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第13章:氏康君、首もらっちゃうよ♪【北条編佳境】
双頭の蛇
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1553年11月中旬
武蔵国本庄城
北条長綱
(後の幻庵宗哲。氏綱の弟。氏康の叔父)
儂より老いた武将が目の前に居る。
目が窪み、頬がこけておる。
氏康はここ2年で驚くほど痩せた。
ものが食えぬらしい。心の臓が弱っていると徳本が言うておった。
「あと何年生きられる?」
との問いに
「お過ごし方次第」
と言うた。
氏康は
「後2年生き長らえるよう、あらゆる手を尽くしてくれ」
と、
涙を堪えるような声で頼んでおった。
今は強壮剤を処方され、幽鬼のようであるが何とか立っておる。
皆に悟られぬように頬に綿を詰め、白粉を塗っての出陣だ。
その強壮剤の朝鮮人参が大胡産だとはとても伝えられぬ。
「叔父御。那波城攻め、よろしく頼む。
落とさずともよい。囲っているだけでも、回り込んで大胡を突くもよし。
狙いは大胡を惑わすこと、それ以外はすべて任せた。
儂は本隊を率い厩橋より東へ進み、大胡政賢と決戦をする。
そちらへ大胡の本隊は向かわせぬ。もしそちらに兵を集中してきたら、決戦を避けて守りに徹してくれ。
儂が後ろを襲う」
氏康率いる本隊は14000。
儂は兵10000を率いて八斗島を渡り、那波城を攻める。
大胡は情報を操作しているらしい。
石高もそれ以外の収入も判らぬ。ただ常備兵がここ2~3年で急激に増え、4000程度になっていることは確認できている。
信じられぬが8000以上との報告もある。
したがって最低でも2倍の兵力差になるようにしたが……
本当にこれで良いのか?
儂は戦が得手ではない。
本隊をもっと増やすべきではないかと言うたら
「綱成の残した精強な玉縄衆を本隊の中心に据える」
と。
小田原衆の精兵も本陣に置くと言う。
儂の部隊は外様、国衆の寄せ集め。
数合わせじゃな。
10000を超えれば兵の統率も難しい。
移動も自ずと鈍重になる。
よって本隊のうち4000程度は別動隊とすることになる。
この24000が今、北条が動員できる内、里見や佐竹・宇都宮などの境に張り付けている兵6000を除いたすべて。
小田原や江戸からも総浚えしてかき集めた。
もう後が無いのだ。
このまま何もせねば、立ち枯れる前に国衆が離反し、北条は崩壊する。
それならば最後の決戦を!!
ということになった。
だから儂の軍は囮じゃな。
綱成を討ち取った大胡。鉄砲を大量に使うという。
士分の者が殆ど生きて帰って来なんだゆえ確たる話ではないが、300丁くらいの鉄砲を300騎の騎馬隊が使っていたとか。
綱成の地黄八幡を屠るほどの威力がある鉄砲。それ以外にもあるじゃろうし、あれより2年。倍くらいには増えているか?
多ければ1000か。
それでもすごい威力ではないか?
雨に弱いと聞く鉄砲対策として、来年の梅雨時まで待ちたかったが、それまでにどれだけの離反者が出るか?
考えるだけでも空恐ろしい。
それゆえに今年末までの休戦の約定を破ってまで前倒しした戦だ。
「叔父御。もしもの時は氏政たちを頼む。誇りを捨ててでも生き残れ、と。
いつかは春が来る。それまでは泥水を啜ってでも生き延びよ、と」
厳しいの。
氏政はいじけている所もあるが、これから伸び盛りじゃ。
だが、それも兄・氏綱と氏康が作った北条という体制を動かすこと、それは上手く出来るであろうが、新たに何かを作っていくことは出来まい。
勢力の立ち上げが出来るのは、兄者と氏康のような大才のある者だけじゃ。
こうなるとたとえ一国衆、どこかの家臣となっても生き延び、再起の時を待つしかない。
いや、いかぬ。
始まる前からこのような弱気では!
