196 / 339
第21章:北条滅亡?
罠にはまる!誰が?
しおりを挟む
1556年1月上旬
相模国三浦半島沖浦賀水道
上泉伊勢守
(政賢の親衛隊隊長兼斬り込み隊隊長? よくわからなくなってきた人)
「その船、止まれぃ!
ここから先は船標がない者は通さぬ。
持っているならば示されよ!」
3隻の小早が周りを取り囲み、大声で船標の提示を求めてくる。
普通ならば帆柱の先端などに付けておくものであるが、そのような物は用意できなかった。
注:小早(駆逐艦クラスの高速船)
船標(旗でできたパスポートのような物)
「失礼いたす!
某、北条家水軍梶原景宗と申す! 此度は急な要件にて、先ほどまで三浦にて鈴木殿より、この水道の通行許可を頂いていた」
「梶原?
あまり聞かぬ名じゃ! 兎に角船標を出せぃ!」
梶原殿は、儂をちらと見て了承を得る。
梶原殿は紀伊から品川にかけての水運と水軍の傭兵のようなことをしている猛者だ。
「急ぎ故、この場にて臨時にお支払いいたす!
何方かこちらへ参られい!」
どの道こうなるのであろう。
房総水軍は既に里見の指示で、海路上野へ帰ろうとする殿を捕えようと網を張っている。船標があろうとなかろうと接弦し臨検してくる。
船の艫で腰を下ろしている女性が小袖を頭から羽織り、顔を隠す。
両側に侍る2人の女官も身なりを正した。
「わかった。接舷して乗り込むぞ!
無駄な抵抗はするな。幾ら大型船というても軍船には敵わぬからな」
こちらの船は檜垣船だ。荷を運ぶには良いが軍船になるには華奢だ。
船員も少ない。
房総水軍の水夫が舷側を登って来た。
7人か。
この程度なら弟子2人とならば、一瞬で倒せるが‥‥
水夫頭が船の帆柱付近で梶原殿と臨時徴収される銭の交渉をしている間に、残りの水夫が艫の物陰に隠れている3人の女子に眼を付けた。
「おお、これは良い荷を積んでいるなぁ。儂らが海賊ならば絶対に見逃さぬお宝じゃ。そうじゃな、皆の者?」
「そうじゃそうじゃ。
おっと、しまった。涎が出ておったぞ、じゅるり」
「他の汁が出るより上品じゃ。
じゃがこのままでは漏れそうじゃな」
「せめて顔だけでも拝みたいものじゃ。
今夜のオカズにでもするかの」
下卑た笑いを聞きつけ、交渉の終わった水夫頭と梶原殿が艫へとやってくる。
梶原殿は渋い顔をしている。
相当ぼられたらしい。
それよりもこの状況、いかに切り抜けるか?
「梶原殿。この女性は何処へ参られるのかの?」
「はい。縁あって関宿の鎌倉公方様の御許へ参られる途中にて。佐治水軍の佐治殿から護衛をと頼まれた次第。身元は某が保証いたす」
水夫頭は納得したように頷くが、興味をそそられているらしい。
京の女子の容姿を見て見たいと言い出した。
「少しならば減るのでもなし良かろう」と引かない。
身元が確認できれば引き下がると思うたが、そう簡単にはいかぬか。
「頭、やっぱり顔を確かめるのが筋というものでしょう、
ひひひ」
「そ、そうじゃな。
梶原殿、その女性の顔、確認させて頂こう」
何もないとは思うが、周りの護衛に目配せをする。
女官に扮した素ッ破も警戒態勢に入る。
あとは小袖を羽織った者が上手く対処してくれるかだが……
水夫頭が言い慣れない言葉使いで、その女性に近づき声を掛ける。
「失礼仕るが、その小袖を下ろしてくれぬかな。
これもお役目での」
女性はためらいを見せ、上半身を左右に揺すり「否や」を表現した。
これに納得がいかぬ水夫共が騒ぎ出す。
「おい、お高くとまっているんじゃねえぞ!」
「ここは里見の領海だ! 里見のしきたりに従ってもらおう!」
「京など何ぼのもんじゃい!」
騒ぎがどんどん大きくなっていく。
それを待っていたかのように、その女性は立ち上がり、うち掛けていた小袖を降ろし、こう啖呵を切った。
「京女を舐めるんじゃないよっ!
