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第21章:北条滅亡?
「役には立ちませんぞ」
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1556年1月13日
相模国了義寺別院
北条長綱
(早う出家せいや!)
今日は富士が美しい。
今朝は昨夜降った霙 で、そこかしこに霜柱が立った。
富士は益々白く美しい。
儂の頭も大分白くなったが、そろそろ丸める時期に来ているのかもしれぬ。
氏康の形見分けの品である絹でできた羽毛布団から出るのが億劫でならなかった。
この品、古河公方から頂いたものであるが、こういう贅沢品も彼奴らしい。
しかしこの布団だけは感謝じゃ。
つい先程も氏政様に何かが届けられていたが、どうせ益体もないシロモノであろう。
銭の無駄じゃ。
領国の役に立つような銭の使い方が出来ぬのか。
昨日の正午、品川から物見が帰ってきた。
武田が惨敗したという。
大胡も副将の長野業政を討ち取られるなど相当な被害を被ったというが、武田は大将の信繁を始め山本勘助や保科、小宮山などが討ち取られ多くの士分を失ったという。
またしても士分を討ち取るか。
大胡の手口だ。
ここに集まっておる宿老たちも大分若返っている。
松田は憲房。
大道寺は政繁。
遠山は政景。
それぞれ祖父や父、叔父などを那波城と桃ノ木川にて討ち取られている。
そのような中で(松田)憲房が、大胡政賢が会談を求めて松山城に滞在していると言うてきた。
始め聞いた時は
「何故、首を獲って来ぬ!?」
と激怒してしもうた。
しかし既に武田は陣を引き払い、大胡の本隊の追撃を躱しつつの退き陣。
こちらへの支援など出来ぬ。
今川も西の脅威があり、後詰も期待出来ぬ情勢の上、北条は総動員しても3500。それも財政を緊縮しているため、直ぐに動けるものは士分200のみ。
小田原一帯には100程度しかおらぬし、そのうちの30は松田じゃ。
到底政賢の首、取れぬ。
大胡の護衛も30は居るそうだ。
今川の目付の者が100程度居るがこれは数に数えられぬ。
もし首を取ったとしても、それは北条の自死の引き金にしかならぬ。
そう言い聞かされ、とりあえず会談という事となった。
そうとなれば参加できる限りの宿老達を集め、政賢の首を取り滅亡を選ぶか、将又今川との臣従に近い状況から脱するために大胡を利用するか選ばねばならぬ。
今、北条の選べる道はそのくらいしかなかろう。
「大胡左中弁様、お見えになりました」
あ奴、目の玉が飛び出るほどの献金をして殿上人となった。
ここは上座を譲らねばならぬのが口惜しい。
政賢は濡れ縁を通って富士を背にして、皆が頭を下げているこの書院造の室内へと入って来た。
足音があまりせぬ。
ちらと見ると分厚そうな白い足袋を履いている。
毛皮か?
「上座は遠慮させていただく。此度は強引なる押しかけ客故、下座にて」
と、すたすたと下座へと向かう。
静々と付き従う無表情な小姓(女子の様な顔をしている)が絹の座布団を運び、自分で勝手に下座に座った。
決まり切った挨拶などをしようと口を開いたが、その前に政賢が機先を制した。
「富士はいいですね。
人の生き死にも関係なく古来より未来まできっと綺麗なのでしょう。
ですが……噴火もする。人が大勢死ぬ。そしてまた何事も無かったかの様に人々の生活が営まれていく。不二とも不死ともいえるのですね。
だから美しい」
「……それは我が北条と大胡の仲も新たに作っていこうというお申し出ですかな?」
宿老達の怒りの波動が伝わって来た。
松田だけは別じゃが。
「そう。如何様になっても不二は不二。二つとない。大胡と北条、二つではいられぬでありましょう」
なんと!?
北条を潰すという宣言なのか?
今度は更に強い皆の怒りを感じる。
「待たれい。
北条を喰らうつもりはござらぬ。経済というものの話をしたくてここに参った。大胡札はご存じかな?」
大胡の勢力圏は、この大胡札の使われている所だという事が最近判明した。
堺の商人達が大胡札での商いを断って来た。
堺は経済とやらで大胡と戦をしているらしい。
しかし東国は既に大胡札がないと商いが出来ぬところまで来ていると出入りの商人が言っている。
それのことか。
「人の生活を豊かにするために必要なのは戦ではありませぬ。
物を作る技術とそれを研究する者。物を作る者、物を運ぶ者。そして物を運ぶ道具や道。
知識を教えそれを伝授する仕組み。
情報を素早く伝達する仕組み。
諍いが起きないような法律とそれを実行する役人。
税を公平に徴収分配する仕組み。
その他諸々です。
必要なものは決して武士ではない!
故にこれが理解できぬものは消えていただいている。理解できるものは、一緒にこの日ノ本を不二にしていこうと働くこと誓っておりまする」
一気にそれだけ言うとこの男は沈黙した。
ここにいる者は、決して愚かではない。
愚かではないのだ。
だからこの男が言うていることは理解できる。
そのことが正義であることも。
それを行えば皆豊かになることを。
そのためには北条は大胡と1つにならねばならぬことを。
理解はする。
だが、到底受け入れられぬ。
武士でなくなると?
消えてもらうと?
氏康の仇に膝を屈するどころか、百姓になって仕えよと?
「皆様方。某の心根。聞いていただけまするか? この裏切り者と謗る前に、一つだけ言わせていただきたい」
憲房が口を開いた。
大胡に取り込まれた者の言葉が、どれだけ宿老達に響くかどうか言うてみせよ。
「武士の心根。一所懸命であったと理解している。
一つの土地を、命を懸けて守る。その一所には人が住んでいる。これが「一緒に住む」という事かと。この者も守るのが武士というものであると父から教わった。
今、世は乱れ銭の世界となった。この銭の戦の中、領民を守るに刀槍では能わぬ。必要なものは大名ではない。
民の結束。繋がりである。そのために大胡と一つになる必要があると見たのが某の考え。
これが裏切りと捉えられても致し方ない。だがこれが真実だ。これだけは変わらぬ。某が殺されようがな」
皆、びくとも動かぬ。
しかし心はどうじゃ?
静、とした空気が寒さを思い出させた。
障子は開け放たれている。
こんな緊張に包まれた時でも、やはり富士は美しい。
「長綱殿。
昨晩は寒くて参りましたな。某はこの若さでも寒さに弱い。この足もすぐ赤くなるので特別に作らせた足袋を履いております。那波では長綱殿の愛用されている物と同じ羽毛布団から出るのがつらくて困りまする」
!!
羽毛布団の事を知っている?
「あれはとても良いもの故、氏康殿が病に倒れられたと聞き、密かに作らせ公方様にお願いして贈らせていただいた。今は長綱殿がお使い為されていると聞き、嬉しく思いまする」
この小田原まで草を入れているのか?
それも氏康や儂の寝所まで。
風魔が寝返る前から草を植えていたとなると、もう負けが決まったような戦をしていたことになる。
如何ともしがたい敗北感で心が冷えた。
その時、側使えが奏した。
「氏政様が参られました」
氏政!
あれ程、来るなというたものを。政賢の顔を見ればもう会談も何もなくなる!
どすどすと足音が聞こえ、部屋の中へ一歩入る氏政。
室内を見渡し、上座に誰も据わっていないのを確認する。
左手にはなんと太刀を持っていたが、それを後ろに従ってきた小姓に渡した。
そして徐に下座へ向かった。
政賢の前、半間の近さでドスッ、
と腰を下ろす。
そして口を開いた。
「政賢殿。
儂を華蔵寺に連れて行ってくれ!」
????
皆は顎が外れるかと思うばかりに
呆けた顔をしていた。
◇ ◇ ◇ ◇
同日1刻後
松田城広間
長野政影
(なかなか冷静。こいつだけ顎が外れなかったようです)
「いや~。
まさかあの場で、
私を華蔵寺に連れてって♪
とか言うとは思わなかったなぁ。
スキー場はないですヨ」
殿もびっくりされていた。
「顎が外れちゃうかと思った」
と仰られていたから、
きっと全くの想定外であったのだろう。
「初めて会う者にこのような事、言うのは気が引けるがこれからお世話になる身、儂の心根を知らせておこうと思う。
儂は生まれてからずっとこの方、祖父氏綱・父氏康と比べられ、果ては弟の藤菊丸(北条氏照)とまで比較されて「無能」呼ばわりされた。
じゃから徹底的に無能になってやろうと思うたが、当主としての座が転げ込んで来てしまい、それもできなくなった。
そこへじゃ。
あの「絵と皿」が大胡殿より届いた。
なんという「役立たずな物」であろうか!?
誰にも顧みられぬであろう物を必死に描かれ作られた形跡がある!
これじゃ。
これが儂の求めていた物。生きる道じゃ!
そう思うて大叔父の長綱殿の言うことも聞かずに、あの場に出てしもうた」
どうやら智円殿が手を回されて古河公方を通して、例の楽絽風の絵が描かれた皿と、某には全く美しいとは思えぬ柄の皿。
これを贈られたらしい。
それがここへきて、北条への調略の決め手となるとは!
何が起こるか分からぬから楽しい、と殿も仰られていたが誠にそうであるな。
「じゃあ氏政君は、華蔵寺で絵をかいて過ごしたいわけね。
あと人形も?」
「北条氏政という名は、役に立ちすぎる者の名らしく聞こえる。
これより無益幻造と名乗ることとしようかと思う。
よろしくお願いいたしまする」
よくわからぬが、とりあえず北条は大胡と一つになることに決まったらしい。
「やったね! えすえすあーる武将。
↓おっもちかえり~↑♪」
「役には立ちませぬぞ」
相模国了義寺別院
北条長綱
(早う出家せいや!)
今日は富士が美しい。
今朝は昨夜降った霙 で、そこかしこに霜柱が立った。
富士は益々白く美しい。
儂の頭も大分白くなったが、そろそろ丸める時期に来ているのかもしれぬ。
氏康の形見分けの品である絹でできた羽毛布団から出るのが億劫でならなかった。
この品、古河公方から頂いたものであるが、こういう贅沢品も彼奴らしい。
しかしこの布団だけは感謝じゃ。
つい先程も氏政様に何かが届けられていたが、どうせ益体もないシロモノであろう。
銭の無駄じゃ。
領国の役に立つような銭の使い方が出来ぬのか。
昨日の正午、品川から物見が帰ってきた。
武田が惨敗したという。
大胡も副将の長野業政を討ち取られるなど相当な被害を被ったというが、武田は大将の信繁を始め山本勘助や保科、小宮山などが討ち取られ多くの士分を失ったという。
またしても士分を討ち取るか。
大胡の手口だ。
ここに集まっておる宿老たちも大分若返っている。
松田は憲房。
大道寺は政繁。
遠山は政景。
それぞれ祖父や父、叔父などを那波城と桃ノ木川にて討ち取られている。
そのような中で(松田)憲房が、大胡政賢が会談を求めて松山城に滞在していると言うてきた。
始め聞いた時は
「何故、首を獲って来ぬ!?」
と激怒してしもうた。
しかし既に武田は陣を引き払い、大胡の本隊の追撃を躱しつつの退き陣。
こちらへの支援など出来ぬ。
今川も西の脅威があり、後詰も期待出来ぬ情勢の上、北条は総動員しても3500。それも財政を緊縮しているため、直ぐに動けるものは士分200のみ。
小田原一帯には100程度しかおらぬし、そのうちの30は松田じゃ。
到底政賢の首、取れぬ。
大胡の護衛も30は居るそうだ。
今川の目付の者が100程度居るがこれは数に数えられぬ。
もし首を取ったとしても、それは北条の自死の引き金にしかならぬ。
そう言い聞かされ、とりあえず会談という事となった。
そうとなれば参加できる限りの宿老達を集め、政賢の首を取り滅亡を選ぶか、将又今川との臣従に近い状況から脱するために大胡を利用するか選ばねばならぬ。
今、北条の選べる道はそのくらいしかなかろう。
「大胡左中弁様、お見えになりました」
あ奴、目の玉が飛び出るほどの献金をして殿上人となった。
ここは上座を譲らねばならぬのが口惜しい。
政賢は濡れ縁を通って富士を背にして、皆が頭を下げているこの書院造の室内へと入って来た。
足音があまりせぬ。
ちらと見ると分厚そうな白い足袋を履いている。
毛皮か?
「上座は遠慮させていただく。此度は強引なる押しかけ客故、下座にて」
と、すたすたと下座へと向かう。
静々と付き従う無表情な小姓(女子の様な顔をしている)が絹の座布団を運び、自分で勝手に下座に座った。
決まり切った挨拶などをしようと口を開いたが、その前に政賢が機先を制した。
「富士はいいですね。
人の生き死にも関係なく古来より未来まできっと綺麗なのでしょう。
ですが……噴火もする。人が大勢死ぬ。そしてまた何事も無かったかの様に人々の生活が営まれていく。不二とも不死ともいえるのですね。
だから美しい」
「……それは我が北条と大胡の仲も新たに作っていこうというお申し出ですかな?」
宿老達の怒りの波動が伝わって来た。
松田だけは別じゃが。
「そう。如何様になっても不二は不二。二つとない。大胡と北条、二つではいられぬでありましょう」
なんと!?
北条を潰すという宣言なのか?
今度は更に強い皆の怒りを感じる。
「待たれい。
北条を喰らうつもりはござらぬ。経済というものの話をしたくてここに参った。大胡札はご存じかな?」
大胡の勢力圏は、この大胡札の使われている所だという事が最近判明した。
堺の商人達が大胡札での商いを断って来た。
堺は経済とやらで大胡と戦をしているらしい。
しかし東国は既に大胡札がないと商いが出来ぬところまで来ていると出入りの商人が言っている。
それのことか。
「人の生活を豊かにするために必要なのは戦ではありませぬ。
物を作る技術とそれを研究する者。物を作る者、物を運ぶ者。そして物を運ぶ道具や道。
知識を教えそれを伝授する仕組み。
情報を素早く伝達する仕組み。
諍いが起きないような法律とそれを実行する役人。
税を公平に徴収分配する仕組み。
その他諸々です。
必要なものは決して武士ではない!
故にこれが理解できぬものは消えていただいている。理解できるものは、一緒にこの日ノ本を不二にしていこうと働くこと誓っておりまする」
一気にそれだけ言うとこの男は沈黙した。
ここにいる者は、決して愚かではない。
愚かではないのだ。
だからこの男が言うていることは理解できる。
そのことが正義であることも。
それを行えば皆豊かになることを。
そのためには北条は大胡と1つにならねばならぬことを。
理解はする。
だが、到底受け入れられぬ。
武士でなくなると?
消えてもらうと?
氏康の仇に膝を屈するどころか、百姓になって仕えよと?
「皆様方。某の心根。聞いていただけまするか? この裏切り者と謗る前に、一つだけ言わせていただきたい」
憲房が口を開いた。
大胡に取り込まれた者の言葉が、どれだけ宿老達に響くかどうか言うてみせよ。
「武士の心根。一所懸命であったと理解している。
一つの土地を、命を懸けて守る。その一所には人が住んでいる。これが「一緒に住む」という事かと。この者も守るのが武士というものであると父から教わった。
今、世は乱れ銭の世界となった。この銭の戦の中、領民を守るに刀槍では能わぬ。必要なものは大名ではない。
民の結束。繋がりである。そのために大胡と一つになる必要があると見たのが某の考え。
これが裏切りと捉えられても致し方ない。だがこれが真実だ。これだけは変わらぬ。某が殺されようがな」
皆、びくとも動かぬ。
しかし心はどうじゃ?
静、とした空気が寒さを思い出させた。
障子は開け放たれている。
こんな緊張に包まれた時でも、やはり富士は美しい。
「長綱殿。
昨晩は寒くて参りましたな。某はこの若さでも寒さに弱い。この足もすぐ赤くなるので特別に作らせた足袋を履いております。那波では長綱殿の愛用されている物と同じ羽毛布団から出るのがつらくて困りまする」
!!
羽毛布団の事を知っている?
「あれはとても良いもの故、氏康殿が病に倒れられたと聞き、密かに作らせ公方様にお願いして贈らせていただいた。今は長綱殿がお使い為されていると聞き、嬉しく思いまする」
この小田原まで草を入れているのか?
それも氏康や儂の寝所まで。
風魔が寝返る前から草を植えていたとなると、もう負けが決まったような戦をしていたことになる。
如何ともしがたい敗北感で心が冷えた。
その時、側使えが奏した。
「氏政様が参られました」
氏政!
あれ程、来るなというたものを。政賢の顔を見ればもう会談も何もなくなる!
どすどすと足音が聞こえ、部屋の中へ一歩入る氏政。
室内を見渡し、上座に誰も据わっていないのを確認する。
左手にはなんと太刀を持っていたが、それを後ろに従ってきた小姓に渡した。
そして徐に下座へ向かった。
政賢の前、半間の近さでドスッ、
と腰を下ろす。
そして口を開いた。
「政賢殿。
儂を華蔵寺に連れて行ってくれ!」
????
皆は顎が外れるかと思うばかりに
呆けた顔をしていた。
◇ ◇ ◇ ◇
同日1刻後
松田城広間
長野政影
(なかなか冷静。こいつだけ顎が外れなかったようです)
「いや~。
まさかあの場で、
私を華蔵寺に連れてって♪
とか言うとは思わなかったなぁ。
スキー場はないですヨ」
殿もびっくりされていた。
「顎が外れちゃうかと思った」
と仰られていたから、
きっと全くの想定外であったのだろう。
「初めて会う者にこのような事、言うのは気が引けるがこれからお世話になる身、儂の心根を知らせておこうと思う。
儂は生まれてからずっとこの方、祖父氏綱・父氏康と比べられ、果ては弟の藤菊丸(北条氏照)とまで比較されて「無能」呼ばわりされた。
じゃから徹底的に無能になってやろうと思うたが、当主としての座が転げ込んで来てしまい、それもできなくなった。
そこへじゃ。
あの「絵と皿」が大胡殿より届いた。
なんという「役立たずな物」であろうか!?
誰にも顧みられぬであろう物を必死に描かれ作られた形跡がある!
これじゃ。
これが儂の求めていた物。生きる道じゃ!
そう思うて大叔父の長綱殿の言うことも聞かずに、あの場に出てしもうた」
どうやら智円殿が手を回されて古河公方を通して、例の楽絽風の絵が描かれた皿と、某には全く美しいとは思えぬ柄の皿。
これを贈られたらしい。
それがここへきて、北条への調略の決め手となるとは!
何が起こるか分からぬから楽しい、と殿も仰られていたが誠にそうであるな。
「じゃあ氏政君は、華蔵寺で絵をかいて過ごしたいわけね。
あと人形も?」
「北条氏政という名は、役に立ちすぎる者の名らしく聞こえる。
これより無益幻造と名乗ることとしようかと思う。
よろしくお願いいたしまする」
よくわからぬが、とりあえず北条は大胡と一つになることに決まったらしい。
「やったね! えすえすあーる武将。
↓おっもちかえり~↑♪」
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マティアスは愛する家族や仲間を守るため、大賢者とその配下の凄腕間者集団の力を借りつつ、優秀な友人たちと力を合わせて強大な敵と戦うことを決意する。
彼は情報の重要性を誰よりも重視し、巧みに情報を利用した謀略で敵を混乱させ、更に戦場では敵の意表を突く戦術を駆使して勝利に貢献していく……。
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あらすじにある通り、主人公にあるのは日本で得た中途半端な知識のみで、チートに類する卓越した能力はありません。基本的には政略・謀略・軍略といったシリアスな話が主となる予定で、恋愛要素は少なめ、ハーレム要素はもちろんありません。前半は裏方に徹して情報収集や情報操作を行うため、主人公が出てくる戦闘シーンはほとんどありません。
■■■
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