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第20話:最終局面
そういう時代じゃねぇんだよ!
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1556年1月9日巳の刻(午前10時)
武蔵国品川湊大手門北2町
東雲尚政
(品川のスターは君だ!)
敵本陣の戦闘余力がある兵力、約400というところか。
こちらも400だな。
互角か。
旗印は山本勘助。
鬼美濃殿が武田の軍師とか言っていた。
成程、此奴が中之条の仇というわけだ。
潰してやるぜ。
だが敵の交戦目的は、ここまで戦況が押されてくると副将である信繁を逃がすことだな。
逃走経路は東の海岸沿いか、西の台地上か。
それ以外は既に塞いだ。
海岸沿いも、小宮山という奴が陣取っているが、第6中隊と交戦中。
敵は後退を重ね本陣との間、3町以上開いている。
ここを見つからずに通るのは、ほぼ不可能。
となれば台地に登り逃げるしかあるまい。
先ほどから信繫の馬印が見えない。
多分逃げるために倒したのであろう。
必死だな。
だがこちらもこれ以上の兵力分散は危険だ。
敵は何をしてくるかわからない。
纏まって対処すべきところだ。
台地は別動隊に使いを送って、包囲を指示しよう。
「敵、前進し、左右の枯草に隠れました」
あれが邪魔だな。
最初から危険だと思っていた。
草の丈、2尺(60cm)程度だが伏せれば全く見えなくなる。
普通なら敵陣至近の戦場にて伏せるなど考える武将は居ないが、こと鉄砲対策としては有効だ。
あれで「匍匐前進」をされて近づいたのちに突撃されると危険だ。
だがな。
そのくらいはこっちも既に対策は出来ている。
かかってこいや!
敵は左右に半数200程度に分散している。
「総員。第5防御陣形」
俺の指示を各中隊長が小隊へ指示を出し、防御陣を整えた。
4個中隊400人を「へ」の字型に配備。
左右に各25人8列を作り
前の2列は伏射、
次の2列は膝射、
後ろ4列は立射。
早く襲って来いよ。
もう準備は出来ているんだろ?
そろそろ立つだろう、そして突撃してくる。
枯草は約15間まで生い茂っている。
10間ならば甲冑を着こんでいても、2呼吸(数秒)で走り抜ける近さだ。
来た!
「第1第2列。放てぃ!!!」
左右に100発の銃弾が飛ぶ。
この近さだ。
立ち上がった武田の兵、およそ50が一瞬で討たれた。
なぜそんな無謀な指示に従うんだよ。
無駄死にじゃ……
なにか罠がある?
周りを見渡した。
何もない。
このまま次から次へと突撃を無駄に続けるのか?
刻々と時間だけが過ぎる。
今のうちに、前列を下がらせ再装填をさせるとするか。
「後ろと左右の斥候はまだ帰らんか?」
「はい。そろそろ帰還する頃かと」
‥‥おかしいな。
「第2陣を出せ。今度は3段索敵だ」
20人ほど戦力が落ちるが、奇襲を喰らうよりはましだ。
東方左翼では第3中隊により、敵の右翼小宮山の陣が千切れたようだ。
敗走に移っている。
これでまさか後ろからの奇襲はない筈。
侵入経路は断っているし、素ッ破の監視もある。
来ても第3中隊を向かわせるだけの事。
あり得るのは左右からの奇襲。
左は未だ第3中隊がいる。
奇襲をかけたところで、その背後を第3中隊に突かれるだけだ。
ほぼ右翼からの奇襲のみ‥‥
だが嫌な予感がする。
ここは白兵戦の用意もさせておくか。
「全員、着剣!」
鉄砲の筒先に付ける剣。
あっても意味がないと皆が言う。
後ろに控える移動段列が、必要な時に手槍や長柄を渡してくれるため、それで戦えばよいと。
しかも装填の邪魔になる。
できるだけ邪魔にならないようにと、銃身の左に付けることで右手でのカルカを使いやすくすると共に、右からの袈裟斬りをしやすくしている。
竜騎兵は急な武装転換などできないからな。
鉄砲から太刀に変えるだけだ。
それも鉄砲を捨てて。
だから銃剣を装備しているが、まさかこれを使うとは思っても見なかった。
思わぬ方向から敵が飛び出してくるかもしれない。
白兵戦で鉄砲を撃っている暇などない。
太刀と銃剣での殴り合いだ。
さて、どう出てくるか?
「大隊長!
後方、白煙!
敵が火を放った模様!
こちらへ煙と火の手が!!」
こう来たか!
先ほどの突撃は囮。
時間稼ぎであった。
前方に注意を向けさせ、その間に小部隊を回り込ませた。
斥候は伏兵にやられたか。
風は北風。
それも少しずつ強くなってきている。
こっちはここにはいられない。
北へ向かえば、火の手に遮られているうちに後背から攻められる。
今は騎乗していないから、左右どちらへ向かおうとも側撃を受ける。
流石武田の軍師。
やってくれる。
しかしな。
大胡を見くびるなよ。
普通ならできないことも可能なように兵を練りに練っているんだ!
「右翼別動隊に信号!
敵左翼の後背へ回り込み、左翼を殲滅せよ!」
既に馬場隊を追い散らし追撃していた別動隊200近くが、もうこちらへ向かっている。
4町程離れているが、それに対して信号を送る。
大型の弩弓にて鏑矢2つで信号の意味を知らせ、火矢で進行方向を知らせる。
これで直ぐに敵後背を衝く運動に出るだろう。
もう何度も何度も繰り返し訓練してきた状況対応だ。
「さあ。別動隊が戻ってくるのが先か、俺たちが火に包まれるのが先か。
運の勝負。いや日頃の努力の勝負だ!」
そういえば川中島での戦いを想定して、殿と机上演習をした記憶がある。
その時は引き分けた。
初めて殿に負けなかった。
その状況と似ている。
殿が妻女山に陣取り、俺が別動隊で東から仕掛けたときには、殿は全ての兵を率いて俺の本陣を目指して突っ込んできた。
俺の本陣が今にも崩れそうになった時、危うく別動隊が帰ってきて殿の後背を衝き、乱戦となって引き分けた。
その時は嬉しかった!
だが殿は
「これじゃ負けだよね。どっちも損害多すぎ。
決戦だから仕方ないけどね。次はもっと効率よく戦お~」
と仰っていた。
この状況、殿ならばどう差配しただろうか?
今考えても仕方がない。
あとで伺おう。
生き残っていたらだがな!
◇ ◇ ◇ ◇
同日同刻
山本勘助
(川中島の合戦を経験する前に戦死しそう……)
敵の北で火の手が上がった。
間に合った。
大胡は物見を多数出すとの情報から、露払いを幾重にも放ちそれを仕留めた。
既に火の手は北風に煽られ、大胡勢の背後から白煙と共に迫りつつある。
白煙が我が軍を覆いつくすまであと僅か。
しかし、大胡が動いた。
先程まで、魚鱗の陣に近い陣型であったものを右翼を伸長し、そこを先頭にして我が軍の左翼に出ようとしている。
こちらの右翼を遊兵化させるつもりだ。
と同時に背後の火から逃げる気か。
数百の陣をあそこまで瞬時に動かすとはなんという用兵、そして練度だ!
こちらも対応せねば。
左翼はそのまま伏撃の姿勢。
移動中の敵左翼をこちらの右翼が突撃で崩す。
流石に移動中に応射は出来まい。
陣が混乱する。
「白煙に隠れ右翼突撃せよ!」
既に距離15間(30m)に離れてしまったが、突撃すれば応射は間に合わぬはず。
1射は覚悟。
第2射が来る前に突入する。
右翼200人が一斉に立ち上がり、手槍を持ち突撃し始める。
喚声が鬨の声に変わる。
大胡の兵が慌てふため……かない!?
「そのまま、第5陣形!
いいか?
4連射、放てぃ!!!」
敵の部将の声が聞こえる。
その直後、敵右翼最前列が前へ両膝と銃の元の3点を地につけて倒れ込み、そのままこちらへ鉄砲を放つ!
次に後方で膝立ちしている者が射撃。
その後後ろに立っている者からの射撃!