これが里見刑部少輔のやり方かい?
私はこんな半端者の公家の娘だけどね。兄の関白近衛前久は、里見の刑部少輔ごとき、なんとでもできる身分なのさ! さっさとそこをどきなさい。
兄に言いつけてやるからね!!」
里見家に仕える房総水軍の猛者が、この剣幕にたじろぎ里見家に何かあってはいけないと早々に立ち去って行った。
「あの。これでよかったですか? 公家とは仕草台詞ともに、かけ離れていると思うのですが……」
儂は笑いを堪えつつ頷いた。
「上手であった。其方の地を出せば里見の水夫など、びっくりして帰っていくであろうと殿が仰っていた。もっと殿を信用せよ」
儂は、普段の髪を公家の娘風に結いなおした外見の弓兵に笑顔で答えた。
これでこの船を沈め、
「関白様、縁の姫」が行方知れずとなれば、十分な里見への宣戦布告材料となろう。
◇ ◇ ◇ ◇
1556年1月上旬
相模国足柄峠
石堂順蔵
(真田家上野素ッ破の長。ダンディ紳士)
幸綱様を通して大胡家に仕えるようになって、早9年。
政賢様にお会いすることはあまりないが、このお方の奇妙な行動にはいつも驚かされる。此度は危険を冒しての尾張から上野への帰還。
ようやっと手配の付いた以前より調略の手を伸ばしていた、駿河の葛山と三浦の鈴木を使っての海路を選択せず、足柄の険しい山道を進んでいる。
殿ご自身、自分の体力に自信がないと仰っているが、この険しさ女子供は何日もかかるであろう。
もう少し道が整備されておれば楽なのであろうが、先に降った雪が融けて泥濘となっている。
先ほどから何度も滑って転んで今では泥人形と化している。
「足柄山なんだから熊にまたがって軽々と峠を越したいんだけどねぇ。
酒呑童子が出ないだけましかぁ、あ……」
また滑りなすった。
「殿、いい加減、某の背負子に乗りなされ。
見ておれませぬ」
政影殿が見るに見かねて声を掛けるが、
「いあいあ。そろそろね。「れべる解放」できたから僕も体力向上「えいちぴい」「えすてぃいあある」なんかも「れべあげ」して上げていかないとなんだよ。
「ぱわあれべりんぐ」できる「ちいと」ないかなぁ」
ふうふう言いながら、呪いのような文言の羅列を仰られる。
智円殿の占いの方がまだしも真面に思える。
「某の素ッ破を鍛える手法や甚六殿の修験道による修行ではいかぬのでしょうか」
殿に提案するも一蹴されてしまう。
「それ、すんごく厳しそう。体壊れちゃうし、それに割く時間無さそう」
無茶なことを言う。
時間をかけて修行せねば体力など付かぬものだ。
しかし大胡の領地全ての差配をしつつの修行では、いくら体力があっても厳しいであろう。それは分かっておられるであろうから単なる愚痴か。
「殿。その曲がり角を過ぎれば、松田城まであと1里。
しばらくの辛抱でござる」
風魔の小太郎が一行の先頭から殿の近くまで報告に来た。
風魔は箱根を捨てて以来、140名程度の戦闘可能な者を3手に分け2手は品川で待機、休養。1手は山野での鉄砲を使用した山岳部隊として錬成をしている。
今回は古巣の箱根周辺で訓練をしていたので、直ぐに繋ぎを付けられ殿の護衛に参加している。
「しかし誠に松田が内応に応じたのでござりましょうか?
松田は譜代の北条宿老。しかも殿に手玉に取られた恨みもござろうに」
同行している智円殿が殿に問う。
「う~ん。賭けだね。あの人、予定では関宿の代官になる筈だったけど、その話が無くなってかなりがっかりしていた筈。あそこ実入りがいいから。
鎌倉公方を何とかすれば、あそこ上げるよって餌蒔いたら釣れたんだけどね。それだけじゃ足りないよね。だから今、さらなる餌を考え中~。
何かいい餌ある?」
外交の事は某にはわからぬ。
真田の殿ならば、何か思いつくのではとは思うが……
しかし某が調べている事だけは伝えておかねばならぬ。
「殿、某の調べによれば、松田盛秀の嫡子憲秀ですが、内政に秀で外交も父親よりも遥かに優れているとの噂。大胡との決戦の後、外交の失敗の引責で隠居した父親の名誉を挽回しようと躍起になっているとの事。しかも1万石以上あった知行も1000石程度に減らされ不満も漏らしているとのぼやきも聞いておりまする」
某の話を受けて小太郎殿が更なる重要な情報を出してきた。
「父の方は北条への忠誠、殊に厚く、罠である確率は高いかと。ですが此度の内応の約束は嫡子憲秀。既に実権はこちらへ移っておりましょう。
北条内では強硬派と見られ対大胡の急先鋒に見られがちですが、現実主義者の一面もありまする。理を以って交渉に当たれば、内応の儀が欺きであろうとも心の内、変わりましょう」
そうとなれば話は変わってくる。
まずは智円殿を送り……
「それは賭ける価値はあるね。あの人前歴があるから。ああ、後歴かぁ」
またいつもの独り言を仰る。
「じゃあね。僕が行こう。智円の兄さんだけじゃきっと欺かれるよ。ここぞというときに裏切られるより、餌をあげて心の内を探ってみようよ。
僕、餌だぁ~♪」
なんと大胆な!
しかしその後話された策を聞いて流石、殿!
と納得したのであった。
相模国三浦半島沖浦賀水道
上泉伊勢守
(政賢の親衛隊隊長兼斬り込み隊隊長? よくわからなくなってきた人)
「その船、止まれぃ!
ここから先は船標がない者は通さぬ。
持っているならば示されよ!」
3隻の小早が周りを取り囲み、大声で船標の提示を求めてくる。
普通ならば帆柱の先端などに付けておくものであるが、そのような物は用意できなかった。
注:小早(駆逐艦クラスの高速船)
船標(旗でできたパスポートのような物)
「失礼いたす!
某、北条家水軍梶原景宗と申す! 此度は急な要件にて、先ほどまで三浦にて鈴木殿より、この水道の通行許可を頂いていた」
「梶原?
あまり聞かぬ名じゃ! 兎に角船標を出せぃ!」
梶原殿は、儂をちらと見て了承を得る。
梶原殿は紀伊から品川にかけての水運と水軍の傭兵のようなことをしている猛者だ。
「急ぎ故、この場にて臨時にお支払いいたす!
何方かこちらへ参られい!」
どの道こうなるのであろう。
房総水軍は既に里見の指示で、海路上野へ帰ろうとする殿を捕えようと網を張っている。船標があろうとなかろうと接弦し臨検してくる。
船の艫で腰を下ろしている女性が小袖を頭から羽織り、顔を隠す。
両側に侍る2人の女官も身なりを正した。
「わかった。接舷して乗り込むぞ!
無駄な抵抗はするな。幾ら大型船というても軍船には敵わぬからな」
こちらの船は檜垣船だ。荷を運ぶには良いが軍船になるには華奢だ。
船員も少ない。
房総水軍の水夫が舷側を登って来た。
7人か。
この程度なら弟子2人とならば、一瞬で倒せるが‥‥
水夫頭が船の帆柱付近で梶原殿と臨時徴収される銭の交渉をしている間に、残りの水夫が艫の物陰に隠れている3人の女子に眼を付けた。
「おお、これは良い荷を積んでいるなぁ。儂らが海賊ならば絶対に見逃さぬお宝じゃ。そうじゃな、皆の者?」
「そうじゃそうじゃ。
おっと、しまった。涎が出ておったぞ、じゅるり」
「他の汁が出るより上品じゃ。
じゃがこのままでは漏れそうじゃな」
「せめて顔だけでも拝みたいものじゃ。
今夜のオカズにでもするかの」
下卑た笑いを聞きつけ、交渉の終わった水夫頭と梶原殿が艫へとやってくる。
梶原殿は渋い顔をしている。
相当ぼられたらしい。
それよりもこの状況、いかに切り抜けるか?
「梶原殿。この女性は何処へ参られるのかの?」
「はい。縁あって関宿の鎌倉公方様の御許へ参られる途中にて。佐治水軍の佐治殿から護衛をと頼まれた次第。身元は某が保証いたす」
水夫頭は納得したように頷くが、興味をそそられているらしい。
京の女子の容姿を見て見たいと言い出した。
「少しならば減るのでもなし良かろう」と引かない。
身元が確認できれば引き下がると思うたが、そう簡単にはいかぬか。
「頭、やっぱり顔を確かめるのが筋というものでしょう、
ひひひ」
「そ、そうじゃな。
梶原殿、その女性の顔、確認させて頂こう」
何もないとは思うが、周りの護衛に目配せをする。
女官に扮した素ッ破も警戒態勢に入る。
あとは小袖を羽織った者が上手く対処してくれるかだが……
水夫頭が言い慣れない言葉使いで、その女性に近づき声を掛ける。
「失礼仕るが、その小袖を下ろしてくれぬかな。
これもお役目での」
女性はためらいを見せ、上半身を左右に揺すり「否や」を表現した。
これに納得がいかぬ水夫共が騒ぎ出す。
「おい、お高くとまっているんじゃねえぞ!」
「ここは里見の領海だ! 里見のしきたりに従ってもらおう!」
「京など何ぼのもんじゃい!」
騒ぎがどんどん大きくなっていく。
それを待っていたかのように、その女性は立ち上がり、うち掛けていた小袖を降ろし、こう啖呵を切った。
「京女を舐めるんじゃないよっ!
これが里見刑部少輔のやり方かい?
私はこんな半端者の公家の娘だけどね。兄の関白近衛前久は、里見の刑部少輔ごとき、なんとでもできる身分なのさ! さっさとそこをどきなさい。
兄に言いつけてやるからね!!」
里見家に仕える房総水軍の猛者が、この剣幕にたじろぎ里見家に何かあってはいけないと早々に立ち去って行った。
「あの。これでよかったですか? 公家とは仕草台詞ともに、かけ離れていると思うのですが……」
儂は笑いを堪えつつ頷いた。
「上手であった。其方の地を出せば里見の水夫など、びっくりして帰っていくであろうと殿が仰っていた。もっと殿を信用せよ」
儂は、普段の髪を公家の娘風に結いなおした外見の弓兵に笑顔で答えた。
これでこの船を沈め、
「関白様、縁の姫」が行方知れずとなれば、十分な里見への宣戦布告材料となろう。
◇ ◇ ◇ ◇
1556年1月上旬
相模国足柄峠
石堂順蔵
(真田家上野素ッ破の長。ダンディ紳士)
幸綱様を通して大胡家に仕えるようになって、早9年。
政賢様にお会いすることはあまりないが、このお方の奇妙な行動にはいつも驚かされる。此度は危険を冒しての尾張から上野への帰還。
ようやっと手配の付いた以前より調略の手を伸ばしていた、駿河の葛山と三浦の鈴木を使っての海路を選択せず、足柄の険しい山道を進んでいる。
殿ご自身、自分の体力に自信がないと仰っているが、この険しさ女子供は何日もかかるであろう。
もう少し道が整備されておれば楽なのであろうが、先に降った雪が融けて泥濘となっている。
先ほどから何度も滑って転んで今では泥人形と化している。
「足柄山なんだから熊にまたがって軽々と峠を越したいんだけどねぇ。
酒呑童子が出ないだけましかぁ、あ……」
また滑りなすった。
「殿、いい加減、某の背負子に乗りなされ。
見ておれませぬ」
政影殿が見るに見かねて声を掛けるが、
「いあいあ。そろそろね。「れべる解放」できたから僕も体力向上「えいちぴい」「えすてぃいあある」なんかも「れべあげ」して上げていかないとなんだよ。
「ぱわあれべりんぐ」できる「ちいと」ないかなぁ」
ふうふう言いながら、呪いのような文言の羅列を仰られる。
智円殿の占いの方がまだしも真面に思える。
「某の素ッ破を鍛える手法や甚六殿の修験道による修行ではいかぬのでしょうか」
殿に提案するも一蹴されてしまう。
「それ、すんごく厳しそう。体壊れちゃうし、それに割く時間無さそう」
無茶なことを言う。
時間をかけて修行せねば体力など付かぬものだ。
しかし大胡の領地全ての差配をしつつの修行では、いくら体力があっても厳しいであろう。それは分かっておられるであろうから単なる愚痴か。
「殿。その曲がり角を過ぎれば、松田城まであと1里。
しばらくの辛抱でござる」
風魔の小太郎が一行の先頭から殿の近くまで報告に来た。
風魔は箱根を捨てて以来、140名程度の戦闘可能な者を3手に分け2手は品川で待機、休養。1手は山野での鉄砲を使用した山岳部隊として錬成をしている。
今回は古巣の箱根周辺で訓練をしていたので、直ぐに繋ぎを付けられ殿の護衛に参加している。
「しかし誠に松田が内応に応じたのでござりましょうか?
