銃剣を引き抜いたところに、他の2名が近寄る。
こいつはやばい。
と思った途端に銃声。
従兵がピストルを発射して、一人を射殺。
俺は眼で感謝の意を伝えて、怯んでいる敵に銃剣をしっかりと保持し腰を低くして構え、突っ込んでいった。
「大隊長!
西正面から2個小隊援軍に来ました!
敵左翼を蹴散らします!」
後ろから声がした。
馬鹿! 中隊長4号!
自分でこっちへ来るな!
西に何かあったらどうする?!
しかたない。
「射撃後、銃剣で突っ込め! 敵後続を狙え。
撃てぃ!」
◇ ◇ ◇ ◇
上杉本陣
本庄実乃
(忠臣だけど大熊との派閥争いで大変)
乱戦となった。
これは思ったより揚北衆に被害が出る。
何とかせねば。
「右翼の大熊を西に回り込ませ、手薄になっていよう西を攻めよ」
やはりそれしかあるまい。
大熊に手柄を立てさせるのは本望ではないが、このままでは損耗が大きすぎる。
一気に片を付けねば。
直ぐに手配させるよう命を伝えるがそれで間に合うのか?
別動隊の殆どが突っ込んでいよう。
それに従い大胡も西から兵を引き抜き南に当てていよう。
乱戦の方が付くまでに大熊が突っ込むことが出来るか?
それで勝負が決まるであろう。
「申し上げます!
南の上条後衛から使い番!
南方より大胡らしき兵多数!
1000は下らぬ模様!!」
「距離は!?」
焦りから声が裏返った。
「すぐに鉄砲の射程圏に!」
ぱぱぱぱ~ん!
ぱぱぱぱ~ん!
ぱぱぱぱ~ん!
南方から一斉射撃音。
これで南部正面は裏崩れするであろう。
あちらは戦線崩壊じゃ。
「その備え、どちらへ向かうか見て参れ」
その必要は無さそうだ。
煙が晴れてきた。
南方間近に青紫の甲冑を纏った軍勢約1000。
その後ろにも1000程は続いていよう。大胡の陣の西をかすめ北へ足早に行軍していた。その者たちの足が、更に速くなって小走りに近くなっていく。
太鼓の音が聞こえてきた。あれに合わせて行軍して来たのか?
聞こえなかったのが不思議だ。
「敵は誰じゃ」
「はっ! 大胡には珍しく旗印を掲げています! 白地に青く桔梗紋。
あれは……」
聞いたことがある。
大胡には緊急の際に手当として派遣される部隊があるという。
確か……
「きゅうきゅうばこにキンカン」
と言っていたか。
「明智十兵衛光秀!
滝山城守備隊です!」
◇ ◇ ◇ ◇
作者の趣味です。
やっぱり光秀っていい奴だと思うんです。真面目で朝廷を蔑ろにしない教養人。かつ戦術・内政に長け、ついでに鉄砲も上手だった。
ただ惜しむらくは「機会主義者」(そうでなければ出世しません)で周りから嫉妬を買っていた。それを秀吉みたいにずる賢く躱せなくてドツボに嵌まった。
だけど平民には優しい。妻にも子にも優しい。
何処が悪いのよ?
彼奴(魔王)を止めねば今頃日本、なくなっていたかもよ?
英雄じゃん?
ということで「もっとひどい破壊者」な魔王政賢を補佐していただきます。こっちの魔王は日本をどのようにしていくのか??
お楽しみに~
ナポレオン時代のデータでちょっと合わないと思うのですが、参考までに。
オーストリア軍の行軍速度が太鼓に合わせて1分間に90歩。
フランス軍がラ・マルセイエーズ(今の国歌)を歌いながら1分間に120歩平均だそうです。凄まじい行軍速度だったそうで。
アウステルリッツの会戦でナポレオン旗下の最高の元帥?ダヴーの部隊4300(大砲も12門あった)は110kmを48時間行軍、そのまま戦場に突っ込んでいきました。これが決定的な一撃となって大勝利します。1日55kmってどんなよ? それで戦闘突入ですよw
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あらすじにある通り、主人公にあるのは日本で得た中途半端な知識のみで、チートに類する卓越した能力はありません。基本的には政略・謀略・軍略といったシリアスな話が主となる予定で、恋愛要素は少なめ、ハーレム要素はもちろんありません。前半は裏方に徹して情報収集や情報操作を行うため、主人公が出てくる戦闘シーンはほとんどありません。
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小説家になろう、カクヨム、ノベルアップ+でも掲載しております。
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