その結果は見るまでもない。味方右翼は跡形もなく消滅した。
移動は囮であったか。
そのまま、何事もなかったかのように大胡の陣は味方左翼を包囲していく。
東からは小宮山殿の備えを打ち砕いた100程の騎馬が踵を返して、こちらの右を衝く気配を示す。
西からは馬場殿を追い払った別動隊。
そして南は閉ざされた品川の大手門。
信繫様を逃がす時間を稼げたのであろうか?
せめて、この白煙で逃げるお助けが出来たのならば本望だ。
あとは……
「大胡の東雲殿とお見受けする!
一騎打ちを所望いたす!
参られよ!!」
徒の黄色い集団の中で、馬上にて指揮を執る武将に声を掛けて近寄っていく。
びっこの儂でも、そこいらの部将には引けを取らぬ。
むしろ槍働きは得意な方じゃ。
昔の事じゃが。
東雲殿が騎乗にて近づいて来た。
成程、狐によう似ておる。
少々顔が赤いのは酒を飲んでいるのか?
興奮しているのか?
「あんたが武田の軍師、山本勘助だな。
虎胤殿から聞いている。頭が良いそうだな。今回はしてやられた。
それで?」
「最後に一騎打ちを所望いたす。
いざ!」
敵将は、ふふん、と小馬鹿にしたように鼻を鳴らし、
こういった。
「そういう時代じゃあねえんだよ。
この阿呆が!」
そして手にした鉄砲を儂に狙いを付け引き金を落とした。
山本勘助
品川大手門前にて討ち死に。
享年56歳
武蔵国品川湊大手門北2町
東雲尚政
(品川のスターは君だ!)
敵本陣の戦闘余力がある兵力、約400というところか。
こちらも400だな。
互角か。
旗印は山本勘助。
鬼美濃殿が武田の軍師とか言っていた。
成程、此奴が中之条の仇というわけだ。
潰してやるぜ。
だが敵の交戦目的は、ここまで戦況が押されてくると副将である信繁を逃がすことだな。
逃走経路は東の海岸沿いか、西の台地上か。
それ以外は既に塞いだ。
海岸沿いも、小宮山という奴が陣取っているが、第6中隊と交戦中。
敵は後退を重ね本陣との間、3町以上開いている。
ここを見つからずに通るのは、ほぼ不可能。
となれば台地に登り逃げるしかあるまい。
先ほどから信繫の馬印が見えない。
多分逃げるために倒したのであろう。
必死だな。
だがこちらもこれ以上の兵力分散は危険だ。
敵は何をしてくるかわからない。
纏まって対処すべきところだ。
台地は別動隊に使いを送って、包囲を指示しよう。
「敵、前進し、左右の枯草に隠れました」
あれが邪魔だな。
最初から危険だと思っていた。
草の丈、2尺(60cm)程度だが伏せれば全く見えなくなる。
普通なら敵陣至近の戦場にて伏せるなど考える武将は居ないが、こと鉄砲対策としては有効だ。
あれで「匍匐前進」をされて近づいたのちに突撃されると危険だ。
だがな。
そのくらいはこっちも既に対策は出来ている。
かかってこいや!
敵は左右に半数200程度に分散している。
「総員。第5防御陣形」
俺の指示を各中隊長が小隊へ指示を出し、防御陣を整えた。
4個中隊400人を「へ」の字型に配備。
左右に各25人8列を作り
前の2列は伏射、
次の2列は膝射、
後ろ4列は立射。
早く襲って来いよ。
もう準備は出来ているんだろ?
そろそろ立つだろう、そして突撃してくる。
枯草は約15間まで生い茂っている。
10間ならば甲冑を着こんでいても、2呼吸(数秒)で走り抜ける近さだ。
来た!
「第1第2列。放てぃ!!!」
左右に100発の銃弾が飛ぶ。
この近さだ。
立ち上がった武田の兵、およそ50が一瞬で討たれた。
なぜそんな無謀な指示に従うんだよ。
無駄死にじゃ……
なにか罠がある?
周りを見渡した。
何もない。
このまま次から次へと突撃を無駄に続けるのか?
刻々と時間だけが過ぎる。
今のうちに、前列を下がらせ再装填をさせるとするか。
「後ろと左右の斥候はまだ帰らんか?」
「はい。そろそろ帰還する頃かと」
‥‥おかしいな。
「第2陣を出せ。今度は3段索敵だ」
20人ほど戦力が落ちるが、奇襲を喰らうよりはましだ。
東方左翼では第3中隊により、敵の右翼小宮山の陣が千切れたようだ。
敗走に移っている。
これでまさか後ろからの奇襲はない筈。
侵入経路は断っているし、素ッ破の監視もある。
来ても第3中隊を向かわせるだけの事。
あり得るのは左右からの奇襲。
左は未だ第3中隊がいる。
奇襲をかけたところで、その背後を第3中隊に突かれるだけだ。
ほぼ右翼からの奇襲のみ‥‥
だが嫌な予感がする。
ここは白兵戦の用意もさせておくか。
「全員、着剣!」
鉄砲の筒先に付ける剣。
あっても意味がないと皆が言う。
後ろに控える移動段列が、必要な時に手槍や長柄を渡してくれるため、それで戦えばよいと。
しかも装填の邪魔になる。
できるだけ邪魔にならないようにと、銃身の左に付けることで右手でのカルカを使いやすくすると共に、右からの袈裟斬りをしやすくしている。
竜騎兵は急な武装転換などできないからな。
鉄砲から太刀に変えるだけだ。
それも鉄砲を捨てて。
だから銃剣を装備しているが、まさかこれを使うとは思っても見なかった。
思わぬ方向から敵が飛び出してくるかもしれない。
白兵戦で鉄砲を撃っている暇などない。
太刀と銃剣での殴り合いだ。
さて、どう出てくるか?
「大隊長!
後方、白煙!
敵が火を放った模様!
こちらへ煙と火の手が!!」
こう来たか!
先ほどの突撃は囮。
時間稼ぎであった。
前方に注意を向けさせ、その間に小部隊を回り込ませた。
斥候は伏兵にやられたか。
風は北風。
それも少しずつ強くなってきている。
こっちはここにはいられない。
北へ向かえば、火の手に遮られているうちに後背から攻められる。
今は騎乗していないから、左右どちらへ向かおうとも側撃を受ける。
流石武田の軍師。
やってくれる。
しかしな。
大胡を見くびるなよ。
普通ならできないことも可能なように兵を練りに練っているんだ!
「右翼別動隊に信号!
敵左翼の後背へ回り込み、左翼を殲滅せよ!」
既に馬場隊を追い散らし追撃していた別動隊200近くが、もうこちらへ向かっている。
4町程離れているが、それに対して信号を送る。
大型の弩弓にて鏑矢2つで信号の意味を知らせ、火矢で進行方向を知らせる。
これで直ぐに敵後背を衝く運動に出るだろう。
もう何度も何度も繰り返し訓練してきた状況対応だ。
「さあ。別動隊が戻ってくるのが先か、俺たちが火に包まれるのが先か。
運の勝負。いや日頃の努力の勝負だ!」
そういえば川中島での戦いを想定して、殿と机上演習をした記憶がある。
その時は引き分けた。
初めて殿に負けなかった。
その状況と似ている。
殿が妻女山に陣取り、俺が別動隊で東から仕掛けたときには、殿は全ての兵を率いて俺の本陣を目指して突っ込んできた。
俺の本陣が今にも崩れそうになった時、危うく別動隊が帰ってきて殿の後背を衝き、乱戦となって引き分けた。
その時は嬉しかった!
だが殿は
「これじゃ負けだよね。どっちも損害多すぎ。
決戦だから仕方ないけどね。次はもっと効率よく戦お~」
と仰っていた。
この状況、殿ならばどう差配しただろうか?
今考えても仕方がない。
あとで伺おう。
生き残っていたらだがな!
◇ ◇ ◇ ◇
同日同刻
山本勘助
(川中島の合戦を経験する前に戦死しそう……)
敵の北で火の手が上がった。
間に合った。
大胡は物見を多数出すとの情報から、露払いを幾重にも放ちそれを仕留めた。
既に火の手は北風に煽られ、大胡勢の背後から白煙と共に迫りつつある。
白煙が我が軍を覆いつくすまであと僅か。
しかし、大胡が動いた。
先程まで、魚鱗の陣に近い陣型であったものを右翼を伸長し、そこを先頭にして我が軍の左翼に出ようとしている。
こちらの右翼を遊兵化させるつもりだ。
と同時に背後の火から逃げる気か。
数百の陣をあそこまで瞬時に動かすとはなんという用兵、そして練度だ!
こちらも対応せねば。
左翼はそのまま伏撃の姿勢。
移動中の敵左翼をこちらの右翼が突撃で崩す。
流石に移動中に応射は出来まい。
陣が混乱する。
「白煙に隠れ右翼突撃せよ!」
既に距離15間(30m)に離れてしまったが、突撃すれば応射は間に合わぬはず。
1射は覚悟。
第2射が来る前に突入する。
右翼200人が一斉に立ち上がり、手槍を持ち突撃し始める。
喚声が鬨の声に変わる。
大胡の兵が慌てふため……かない!?
「そのまま、第5陣形!
いいか?
4連射、放てぃ!!!」
敵の部将の声が聞こえる。
その直後、敵右翼最前列が前へ両膝と銃の元の3点を地につけて倒れ込み、そのままこちらへ鉄砲を放つ!
次に後方で膝立ちしている者が射撃。
その後後ろに立っている者からの射撃!
その結果は見るまでもない。味方右翼は跡形もなく消滅した。
移動は囮であったか。
そのまま、何事もなかったかのように大胡の陣は味方左翼を包囲していく。
東からは小宮山殿の備えを打ち砕いた100程の騎馬が踵を返して、こちらの右を衝く気配を示す。
西からは馬場殿を追い払った別動隊。
そして南は閉ざされた品川の大手門。
信繫様を逃がす時間を稼げたのであろうか?
せめて、この白煙で逃げるお助けが出来たのならば本望だ。
あとは……
「大胡の東雲殿とお見受けする!
一騎打ちを所望いたす!
参られよ!!」
徒の黄色い集団の中で、馬上にて指揮を執る武将に声を掛けて近寄っていく。
びっこの儂でも、そこいらの部将には引けを取らぬ。
むしろ槍働きは得意な方じゃ。
昔の事じゃが。
東雲殿が騎乗にて近づいて来た。
成程、狐によう似ておる。
少々顔が赤いのは酒を飲んでいるのか?
興奮しているのか?
「あんたが武田の軍師、山本勘助だな。
虎胤殿から聞いている。頭が良いそうだな。今回はしてやられた。
それで?」
「最後に一騎打ちを所望いたす。
いざ!」
敵将は、ふふん、と小馬鹿にしたように鼻を鳴らし、
こういった。
「そういう時代じゃあねえんだよ。
この阿呆が!」
そして手にした鉄砲を儂に狙いを付け引き金を落とした。
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そんな敵たちとの死闘に際しても、絶対の自信の表れとも言える余裕の笑みを浮かべながら策を献じたことから、“微笑みの軍師”とも呼ばれていた。
しかし、マティアスは日本での記憶を持った一般人に過ぎなかった。彼は情報分析とプレゼンテーション能力こそ、この世界の人間より優れていたものの、軍事に関する知識は小説や映画などから得たレベルのものしか持っていなかった。
更に彼は生まれつき身体が弱く、武術も魔導の才もないというハンディキャップを抱えていた。また、日本で得た知識を使った技術革新も、世界を崩壊させる危険な技術として封じられてしまう。
彼の代名詞である“微笑み”も単に苦し紛れの策に対する苦笑に過ぎなかった。
マティアスは愛する家族や仲間を守るため、大賢者とその配下の凄腕間者集団の力を借りつつ、優秀な友人たちと力を合わせて強大な敵と戦うことを決意する。
彼は情報の重要性を誰よりも重視し、巧みに情報を利用した謀略で敵を混乱させ、更に戦場では敵の意表を突く戦術を駆使して勝利に貢献していく……。
■■■
あらすじにある通り、主人公にあるのは日本で得た中途半端な知識のみで、チートに類する卓越した能力はありません。基本的には政略・謀略・軍略といったシリアスな話が主となる予定で、恋愛要素は少なめ、ハーレム要素はもちろんありません。前半は裏方に徹して情報収集や情報操作を行うため、主人公が出てくる戦闘シーンはほとんどありません。
■■■
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