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第21章:北条滅亡?
で、出来心です?
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1556年2月下旬
上野国那和城
福
「かえでちゃん。
ごめんなさい。
ごめんなさ~い。
ゆるして~~~~。
このとぉりぃ~~~」
殿さんに縋り付かれるせいで楓様の小袖の裾が開けている。
それが益々楓様の勘気を逆なでしてる。
早く殿さん気づいてくれよぅ。
殿さん。
昨年中には帰ると言いながら、今年の2月まで帰ってこなかった。
しかも手紙一つも寄こさないで。
土産も皆、河で流されたと。
さらにその河で死にそうになったって、もう楓様でなくとも怒るよなぁ。
折角子宝を授かってこれからっていうときに殿さんとお別れなんて私はやだなぁ。
亭主の時は子供が生まれる前だったから割り切れたけれど、子供が生まれると「女」は「母」になるんだと。
別の生き物とお坊さんが言っとったよぅ。
「かえでちゃん。ちょっとだけだから。今度はすぐ近く、すぐ隣の武蔵の忍城ってところをササッと落としてくるだけだから。
危険もないし。それに……」
ああ。それ言っちゃだめだよ、殿さん。
「そのようなこと!
信じられる筈ございませんでしょう?
父を討ち取ったが故、自身の主人を失い、その復讐で我を忘れている悪鬼が沢山いるはずの戦。何方か家来衆にお任せ為されて此度は安全な所にて指図をとお願いしているに!」
いくら都より近くても、ずっとお父上が攻めあぐねていたお城。
最後にはそのお父上が討ち取られたんだから、怖くなるのは当り前さぁ。
楓様はお姫様だから「かかあ天下」とは関係ない人じゃから。
寂しい事、何とかするのが男の甲斐性だと思うんだよなぁ。
でも御大名となるとそうもいかないんだろうなぁ。
殿さんがしゅんとして帰っていくのを見ていられなくなったんで、追っかけて渡り廊下で捕まえたんだ。
「殿さん。楓様には寂しい思いをさせないようにしてあげてよぅ。楓様は殿さんに縋りたいというよりも、一緒にいたい、楽しく過ごしたいという気持ちが強いんだよぅ。
だから早く帰ってきてくんない」
「でもねぇ。福~。まだ大胡は僕が戦に出ないと話にならいないところがあって、特に今度は僕がいかないとなんだよ」
やっぱり100万石の御大名は忙しんだなぁ。
殿さんが昔言っていた。
「下には下の苦労がある。
上には上の苦労がある。
どっちもどっちだよ」。
その時はなんだか全然わからなかったけんど、こうなるとなぁ、本当なんだねぇ。
「ねえねえ。福~。何とかならない? いつもこれだと、これからやっていけないよ~、グッスン。
かえでちゃんの寂しさを紛らわせる方法ない~?」
これは相当困っているなぁ、殿さん。
柱に額を付けて下を向いている。
この仕草出ると危険だなぁ。
うう~ん。
これなんかどうだんべ。
責任も持てないけどやるかやらないかは殿さんが考えることだねぇ。
「殿さん、殿さん。あのな。
今は楓様、松風様に気を取られておるだけだから殿さんに思いを馳せる事多いんじゃあないかなぁ。
楓様、あれで結構手際もよいし頭も回るんさぁ。その頭がぜ~んぶ、松風様と殿さんに向いちゃっている。だからもっともっと世話をする人を増やせばいいのでないん?」
柱に付けていた額が大分ずり落ちて、今にも体が柱にめり込みそうになっていた殿さんが、しゅぴっ、という音が聞こえるくらい素早く立ち直ったぁ~。
「なるほろ~。
世話好き女房作戦かぁ!
いいねぇいいねぇ。うん、誰がいいだろ~?
公園の子?
それは当たり前すぎ!
……ここはついでだから外交で……」
ガクッ、
ベシャ、
という音がして、上り框で足を滑らして倒れてもすぐに立ち上がって、
ブツブツ言いながら表の松の間へ帰って行った
‥…だいじょぶか?
◇ ◇ ◇ ◇
数日後
楓の部屋前の中庭
福
「かえでちゃ~~~ん、
許してよ~~~~、
ごめんよ~~~~~。
そんなに怒るとは、思っていなかったんだよぅ~~~~」
今日も殿さんの鳴き声みたいな謝罪の声がする。
楓様は殿さんを無視して、
「ぴらてぃす」をしている。
あ~あ。
100万石の殿さんが土下座するとこ、そんなに見せちゃダメだって。
なんか一度だけ、みんなの前でそれしてたみちょうだけど、そんなに何度もしたらそれが当たり前になっちゃって土下座の意味なくなっちゃうようぅ。
今度、教えてやんなくちゃね。
「知りませんっ!
私がこんなに寂しい思いをして殿の御帰りを待っているという事をご存じの筈の所へ持ってきて、まさかの側室を持つ宣言!? 信じられませぬ!
政賢様はその様な男でいらっしゃいましたか!?」
まさかねぇ。
側室囲おうとするとは全く考えなかったよぅ。
「しかもそれが寄りにもよって御歳10歳??
信じられませぬ。
この乱世4~5歳で許嫁などよくあること。
ですがあと1月後? 何故にそれ程急がれるのです? しかも尾張などという遠くの地よりたった一人で。お寂しいでしょうに……ガミガミ」
外交というんか?
女子にはわからん事情があるんじゃろうけど、殿さんのここへ来る前の
「にへら」とした笑顔。
ありゃ外交の方よりも側室、それも相手に気があるんじゃろう?
女子を舐めちょるなぁ。
殿さん。
そのくらいは直ぐに悟られるんよ。
楓様は近くに置いてある「べんち」で「べんちぷれす」という奴をしている。
政影さんが補助しているけんど、危なっかしいなぁ。
「でもね、かえでちゃん。
これ結構重要な外交の布石なんだよ。ホント、信じて、お願い!
もう少しで京への道がこれで通じちゃうんだから。そうすれば大胡も大分安心できるんだ」
手ぬぐいで楓様の汗を拭きながら殿さんが、場所を変えた楓様についていく。
金魚のふんだなぁ。ご家臣さんがこれ見たら呆れる……
いや、殿らしいって笑って楽しまれるんか。
結局楓様には許してもらえず、殿さんは表に帰って行った。
拳を握りしめて
「はぁれむの夢、叶えて見せるっ!」
とか言っていたけど、それ怪しすぎるんだけどな、
殿さん。
◇ ◇ ◇ ◇
その次の日
福
「かえでちゃぁあああん~。
ほっんとうにこれ、大事なんだからさぁあああああ~、
許して。
ねえ、この通り!」
今日も又、殿さんが楓様の御部屋に通われている。
もう10日も通われても夜には締め出されているな、当たり前だなぁ。
ましてや今度も側室?
楓様と別れるつもりでないんかなぁ?
そのくらいわかる筈なのに。今回はそれだけ本当に必要なんじゃろうなぁ。
「今度はなんです?
外交ですか?
やはりその女子が美形で欲しくなったとかですか??」
「そんなんじゃあないよ~。
今度北条の領国が大胡になっちゃったでしょ?
で、故北条氏康の叔父ちゃんの幻庵宗哲っていうのがね、今川に人質として世話になっていた氏政っちの弟を担ぎ出して故国奪還の旗上げちゃったわけ。
そしたら元北条の家臣団が動揺しちゃってさ。
こっちもそれなりの政略結婚が必要になっちゃって。
でも僕ってまだ子供は男跡取り1人だけじゃない?
しかも松ちゃんはまだ1歳だし。
という事で北条氏政っち……ああ今は無益幻造ちゃんか……の妹を側室に、っていう流れに……
イタイイタイ、ぼーりょくはんた~い」
それは叩かれても仕方ないよ、殿さん。
立て続けに側室2人?
楓様が心配だなぁ。
ん?
表の方から女官が慌てて走って来た。
血相を変えてくるな。ありゃ楓様について来た女官じゃな。
「姫様……ではなく、奥方様!
一大事でございまする!
新田金山より先ぶれが!
御母堂様が、明日にでもこちらへお着きになるとか!
早く御支度を!
急がれませっ!」
ん?
楓様も血相を変えられた?
なんじゃろう?
そういえば、楓様の御かかさんの話を聞こうとすると、ハハハとはぐらかされていたなぁ。
「殿、いえ政賢様。
忍城へはすぐにでも出立とお伺いしておりまする。
善は急げ、今日にでも出陣為されるが吉兆!
この楓、遠くよりご武運をお祈りいたしておりまする」
?
なんじゃろう、この変わりようは?
ははあ。
これはきっとすごい「かかあ天下」の襲来じゃなぁ。
女豪傑かなぁ。楓様、大丈夫じゃろうか?
今度は楓様の心配をしなくちゃぁ。
忙しいなぁ。
上野国那和城
福
「かえでちゃん。
ごめんなさい。
ごめんなさ~い。
ゆるして~~~~。
このとぉりぃ~~~」
殿さんに縋り付かれるせいで楓様の小袖の裾が開けている。
それが益々楓様の勘気を逆なでしてる。
早く殿さん気づいてくれよぅ。
殿さん。
昨年中には帰ると言いながら、今年の2月まで帰ってこなかった。
しかも手紙一つも寄こさないで。
土産も皆、河で流されたと。
さらにその河で死にそうになったって、もう楓様でなくとも怒るよなぁ。
折角子宝を授かってこれからっていうときに殿さんとお別れなんて私はやだなぁ。
亭主の時は子供が生まれる前だったから割り切れたけれど、子供が生まれると「女」は「母」になるんだと。
別の生き物とお坊さんが言っとったよぅ。
「かえでちゃん。ちょっとだけだから。今度はすぐ近く、すぐ隣の武蔵の忍城ってところをササッと落としてくるだけだから。
危険もないし。それに……」
ああ。それ言っちゃだめだよ、殿さん。
「そのようなこと!
信じられる筈ございませんでしょう?
父を討ち取ったが故、自身の主人を失い、その復讐で我を忘れている悪鬼が沢山いるはずの戦。何方か家来衆にお任せ為されて此度は安全な所にて指図をとお願いしているに!」
いくら都より近くても、ずっとお父上が攻めあぐねていたお城。
最後にはそのお父上が討ち取られたんだから、怖くなるのは当り前さぁ。
楓様はお姫様だから「かかあ天下」とは関係ない人じゃから。
寂しい事、何とかするのが男の甲斐性だと思うんだよなぁ。
でも御大名となるとそうもいかないんだろうなぁ。
殿さんがしゅんとして帰っていくのを見ていられなくなったんで、追っかけて渡り廊下で捕まえたんだ。
「殿さん。楓様には寂しい思いをさせないようにしてあげてよぅ。楓様は殿さんに縋りたいというよりも、一緒にいたい、楽しく過ごしたいという気持ちが強いんだよぅ。
だから早く帰ってきてくんない」
「でもねぇ。福~。まだ大胡は僕が戦に出ないと話にならいないところがあって、特に今度は僕がいかないとなんだよ」
やっぱり100万石の御大名は忙しんだなぁ。
殿さんが昔言っていた。
「下には下の苦労がある。
上には上の苦労がある。
どっちもどっちだよ」。
その時はなんだか全然わからなかったけんど、こうなるとなぁ、本当なんだねぇ。
「ねえねえ。福~。何とかならない? いつもこれだと、これからやっていけないよ~、グッスン。
かえでちゃんの寂しさを紛らわせる方法ない~?」
これは相当困っているなぁ、殿さん。
柱に額を付けて下を向いている。
この仕草出ると危険だなぁ。
うう~ん。
これなんかどうだんべ。
責任も持てないけどやるかやらないかは殿さんが考えることだねぇ。
「殿さん、殿さん。あのな。
今は楓様、松風様に気を取られておるだけだから殿さんに思いを馳せる事多いんじゃあないかなぁ。
楓様、あれで結構手際もよいし頭も回るんさぁ。その頭がぜ~んぶ、松風様と殿さんに向いちゃっている。だからもっともっと世話をする人を増やせばいいのでないん?」
柱に付けていた額が大分ずり落ちて、今にも体が柱にめり込みそうになっていた殿さんが、しゅぴっ、という音が聞こえるくらい素早く立ち直ったぁ~。
「なるほろ~。
世話好き女房作戦かぁ!
いいねぇいいねぇ。うん、誰がいいだろ~?
公園の子?
それは当たり前すぎ!
……ここはついでだから外交で……」
ガクッ、
ベシャ、
という音がして、上り框で足を滑らして倒れてもすぐに立ち上がって、
ブツブツ言いながら表の松の間へ帰って行った
‥…だいじょぶか?
◇ ◇ ◇ ◇
数日後
楓の部屋前の中庭
福
「かえでちゃ~~~ん、
許してよ~~~~、
ごめんよ~~~~~。
そんなに怒るとは、思っていなかったんだよぅ~~~~」
今日も殿さんの鳴き声みたいな謝罪の声がする。
楓様は殿さんを無視して、
「ぴらてぃす」をしている。
あ~あ。
100万石の殿さんが土下座するとこ、そんなに見せちゃダメだって。
なんか一度だけ、みんなの前でそれしてたみちょうだけど、そんなに何度もしたらそれが当たり前になっちゃって土下座の意味なくなっちゃうようぅ。
今度、教えてやんなくちゃね。
「知りませんっ!
私がこんなに寂しい思いをして殿の御帰りを待っているという事をご存じの筈の所へ持ってきて、まさかの側室を持つ宣言!? 信じられませぬ!
政賢様はその様な男でいらっしゃいましたか!?」
まさかねぇ。
側室囲おうとするとは全く考えなかったよぅ。
「しかもそれが寄りにもよって御歳10歳??
信じられませぬ。
この乱世4~5歳で許嫁などよくあること。
ですがあと1月後? 何故にそれ程急がれるのです? しかも尾張などという遠くの地よりたった一人で。お寂しいでしょうに……ガミガミ」
外交というんか?
女子にはわからん事情があるんじゃろうけど、殿さんのここへ来る前の
「にへら」とした笑顔。
ありゃ外交の方よりも側室、それも相手に気があるんじゃろう?
女子を舐めちょるなぁ。
殿さん。
そのくらいは直ぐに悟られるんよ。
楓様は近くに置いてある「べんち」で「べんちぷれす」という奴をしている。
政影さんが補助しているけんど、危なっかしいなぁ。
「でもね、かえでちゃん。
これ結構重要な外交の布石なんだよ。ホント、信じて、お願い!
もう少しで京への道がこれで通じちゃうんだから。そうすれば大胡も大分安心できるんだ」
手ぬぐいで楓様の汗を拭きながら殿さんが、場所を変えた楓様についていく。
金魚のふんだなぁ。ご家臣さんがこれ見たら呆れる……
いや、殿らしいって笑って楽しまれるんか。
結局楓様には許してもらえず、殿さんは表に帰って行った。
拳を握りしめて
「はぁれむの夢、叶えて見せるっ!」
とか言っていたけど、それ怪しすぎるんだけどな、
殿さん。
◇ ◇ ◇ ◇
その次の日
福
「かえでちゃぁあああん~。
ほっんとうにこれ、大事なんだからさぁあああああ~、
許して。
ねえ、この通り!」
今日も又、殿さんが楓様の御部屋に通われている。
もう10日も通われても夜には締め出されているな、当たり前だなぁ。
ましてや今度も側室?
楓様と別れるつもりでないんかなぁ?
そのくらいわかる筈なのに。今回はそれだけ本当に必要なんじゃろうなぁ。
「今度はなんです?
外交ですか?
やはりその女子が美形で欲しくなったとかですか??」
「そんなんじゃあないよ~。
今度北条の領国が大胡になっちゃったでしょ?
で、故北条氏康の叔父ちゃんの幻庵宗哲っていうのがね、今川に人質として世話になっていた氏政っちの弟を担ぎ出して故国奪還の旗上げちゃったわけ。
そしたら元北条の家臣団が動揺しちゃってさ。
こっちもそれなりの政略結婚が必要になっちゃって。
でも僕ってまだ子供は男跡取り1人だけじゃない?
しかも松ちゃんはまだ1歳だし。
という事で北条氏政っち……ああ今は無益幻造ちゃんか……の妹を側室に、っていう流れに……
イタイイタイ、ぼーりょくはんた~い」
それは叩かれても仕方ないよ、殿さん。
立て続けに側室2人?
楓様が心配だなぁ。
ん?
表の方から女官が慌てて走って来た。
血相を変えてくるな。ありゃ楓様について来た女官じゃな。
「姫様……ではなく、奥方様!
一大事でございまする!
新田金山より先ぶれが!
御母堂様が、明日にでもこちらへお着きになるとか!
早く御支度を!
急がれませっ!」
ん?
楓様も血相を変えられた?
なんじゃろう?
そういえば、楓様の御かかさんの話を聞こうとすると、ハハハとはぐらかされていたなぁ。
「殿、いえ政賢様。
忍城へはすぐにでも出立とお伺いしておりまする。
善は急げ、今日にでも出陣為されるが吉兆!
この楓、遠くよりご武運をお祈りいたしておりまする」
?
なんじゃろう、この変わりようは?
ははあ。
これはきっとすごい「かかあ天下」の襲来じゃなぁ。
女豪傑かなぁ。楓様、大丈夫じゃろうか?
今度は楓様の心配をしなくちゃぁ。
忙しいなぁ。
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