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第25章:大胡最大の?ピンチ
リザルト回?・1
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1557年12月下旬
上野国那和城
智円
(金融戦争中、なにか外交やっていたらしい)
皆が大広間にて上座に座る殿の左右に2列に並んで座っている。
先ほどまで下座に置かれた色とりどりに盛り付けられた料理を己が膳に取り目の前に置いている。
殿の発案で「びゅっふぇ」なるものをやってみた。
そしてその膳をつつきながらの評定がこれから始まる。
この料理。
余ったらどうするのかと問えば、そこはぬかりなく料理人とこの評定に出席できない者が取り合う様にして食べるとの事。
そして足りなくならないように配慮しているとか。
特に後藤殿の好物である鳥肉牛肉猪肉鹿肉は、他の数倍の量を用意しているらしい。後藤殿の膳は5つある。
その料理、体のどこに入るのやら。
「では。あと3日で今年も終わるけど今年起こった事、総括しちゃうね。
皆食べながらゆっくりと確認するとともに感想と自由な発想出しちゃって。
じゃ智円のにーちゃん、あとは宜しく♪」
最近は拙僧が重要な評定などで司会進行を務めるとともに、『懐刀』などと言われるようになってきた。
それはそれで嬉しくもあるが仕官したころは、このような重責を担うことになろうとは思いもよらなかった。
「は。では地図をこれへ」
縦半間横1間の巨大な掛け地図が殿の斜め後ろに掛けられた。
大胡を中心におおよその勢力圏が描かれている。
この測量は出来なかったが殿が
「えいっ!これでどうだぁ」
と言われて出されてきた、陸と河・国の形を元に作ったものだ。
勿論、殿がどうしてそのような物が描けるかは聞かないようにしている。
拙僧は無駄な時間は使いたくない。
◇ ◇ ◇ ◇
「現在の我が大胡領は、
上野を始めとして
武蔵一国、
相模一国、
伊豆一国、
駿河ほぼ全土。
石高は240万石を超えておりまする」
評定衆20名から「おおぅ」という感慨とも歓喜とも取れる声が上がる。
それはそうだ。7千石の国衆でしかなかった大胡が20年で、3000倍もの巨大な勢力へと成り上がったのだ。
これだけで伝説となろう。
「では早速。人口動態と内政について。瀬川正則殿から」
瀬川正則殿はもう仕事が手いっぱいと見て、やっと内務の総とりまとめとした内務大臣となった。
その下には行政・教育・法務・治安など、様々な政務分掌が置かれている。
正しく大胡の屋台骨を支えているのだ。
「は。まず殿からのたっての願いであった意識調査ですが、上野国のみ調査できました。大胡の支配への点数を無記名にて提出してもらいその平均を出したところ92点でした。
これが高いかどうかは分かりません。少人数ですが極端な低評価をしている者も幾何か居りました故。これは多分北条や武蔵南部からの抑留者か、此度の公界戦争で損をした者たちかと思われまする」
それを勘案しても92点とは。
そう考えると殆ど全てのものが100点と書いているという事になる。
だが殿は以前
「今までが低すぎたからいい点が出るよ、きっと」
と仰られた。
故にこれを二度三度行って初めて意味のある物となろうという。
また、大胡全土で約240万人の領民が住まっているようだ。
この確認と戸籍の作成は膨大な手間と時間が掛かる。
「上野と武蔵中部から北部にかけてでは、住民による自治が行われつつあります。
その掟の元になる法律は大胡が用意しました。
それを庄屋を始めとした村の主だった者がその土地の慣習に従って手を入れて使っているのが現状にて」
「うんうん。それでいいね。その土地に合わせるのが大事~」
殿の相槌のような発言。
箸を使って音頭を取ってはいけませぬぞ。
茶碗を叩かぬだけましであるか。
「法律を執行する者を巡査として養成。各地に番屋を設けて寝泊まりさせて居ります。要員が増え次第、巡管区を設定し巡査所を設置いたします。
そして……国家保安部の防諜室の分室も設置いたします。
こちらは相当な期間が必要にて。当分は真田殿の分掌になるかと」
治安と防諜は切っても切り離せない。
巡査は住民の取り仏の顔と鬼の顔がある。
これは致し方ない。
阿修羅のような存在だ。
仏法の守護神であり戦闘神でもある。
「教育についてですがその巨額な予算を使い、多くの村に寺子屋を設置。
各宗派の僧侶や神社の禰宜・神主等に読み書きを習わせています。三日に一度は算盤も習わせております。問題の楷書の活字は師弟で研鑽しているとの事。
高等教育機関はまだ華蔵寺のみですが、ここで師範学校が設置されました故、その内教授も増えるかと」
兎に角。
人だ、人材だ。
殿が最初に大胡へ来た時も
「まんぱわー」
と仰られたというが、そのことを今では皆が実感している。
「次に冬木殿から、経済、産業、技術について」
経済と金融とは切っても切り離せないが、冬木殿も仕事が多くなり過ぎた。
現在それぞれの大臣を決めている所だ。
「は。大胡を中心とした上野では単位面積当たりの米の収量が2倍以上となり、耕地面積の増加とも合わせ米の収量が以前の3倍以上に跳ね上がりました。
武蔵北部も以前の倍の35万石。他の地域は未だたい肥製造に追われておりまする。
次に軽工業ですが生糸を主力として東国への輸出が順調。京を通して西国へも販路を広げています。織物技術もようやっと西陣に一部の分野では追いつきだしました。
酒類は委託販売。
しかし……
うヰすきいは大胡でのみ製造。そして葡萄が作られ出したために葡萄酒とぶらんでぃ、しぇりいは大胡のみの生産、高級贈答品として用意しておりまする。
殿、これはあの……」
「そうそう。南蛮対策ね。南蛮人。
こんな辺境に来てマデイラ酒(注1)以外のワイン飲めると知ったらびっくりよん! それまでに間に合うように品質よくしてね、って南蛮人の舌に合うかどうかは日ノ本の民にはわかんにゃい。
ま、いっか」
殿も適当に方針を出している。
皆も気楽に評定が出来る。
これが『ぱわあらんち』というものか。
『ぶれっくふぁすとみいてぃんぐ』
というものもやろうというが……
「問題の主力産業である鉄生産ですが、品川付近で交通が整備され始めましたのでここに人口を集中させて、その労働力を使い、高炉とその粗鋼を使用した重工業などを立地する計画が立てられて居るところ。
10年以上かかる計画ですが、やらぬよりもましかと。
大胡のためにではなく日ノ本のために」
そうだ。
大胡はまだ安定せぬ。
いつ滅ぼされるかもしれぬ。
その時品川に産業の基礎があれば、それで日ノ本の民に富をもたらすであろう。
「技術開発ですが、真鍮による様々な鉄の代替品が製作できるとのこと。足尾の銅鉱山と安中の亜鉛鉱山が稼働すれば、鉄不足が大分緩和され申す。
ブリキですが沼田の白川で取れる錫鉱石の純化技術は完成しました故、その量産化を目指しています。
ブリキを使った缶詰はまだ防腐効果を検証中にて、しばらくお待ちを。
また硝子が遂に湯呑のようなものや、徳利のような物に加工できるようになり申した。職人の育成により大量に生産できるやもしれませぬ。
板硝子も錫を利用した加工にて作れること判明しました故、そろそろ大量に生産。
建物などにも使用出来る道筋がつき申した」
ブリキは言うに及ばず、硝子瓶・板硝子があると様々な所に使用できる。有難し。
「そして軍関連の技術ですが。先月に入手できた大陸産の火打石によって『ますけっと銃』が完成。試射に入りました。喇叭銃(注2)も東雲殿の竜騎兵用に製作、試射を完了。何時でも量産に入れまする。
それと。
遂に初期故障は覚悟しておりますが大砲用の砲架が出来上がりました。
鈍重ですが野戦に1欣砲が随伴でき申す」
皆から「おおお!」と歓声が上がる。後藤殿とそりが合わない東雲殿も手を取り合っている。
これで硝石が大量に入手できれば……
「次に弩弓。これはもう異次元の存在になるはず。
幸いにして南蛮人から入手した弩弓を分解し、その仕組みを模倣することにより強力な物が容易く完成いたしました。
水牛の角を使用した複合弓。これは長弓よりも遥かに強い。30間(60m)の距離にて桶川胴を貫通いたしました。
先月の倭寇の船にて入手した雲南の水牛の角を400本にて、800丁を超える弩弓が完成すると見ております。
これが配備されれば天候に左右される鉄砲と同等の戦力となりましょう」
これまた、どよめきが起こる。
硝石が来るまでの繋ぎとしてではなく相当な戦力強化であろう。
上野国那和城
智円
(金融戦争中、なにか外交やっていたらしい)
皆が大広間にて上座に座る殿の左右に2列に並んで座っている。
先ほどまで下座に置かれた色とりどりに盛り付けられた料理を己が膳に取り目の前に置いている。
殿の発案で「びゅっふぇ」なるものをやってみた。
そしてその膳をつつきながらの評定がこれから始まる。
この料理。
余ったらどうするのかと問えば、そこはぬかりなく料理人とこの評定に出席できない者が取り合う様にして食べるとの事。
そして足りなくならないように配慮しているとか。
特に後藤殿の好物である鳥肉牛肉猪肉鹿肉は、他の数倍の量を用意しているらしい。後藤殿の膳は5つある。
その料理、体のどこに入るのやら。
「では。あと3日で今年も終わるけど今年起こった事、総括しちゃうね。
皆食べながらゆっくりと確認するとともに感想と自由な発想出しちゃって。
じゃ智円のにーちゃん、あとは宜しく♪」
最近は拙僧が重要な評定などで司会進行を務めるとともに、『懐刀』などと言われるようになってきた。
それはそれで嬉しくもあるが仕官したころは、このような重責を担うことになろうとは思いもよらなかった。
「は。では地図をこれへ」
縦半間横1間の巨大な掛け地図が殿の斜め後ろに掛けられた。
大胡を中心におおよその勢力圏が描かれている。
この測量は出来なかったが殿が
「えいっ!これでどうだぁ」
と言われて出されてきた、陸と河・国の形を元に作ったものだ。
勿論、殿がどうしてそのような物が描けるかは聞かないようにしている。
拙僧は無駄な時間は使いたくない。
◇ ◇ ◇ ◇
「現在の我が大胡領は、
上野を始めとして
武蔵一国、
相模一国、
伊豆一国、
駿河ほぼ全土。
石高は240万石を超えておりまする」
評定衆20名から「おおぅ」という感慨とも歓喜とも取れる声が上がる。
それはそうだ。7千石の国衆でしかなかった大胡が20年で、3000倍もの巨大な勢力へと成り上がったのだ。
これだけで伝説となろう。
「では早速。人口動態と内政について。瀬川正則殿から」
瀬川正則殿はもう仕事が手いっぱいと見て、やっと内務の総とりまとめとした内務大臣となった。
その下には行政・教育・法務・治安など、様々な政務分掌が置かれている。
正しく大胡の屋台骨を支えているのだ。
「は。まず殿からのたっての願いであった意識調査ですが、上野国のみ調査できました。大胡の支配への点数を無記名にて提出してもらいその平均を出したところ92点でした。
これが高いかどうかは分かりません。少人数ですが極端な低評価をしている者も幾何か居りました故。これは多分北条や武蔵南部からの抑留者か、此度の公界戦争で損をした者たちかと思われまする」
それを勘案しても92点とは。
そう考えると殆ど全てのものが100点と書いているという事になる。
だが殿は以前
「今までが低すぎたからいい点が出るよ、きっと」
と仰られた。
故にこれを二度三度行って初めて意味のある物となろうという。
また、大胡全土で約240万人の領民が住まっているようだ。
この確認と戸籍の作成は膨大な手間と時間が掛かる。
「上野と武蔵中部から北部にかけてでは、住民による自治が行われつつあります。
その掟の元になる法律は大胡が用意しました。
それを庄屋を始めとした村の主だった者がその土地の慣習に従って手を入れて使っているのが現状にて」
「うんうん。それでいいね。その土地に合わせるのが大事~」
殿の相槌のような発言。
箸を使って音頭を取ってはいけませぬぞ。
茶碗を叩かぬだけましであるか。
「法律を執行する者を巡査として養成。各地に番屋を設けて寝泊まりさせて居ります。要員が増え次第、巡管区を設定し巡査所を設置いたします。
そして……国家保安部の防諜室の分室も設置いたします。
こちらは相当な期間が必要にて。当分は真田殿の分掌になるかと」
治安と防諜は切っても切り離せない。
巡査は住民の取り仏の顔と鬼の顔がある。
これは致し方ない。
阿修羅のような存在だ。
仏法の守護神であり戦闘神でもある。
「教育についてですがその巨額な予算を使い、多くの村に寺子屋を設置。
各宗派の僧侶や神社の禰宜・神主等に読み書きを習わせています。三日に一度は算盤も習わせております。問題の楷書の活字は師弟で研鑽しているとの事。
