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第16章:黒幕は堺!
この人と出会っちゃう?
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1555年11月下旬
美濃国不破郡南宮神社西半里
岩手重虎(?)
気が焦り、足元が覚束ない。
もう直ぐのはずだ。
南宮神社で執り行われた新たな金堀がうまくいくよう祈願、絵馬の奉納を我が岩手一族が一色(斉藤)様の名代として執り行った。
私も若輩ながらも参列し美濃の繁栄を祈願した。
その奉納祈願が終わった際、宮司様から
「あの大胡左中弁様がすぐそこ、垂井の向こう関ケ原の十九女池付近でお休みになっている」
という噂を聞いた。
居ても立ってもいられなかった。
あの政賢様だ。
齢8歳にして血筋の絶えた国衆を襲名、その後大胡を大発展させ北条と対戦5度。絶対的不利な状況下での戦を全て勝ち続け、遂には北条氏を弱小勢力までに追い込んだという。その巧みな内政により領民に慕われると共に、敵方から竜虎の如く恐れられている戦上手。
何としても、その戦の神髄をお聞かせいただきたい。このような若輩者にお声を掛けていただくこと、能わぬことは覚悟。せめてそのお顔だけでも、との思いが関ケ原へと続く東海道を西へとひた走らせている。
見えた!
そう思った時、左手南宮山の山際の斜面から2人の男が飛び出してきた。
「お侍さん。そう急いで何処へ行きなさる。今日はこの先で猪と熊が争うことになって居るそうで。巻き込まれないうちにお帰りになることが宜しいかと思いますぜ」
一人は樵の様な成りをして、もう一人は農民らしい。
だがこの様に姿を現すとは……怪しい奴じゃ。
いつでも太刀を抜けるように鯉口を切り、身構えつつ問うた。
「その方ら。この先に何方かご大身がいらっしゃるであろう。もしその方、大胡政賢殿であったなら、こう伝えてくれ。是非とも戦の神髄をご伝授して頂きたく馳せ参じた者が居ると」
2人は、ちらと視線で合図を送り合い、農民の姿をした方が西へと向かっていった。私は残った樵に話しかけた。
「その熊と猪とは誰のことじゃ? 人の様を現した隠語か?」
樵は少し驚いた風を見せて、こう言った。
「一方は内心びくびくしているが虚勢を張る者。
もう一方は誰にも止められない真っ直ぐな者」
誰のことを例えているのか、私には想像すらできなかった。
その様な会話の後、暫しの沈黙の時を経てから、先の農民が武士を連れて帰ってきた。
「何方ですかな?
某、上野国大胡家家臣宮川武蔵と申す。
お名前と御用を承りに来ました」
やはり大胡様が来られている! 私は焦りから少々大声で名乗りを上げた。
「某は美濃大野郡大御堂城城主岩手重元が長男、岩手重虎と申す。
名高き大胡政賢様に戦とは何かをご教示して頂きたく罷り越しました。何卒宜しくお諮りくださいます様、平にお願いし申す」
私は武士に有るまじき礼をするのもお構いなしに、その場に土下座しそうになる程、深く首を垂れた。
◇ ◇ ◇ ◇
同日同刻
十九女池南西
岩手重虎
「今は人を待っている故、四半刻も話せんぞ。
殿は人に会うのが何よりもお好きな方。それでも長くは話せぬ。勿体を付けるようで悪いが先を急ぐ旅故、此処で日が暮れるのは困る。
其方は地元の武士と聞くが、この辺りの地形に詳しいのか? 後で垂水の宿からの道を教えてくれる事を条件に、会見をして下さると仰っている」
目の前に近寄ってきた黒衣の僧が許可を出す。
有難い!
そのような条件で50万石の大大名に、この一介の国衆の息子が面会できるとは。
「あ~、智円のあにさん。なにその言い方。もちっとお気楽に言えないかなぁ。
まだまだ固いねぇ。だいぶ良くなったんだけどね」
陣幕の中から若い声がした。
その口調からか、まるで幼い童のような声だ。私はその声のする方へ誘われて、膝をついた。
「で、重虎くんだっけ?
今、斎藤家は、道三ちゃんとその息子ちゃんが争っているんだよね。
君のお家はどっち側についているのん?」
この様子からするとこの方が政賢様か?
御歳21と聞くが、小兵な上に顔が幼い。
話し方も5つか6つの童に聞こえる。
戸惑っている私に気付いたのか、政賢様( ? )が名乗りを上げた。
「ああ、御免ちゃい。名乗っていなかったね。
ではっ!
某、西上野及び北武蔵を支配する大胡家の主。
大胡左中弁倉之助政賢と申す。以後見知り置け!」
政賢様は、左足を前へ踏み出し、半身となり左手を脇差に掛けて私を見据え、名乗りを上げた。
……らしいのだが、踏み出した先に尖った小石があったようで、
それを踏んで
「痛い痛い!」と跳ね回っている。
本当にこの方が泣く子も恐れる今孔明、いや八幡太郎の生まれ変わりと言われる方か??
「仕切り直し~。戦の神髄を聞きたいとか?」
再び床几に腰を下ろし、政賢様は私に問いかけた。
「は。某、若輩者ですが何れは戦を極めたいとの願望がござりまする。
しかし、兵書では窺い知れぬ戦の在り様。
そしてその場においての差配、ぜひとも知りたく。
ここ関ケ原をあの大胡政賢様がお通りになると聞き、居ても立ってもおられず罷り越しました」
政賢様は、ウンウンと首を縦に振りつつ聞いてくださった。
「え~と。
じゃあ聞くけど、どうして僕なの?
ほかにも色々いるじゃん。
越後の龍(断酒中)とか、
甲斐の虎(満身創痍)とか、
美濃の蝮(陰キャ中)とか。
ああそっか、会うのに一番敷居が低そうなのが僕?」
「滅相もない! 某は【政賢という武将】にお会いしたく憧れておりました」
うへぇ、という言葉と共に問いが続いた。
「僕がいいねぇ……
その心は?」
私はここぞとばかりに存念を主張した。
「これから戦が変わります。いえ、火器を用いて政賢様が変えました! 今後の戦についてはその方にしか聞けませぬ! だからこれが千載一遇の機会!! 何卒、この先の戦の神髄をお示しいただきたく!!」
我ながら勇みすぎだ。
周りからは末成りだとか、女子のようだと言われ続けた私だが、ここで千載一遇の好機を逃しては生涯悔やむことになろう。
心が勇むのを抑えることはできない。
「おっ。そう見たか。それは良いところに目を付けたね。
でも、僕が重点に置いているとこはそこじゃあないんだよね。鉄砲や大筒は派手だけど、今のところ継戦能力がないんだ。軍の底力って何だと思う?」
継戦能力?
初めて聞く言葉……
多分
「戦を続ける力」
私はそう捉えて答えた。
「兵の士気。それと武将死亡の際の指揮継承、命令の確実な伝達。……それしか今は思い浮かびませぬ。
!!
それと水兵糧、矢・盾、秣(馬の食事)。これが無ければ戦い続けられませぬ」
ニコニコ聞いていた政賢様が急に眼を見開いて笑い、私を見た。まるで玩具を見つけた童のような表情。
「いいねぇいいねぇ。
それらの補給が出来なければ敵は撤退しなければならないよね。ついでにそこに銭を付け足すといいよね。銭無いと雑兵逃げていくし。現地でいろいろ調達できない。
じゃあ次ね。ここ関ケ原はどのような意味があるでしょ~か?」
関ケ原。
ここについては幼き頃より兵書を読み、もしここで戦うならと夢見ていた。
その事をお話しした。
壬申の乱から始まり魏呉蜀の時代の関について迄を例を引き合いに出し、様々な状態で、この不破の関、東山道、伊勢街道の交わる地が敵味方による争奪戦となる地であることを説明した。
政賢様は益々身を乗り出し私の方を見てから、次の質問をしてきた。
ああ、なんと言う幸せ!
このような話ができる相手が今の私の周りにはいない。
「では、ここから見る関ケ原で大軍を率いて戦うとしたら、東西どっちが有利?
兵数は双方10万。まずは本陣を何処に置いたらいいか、その理由、有利性を言ってみよ~」
気が付くと、先ほどの智円という黒衣の側近が、約束の刻限が来たことを告げていた。
「重虎くん、楽しかったかい?
僕はとっても楽しかった~。
また話せるといいね。そういえば聞いてなかったけど、君のお家は道三君派? それとも息子の義龍ちゃん派?
結構重要な問いよ?」
私は父が道三様に忠節を尽くす国衆だと申し上げた。すると政賢様は額に手を当てて、「あちゃ~」と言いながら天を仰いだ。
「じゃあね。もし何かあったら大胡へおいで。そんなに僕が気に入ったのなら来てほしいけどね。跡継ぎだから今は出奔などできないだろうから、お家に何かがあったら僕を頼ってね。
政影くん、いつもの名刺書いて渡してね。名刺、この木の札ね。これを大胡領のどこかのお城や役所に出せば、僕のとこに連れてきてもらえるから渡しておくね。
直通で案内されると思う。
で、君の名は。
正式になんて書けばいい?」
私は感激して改めて氏素性を名乗った。
「某、美濃大野郡大御堂城城主、岩手重元が一子、岩手重虎。
来年には正式に元服の予定にて、その際には重治と名乗るかと思いまする。また、本来の苗字は竹中、名を半兵衛。
天文13年生まれ。今年で12。
お伺いする際には多分、竹中半兵衛重治と名乗るかと思いまする」
政賢様は、私の名乗りを聞くと器用にも床几から落ちるような姿勢で飛び跳ね、私の前に着地された。
そして私の顔を改めてのぞき込み、
「熱血してたからわかんなかった! ウルトラレアカード引いちゃったぁ~~! ガチャ神を遥拝!!!!」
と叫ばれた。
美濃国不破郡南宮神社西半里
岩手重虎(?)
気が焦り、足元が覚束ない。
もう直ぐのはずだ。
南宮神社で執り行われた新たな金堀がうまくいくよう祈願、絵馬の奉納を我が岩手一族が一色(斉藤)様の名代として執り行った。
私も若輩ながらも参列し美濃の繁栄を祈願した。
その奉納祈願が終わった際、宮司様から
「あの大胡左中弁様がすぐそこ、垂井の向こう関ケ原の十九女池付近でお休みになっている」
という噂を聞いた。
居ても立ってもいられなかった。
あの政賢様だ。
齢8歳にして血筋の絶えた国衆を襲名、その後大胡を大発展させ北条と対戦5度。絶対的不利な状況下での戦を全て勝ち続け、遂には北条氏を弱小勢力までに追い込んだという。その巧みな内政により領民に慕われると共に、敵方から竜虎の如く恐れられている戦上手。
何としても、その戦の神髄をお聞かせいただきたい。このような若輩者にお声を掛けていただくこと、能わぬことは覚悟。せめてそのお顔だけでも、との思いが関ケ原へと続く東海道を西へとひた走らせている。
見えた!
そう思った時、左手南宮山の山際の斜面から2人の男が飛び出してきた。
「お侍さん。そう急いで何処へ行きなさる。今日はこの先で猪と熊が争うことになって居るそうで。巻き込まれないうちにお帰りになることが宜しいかと思いますぜ」
一人は樵の様な成りをして、もう一人は農民らしい。
だがこの様に姿を現すとは……怪しい奴じゃ。
いつでも太刀を抜けるように鯉口を切り、身構えつつ問うた。
「その方ら。この先に何方かご大身がいらっしゃるであろう。もしその方、大胡政賢殿であったなら、こう伝えてくれ。是非とも戦の神髄をご伝授して頂きたく馳せ参じた者が居ると」
2人は、ちらと視線で合図を送り合い、農民の姿をした方が西へと向かっていった。私は残った樵に話しかけた。
「その熊と猪とは誰のことじゃ? 人の様を現した隠語か?」
樵は少し驚いた風を見せて、こう言った。
「一方は内心びくびくしているが虚勢を張る者。
もう一方は誰にも止められない真っ直ぐな者」
誰のことを例えているのか、私には想像すらできなかった。
その様な会話の後、暫しの沈黙の時を経てから、先の農民が武士を連れて帰ってきた。
「何方ですかな?
某、上野国大胡家家臣宮川武蔵と申す。
お名前と御用を承りに来ました」
やはり大胡様が来られている! 私は焦りから少々大声で名乗りを上げた。
「某は美濃大野郡大御堂城城主岩手重元が長男、岩手重虎と申す。
名高き大胡政賢様に戦とは何かをご教示して頂きたく罷り越しました。何卒宜しくお諮りくださいます様、平にお願いし申す」
私は武士に有るまじき礼をするのもお構いなしに、その場に土下座しそうになる程、深く首を垂れた。
◇ ◇ ◇ ◇
同日同刻
十九女池南西
岩手重虎
「今は人を待っている故、四半刻も話せんぞ。
殿は人に会うのが何よりもお好きな方。それでも長くは話せぬ。勿体を付けるようで悪いが先を急ぐ旅故、此処で日が暮れるのは困る。
其方は地元の武士と聞くが、この辺りの地形に詳しいのか? 後で垂水の宿からの道を教えてくれる事を条件に、会見をして下さると仰っている」
目の前に近寄ってきた黒衣の僧が許可を出す。
有難い!
そのような条件で50万石の大大名に、この一介の国衆の息子が面会できるとは。
「あ~、智円のあにさん。なにその言い方。もちっとお気楽に言えないかなぁ。
まだまだ固いねぇ。だいぶ良くなったんだけどね」
陣幕の中から若い声がした。
その口調からか、まるで幼い童のような声だ。私はその声のする方へ誘われて、膝をついた。
「で、重虎くんだっけ?
今、斎藤家は、道三ちゃんとその息子ちゃんが争っているんだよね。
君のお家はどっち側についているのん?」
この様子からするとこの方が政賢様か?
御歳21と聞くが、小兵な上に顔が幼い。
話し方も5つか6つの童に聞こえる。
戸惑っている私に気付いたのか、政賢様( ? )が名乗りを上げた。
「ああ、御免ちゃい。名乗っていなかったね。
ではっ!
某、西上野及び北武蔵を支配する大胡家の主。
大胡左中弁倉之助政賢と申す。以後見知り置け!」
政賢様は、左足を前へ踏み出し、半身となり左手を脇差に掛けて私を見据え、名乗りを上げた。
……らしいのだが、踏み出した先に尖った小石があったようで、
それを踏んで
「痛い痛い!」と跳ね回っている。
本当にこの方が泣く子も恐れる今孔明、いや八幡太郎の生まれ変わりと言われる方か??
「仕切り直し~。戦の神髄を聞きたいとか?」
再び床几に腰を下ろし、政賢様は私に問いかけた。
「は。某、若輩者ですが何れは戦を極めたいとの願望がござりまする。
しかし、兵書では窺い知れぬ戦の在り様。
そしてその場においての差配、ぜひとも知りたく。
ここ関ケ原をあの大胡政賢様がお通りになると聞き、居ても立ってもおられず罷り越しました」
政賢様は、ウンウンと首を縦に振りつつ聞いてくださった。
「え~と。
じゃあ聞くけど、どうして僕なの?
ほかにも色々いるじゃん。
越後の龍(断酒中)とか、
甲斐の虎(満身創痍)とか、
美濃の蝮(陰キャ中)とか。
ああそっか、会うのに一番敷居が低そうなのが僕?」
「滅相もない! 某は【政賢という武将】にお会いしたく憧れておりました」
うへぇ、という言葉と共に問いが続いた。
「僕がいいねぇ……
その心は?」
私はここぞとばかりに存念を主張した。
「これから戦が変わります。いえ、火器を用いて政賢様が変えました! 今後の戦についてはその方にしか聞けませぬ! だからこれが千載一遇の機会!! 何卒、この先の戦の神髄をお示しいただきたく!!」
我ながら勇みすぎだ。
周りからは末成りだとか、女子のようだと言われ続けた私だが、ここで千載一遇の好機を逃しては生涯悔やむことになろう。
心が勇むのを抑えることはできない。
「おっ。そう見たか。それは良いところに目を付けたね。
でも、僕が重点に置いているとこはそこじゃあないんだよね。鉄砲や大筒は派手だけど、今のところ継戦能力がないんだ。軍の底力って何だと思う?」
継戦能力?
初めて聞く言葉……
多分
「戦を続ける力」
私はそう捉えて答えた。
「兵の士気。それと武将死亡の際の指揮継承、命令の確実な伝達。……それしか今は思い浮かびませぬ。
!!
それと水兵糧、矢・盾、秣(馬の食事)。これが無ければ戦い続けられませぬ」
ニコニコ聞いていた政賢様が急に眼を見開いて笑い、私を見た。まるで玩具を見つけた童のような表情。
「いいねぇいいねぇ。
それらの補給が出来なければ敵は撤退しなければならないよね。ついでにそこに銭を付け足すといいよね。銭無いと雑兵逃げていくし。現地でいろいろ調達できない。
じゃあ次ね。ここ関ケ原はどのような意味があるでしょ~か?」
関ケ原。
ここについては幼き頃より兵書を読み、もしここで戦うならと夢見ていた。
その事をお話しした。
壬申の乱から始まり魏呉蜀の時代の関について迄を例を引き合いに出し、様々な状態で、この不破の関、東山道、伊勢街道の交わる地が敵味方による争奪戦となる地であることを説明した。
政賢様は益々身を乗り出し私の方を見てから、次の質問をしてきた。
ああ、なんと言う幸せ!
このような話ができる相手が今の私の周りにはいない。
「では、ここから見る関ケ原で大軍を率いて戦うとしたら、東西どっちが有利?
兵数は双方10万。まずは本陣を何処に置いたらいいか、その理由、有利性を言ってみよ~」
気が付くと、先ほどの智円という黒衣の側近が、約束の刻限が来たことを告げていた。
「重虎くん、楽しかったかい?
僕はとっても楽しかった~。
また話せるといいね。そういえば聞いてなかったけど、君のお家は道三君派? それとも息子の義龍ちゃん派?
結構重要な問いよ?」
私は父が道三様に忠節を尽くす国衆だと申し上げた。すると政賢様は額に手を当てて、「あちゃ~」と言いながら天を仰いだ。
「じゃあね。もし何かあったら大胡へおいで。そんなに僕が気に入ったのなら来てほしいけどね。跡継ぎだから今は出奔などできないだろうから、お家に何かがあったら僕を頼ってね。
政影くん、いつもの名刺書いて渡してね。名刺、この木の札ね。これを大胡領のどこかのお城や役所に出せば、僕のとこに連れてきてもらえるから渡しておくね。
直通で案内されると思う。
で、君の名は。
正式になんて書けばいい?」
私は感激して改めて氏素性を名乗った。
「某、美濃大野郡大御堂城城主、岩手重元が一子、岩手重虎。
来年には正式に元服の予定にて、その際には重治と名乗るかと思いまする。また、本来の苗字は竹中、名を半兵衛。
天文13年生まれ。今年で12。
お伺いする際には多分、竹中半兵衛重治と名乗るかと思いまする」
政賢様は、私の名乗りを聞くと器用にも床几から落ちるような姿勢で飛び跳ね、私の前に着地された。
そして私の顔を改めてのぞき込み、
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しかし、マティアスは日本での記憶を持った一般人に過ぎなかった。彼は情報分析とプレゼンテーション能力こそ、この世界の人間より優れていたものの、軍事に関する知識は小説や映画などから得たレベルのものしか持っていなかった。
更に彼は生まれつき身体が弱く、武術も魔導の才もないというハンディキャップを抱えていた。また、日本で得た知識を使った技術革新も、世界を崩壊させる危険な技術として封じられてしまう。
彼の代名詞である“微笑み”も単に苦し紛れの策に対する苦笑に過ぎなかった。
マティアスは愛する家族や仲間を守るため、大賢者とその配下の凄腕間者集団の力を借りつつ、優秀な友人たちと力を合わせて強大な敵と戦うことを決意する。
彼は情報の重要性を誰よりも重視し、巧みに情報を利用した謀略で敵を混乱させ、更に戦場では敵の意表を突く戦術を駆使して勝利に貢献していく……。
■■■
あらすじにある通り、主人公にあるのは日本で得た中途半端な知識のみで、チートに類する卓越した能力はありません。基本的には政略・謀略・軍略といったシリアスな話が主となる予定で、恋愛要素は少なめ、ハーレム要素はもちろんありません。前半は裏方に徹して情報収集や情報操作を行うため、主人公が出てくる戦闘シーンはほとんどありません。
■■■
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