氏康、儂の運まで持って行け!
必ずや大胡を平らげよ。
さすればあの豊かな産業が手に入ろう。
北条も息を吹き返す。
頼んだぞ!!
◇ ◇ ◇ ◇
1553年11月下旬
本庄城北方半里
風魔小太郎
(苦悩する風魔一族の棟梁)
利根川の本流が目の前、北方10町を流れている。
この辺りは台地となっており、向こう岸の北岸よりもやや高い。
南岸近くまで行くと、北がよく見える。しかし那波城までは見通せぬ。よって物見の者を放つが、ほとんど帰って来ぬ。
真田が臣従してからこっち、信州の素ッ破の暗躍が凄まじい。
1年前までは大胡の町まで手の者が入れたが、大胡が吾妻を支配するようになってからというものの、村上配下の素ッ破が合流したのか、活動している人数が更に多くなった。
今では手の者を大胡に入れるのを躊躇う程だ。
此度の戦は起死回生の戦だと言われた。だが5年前の戦では、我が風魔は大損害を食らい撤退した。
良い笑い者よ。
あれから我が手勢はほとんど増えておらぬのに対して、大胡は倍する素ッ破を手に入れている。
得意とする戦働きも、敵の素ッ破の目を盗んでの奇襲急襲はまずもって不可能。 今回は物見と素ッ破狩りに専念することにした。
その物見すらなかなか帰って来ぬ。
10人中1人か2人。
これではお味方が渡河する時、さらには向こう岸での行動も危ぶまれよう。
しかし、このまま物見を出し続ければ風魔一族は壊滅する。
「物見が帰ってきました」
「通せ」
2日前に渡河した物見が、1人帰ってきた。
那波城の南を調べていた者だ。
「申し上げます。大胡の素ッ破が1人。棟梁にお会いしたいと。前方5町の小屋にてお待ちするとのこと」
「お主! 捕まって寝返ったのか!?」
周りの者たちが騒めく。それを手で制し、詳しい話を聞く。
「某が那波城南方にて地を這うように移動していた時、城の方から堂々と先の素ッ破が近づいてきました。名を石堂順蔵、真田素ッ破の頭目と名乗っております」
それが本当ならば、何かを談判しに来たか。
おおよそ見当はつくが……
大胡への寝返りを誘いに来たか。
「一人か?」
「は」
本気じゃな。
会おう。
◇ ◇ ◇ ◇
石堂順蔵
(ダンディな素ッ破の頭目)
「真田素ッ破の頭目、石堂順蔵にござる」
「北条風魔の棟梁、小太郎である」
仇敵となった風魔の棟梁が目の前に居る。
5年前の戦。
こちらにも被害は出たが、風魔の屍は100以上を数えた。
その後も大胡に忍んできた者はほぼ見破り、始末した。
サンカの者と歩き巫女の観察眼と情報網にて容易に炙り出すことが出来た。
わざと泳がすことも首尾よく行えた。
今や風魔の手の者は、わが方400の5分の1にも満たぬであろう。
このまま滅べば風魔は犬死じゃ。
それを察したのか、大胡の大殿が北条の渡河直前まで物見を討ち取り、風魔の配下を減らした上で投降を呼びかけるようにと、真田様を通して御下命された。
それは無理だと断ろうとしたが、真田様が真剣な目で
「風魔の者が哀れではないか? 一つ間違えれば儂らが逆の立場になっておったのだ」
と仰り、この呼びかけを厳命された。
真田には数知れぬ恩義がある。
それは代々の先祖からのものだ。
真田のためなら死ねる。
儂は受けた。
「して、どのようなお話かな?
先に言うておくが、降参はせぬぞ」
小屋の周りには3…4……5人か。目の前には風魔の棟梁、小太郎殿が居る。
儂よりはるかに上背がある。
如何にも強そうじゃ。
だが「目立つ」。
素ッ破の仕事向きではないな。
「その降参。せねば風魔はいかが相成る?」
「知れたこと。北条と共に廃れるわ」
「……それをお望みかな?」
「……風魔の名に懸けて最後までお供する」
答える前に少し返事に間があったな。
交渉の余地ありと見た。
「我が真田の素ッ破は平安の世から、ずっと真田の地で生きてきた。
その間様々な勢力に良いように扱われ、下賤な者と蔑まれてきたが、ただ一つの国衆だけは儂らのことを疎かに扱わず、同族として扱ってくれた。
それが真田殿じゃ。だから一心同体なのじゃが……
風魔もそうなのでござるか?」
小太郎殿は押し黙った。
そして、
「時間の長さだけがすべてではない。
儂らには深い結びつきがある。余所の者には分からぬであろうがな」
「分かりませぬな。
某にはただの御近所付き合いか、奴隷のように扱き使われているようにしか見えませぬ。僅かな報酬を頼りに士分よりも低い身分に貶められ、そこに同じ志がありますのか?」
「では聞くが、お主らにはあるのか?
この殺伐とした世を生きる草の者として生き抜く事以外のものが?
誇りなどと愚かなことは申すなよ!?
そのようなものは儂ら草には要らぬわ!」
いつも冷静であらねばならぬ草の棟梁が何を熱くなっている。
相当堪えているらしいな。
もう使える手の者がほとんどいないか?
詰んでいるのであろう。
それで投げやりになっているか。
「真田様は上田を出て今は大胡の大殿に臣従している。
いや心酔している。
その話をしよう」
儂は本当の大胡の有様と、大殿の深謀遠慮、ありのままを漏らさず話した。
武蔵国本庄城
北条長綱
(後の幻庵宗哲。氏綱の弟。氏康の叔父)
儂より老いた武将が目の前に居る。
目が窪み、頬がこけておる。
氏康はここ2年で驚くほど痩せた。
ものが食えぬらしい。心の臓が弱っていると徳本が言うておった。
「あと何年生きられる?」
との問いに
「お過ごし方次第」
と言うた。
氏康は
「後2年生き長らえるよう、あらゆる手を尽くしてくれ」
と、
涙を堪えるような声で頼んでおった。
今は強壮剤を処方され、幽鬼のようであるが何とか立っておる。
皆に悟られぬように頬に綿を詰め、白粉を塗っての出陣だ。
その強壮剤の朝鮮人参が大胡産だとはとても伝えられぬ。
「叔父御。那波城攻め、よろしく頼む。
落とさずともよい。囲っているだけでも、回り込んで大胡を突くもよし。
狙いは大胡を惑わすこと、それ以外はすべて任せた。
儂は本隊を率い厩橋より東へ進み、大胡政賢と決戦をする。
そちらへ大胡の本隊は向かわせぬ。もしそちらに兵を集中してきたら、決戦を避けて守りに徹してくれ。
儂が後ろを襲う」
氏康率いる本隊は14000。
儂は兵10000を率いて八斗島を渡り、那波城を攻める。
大胡は情報を操作しているらしい。
石高もそれ以外の収入も判らぬ。ただ常備兵がここ2~3年で急激に増え、4000程度になっていることは確認できている。
信じられぬが8000以上との報告もある。
したがって最低でも2倍の兵力差になるようにしたが……
本当にこれで良いのか?
儂は戦が得手ではない。
本隊をもっと増やすべきではないかと言うたら
「綱成の残した精強な玉縄衆を本隊の中心に据える」
と。
小田原衆の精兵も本陣に置くと言う。
儂の部隊は外様、国衆の寄せ集め。
数合わせじゃな。
10000を超えれば兵の統率も難しい。
移動も自ずと鈍重になる。
よって本隊のうち4000程度は別動隊とすることになる。
この24000が今、北条が動員できる内、里見や佐竹・宇都宮などの境に張り付けている兵6000を除いたすべて。
小田原や江戸からも総浚えしてかき集めた。
もう後が無いのだ。
このまま何もせねば、立ち枯れる前に国衆が離反し、北条は崩壊する。
それならば最後の決戦を!!
ということになった。
だから儂の軍は囮じゃな。
綱成を討ち取った大胡。鉄砲を大量に使うという。
士分の者が殆ど生きて帰って来なんだゆえ確たる話ではないが、300丁くらいの鉄砲を300騎の騎馬隊が使っていたとか。
綱成の地黄八幡を屠るほどの威力がある鉄砲。それ以外にもあるじゃろうし、あれより2年。倍くらいには増えているか?
多ければ1000か。
それでもすごい威力ではないか?
雨に弱いと聞く鉄砲対策として、来年の梅雨時まで待ちたかったが、それまでにどれだけの離反者が出るか?
考えるだけでも空恐ろしい。
それゆえに今年末までの休戦の約定を破ってまで前倒しした戦だ。
「叔父御。もしもの時は氏政たちを頼む。誇りを捨ててでも生き残れ、と。
いつかは春が来る。それまでは泥水を啜ってでも生き延びよ、と」
厳しいの。
氏政はいじけている所もあるが、これから伸び盛りじゃ。
だが、それも兄・氏綱と氏康が作った北条という体制を動かすこと、それは上手く出来るであろうが、新たに何かを作っていくことは出来まい。
勢力の立ち上げが出来るのは、兄者と氏康のような大才のある者だけじゃ。
こうなるとたとえ一国衆、どこかの家臣となっても生き延び、再起の時を待つしかない。
いや、いかぬ。
始まる前からこのような弱気では!
氏康、儂の運まで持って行け!
必ずや大胡を平らげよ。
さすればあの豊かな産業が手に入ろう。
北条も息を吹き返す。
頼んだぞ!!
◇ ◇ ◇ ◇
1553年11月下旬
本庄城北方半里
風魔小太郎
(苦悩する風魔一族の棟梁)
利根川の本流が目の前、北方10町を流れている。
この辺りは台地となっており、向こう岸の北岸よりもやや高い。
南岸近くまで行くと、北がよく見える。しかし那波城までは見通せぬ。よって物見の者を放つが、ほとんど帰って来ぬ。
真田が臣従してからこっち、信州の素ッ破の暗躍が凄まじい。
1年前までは大胡の町まで手の者が入れたが、大胡が吾妻を支配するようになってからというものの、村上配下の素ッ破が合流したのか、活動している人数が更に多くなった。
今では手の者を大胡に入れるのを躊躇う程だ。
此度の戦は起死回生の戦だと言われた。だが5年前の戦では、我が風魔は大損害を食らい撤退した。
良い笑い者よ。
あれから我が手勢はほとんど増えておらぬのに対して、大胡は倍する素ッ破を手に入れている。
得意とする戦働きも、敵の素ッ破の目を盗んでの奇襲急襲はまずもって不可能。 今回は物見と素ッ破狩りに専念することにした。
その物見すらなかなか帰って来ぬ。
10人中1人か2人。
これではお味方が渡河する時、さらには向こう岸での行動も危ぶまれよう。
しかし、このまま物見を出し続ければ風魔一族は壊滅する。
「物見が帰ってきました」
「通せ」
2日前に渡河した物見が、1人帰ってきた。
那波城の南を調べていた者だ。
「申し上げます。大胡の素ッ破が1人。棟梁にお会いしたいと。前方5町の小屋にてお待ちするとのこと」
「お主! 捕まって寝返ったのか!?」
周りの者たちが騒めく。それを手で制し、詳しい話を聞く。
「某が那波城南方にて地を這うように移動していた時、城の方から堂々と先の素ッ破が近づいてきました。名を石堂順蔵、真田素ッ破の頭目と名乗っております」
それが本当ならば、何かを談判しに来たか。
おおよそ見当はつくが……
大胡への寝返りを誘いに来たか。
「一人か?」
「は」
本気じゃな。
会おう。
◇ ◇ ◇ ◇
石堂順蔵
(ダンディな素ッ破の頭目)
「真田素ッ破の頭目、石堂順蔵にござる」
「北条風魔の棟梁、小太郎である」
仇敵となった風魔の棟梁が目の前に居る。
5年前の戦。
こちらにも被害は出たが、風魔の屍は100以上を数えた。
その後も大胡に忍んできた者はほぼ見破り、始末した。
サンカの者と歩き巫女の観察眼と情報網にて容易に炙り出すことが出来た。
わざと泳がすことも首尾よく行えた。
今や風魔の手の者は、わが方400の5分の1にも満たぬであろう。
このまま滅べば風魔は犬死じゃ。
それを察したのか、大胡の大殿が北条の渡河直前まで物見を討ち取り、風魔の配下を減らした上で投降を呼びかけるようにと、真田様を通して御下命された。
それは無理だと断ろうとしたが、真田様が真剣な目で
「風魔の者が哀れではないか? 一つ間違えれば儂らが逆の立場になっておったのだ」
と仰り、この呼びかけを厳命された。
真田には数知れぬ恩義がある。
それは代々の先祖からのものだ。
真田のためなら死ねる。
儂は受けた。
「して、どのようなお話かな?
先に言うておくが、降参はせぬぞ」
小屋の周りには3…4……5人か。目の前には風魔の棟梁、小太郎殿が居る。
儂よりはるかに上背がある。
如何にも強そうじゃ。
だが「目立つ」。
素ッ破の仕事向きではないな。
「その降参。せねば風魔はいかが相成る?」
「知れたこと。北条と共に廃れるわ」
「……それをお望みかな?」
「……風魔の名に懸けて最後までお供する」
答える前に少し返事に間があったな。
交渉の余地ありと見た。
「我が真田の素ッ破は平安の世から、ずっと真田の地で生きてきた。
その間様々な勢力に良いように扱われ、下賤な者と蔑まれてきたが、ただ一つの国衆だけは儂らのことを疎かに扱わず、同族として扱ってくれた。
それが真田殿じゃ。だから一心同体なのじゃが……
風魔もそうなのでござるか?」
小太郎殿は押し黙った。
そして、
「時間の長さだけがすべてではない。
儂らには深い結びつきがある。余所の者には分からぬであろうがな」
「分かりませぬな。
某にはただの御近所付き合いか、奴隷のように扱き使われているようにしか見えませぬ。僅かな報酬を頼りに士分よりも低い身分に貶められ、そこに同じ志がありますのか?」
「では聞くが、お主らにはあるのか?
この殺伐とした世を生きる草の者として生き抜く事以外のものが?
誇りなどと愚かなことは申すなよ!?
そのようなものは儂ら草には要らぬわ!」
いつも冷静であらねばならぬ草の棟梁が何を熱くなっている。
相当堪えているらしいな。
もう使える手の者がほとんどいないか?
詰んでいるのであろう。
それで投げやりになっているか。
「真田様は上田を出て今は大胡の大殿に臣従している。
いや心酔している。
その話をしよう」
儂は本当の大胡の有様と、大殿の深謀遠慮、ありのままを漏らさず話した。
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彼の代名詞である“微笑み”も単に苦し紛れの策に対する苦笑に過ぎなかった。
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◆◆◆
元々は私が昔に自作ゲームのシナリオとして考えていたものを文章に起こしたものです。
小説完全初心者ですが、よろしくお願いします。
※なお、この物語に出てくる格闘用語についてはあくまでフィクションです。
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