高等教育機関はまだ華蔵寺のみですが、ここで師範学校が設置されました故、その内教授も増えるかと」
兎に角。
人だ、人材だ。
殿が最初に大胡へ来た時も
「まんぱわー」
と仰られたというが、そのことを今では皆が実感している。
「次に冬木殿から、経済、産業、技術について」
経済と金融とは切っても切り離せないが、冬木殿も仕事が多くなり過ぎた。
現在それぞれの大臣を決めている所だ。
「は。大胡を中心とした上野では単位面積当たりの米の収量が2倍以上となり、耕地面積の増加とも合わせ米の収量が以前の3倍以上に跳ね上がりました。
武蔵北部も以前の倍の35万石。他の地域は未だたい肥製造に追われておりまする。
次に軽工業ですが生糸を主力として東国への輸出が順調。京を通して西国へも販路を広げています。織物技術もようやっと西陣に一部の分野では追いつきだしました。
酒類は委託販売。
しかし……
うヰすきいは大胡でのみ製造。そして葡萄が作られ出したために葡萄酒とぶらんでぃ、しぇりいは大胡のみの生産、高級贈答品として用意しておりまする。
殿、これはあの……」
「そうそう。南蛮対策ね。南蛮人。
こんな辺境に来てマデイラ酒(注1)以外のワイン飲めると知ったらびっくりよん! それまでに間に合うように品質よくしてね、って南蛮人の舌に合うかどうかは日ノ本の民にはわかんにゃい。
ま、いっか」
殿も適当に方針を出している。
皆も気楽に評定が出来る。
これが『ぱわあらんち』というものか。
『ぶれっくふぁすとみいてぃんぐ』
というものもやろうというが……
「問題の主力産業である鉄生産ですが、品川付近で交通が整備され始めましたのでここに人口を集中させて、その労働力を使い、高炉とその粗鋼を使用した重工業などを立地する計画が立てられて居るところ。
10年以上かかる計画ですが、やらぬよりもましかと。
大胡のためにではなく日ノ本のために」
そうだ。
大胡はまだ安定せぬ。
いつ滅ぼされるかもしれぬ。
その時品川に産業の基礎があれば、それで日ノ本の民に富をもたらすであろう。
「技術開発ですが、真鍮による様々な鉄の代替品が製作できるとのこと。足尾の銅鉱山と安中の亜鉛鉱山が稼働すれば、鉄不足が大分緩和され申す。
ブリキですが沼田の白川で取れる錫鉱石の純化技術は完成しました故、その量産化を目指しています。
ブリキを使った缶詰はまだ防腐効果を検証中にて、しばらくお待ちを。
また硝子が遂に湯呑のようなものや、徳利のような物に加工できるようになり申した。職人の育成により大量に生産できるやもしれませぬ。
板硝子も錫を利用した加工にて作れること判明しました故、そろそろ大量に生産。
建物などにも使用出来る道筋がつき申した」
ブリキは言うに及ばず、硝子瓶・板硝子があると様々な所に使用できる。有難し。
「そして軍関連の技術ですが。先月に入手できた大陸産の火打石によって『ますけっと銃』が完成。試射に入りました。喇叭銃(注2)も東雲殿の竜騎兵用に製作、試射を完了。何時でも量産に入れまする。
それと。
遂に初期故障は覚悟しておりますが大砲用の砲架が出来上がりました。
鈍重ですが野戦に1欣砲が随伴でき申す」
皆から「おおお!」と歓声が上がる。後藤殿とそりが合わない東雲殿も手を取り合っている。
これで硝石が大量に入手できれば……
「次に弩弓。これはもう異次元の存在になるはず。
幸いにして南蛮人から入手した弩弓を分解し、その仕組みを模倣することにより強力な物が容易く完成いたしました。
水牛の角を使用した複合弓。これは長弓よりも遥かに強い。30間(60m)の距離にて桶川胴を貫通いたしました。
先月の倭寇の船にて入手した雲南の水牛の角を400本にて、800丁を超える弩弓が完成すると見ております。
これが配備されれば天候に左右される鉄砲と同等の戦力となりましょう」
これまた、どよめきが起こる。
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小説完全初心者ですが、よろしくお願いします。
※なお、この物語に出てくる格闘用語についてはあくまでフィクションです。
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