225 / 339
第24章:金融戦争始まる【金融戦争】
金融のトリレンマ
しおりを挟む
1557年正月
山城国東山公界市
香菜
(張り切っている団子屋女将)
ふぅ。
初日は上々の客入りだったわ。
収支は……赤字だけれど、これは許容範囲だと教わった。
ここからが本番。
今日来ていただいたお客がどれだけ噂を流してくれるかで勝負が決まる。
お料理人さんと一緒に片付けと掃除をしてから戸締りをして今日の売り上げを両替屋さんに持って行く。
銭が入っている袂が重い。
両手にも袋を持っているけれど、こう重くては不便ね。銭が入るということは嬉しいけれど持ち運びが大変。
大胡様が大胡札を早く普及させてくれればいいのに。
あれなら持ち運びにも便利。当分この不便さは続くと言っていたわ。
その時、右から男がぶつかってきた。
思わず左右の銭袋を放り出し、腰をついて倒れる。
スリ? いえ強盗!
こんな時のために、と持たされている胸にかけていた呼子を思いっきり吹く。
近くの巡査詰所から巡査が飛び出してくる。
巡査は山伏が持っているような六尺棒を持っている。
たちまちその男は取り押さえられる。
「おい。お前。この市の入り口の高札を見なかったのか?
説明も聞いたであろう。打ち首覚悟の犯行か?」
男はぎょっとしたようで
「本当かよ? 高々団子屋の銭だろう?」
などとぶつくさ言っている。
でも、この市の中じゃ、たとえ『一銭でも』盗んだら打ち首。
喧嘩は百叩き。脅しは罰金か重労働。
本当に厳しい。
それを覚悟して入ってきたわけではないらしいけれど、もう遅いわね。
『首取り大胡』様の噂を真に受けなかったのね。
殿さまは、真面目な人が得をする世界を作りたいと常日頃から言われている、と市長様から聞かされている。
そんな中で悪人が暮らせるわけがないじゃない。
こんな人に構っている暇はないわ。
早く家に帰って今後の見通しの確認と経理の勉強をしなくちゃ。
もっともっと稼いで、早く借金を返してお店を広げたいわ。
そしてもっと多くの人に美味しいものを食べて休んでいってほしい。
これが出来ると思ってこのお店を出した。
きっとうまくいく。
ここ公界市ならば!
◇ ◇ ◇ ◇
1557年2月中旬
公界市
近衛前久
(お忍びが好きな変人関白)
これはまた寂れてしまった京の町では見られない人の賑わい。
まるで商いの町、堺の様じゃ。
一度あそこには忍びで入ってみたが、活気があふれて物と銭が飛び交う風があった。
しかしあの
『大店通しの高額な取引』
ではない
『庶民の活気』
をここには感じる。
あの広場の見世物もそうじゃ。
宮中の蹴鞠とは違った志向の蹴鞠が行われている。
どうやら毬が地についてもよいらしい。
蹴飛ばして相手の陣へ押し込めばよいようじゃ。
これならば気楽に始められよう。
童も楽しんでいる。
河原者の出し物が多いな。
能・狂言から始まり、大道芸・木地師の体験工房とか、これは彼奴の発想じゃな。
この『ふっと猿』とかいうものも、多分秋の大会へ向けての景品狙いで練習する者向けの講習会などを開くのであろう。
賭博もやるかもしれんな。
そしてそこにも雇用を生み出す。
日枝神社も巻き込んでの懐柔策じゃろう。
そこかしこに
『雇用を生み出す』
つまり働くものを生み出す仕組みを見つけ出せる。
これにより荒れ果てた京の街を活気に満ちた都に戻していく魂胆なのであろう。
そしてそれにより民の支持を集める。
その内に
『京に大胡が来てくれんかな』
という大胡待望論を起こさせるのが彼奴の目的であろうな。
これは御上にお伝えすることが増えた。
最近頓にやせ衰えた主上に、お気に入りの左中弁が都へ新風を巻き起こすさま、感じさせて差しあげたいのであるが……
もはや……
◇ ◇ ◇ ◇
1557年2月中旬
上野国和田証券取引所
坂田屋甚八
(ノリノリの日本経済を支配する男(仮))
「頭取ちゃぁ~ん。
どう?
日本経済は?
順調に育っている?
西国も」
大胡の殿、久しぶりの来所ですな。
最近は外交や内政、そして軍備増強に忙しいようで経済の事は瀬川様と私を中心に、京公界市長の厩橋さんとのやり取りで決まっていく。
一応瀬川様を通して大まかな報告はされているでしょうけれど、やはり現場の状況が大事。大胡の殿さまは、よくわかっていらっしゃる。
「はい。目下の所東国経済はおよそ年計算で3割以上の経済発展がなされております。大胡札の刷り増しを考えておりますがこれが危険を伴い」
「3割!
いいねいいねぇ。
『じいでいぴい成長30ぱあせんと』
達成! でもやっぱ鉄材不足?」
そうなのだ。
大胡札の担保となる鉄の生産が間に合わない。これ以上大胡札を増やせば『取り付け騒ぎ』には耐えられない。必ずや西国商人はこの仕組みの弱点を突いてくるに違いない。その時に備えて鉄の代わりの銭も用意してあるが、それもこの辺りが限界だ。
「やっぱ、本格的に銅生産するかなぁ。侵略戦争はやりたくないんだけど……
『ぷろびんす』は完全掌握しないと効率悪いんです、はい」
以前仰られていた、足尾の銅山の事ですね。
そろそろ銭の鋳造をするべき時か。
「今、朝廷工作始めたんだけどね。うまく行けば貨幣鋳造の許可が下りると思うんだ。銅で銭を。金銀で高額硬貨を作ろうかと。そうすれば兌換紙幣の大胡札も増やせる。
まあ改鋳しなくても金銀銅があればいけると思うけど『れえと』が大変で」
『れえと』とは、銭と大胡札の間にも言える事。『1円』の大胡札が1貫の鉄と交換できるように定められているが、鉄の方の相場が日に日に変わる。
だから大胡札と銭の間の『取引れえと』も刻々と変わるのです。
現在その修正をするとともに、西国勢力に罠を張っている所です。
「大胡札の減価償却の期限はどのくらいがよさげ?
これ大事。できれば1年後に使えなくしたいなぁ」
難しい。
大胡札の問題点はその減損です。
紙でできているからすぐに破れたり文字が読めなくなります。
だからすぐに取り換えなければなりません。
これによる利点としては『早く手放させる』ことが可能となり、銭よりも流れが速くなります。
しかし受け取りを嫌がる人が増えるのが問題。
期限が違うとそれだけでも価値が変わります。
この難問を現在解決しようとしているのです。
「現在、試験的に動かしている通貨先物相場ですが、実際に動かしてみないと実効性があるかどうかわかりません。
前代未聞の仕組みですので、全く見当がつきません」
殿さまの言葉では為替相場と『おぷしょん取引』というそうですが、3カ月か1年後に価値のなくなる大胡札に値段を付けてしまおうとしています。
そうすればどの時期に手放すとどれだけの損得が出来ると計算できます。
ただこれの問題点は『その取引自体が儲けの対象となり』市場に混乱を引き起こす可能性があります。
「やはり難しいね。
市場の3原則。
金融政策の自由
資本取引の自由
そして固定相場制
このどれかは諦めなくちゃならない。
金融政策は手放せないし資本主義目指しているから資本取引は自由でなくちゃ。
残るは固定相場を諦めるしかない、シュン」
どのみち変動相場にならざるを得ない。
だったらここか京公界市の取引所にて決めてしまわねば、勝手に交換されて
大混乱を招くことに。
操作が可能なようにその市場を作ってしまえばよいとの考え。
指標があればそれに合わせて大胡札の発行量を変化させるのだ。
「結局やって見ねば分かりませんね」
「見切り発車かぁ。怖いけど金銀銅の実弾を用意したらやって見よっか。兎に角、もくひょ~打倒悪徳金融資本主義! 大金持ちには金払いを良くしてもらいましょう!」
1年で使えなくなる大胡札ならば使わないと損です。大金持ちが益々大金持ちにならない工夫もされたいとか。本当にできるとはなかなか思えないのですが。私たちが知恵をこらすしかないですね。
どのくらいの金銀銅が必要になるか、概算で良いから教えてくれと言って殿は帰って行かれた。
山城国東山公界市
香菜
(張り切っている団子屋女将)
ふぅ。
初日は上々の客入りだったわ。
収支は……赤字だけれど、これは許容範囲だと教わった。
ここからが本番。
今日来ていただいたお客がどれだけ噂を流してくれるかで勝負が決まる。
お料理人さんと一緒に片付けと掃除をしてから戸締りをして今日の売り上げを両替屋さんに持って行く。
銭が入っている袂が重い。
両手にも袋を持っているけれど、こう重くては不便ね。銭が入るということは嬉しいけれど持ち運びが大変。
大胡様が大胡札を早く普及させてくれればいいのに。
あれなら持ち運びにも便利。当分この不便さは続くと言っていたわ。
その時、右から男がぶつかってきた。
思わず左右の銭袋を放り出し、腰をついて倒れる。
スリ? いえ強盗!
こんな時のために、と持たされている胸にかけていた呼子を思いっきり吹く。
近くの巡査詰所から巡査が飛び出してくる。
巡査は山伏が持っているような六尺棒を持っている。
たちまちその男は取り押さえられる。
「おい。お前。この市の入り口の高札を見なかったのか?
説明も聞いたであろう。打ち首覚悟の犯行か?」
男はぎょっとしたようで
「本当かよ? 高々団子屋の銭だろう?」
などとぶつくさ言っている。
でも、この市の中じゃ、たとえ『一銭でも』盗んだら打ち首。
喧嘩は百叩き。脅しは罰金か重労働。
本当に厳しい。
それを覚悟して入ってきたわけではないらしいけれど、もう遅いわね。
『首取り大胡』様の噂を真に受けなかったのね。
殿さまは、真面目な人が得をする世界を作りたいと常日頃から言われている、と市長様から聞かされている。
そんな中で悪人が暮らせるわけがないじゃない。
こんな人に構っている暇はないわ。
早く家に帰って今後の見通しの確認と経理の勉強をしなくちゃ。
もっともっと稼いで、早く借金を返してお店を広げたいわ。
そしてもっと多くの人に美味しいものを食べて休んでいってほしい。
これが出来ると思ってこのお店を出した。
きっとうまくいく。
ここ公界市ならば!
◇ ◇ ◇ ◇
1557年2月中旬
公界市
近衛前久
(お忍びが好きな変人関白)
これはまた寂れてしまった京の町では見られない人の賑わい。
まるで商いの町、堺の様じゃ。
一度あそこには忍びで入ってみたが、活気があふれて物と銭が飛び交う風があった。
しかしあの
『大店通しの高額な取引』
ではない
『庶民の活気』
をここには感じる。
あの広場の見世物もそうじゃ。
宮中の蹴鞠とは違った志向の蹴鞠が行われている。
どうやら毬が地についてもよいらしい。
蹴飛ばして相手の陣へ押し込めばよいようじゃ。
これならば気楽に始められよう。
童も楽しんでいる。
河原者の出し物が多いな。
能・狂言から始まり、大道芸・木地師の体験工房とか、これは彼奴の発想じゃな。
この『ふっと猿』とかいうものも、多分秋の大会へ向けての景品狙いで練習する者向けの講習会などを開くのであろう。
賭博もやるかもしれんな。
そしてそこにも雇用を生み出す。
日枝神社も巻き込んでの懐柔策じゃろう。
そこかしこに
『雇用を生み出す』
つまり働くものを生み出す仕組みを見つけ出せる。
これにより荒れ果てた京の街を活気に満ちた都に戻していく魂胆なのであろう。
そしてそれにより民の支持を集める。
その内に
『京に大胡が来てくれんかな』
という大胡待望論を起こさせるのが彼奴の目的であろうな。
これは御上にお伝えすることが増えた。
最近頓にやせ衰えた主上に、お気に入りの左中弁が都へ新風を巻き起こすさま、感じさせて差しあげたいのであるが……
もはや……
◇ ◇ ◇ ◇
1557年2月中旬
上野国和田証券取引所
坂田屋甚八
(ノリノリの日本経済を支配する男(仮))
「頭取ちゃぁ~ん。
どう?
日本経済は?
順調に育っている?
西国も」
大胡の殿、久しぶりの来所ですな。
最近は外交や内政、そして軍備増強に忙しいようで経済の事は瀬川様と私を中心に、京公界市長の厩橋さんとのやり取りで決まっていく。
一応瀬川様を通して大まかな報告はされているでしょうけれど、やはり現場の状況が大事。大胡の殿さまは、よくわかっていらっしゃる。
「はい。目下の所東国経済はおよそ年計算で3割以上の経済発展がなされております。大胡札の刷り増しを考えておりますがこれが危険を伴い」
「3割!
いいねいいねぇ。
『じいでいぴい成長30ぱあせんと』
達成! でもやっぱ鉄材不足?」
そうなのだ。
大胡札の担保となる鉄の生産が間に合わない。これ以上大胡札を増やせば『取り付け騒ぎ』には耐えられない。必ずや西国商人はこの仕組みの弱点を突いてくるに違いない。その時に備えて鉄の代わりの銭も用意してあるが、それもこの辺りが限界だ。
「やっぱ、本格的に銅生産するかなぁ。侵略戦争はやりたくないんだけど……
『ぷろびんす』は完全掌握しないと効率悪いんです、はい」
以前仰られていた、足尾の銅山の事ですね。
そろそろ銭の鋳造をするべき時か。
「今、朝廷工作始めたんだけどね。うまく行けば貨幣鋳造の許可が下りると思うんだ。銅で銭を。金銀で高額硬貨を作ろうかと。そうすれば兌換紙幣の大胡札も増やせる。
まあ改鋳しなくても金銀銅があればいけると思うけど『れえと』が大変で」
『れえと』とは、銭と大胡札の間にも言える事。『1円』の大胡札が1貫の鉄と交換できるように定められているが、鉄の方の相場が日に日に変わる。
だから大胡札と銭の間の『取引れえと』も刻々と変わるのです。
現在その修正をするとともに、西国勢力に罠を張っている所です。
「大胡札の減価償却の期限はどのくらいがよさげ?
これ大事。できれば1年後に使えなくしたいなぁ」
難しい。
大胡札の問題点はその減損です。
紙でできているからすぐに破れたり文字が読めなくなります。
だからすぐに取り換えなければなりません。
これによる利点としては『早く手放させる』ことが可能となり、銭よりも流れが速くなります。
しかし受け取りを嫌がる人が増えるのが問題。
期限が違うとそれだけでも価値が変わります。
この難問を現在解決しようとしているのです。
「現在、試験的に動かしている通貨先物相場ですが、実際に動かしてみないと実効性があるかどうかわかりません。
前代未聞の仕組みですので、全く見当がつきません」
殿さまの言葉では為替相場と『おぷしょん取引』というそうですが、3カ月か1年後に価値のなくなる大胡札に値段を付けてしまおうとしています。
そうすればどの時期に手放すとどれだけの損得が出来ると計算できます。
ただこれの問題点は『その取引自体が儲けの対象となり』市場に混乱を引き起こす可能性があります。
「やはり難しいね。
市場の3原則。
金融政策の自由
資本取引の自由
そして固定相場制
このどれかは諦めなくちゃならない。
金融政策は手放せないし資本主義目指しているから資本取引は自由でなくちゃ。
残るは固定相場を諦めるしかない、シュン」
どのみち変動相場にならざるを得ない。
だったらここか京公界市の取引所にて決めてしまわねば、勝手に交換されて
大混乱を招くことに。
操作が可能なようにその市場を作ってしまえばよいとの考え。
指標があればそれに合わせて大胡札の発行量を変化させるのだ。
「結局やって見ねば分かりませんね」
「見切り発車かぁ。怖いけど金銀銅の実弾を用意したらやって見よっか。兎に角、もくひょ~打倒悪徳金融資本主義! 大金持ちには金払いを良くしてもらいましょう!」
1年で使えなくなる大胡札ならば使わないと損です。大金持ちが益々大金持ちにならない工夫もされたいとか。本当にできるとはなかなか思えないのですが。私たちが知恵をこらすしかないですね。
どのくらいの金銀銅が必要になるか、概算で良いから教えてくれと言って殿は帰って行かれた。
0
お気に入りに追加
67
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
国虎の楽隠居への野望・十七ヶ国版
カバタ山
ファンタジー
信長以前の戦国時代の畿内。
そこでは「両細川の乱」と呼ばれる、細川京兆家を巡る同族の血で血を洗う争いが続いていた。
勝者は細川 氏綱か? それとも三好 長慶か?
いや、本当の勝者は陸の孤島とも言われる土佐国安芸の地に生を受けた現代からの転生者であった。
史実通りならば土佐の出来人、長宗我部 元親に踏み台とされる武将「安芸 国虎」。
運命に立ち向かわんと足掻いた結果、土佐は勿論西日本を席巻する勢力へと成り上がる。
もう一人の転生者、安田 親信がその偉業を裏から支えていた。
明日にも楽隠居をしたいと借金返済のために商いに精を出す安芸 国虎と、安芸 国虎に天下を取らせたいと暗躍する安田 親信。
結果、多くの人を巻き込み、人生を狂わせ、後へは引けない所へ引き摺られていく。
この話はそんな奇妙なコメディである。
設定はガバガバです。間違って書いている箇所もあるかも知れません。
特に序盤は有名武将は登場しません。
不定期更新。合間に書く作品なので更新は遅いです。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
家出したとある辺境夫人の話
あゆみノワ@書籍『完全別居の契約婚〜』
恋愛
『突然ではございますが、私はあなたと離縁し、このお屋敷を去ることにいたしました』
これは、一通の置き手紙からはじまった一組の心通わぬ夫婦のお語。
※ちゃんとハッピーエンドです。ただし、主人公にとっては。
※他サイトでも掲載します。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
お兄様、冷血貴公子じゃなかったんですか?~7歳から始める第二の聖女人生~
みつまめ つぼみ
ファンタジー
17歳で偽りの聖女として処刑された記憶を持つ7歳の女の子が、今度こそ世界を救うためにエルメーテ公爵家に引き取られて人生をやり直します。
記憶では冷血貴公子と呼ばれていた公爵令息は、義妹である主人公一筋。
そんな義兄に戸惑いながらも甘える日々。
「お兄様? シスコンもほどほどにしてくださいね?」
恋愛ポンコツと冷血貴公子の、コミカルでシリアスな救世物語開幕!
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
魔法省魔道具研究員クロエ
大森蜜柑
ファンタジー
8歳のクロエは魔物討伐で利き腕を無くした父のために、独学で「自分の意思で動かせる義手」製作に挑む。
その功績から、平民ながら貴族の通う魔法学園に入学し、卒業後は魔法省の魔道具研究所へ。
エリート街道を進むクロエにその邪魔をする人物の登場。
人生を変える大事故の後、クロエは奇跡の生還をとげる。
大好きな人のためにした事は、全て自分の幸せとして返ってくる。健気に頑張るクロエの恋と奇跡の物語りです。
本編終了ですが、おまけ話を気まぐれに追加します。
小説家になろうにも掲載してます。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
グライフトゥルム戦記~微笑みの軍師マティアスの救国戦略~
愛山雄町
ファンタジー
エンデラント大陸最古の王国、グライフトゥルム王国の英雄の一人である、マティアス・フォン・ラウシェンバッハは転生者である。
彼は類い稀なる知力と予知能力を持つと言われるほどの先見性から、“知将マティアス”や“千里眼のマティアス”と呼ばれることになる。
彼は大陸最強の軍事国家ゾルダート帝国や狂信的な宗教国家レヒト法国の侵略に対し、優柔不断な国王や獅子身中の虫である大貴族の有形無形の妨害にあいながらも、旧態依然とした王国軍の近代化を図りつつ、敵国に対して謀略を仕掛け、危機的な状況を回避する。
しかし、宿敵である帝国には軍事と政治の天才が生まれ、更に謎の暗殺者集団“夜(ナハト)”や目的のためなら手段を選ばぬ魔導師集団“真理の探究者”など一筋縄ではいかぬ敵たちが次々と現れる。
そんな敵たちとの死闘に際しても、絶対の自信の表れとも言える余裕の笑みを浮かべながら策を献じたことから、“微笑みの軍師”とも呼ばれていた。
しかし、マティアスは日本での記憶を持った一般人に過ぎなかった。彼は情報分析とプレゼンテーション能力こそ、この世界の人間より優れていたものの、軍事に関する知識は小説や映画などから得たレベルのものしか持っていなかった。
更に彼は生まれつき身体が弱く、武術も魔導の才もないというハンディキャップを抱えていた。また、日本で得た知識を使った技術革新も、世界を崩壊させる危険な技術として封じられてしまう。
彼の代名詞である“微笑み”も単に苦し紛れの策に対する苦笑に過ぎなかった。
マティアスは愛する家族や仲間を守るため、大賢者とその配下の凄腕間者集団の力を借りつつ、優秀な友人たちと力を合わせて強大な敵と戦うことを決意する。
彼は情報の重要性を誰よりも重視し、巧みに情報を利用した謀略で敵を混乱させ、更に戦場では敵の意表を突く戦術を駆使して勝利に貢献していく……。
■■■
あらすじにある通り、主人公にあるのは日本で得た中途半端な知識のみで、チートに類する卓越した能力はありません。基本的には政略・謀略・軍略といったシリアスな話が主となる予定で、恋愛要素は少なめ、ハーレム要素はもちろんありません。前半は裏方に徹して情報収集や情報操作を行うため、主人公が出てくる戦闘シーンはほとんどありません。
■■■
小説家になろう、カクヨム、ノベルアップ+でも掲載しております。
記憶なし、魔力ゼロのおっさんファンタジー
コーヒー微糖派
ファンタジー
勇者と魔王の戦いの舞台となっていた、"ルクガイア王国"
その戦いは多くの犠牲を払った激戦の末に勇者達、人類の勝利となった。
そんなところに現れた一人の中年男性。
記憶もなく、魔力もゼロ。
自分の名前も分からないおっさんとその仲間たちが織り成すファンタジー……っぽい物語。
記憶喪失だが、腕っぷしだけは強い中年主人公。同じく魔力ゼロとなってしまった元魔法使い。時々訪れる恋模様。やたらと癖の強い盗賊団を始めとする人々と紡がれる絆。
その先に待っているのは"失われた過去"か、"新たなる未来"か。
◆◆◆
元々は私が昔に自作ゲームのシナリオとして考えていたものを文章に起こしたものです。
小説完全初心者ですが、よろしくお願いします。
※なお、この物語に出てくる格闘用語についてはあくまでフィクションです。
表紙画像は草食動物様に作成していただきました。この場を借りて感謝いたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる