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第19章:激戦!【品川包囲戦】
主人公の下位互換キャラ
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1556年1月8日戌の刻(午後8時)
武蔵国品川湊北西方武田信繫本陣
武田信繫
(苦戦中に付き渋顔の晴信そっくりさん)
部将士分足軽に至るまで、皆よくやっている。
儂の落ち度もない筈。
だが、この損害はなんなのだ?
既に先陣の内藤と保科の備えは2割以上の損害を出している。
500名近い死傷者。
これは品川を取ったとしても負け戦であろう。
士気も最低じゃ。
殊に東側を攻めた保科と西川仁科の陣は、煙幕が災いして目つぶしを喰らった。
後退して水で洗い流せればよいが、回りには大胡の兵1000が居座っている。
あちこちに狙撃手を放っているようだ。
夜も火矢で明るく照らしてくる。
おちおち川へ洗いにも行けぬ。
先鋒の士気旺盛の精鋭がこの砂にやられて目を赤く腫れあがらせている。
塩も入っていたらしい。
知恵のある奴が敵にいるようだ。
「大胡の水汲みはまだ邪魔できぬか」
ここにいるのは勘助だけだ。
独り言のように呟いてみた。
「川幅が河川敷を含めて2町。南岸から遠矢で狙える距離まで近づく事できませぬ。
もし近づいても……」
「鉄砲で狙撃か」
勘助が黙って頷く。
この戦、短期の仕寄りですべてが動いている。
ここで攻囲戦に移行は出来ぬ。
ましてや里見からの支援がなく、北と北西への退き口を大胡の騎馬隊で塞がれている。品川の比ではない練度の1000名が居座る狭隘な地を強行突破するとなると、どれだけの損害が出るか。
もう品川を我攻めで落とすしかないのだ。
「お味方の水があと僅かです」
「あと2日は持つか?」
勘助が黙る。
あと1日で落とすしかないのか。
小荷駄に積んでいた樽が破損した。
後ろからの襲撃は撃退したし小荷駄には、大した被害もなかった。後備えも兵を消耗しておらぬ。
だが諸角が討たれた。
そして水樽を失った。
大損害だ。
兵の持つ竹筒で、毎回川に汲みに行ける程の安全は確保できぬ。異様なほど狙撃が多い。
諸角は最後に敵の部将に抱き着かれて鉄砲にて止めを刺されたという。
大胡の士気の高さを改めて思い知った。これでは品川の兵も、死に物狂いで抵抗するであろう。
「内応はどうじゃった」
「南に配備されていた法華宗徒の半数は寝返り大筒を手に入れ防壁を砲撃した所、暴発したとの知らせが。西の堡塁は動きませなんだ。
毒は不発にて。防壁破壊はいまだ……」
残るは防壁破壊のみか。
伊賀はどうしたのか。
「伊賀者の潜入は、その多くが討ち取られた模様。
三ツ者の知らせ」
手詰まりか。
せめて小舟でもあれば浮きの付いた綱を切って接近……
南部の防御用大筒はもうないか。
時間をかけてでも渡河をすれば敵も慌てよう。
慌てさせ、兵を割けさせるだけでよい。
「小舟の手配はついたか?」
「7隻が確保できましてございまする。
漕ぎ手を含めて8名程乗せられる小舟7隻で
50名程輸送できるかと」
それを使い渡河をするか。
上陸目標は……
◇ ◇ ◇ ◇
1556年1月9日巳の刻(午前10時)
品川湊御殿山山頂
真田政輝
(お調子者で頭のまわる真田家次男坊。右手が震えるお年頃の14歳)
「今日も攻めて来ちゃうわけ?
懲りないなぁ。やっぱ武田って戦争狂なんだ。じゃこっちも楽しませて……いてっ」
業政様の拳骨が頭に落ちる。
兜被っとくんだったな。
敵も必死、味方も必死。
真剣勝負で戦っているけど、よくそれで長々と戦っていられるよな。
俺は勘弁して。
やはり敵の裏をかくのは気持ちいい。
公園で授業を受けている時、兵棋演習というのをやったけど、あれが一番面白かった。知識を詰め込むのもいいけれど、応用できなければただの頭でっかちだ。
親父さんと寅さん(作者注:原虎胤のことらしい)に聞くと、晴信と弟の信繁は相当な戦上手とか。本当なら跳んで行って兵棋演習に付き合ってもらいたいところだけど、まさか本当に戦うとは思ってもいなかったよ。
さて。これからどうなるかな。
俺だったら、真正面から突っ込むことはしないけどな。
囮になる攻め手をいくつも考える。
もう内応はたくさん仕掛けてきたけれど、まだまだあるかもね。
今までは里見が動かなかった。
お蔭で南側はこけ脅しの大筒だけで武田も渡河してこなかったけれど、大筒が無くなったからその手もありかな。
「政輝。まだ昨日の件、許したわけではないぞ。見事な攻撃であったが、指揮権を無断で継承するなどもっての外。本来ならば銃殺でも足りぬわ。周りに示しがつかぬ」
ここは萎らしく返事をしておこう。
そして渡河作戦の危惧と、内応の更なる手が用意されている危険も進言しておいた。
もうそろそろ鉄砲用の火薬すら心許なくなってきた。
弩弓と併用して攻撃している。
あとは防壁用に用意してあった煉瓦を投げ落としたり、砂をぶちまけたりして敵の士気を削ぐ。
……いつまで持つかなぁ。
今日が山場だね、きっと。
北から鉄砲の断続的な射撃音が聞こえている。ここへ来れるとすれば東雲様の大隊かな。昨日も何か聞こえていたという兵もいた。だから今日も攻撃するとは考えられないんだけどね。
竜騎兵で構成された機動大隊が足を止めたら実力を発揮できないし損害が多くなる。
東雲様に限ってそんな馬鹿なことはするはずがない。
何が起きたのだろう?
「大手門の政綱様より伝令!
東側目黒川より阻塞綱を切って武田の兵50余りが西の防壁後ろへ上陸!
大手門は防御に手いっぱい。予備を送られたし、とのこと」
やっぱ、来ちゃったよ。
それも兵がいないところじゃないか。
総予備はこっちに来ちゃっている。
昨日に懲りて、この御殿山に業政様の本陣をこちらへ移し、総予備もここへ置いた。
法華宗徒の脅威がなくなったからな。
なんであんな奴らを味方に引き入れたかなぁ。
業政様の顔を見る。
業政様が仕方ないとばかりに俺に命令をした。
「政輝。総予備を率いて手当に向かえ。できうる限り損害は避けよ。まだまだ予備は必要だ。武田は何かをまだ仕掛けてくるはず」
言われなくともわかっているさ。
政賢様の方針、俺の方針と一致している。
戦わず敵を退散させることが一番の勝ち、だよな。
武蔵国品川湊北西方武田信繫本陣
武田信繫
(苦戦中に付き渋顔の晴信そっくりさん)
部将士分足軽に至るまで、皆よくやっている。
儂の落ち度もない筈。
だが、この損害はなんなのだ?
既に先陣の内藤と保科の備えは2割以上の損害を出している。
500名近い死傷者。
これは品川を取ったとしても負け戦であろう。
士気も最低じゃ。
殊に東側を攻めた保科と西川仁科の陣は、煙幕が災いして目つぶしを喰らった。
後退して水で洗い流せればよいが、回りには大胡の兵1000が居座っている。
あちこちに狙撃手を放っているようだ。
夜も火矢で明るく照らしてくる。
おちおち川へ洗いにも行けぬ。
先鋒の士気旺盛の精鋭がこの砂にやられて目を赤く腫れあがらせている。
塩も入っていたらしい。
知恵のある奴が敵にいるようだ。
「大胡の水汲みはまだ邪魔できぬか」
ここにいるのは勘助だけだ。
独り言のように呟いてみた。
「川幅が河川敷を含めて2町。南岸から遠矢で狙える距離まで近づく事できませぬ。
もし近づいても……」
「鉄砲で狙撃か」
勘助が黙って頷く。
この戦、短期の仕寄りですべてが動いている。
ここで攻囲戦に移行は出来ぬ。
ましてや里見からの支援がなく、北と北西への退き口を大胡の騎馬隊で塞がれている。品川の比ではない練度の1000名が居座る狭隘な地を強行突破するとなると、どれだけの損害が出るか。
もう品川を我攻めで落とすしかないのだ。
「お味方の水があと僅かです」
「あと2日は持つか?」
勘助が黙る。
あと1日で落とすしかないのか。
小荷駄に積んでいた樽が破損した。
後ろからの襲撃は撃退したし小荷駄には、大した被害もなかった。後備えも兵を消耗しておらぬ。
だが諸角が討たれた。
そして水樽を失った。
大損害だ。
兵の持つ竹筒で、毎回川に汲みに行ける程の安全は確保できぬ。異様なほど狙撃が多い。
諸角は最後に敵の部将に抱き着かれて鉄砲にて止めを刺されたという。
大胡の士気の高さを改めて思い知った。これでは品川の兵も、死に物狂いで抵抗するであろう。
「内応はどうじゃった」
「南に配備されていた法華宗徒の半数は寝返り大筒を手に入れ防壁を砲撃した所、暴発したとの知らせが。西の堡塁は動きませなんだ。
毒は不発にて。防壁破壊はいまだ……」
残るは防壁破壊のみか。
伊賀はどうしたのか。
「伊賀者の潜入は、その多くが討ち取られた模様。
三ツ者の知らせ」
手詰まりか。
せめて小舟でもあれば浮きの付いた綱を切って接近……
南部の防御用大筒はもうないか。
時間をかけてでも渡河をすれば敵も慌てよう。
慌てさせ、兵を割けさせるだけでよい。
「小舟の手配はついたか?」
「7隻が確保できましてございまする。
漕ぎ手を含めて8名程乗せられる小舟7隻で
50名程輸送できるかと」
それを使い渡河をするか。
上陸目標は……
◇ ◇ ◇ ◇
1556年1月9日巳の刻(午前10時)
品川湊御殿山山頂
真田政輝
(お調子者で頭のまわる真田家次男坊。右手が震えるお年頃の14歳)
「今日も攻めて来ちゃうわけ?
懲りないなぁ。やっぱ武田って戦争狂なんだ。じゃこっちも楽しませて……いてっ」
業政様の拳骨が頭に落ちる。
兜被っとくんだったな。
敵も必死、味方も必死。
真剣勝負で戦っているけど、よくそれで長々と戦っていられるよな。
俺は勘弁して。
やはり敵の裏をかくのは気持ちいい。
公園で授業を受けている時、兵棋演習というのをやったけど、あれが一番面白かった。知識を詰め込むのもいいけれど、応用できなければただの頭でっかちだ。
親父さんと寅さん(作者注:原虎胤のことらしい)に聞くと、晴信と弟の信繁は相当な戦上手とか。本当なら跳んで行って兵棋演習に付き合ってもらいたいところだけど、まさか本当に戦うとは思ってもいなかったよ。
さて。これからどうなるかな。
俺だったら、真正面から突っ込むことはしないけどな。
囮になる攻め手をいくつも考える。
もう内応はたくさん仕掛けてきたけれど、まだまだあるかもね。
今までは里見が動かなかった。
お蔭で南側はこけ脅しの大筒だけで武田も渡河してこなかったけれど、大筒が無くなったからその手もありかな。
「政輝。まだ昨日の件、許したわけではないぞ。見事な攻撃であったが、指揮権を無断で継承するなどもっての外。本来ならば銃殺でも足りぬわ。周りに示しがつかぬ」
ここは萎らしく返事をしておこう。
そして渡河作戦の危惧と、内応の更なる手が用意されている危険も進言しておいた。
もうそろそろ鉄砲用の火薬すら心許なくなってきた。
弩弓と併用して攻撃している。
あとは防壁用に用意してあった煉瓦を投げ落としたり、砂をぶちまけたりして敵の士気を削ぐ。
……いつまで持つかなぁ。
今日が山場だね、きっと。
北から鉄砲の断続的な射撃音が聞こえている。ここへ来れるとすれば東雲様の大隊かな。昨日も何か聞こえていたという兵もいた。だから今日も攻撃するとは考えられないんだけどね。
竜騎兵で構成された機動大隊が足を止めたら実力を発揮できないし損害が多くなる。
東雲様に限ってそんな馬鹿なことはするはずがない。
何が起きたのだろう?
「大手門の政綱様より伝令!
東側目黒川より阻塞綱を切って武田の兵50余りが西の防壁後ろへ上陸!
大手門は防御に手いっぱい。予備を送られたし、とのこと」
やっぱ、来ちゃったよ。
それも兵がいないところじゃないか。
総予備はこっちに来ちゃっている。
昨日に懲りて、この御殿山に業政様の本陣をこちらへ移し、総予備もここへ置いた。
法華宗徒の脅威がなくなったからな。
なんであんな奴らを味方に引き入れたかなぁ。
業政様の顔を見る。
業政様が仕方ないとばかりに俺に命令をした。
「政輝。総予備を率いて手当に向かえ。できうる限り損害は避けよ。まだまだ予備は必要だ。武田は何かをまだ仕掛けてくるはず」
言われなくともわかっているさ。
政賢様の方針、俺の方針と一致している。
戦わず敵を退散させることが一番の勝ち、だよな。
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