202 / 339
第21章:北条滅亡?
切取り・船取り・首以外も取る
しおりを挟む
1556年1月中旬
武蔵国八王子城
上泉秀胤
(大勢の前では中々発言できない奥手な参謀)
「ぜえぜえ……
と、とりあえずさ。忍城の事は置いておいて、他の戦略決めてから対応策決めていい? 僕もちょっと練り直さなくっちゃ。ご飯食べてから未の刻(午後2時くらい)にここ集合ね」
その後、皆殿を囲んでがやがやと今までの事を聞くたびに
「なんと! あの宮川が公方の前で剣技を披露したとは!」
「天下の狩野派の御曹司がこちらへ参られるのか?」
「六角の奴腹、許すまじ!」
など、大声で口々に感想を交わし合っていた。
それが一段落すると、某は殿に奥の間に呼ばれ2人で話すこととなった。
「たねちゃんさ。君だったら最優先で叩くのはどこ?
またその時期は?
その理由は?
内政はどうする?
その他の抑えは?
忌憚ない意見をどじょ~。
ここには誰もいないから、ガンガン言っちゃってよ」
殿はやはり某の奥手に配慮していただいているのか。
どうにも大人数となると自分の意見が言えぬ。
以前の円卓会議ならば殿の質問に即座に答えられるようになったが、今日のような評定では全く意見を言えなかった。
「たねちゃん、最近すごく良い意見出してくれるのにもったいない。
だからね、次から僕の隣で小さい声でいいから伝えてね。僕が代わりにそれを皆に伝える。今度評定が再開されたら真っ先にそれを提案する。
皆いい人だからたねちゃんの事を腰巾着だとか言わないよ。必要な時に言えるようになればいいよ。だんだんとだよ。段々と人は成長する方が良い結果が出る人のほうが多いよ」
下を向いた自分の顔が赤くなっているのが分かる。情けなさに消え入りたいが、それもできぬ。
大胡の掲げる理念を現実に変えるための一番重要な位置にいるのだ。
頑張ろう。
某は意を決し、了承の意を伝えた。
◇ ◇ ◇ ◇
同日未の刻
智円
(その内南蛮渡来の魔術とやらに興味を持つと思う外交占い師)
先ほど殿が
「たねちゃんは奥手で皆の前で発言できないから、戦略を練るときは僕の隣で耳打ち位の小さい声で僕に伝えるからね。皆の悪口じゃあないよ。段々と慣れるようにしようよ。皆もそうしてきたじゃない。
最近、お仁王ちゃんも頭使ってくれるようになったし、僕もちょっとだけ、ちょっとだけね、体を鍛え始めたんだよ。
一気に変えると反動来るから。徐々にね~」
と皆に伝えた。
確かに拙僧も、何とかならぬかと感じていた。
あれだけ優秀な人材を有効に活用できぬのは大胡の損失、いや天下の損失。
拙僧も助力は惜しむまい。
「じゃあ、改めて皆の意見を聞きたいな。
今は何処を最優先の敵国と認識するか。
その勢力を如何に削り取るか。
勿論元締めは堺だけどね。
堺が操りたい大名などの勢力は何処で、大胡は何処をたたけばいいかな?」
……前線指揮官の後藤殿と是政殿には期待しないとして、幸綱殿や石堂殿から何か提案があるであろう。
「では儂からで宜しいか?
まず一番厄介なのは利根川と江戸川から品川へ向かう輸送路。これが里見、もしくは古河公方に止められることかと思いまする。
殿の御尽力により越後直江津から敦賀の湊を通り、坂本から京への道を確保でき申した。しかし清水峠を使い多くの物資を輸送することは困難でございます。故に上野国をこれ以上発展させるには利根川を利用するしか手はございませぬ。
よってこれを手に入れるため、最優先で里見を叩くべきかと。
せめて荒川までの武蔵南部を手に入れなくては相模ですら維持できませぬ」
もっともな意見だ。
では里見の戦略方針は何処を向いている?
「殿。里見は下野にどの程度関心が向いているか、これを探らねばなりませぬ。
そしてこちらへの策謀。当主里見義堯は名だたる守旧派。
それ故に古河公方を使っての策略がよく効くわけでございまするが、新しき世を作ろうとしている大胡に対しては大いなる脅威、敵対意識をもっておりましょう」
拙僧の進言を殿は、ふむふむと頷きながら肘を脇息へ凭れ懸けながら聞いている。
「素ッ破の情報は某から。
里見は江戸城近辺の武蔵国南部における仕置を終え、国衆への賦役・参陣を免除。
あと最低でも1年は内政に注力せねばなりますまい。里見は民心が未だ北条へ向いている見て、頻りと親北条派の者をあぶり出そうとしておりまする。
それに対し実際の民心は徐々に大胡へと向かいつつあり、里見の支配を受け付けない者がおります。
国衆の中にも……」
その時石堂殿の発言を遮るようにガバッと土下座をして声を上げた者がいた。
太田殿だ。
「殿! 申し訳ござらぬ!勝手働きを致しました!
我が太田一族、道灌の頃より江戸の支配を致しておりましたが、あの憎っくき北条氏綱によって奪われ申した。殿にお世話になる以前、なんとしても江戸城を取り返す算段をずっとずっとしてまいりました。
そのこと、殿はご存じでございましょう。
それ故、この資正に河越城を任せていただいたと思うております。
しかしそれを聞きつけた江戸城周辺の国衆が幾人も忍んで面会を求めてきました故、密かに殿への取り成しを約束してしまい申した。
条件によってはすぐさまにでも大胡へ恭順致すとの事」
石堂殿は殿へ
「知って居りました」というように視線を向ける。
太田殿がご自身でおっしゃるのを待っていたらしい。
「そっか。すけっちは道灌公を檄尊敬しているからね。しょうがないよ。でも軍規は軍規だから。懲罰ね」
皆が太田殿を見る。
太田殿は既に覚悟が出来ているらしい。
居ずまいを正し、殿の言葉を待っている。
「懲罰内容!
1年以内に里見から利根川以西を切り取って頂戴な。
必要な資金は出すよ。でも軍備は出せない。使えるのは川越城の3000のみ。
後は‥‥」
太田殿がびっくりしつつも覚悟を決めるのが分かった。
「今回だけ!
3年間の猶予付きで国衆の領地安堵をします。でも3年後にまた身の振り方を決めてね。そのあたりの差配は任せます。
上手にやってね~」
「殿!
一度許してしまうと、次から次へと領地を安堵せねばならなくなりませぬか?
それはお考え直しを!」
珍しく新田殿が反論をする。そのような性格には見えぬが、それだけ内政にとっては問題が起きるのであろう。
そのとき、秀胤殿が殿に耳打ちする。
「うんうんそうだね。
内政の事だけ見るとそうだね。だけどここが勝負どころだと思うんだ。里見も100万石、こっちと同等。
でも外交では地政学的に向こうの方が有利。さらに制海権まで持っている。今一気に武蔵を取っちゃえば、形勢逆転。向こうは陸地伝いの侵攻が出来なくなる。
利根川渡るの大変だから」
きっと秀胤殿が助言されたのであろう。
良い指摘だ。
内政の問題は後にするべき時。
目の前の今にも牙をむきそうな敵を放っておいて態勢を整えさせるには非常に危険だ。
「だからね。2つの事を同時に進行させるつもり。
一つは房総水軍対策。船作っちゃいます!
それから忍城そっこ~落としちゃお~!」
皆が、それは無理だろうという顔をする。
そこでもまた秀胤殿が耳打ち。
「忍城の方は賭けだね。水攻めって考えていたんだけど、里見の事があるからやめた~。その代わり使える火薬全部集めて全砲兵部隊の総合火力演習を行います!
目標!
忍城!
ファイエル!」
勿論、後藤殿をはじめとした前線指揮官が猛烈に反対するが殿は押し切る。
「硝石が足りないのだから、奪えばいいじゃない! という事で南蛮船を直江津に呼ぶの諦めた。
いしどーちゃん。
第2作戦に変更。倭寇と結託して船ごと奪って三浦の三崎城へ持ってきちゃって~♪ ぶんちゃん、特殊部隊派遣よろ~」
既にこのことを考えて、上洛時にこのことをお考えになっていたか。
拙僧に内緒という事は、反対されると分かりきっているからか。
致し方ない。
それで多くの人命が助かるならば。
……だが、忍城に立て籠る者どもはどうなるのであろう?
また日ノ本が海賊として知れ渡るのも殿は考慮に入れているのであろうか?
そのことをお伝えした。
「みんな、考えてみてよ。
南蛮人はなぜ日ノ本を始め世界中へ船に乗って出かけるの?
勿論、金稼ぎではあるけれども、宣教師というのが宗教広めるために来ているんだよね。
『神は唯一なり。改宗すれば人として認めてやろう!』
という人ですよ。
その坊さんと適当に付き合って利益だけもらい受ける事すればどうなると思う?
絶対に侵略してくるよ。精神的に。
でもね。
そういう南蛮人だけではないと思うんだよね。『宗教関係ない。金儲けだけしたい』という人たち。そういった人とお付き合いすればいいじゃない。
日ノ本は天照大神とその子孫である帝の上に別の存在を置いてしまえば、統一できなくなるよ。大和民族ばらばらだと一気に南蛮に侵略される。
だから早めに水軍、いや海軍作る!」
皆、あっけに取られている。
毎度のことながら、殿のなんと先読み為されていること、びっくりさせられるばかり。
確かに心を侵略されるのは非常に厄介。それは拙僧のような宗教に携わる者にとっては十分に理解できる。
だから今、南蛮船を手に入れ、それに対抗できうる船の建造と、その訓練をするという事か。納得するとともに、これは宗教的に自衛のための方策を改めて考えねばならぬと思った。
「まあ、半ば私情なんだけどね~。
目指せ! 英国海軍!!」
武蔵国八王子城
上泉秀胤
(大勢の前では中々発言できない奥手な参謀)
「ぜえぜえ……
と、とりあえずさ。忍城の事は置いておいて、他の戦略決めてから対応策決めていい? 僕もちょっと練り直さなくっちゃ。ご飯食べてから未の刻(午後2時くらい)にここ集合ね」
その後、皆殿を囲んでがやがやと今までの事を聞くたびに
「なんと! あの宮川が公方の前で剣技を披露したとは!」
「天下の狩野派の御曹司がこちらへ参られるのか?」
「六角の奴腹、許すまじ!」
など、大声で口々に感想を交わし合っていた。
それが一段落すると、某は殿に奥の間に呼ばれ2人で話すこととなった。
「たねちゃんさ。君だったら最優先で叩くのはどこ?
またその時期は?
その理由は?
内政はどうする?
その他の抑えは?
忌憚ない意見をどじょ~。
ここには誰もいないから、ガンガン言っちゃってよ」
殿はやはり某の奥手に配慮していただいているのか。
どうにも大人数となると自分の意見が言えぬ。
以前の円卓会議ならば殿の質問に即座に答えられるようになったが、今日のような評定では全く意見を言えなかった。
「たねちゃん、最近すごく良い意見出してくれるのにもったいない。
だからね、次から僕の隣で小さい声でいいから伝えてね。僕が代わりにそれを皆に伝える。今度評定が再開されたら真っ先にそれを提案する。
皆いい人だからたねちゃんの事を腰巾着だとか言わないよ。必要な時に言えるようになればいいよ。だんだんとだよ。段々と人は成長する方が良い結果が出る人のほうが多いよ」
下を向いた自分の顔が赤くなっているのが分かる。情けなさに消え入りたいが、それもできぬ。
大胡の掲げる理念を現実に変えるための一番重要な位置にいるのだ。
頑張ろう。
某は意を決し、了承の意を伝えた。
◇ ◇ ◇ ◇
同日未の刻
智円
(その内南蛮渡来の魔術とやらに興味を持つと思う外交占い師)
先ほど殿が
「たねちゃんは奥手で皆の前で発言できないから、戦略を練るときは僕の隣で耳打ち位の小さい声で僕に伝えるからね。皆の悪口じゃあないよ。段々と慣れるようにしようよ。皆もそうしてきたじゃない。
最近、お仁王ちゃんも頭使ってくれるようになったし、僕もちょっとだけ、ちょっとだけね、体を鍛え始めたんだよ。
一気に変えると反動来るから。徐々にね~」
と皆に伝えた。
確かに拙僧も、何とかならぬかと感じていた。
あれだけ優秀な人材を有効に活用できぬのは大胡の損失、いや天下の損失。
拙僧も助力は惜しむまい。
「じゃあ、改めて皆の意見を聞きたいな。
今は何処を最優先の敵国と認識するか。
その勢力を如何に削り取るか。
勿論元締めは堺だけどね。
堺が操りたい大名などの勢力は何処で、大胡は何処をたたけばいいかな?」
……前線指揮官の後藤殿と是政殿には期待しないとして、幸綱殿や石堂殿から何か提案があるであろう。
「では儂からで宜しいか?
まず一番厄介なのは利根川と江戸川から品川へ向かう輸送路。これが里見、もしくは古河公方に止められることかと思いまする。
殿の御尽力により越後直江津から敦賀の湊を通り、坂本から京への道を確保でき申した。しかし清水峠を使い多くの物資を輸送することは困難でございます。故に上野国をこれ以上発展させるには利根川を利用するしか手はございませぬ。
よってこれを手に入れるため、最優先で里見を叩くべきかと。
せめて荒川までの武蔵南部を手に入れなくては相模ですら維持できませぬ」
もっともな意見だ。
では里見の戦略方針は何処を向いている?
「殿。里見は下野にどの程度関心が向いているか、これを探らねばなりませぬ。
そしてこちらへの策謀。当主里見義堯は名だたる守旧派。
それ故に古河公方を使っての策略がよく効くわけでございまするが、新しき世を作ろうとしている大胡に対しては大いなる脅威、敵対意識をもっておりましょう」
拙僧の進言を殿は、ふむふむと頷きながら肘を脇息へ凭れ懸けながら聞いている。
「素ッ破の情報は某から。
里見は江戸城近辺の武蔵国南部における仕置を終え、国衆への賦役・参陣を免除。
あと最低でも1年は内政に注力せねばなりますまい。里見は民心が未だ北条へ向いている見て、頻りと親北条派の者をあぶり出そうとしておりまする。
それに対し実際の民心は徐々に大胡へと向かいつつあり、里見の支配を受け付けない者がおります。
国衆の中にも……」
その時石堂殿の発言を遮るようにガバッと土下座をして声を上げた者がいた。
太田殿だ。
「殿! 申し訳ござらぬ!勝手働きを致しました!
我が太田一族、道灌の頃より江戸の支配を致しておりましたが、あの憎っくき北条氏綱によって奪われ申した。殿にお世話になる以前、なんとしても江戸城を取り返す算段をずっとずっとしてまいりました。
そのこと、殿はご存じでございましょう。
それ故、この資正に河越城を任せていただいたと思うております。
しかしそれを聞きつけた江戸城周辺の国衆が幾人も忍んで面会を求めてきました故、密かに殿への取り成しを約束してしまい申した。
条件によってはすぐさまにでも大胡へ恭順致すとの事」
石堂殿は殿へ
「知って居りました」というように視線を向ける。
太田殿がご自身でおっしゃるのを待っていたらしい。
「そっか。すけっちは道灌公を檄尊敬しているからね。しょうがないよ。でも軍規は軍規だから。懲罰ね」
皆が太田殿を見る。
太田殿は既に覚悟が出来ているらしい。
居ずまいを正し、殿の言葉を待っている。
「懲罰内容!
1年以内に里見から利根川以西を切り取って頂戴な。
必要な資金は出すよ。でも軍備は出せない。使えるのは川越城の3000のみ。
後は‥‥」
太田殿がびっくりしつつも覚悟を決めるのが分かった。
「今回だけ!
3年間の猶予付きで国衆の領地安堵をします。でも3年後にまた身の振り方を決めてね。そのあたりの差配は任せます。
上手にやってね~」
「殿!
一度許してしまうと、次から次へと領地を安堵せねばならなくなりませぬか?
それはお考え直しを!」
珍しく新田殿が反論をする。そのような性格には見えぬが、それだけ内政にとっては問題が起きるのであろう。
そのとき、秀胤殿が殿に耳打ちする。
「うんうんそうだね。
内政の事だけ見るとそうだね。だけどここが勝負どころだと思うんだ。里見も100万石、こっちと同等。
でも外交では地政学的に向こうの方が有利。さらに制海権まで持っている。今一気に武蔵を取っちゃえば、形勢逆転。向こうは陸地伝いの侵攻が出来なくなる。
利根川渡るの大変だから」
きっと秀胤殿が助言されたのであろう。
良い指摘だ。
内政の問題は後にするべき時。
目の前の今にも牙をむきそうな敵を放っておいて態勢を整えさせるには非常に危険だ。
「だからね。2つの事を同時に進行させるつもり。
一つは房総水軍対策。船作っちゃいます!
それから忍城そっこ~落としちゃお~!」
皆が、それは無理だろうという顔をする。
そこでもまた秀胤殿が耳打ち。
「忍城の方は賭けだね。水攻めって考えていたんだけど、里見の事があるからやめた~。その代わり使える火薬全部集めて全砲兵部隊の総合火力演習を行います!
目標!
忍城!
ファイエル!」
勿論、後藤殿をはじめとした前線指揮官が猛烈に反対するが殿は押し切る。
「硝石が足りないのだから、奪えばいいじゃない! という事で南蛮船を直江津に呼ぶの諦めた。
いしどーちゃん。
第2作戦に変更。倭寇と結託して船ごと奪って三浦の三崎城へ持ってきちゃって~♪ ぶんちゃん、特殊部隊派遣よろ~」
既にこのことを考えて、上洛時にこのことをお考えになっていたか。
拙僧に内緒という事は、反対されると分かりきっているからか。
致し方ない。
それで多くの人命が助かるならば。
……だが、忍城に立て籠る者どもはどうなるのであろう?
また日ノ本が海賊として知れ渡るのも殿は考慮に入れているのであろうか?
そのことをお伝えした。
「みんな、考えてみてよ。
南蛮人はなぜ日ノ本を始め世界中へ船に乗って出かけるの?
勿論、金稼ぎではあるけれども、宣教師というのが宗教広めるために来ているんだよね。
『神は唯一なり。改宗すれば人として認めてやろう!』
という人ですよ。
その坊さんと適当に付き合って利益だけもらい受ける事すればどうなると思う?
絶対に侵略してくるよ。精神的に。
でもね。
そういう南蛮人だけではないと思うんだよね。『宗教関係ない。金儲けだけしたい』という人たち。そういった人とお付き合いすればいいじゃない。
日ノ本は天照大神とその子孫である帝の上に別の存在を置いてしまえば、統一できなくなるよ。大和民族ばらばらだと一気に南蛮に侵略される。
だから早めに水軍、いや海軍作る!」
皆、あっけに取られている。
毎度のことながら、殿のなんと先読み為されていること、びっくりさせられるばかり。
確かに心を侵略されるのは非常に厄介。それは拙僧のような宗教に携わる者にとっては十分に理解できる。
だから今、南蛮船を手に入れ、それに対抗できうる船の建造と、その訓練をするという事か。納得するとともに、これは宗教的に自衛のための方策を改めて考えねばならぬと思った。
「まあ、半ば私情なんだけどね~。
目指せ! 英国海軍!!」
0
お気に入りに追加
67
あなたにおすすめの小説

国虎の楽隠居への野望・十七ヶ国版
カバタ山
ファンタジー
信長以前の戦国時代の畿内。
そこでは「両細川の乱」と呼ばれる、細川京兆家を巡る同族の血で血を洗う争いが続いていた。
勝者は細川 氏綱か? それとも三好 長慶か?
いや、本当の勝者は陸の孤島とも言われる土佐国安芸の地に生を受けた現代からの転生者であった。
史実通りならば土佐の出来人、長宗我部 元親に踏み台とされる武将「安芸 国虎」。
運命に立ち向かわんと足掻いた結果、土佐は勿論西日本を席巻する勢力へと成り上がる。
もう一人の転生者、安田 親信がその偉業を裏から支えていた。
明日にも楽隠居をしたいと借金返済のために商いに精を出す安芸 国虎と、安芸 国虎に天下を取らせたいと暗躍する安田 親信。
結果、多くの人を巻き込み、人生を狂わせ、後へは引けない所へ引き摺られていく。
この話はそんな奇妙なコメディである。
設定はガバガバです。間違って書いている箇所もあるかも知れません。
特に序盤は有名武将は登場しません。
不定期更新。合間に書く作品なので更新は遅いです。

日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

お兄様、冷血貴公子じゃなかったんですか?~7歳から始める第二の聖女人生~
みつまめ つぼみ
ファンタジー
17歳で偽りの聖女として処刑された記憶を持つ7歳の女の子が、今度こそ世界を救うためにエルメーテ公爵家に引き取られて人生をやり直します。
記憶では冷血貴公子と呼ばれていた公爵令息は、義妹である主人公一筋。
そんな義兄に戸惑いながらも甘える日々。
「お兄様? シスコンもほどほどにしてくださいね?」
恋愛ポンコツと冷血貴公子の、コミカルでシリアスな救世物語開幕!
【完結】サキュバスでもいいの?
月狂 紫乃/月狂 四郎
恋愛
【第18回恋愛小説大賞参加作品】
勇者のもとへハニートラップ要員として送り込まれたサキュバスのメルがイケメン魔王のゾルムディアと勇者アルフォンソ・ツクモの間で揺れる話です。

【完結】そして、誰もいなくなった
杜野秋人
ファンタジー
「そなたは私の妻として、侯爵夫人として相応しくない!よって婚約を破棄する!」
愛する令嬢を傍らに声高にそう叫ぶ婚約者イグナシオに伯爵家令嬢セリアは誤解だと訴えるが、イグナシオは聞く耳を持たない。それどころか明らかに犯してもいない罪を挙げられ糾弾され、彼女は思わず彼に手を伸ばして取り縋ろうとした。
「触るな!」
だがその手をイグナシオは大きく振り払った。振り払われよろめいたセリアは、受け身も取れないまま仰向けに倒れ、頭を打って昏倒した。
「突き飛ばしたぞ」
「彼が手を上げた」
「誰か衛兵を呼べ!」
騒然となるパーティー会場。すぐさま会場警護の騎士たちに取り囲まれ、彼は「違うんだ、話を聞いてくれ!」と叫びながら愛人の令嬢とともに連行されていった。
そして倒れたセリアもすぐさま人が集められ運び出されていった。
そして誰もいなくなった。
彼女と彼と愛人と、果たして誰が悪かったのか。
これはとある悲しい、婚約破棄の物語である。
◆小説家になろう様でも公開しています。話数の関係上あちらの方が進みが早いです。
3/27、なろう版完結。あちらは全8話です。
3/30、小説家になろうヒューマンドラマランキング日間1位になりました!
4/1、完結しました。全14話。

グライフトゥルム戦記~微笑みの軍師マティアスの救国戦略~
愛山雄町
ファンタジー
エンデラント大陸最古の王国、グライフトゥルム王国の英雄の一人である、マティアス・フォン・ラウシェンバッハは転生者である。
彼は類い稀なる知力と予知能力を持つと言われるほどの先見性から、“知将マティアス”や“千里眼のマティアス”と呼ばれることになる。
彼は大陸最強の軍事国家ゾルダート帝国や狂信的な宗教国家レヒト法国の侵略に対し、優柔不断な国王や獅子身中の虫である大貴族の有形無形の妨害にあいながらも、旧態依然とした王国軍の近代化を図りつつ、敵国に対して謀略を仕掛け、危機的な状況を回避する。
しかし、宿敵である帝国には軍事と政治の天才が生まれ、更に謎の暗殺者集団“夜(ナハト)”や目的のためなら手段を選ばぬ魔導師集団“真理の探究者”など一筋縄ではいかぬ敵たちが次々と現れる。
そんな敵たちとの死闘に際しても、絶対の自信の表れとも言える余裕の笑みを浮かべながら策を献じたことから、“微笑みの軍師”とも呼ばれていた。
しかし、マティアスは日本での記憶を持った一般人に過ぎなかった。彼は情報分析とプレゼンテーション能力こそ、この世界の人間より優れていたものの、軍事に関する知識は小説や映画などから得たレベルのものしか持っていなかった。
更に彼は生まれつき身体が弱く、武術も魔導の才もないというハンディキャップを抱えていた。また、日本で得た知識を使った技術革新も、世界を崩壊させる危険な技術として封じられてしまう。
彼の代名詞である“微笑み”も単に苦し紛れの策に対する苦笑に過ぎなかった。
マティアスは愛する家族や仲間を守るため、大賢者とその配下の凄腕間者集団の力を借りつつ、優秀な友人たちと力を合わせて強大な敵と戦うことを決意する。
彼は情報の重要性を誰よりも重視し、巧みに情報を利用した謀略で敵を混乱させ、更に戦場では敵の意表を突く戦術を駆使して勝利に貢献していく……。
■■■
あらすじにある通り、主人公にあるのは日本で得た中途半端な知識のみで、チートに類する卓越した能力はありません。基本的には政略・謀略・軍略といったシリアスな話が主となる予定で、恋愛要素は少なめ、ハーレム要素はもちろんありません。前半は裏方に徹して情報収集や情報操作を行うため、主人公が出てくる戦闘シーンはほとんどありません。
■■■
小説家になろう、カクヨム、ノベルアップ+でも掲載しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる