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幕間13
これまでのあらすじ13
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遂に北条との最終決戦の幕が上がる。
北条氏康は兵を二手に分けた。
某、スペースオペラの大作「銀〇伝」でのランテマリオ星域会戦と同じく、双頭の蛇作戦だ。
氏康は起伏の多く植生が機動に不利な上野で小回りが利くように12000の本隊を指揮して、政賢の祖父が籠る堅城厩橋城近くで大河利根川を渡河。
その後大胡へ攻め上る。
それに対して、川幅は広いが河船が使える那波城南の八斗島の渡しを使って、10000の大軍を持って那波城を囲む。
そのどちらへ大胡の本隊が来ても、挟み撃ちできる態勢だ。
厩橋城北の渡河地点は大胡が堅陣を作ったが、氏康の用意した飛砲(カタパルト)で瓦解。
大胡は後方へ撤退。
遅滞運動をしながら、本来の決戦場へ敵を導く。
その一方、長綱率いる10000の別動隊は、風魔の裏切りにより城への強襲を掛けざるを得なくなった。
その結果が、大口径カロネード砲の一斉射撃の大虐殺を引き起こした。
それを知らぬまま、氏康は決戦に赴く。
大胡の各地では、この大胡での幸せな生活を壊しに来る北条への憎しみが燃え上がる。予備役が後備兵として大量に配備され、もしもの時は徹底抗戦をする体制となっていた。
それでなくとも、既に大胡の常備兵は7000を超えるまでになっていた。
その内のたった2200で決戦に赴く政賢。
野戦築城に自信があったのだ。
それを支える火力も凄まじい威力を発揮するはず……
であったが、上野の空っ風によって鉄砲の有効な射撃が出来なくなっていた。
こうなると長柄での叩き合いとなる。
優勢に押していく大胡勢。
だが政賢は「ただ勝つ」だけでは勝利ではないという。
「北条の息の根を止める」事が目的。
故に、わざと戦術的な後退を指示する。
それが見事な(ギリギリの)タイミングで決まり、大砲の一斉射撃と仕掛けた地雷により北条本隊が潰走。
その退路を遮断するように原虎胤と東雲の騎馬隊が包囲する。
残された退路。
そこへ馬廻りと共に撤退しようとするが鬼美濃に捕捉され、馬廻りは次々と赤い奔流へと向かって征き、果てていく。
それを只々見送るしかない氏康。
その周りを後備兵の一団(農民たち)が囲う。
降伏するのは性に合わぬといって最後の力を振り絞り突撃して、氏康は在地の農民に首を上げられた。
その後幸綱の兵により厩橋城は取り戻され、逃げる場所もなく多くの北条方国衆が討ち取られることとなる。
◇ ◇ ◇ ◇
「内政がっちりの大量動員による兵力で押しつぶす北条のスタイルが崩れると脆いねぇ」
「殿が、先に綱成殿の首を上げたのが成功の要因でございまするな」
「たねちゃん、最近冴えてるね~。
でもね、それが出来たのも北武蔵の政情不安による玉縄衆分断作戦によるんだよ。
送り込める兵が少なくなっちゃうようにしたんだぁ」
「流石は、殿! そこまでお見通しとは!」
(……あとで辻褄があっただけとは決して言えない雰囲気になっちゃった)
北条氏康は兵を二手に分けた。
某、スペースオペラの大作「銀〇伝」でのランテマリオ星域会戦と同じく、双頭の蛇作戦だ。
氏康は起伏の多く植生が機動に不利な上野で小回りが利くように12000の本隊を指揮して、政賢の祖父が籠る堅城厩橋城近くで大河利根川を渡河。
その後大胡へ攻め上る。
それに対して、川幅は広いが河船が使える那波城南の八斗島の渡しを使って、10000の大軍を持って那波城を囲む。
そのどちらへ大胡の本隊が来ても、挟み撃ちできる態勢だ。
厩橋城北の渡河地点は大胡が堅陣を作ったが、氏康の用意した飛砲(カタパルト)で瓦解。
大胡は後方へ撤退。
遅滞運動をしながら、本来の決戦場へ敵を導く。
その一方、長綱率いる10000の別動隊は、風魔の裏切りにより城への強襲を掛けざるを得なくなった。
その結果が、大口径カロネード砲の一斉射撃の大虐殺を引き起こした。
それを知らぬまま、氏康は決戦に赴く。
大胡の各地では、この大胡での幸せな生活を壊しに来る北条への憎しみが燃え上がる。予備役が後備兵として大量に配備され、もしもの時は徹底抗戦をする体制となっていた。
それでなくとも、既に大胡の常備兵は7000を超えるまでになっていた。
その内のたった2200で決戦に赴く政賢。
野戦築城に自信があったのだ。
それを支える火力も凄まじい威力を発揮するはず……
であったが、上野の空っ風によって鉄砲の有効な射撃が出来なくなっていた。
こうなると長柄での叩き合いとなる。
優勢に押していく大胡勢。
だが政賢は「ただ勝つ」だけでは勝利ではないという。
「北条の息の根を止める」事が目的。
故に、わざと戦術的な後退を指示する。
それが見事な(ギリギリの)タイミングで決まり、大砲の一斉射撃と仕掛けた地雷により北条本隊が潰走。
その退路を遮断するように原虎胤と東雲の騎馬隊が包囲する。
残された退路。
そこへ馬廻りと共に撤退しようとするが鬼美濃に捕捉され、馬廻りは次々と赤い奔流へと向かって征き、果てていく。
それを只々見送るしかない氏康。
その周りを後備兵の一団(農民たち)が囲う。
降伏するのは性に合わぬといって最後の力を振り絞り突撃して、氏康は在地の農民に首を上げられた。
その後幸綱の兵により厩橋城は取り戻され、逃げる場所もなく多くの北条方国衆が討ち取られることとなる。
◇ ◇ ◇ ◇
「内政がっちりの大量動員による兵力で押しつぶす北条のスタイルが崩れると脆いねぇ」
「殿が、先に綱成殿の首を上げたのが成功の要因でございまするな」
「たねちゃん、最近冴えてるね~。
でもね、それが出来たのも北武蔵の政情不安による玉縄衆分断作戦によるんだよ。
送り込める兵が少なくなっちゃうようにしたんだぁ」
「流石は、殿! そこまでお見通しとは!」
(……あとで辻褄があっただけとは決して言えない雰囲気になっちゃった)
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