松田は譜代の北条宿老。しかも殿に手玉に取られた恨みもござろうに」
同行している智円殿が殿に問う。
「う~ん。賭けだね。あの人、予定では関宿の代官になる筈だったけど、その話が無くなってかなりがっかりしていた筈。あそこ実入りがいいから。
鎌倉公方を何とかすれば、あそこ上げるよって餌蒔いたら釣れたんだけどね。それだけじゃ足りないよね。だから今、さらなる餌を考え中~。
何かいい餌ある?」
外交の事は某にはわからぬ。
真田の殿ならば、何か思いつくのではとは思うが……
しかし某が調べている事だけは伝えておかねばならぬ。
「殿、某の調べによれば、松田盛秀の嫡子憲秀ですが、内政に秀で外交も父親よりも遥かに優れているとの噂。大胡との決戦の後、外交の失敗の引責で隠居した父親の名誉を挽回しようと躍起になっているとの事。しかも1万石以上あった知行も1000石程度に減らされ不満も漏らしているとのぼやきも聞いておりまする」
某の話を受けて小太郎殿が更なる重要な情報を出してきた。
「父の方は北条への忠誠、殊に厚く、罠である確率は高いかと。ですが此度の内応の約束は嫡子憲秀。既に実権はこちらへ移っておりましょう。
北条内では強硬派と見られ対大胡の急先鋒に見られがちですが、現実主義者の一面もありまする。理を以って交渉に当たれば、内応の儀が欺きであろうとも心の内、変わりましょう」
そうとなれば話は変わってくる。
まずは智円殿を送り……
「それは賭ける価値はあるね。あの人前歴があるから。ああ、後歴かぁ」
またいつもの独り言を仰る。
「じゃあね。僕が行こう。智円の兄さんだけじゃきっと欺かれるよ。ここぞというときに裏切られるより、餌をあげて心の内を探ってみようよ。
僕、餌だぁ~♪」
なんと大胆な!
しかしその後話された策を聞いて流石、殿!
と納得したのであった。
0
お気に入りに追加
67
あなたにおすすめの小説

国虎の楽隠居への野望・十七ヶ国版
カバタ山
ファンタジー
信長以前の戦国時代の畿内。
そこでは「両細川の乱」と呼ばれる、細川京兆家を巡る同族の血で血を洗う争いが続いていた。
勝者は細川 氏綱か? それとも三好 長慶か?
いや、本当の勝者は陸の孤島とも言われる土佐国安芸の地に生を受けた現代からの転生者であった。
史実通りならば土佐の出来人、長宗我部 元親に踏み台とされる武将「安芸 国虎」。
運命に立ち向かわんと足掻いた結果、土佐は勿論西日本を席巻する勢力へと成り上がる。
もう一人の転生者、安田 親信がその偉業を裏から支えていた。
明日にも楽隠居をしたいと借金返済のために商いに精を出す安芸 国虎と、安芸 国虎に天下を取らせたいと暗躍する安田 親信。
結果、多くの人を巻き込み、人生を狂わせ、後へは引けない所へ引き摺られていく。
この話はそんな奇妙なコメディである。
設定はガバガバです。間違って書いている箇所もあるかも知れません。
特に序盤は有名武将は登場しません。
不定期更新。合間に書く作品なので更新は遅いです。

日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

お兄様、冷血貴公子じゃなかったんですか?~7歳から始める第二の聖女人生~
みつまめ つぼみ
ファンタジー
17歳で偽りの聖女として処刑された記憶を持つ7歳の女の子が、今度こそ世界を救うためにエルメーテ公爵家に引き取られて人生をやり直します。
記憶では冷血貴公子と呼ばれていた公爵令息は、義妹である主人公一筋。
そんな義兄に戸惑いながらも甘える日々。
「お兄様? シスコンもほどほどにしてくださいね?」
恋愛ポンコツと冷血貴公子の、コミカルでシリアスな救世物語開幕!
【完結】サキュバスでもいいの?
月狂 紫乃/月狂 四郎
恋愛
【第18回恋愛小説大賞参加作品】
勇者のもとへハニートラップ要員として送り込まれたサキュバスのメルがイケメン魔王のゾルムディアと勇者アルフォンソ・ツクモの間で揺れる話です。

【完結】そして、誰もいなくなった
杜野秋人
ファンタジー
「そなたは私の妻として、侯爵夫人として相応しくない!よって婚約を破棄する!」
愛する令嬢を傍らに声高にそう叫ぶ婚約者イグナシオに伯爵家令嬢セリアは誤解だと訴えるが、イグナシオは聞く耳を持たない。それどころか明らかに犯してもいない罪を挙げられ糾弾され、彼女は思わず彼に手を伸ばして取り縋ろうとした。
「触るな!」
だがその手をイグナシオは大きく振り払った。振り払われよろめいたセリアは、受け身も取れないまま仰向けに倒れ、頭を打って昏倒した。
「突き飛ばしたぞ」
「彼が手を上げた」
「誰か衛兵を呼べ!」
騒然となるパーティー会場。すぐさま会場警護の騎士たちに取り囲まれ、彼は「違うんだ、話を聞いてくれ!」と叫びながら愛人の令嬢とともに連行されていった。
そして倒れたセリアもすぐさま人が集められ運び出されていった。
そして誰もいなくなった。
彼女と彼と愛人と、果たして誰が悪かったのか。
これはとある悲しい、婚約破棄の物語である。
◆小説家になろう様でも公開しています。話数の関係上あちらの方が進みが早いです。
3/27、なろう版完結。あちらは全8話です。
3/30、小説家になろうヒューマンドラマランキング日間1位になりました!
4/1、完結しました。全14話。

グライフトゥルム戦記~微笑みの軍師マティアスの救国戦略~
愛山雄町
ファンタジー
エンデラント大陸最古の王国、グライフトゥルム王国の英雄の一人である、マティアス・フォン・ラウシェンバッハは転生者である。
彼は類い稀なる知力と予知能力を持つと言われるほどの先見性から、“知将マティアス”や“千里眼のマティアス”と呼ばれることになる。
彼は大陸最強の軍事国家ゾルダート帝国や狂信的な宗教国家レヒト法国の侵略に対し、優柔不断な国王や獅子身中の虫である大貴族の有形無形の妨害にあいながらも、旧態依然とした王国軍の近代化を図りつつ、敵国に対して謀略を仕掛け、危機的な状況を回避する。
しかし、宿敵である帝国には軍事と政治の天才が生まれ、更に謎の暗殺者集団“夜(ナハト)”や目的のためなら手段を選ばぬ魔導師集団“真理の探究者”など一筋縄ではいかぬ敵たちが次々と現れる。
そんな敵たちとの死闘に際しても、絶対の自信の表れとも言える余裕の笑みを浮かべながら策を献じたことから、“微笑みの軍師”とも呼ばれていた。
しかし、マティアスは日本での記憶を持った一般人に過ぎなかった。彼は情報分析とプレゼンテーション能力こそ、この世界の人間より優れていたものの、軍事に関する知識は小説や映画などから得たレベルのものしか持っていなかった。
更に彼は生まれつき身体が弱く、武術も魔導の才もないというハンディキャップを抱えていた。また、日本で得た知識を使った技術革新も、世界を崩壊させる危険な技術として封じられてしまう。
彼の代名詞である“微笑み”も単に苦し紛れの策に対する苦笑に過ぎなかった。
マティアスは愛する家族や仲間を守るため、大賢者とその配下の凄腕間者集団の力を借りつつ、優秀な友人たちと力を合わせて強大な敵と戦うことを決意する。
彼は情報の重要性を誰よりも重視し、巧みに情報を利用した謀略で敵を混乱させ、更に戦場では敵の意表を突く戦術を駆使して勝利に貢献していく……。
■■■
あらすじにある通り、主人公にあるのは日本で得た中途半端な知識のみで、チートに類する卓越した能力はありません。基本的には政略・謀略・軍略といったシリアスな話が主となる予定で、恋愛要素は少なめ、ハーレム要素はもちろんありません。前半は裏方に徹して情報収集や情報操作を行うため、主人公が出てくる戦闘シーンはほとんどありません。
■■■
小説家になろう、カクヨム、ノベルアップ+でも掲載しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる