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第12章:高度成長します!
茶器売らずに火器売ります!
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1553年十月中旬
摂津国堺納屋
長尾景虎
(若気の至りで単純な外交をしてしまう可愛いドラゴン)
「ようこそおいで下さいました。毘沙門天の化身とも謡われる猛将にお会いできること、心待ちにしておりました」
通された茶室の前にて静かに佇んでいた30がらみの、商人にしては落ち着いた感のある男が声を掛けてきた。
今井宗久だ。
ここ数日
「毘沙門天の化身」
「越後の龍」
と称えられると、顔が赤らむのを抑えるのが苦しい。
それもこれも武田晴信と忌々しい鉄砲のせいだ。
だが鉄砲については、この今井宗久に詳しく聞かねばならぬ。
「その噂、返上いたす。鉄砲にしてやられ申した。此度は主に鉄砲について詳しくお伺いしたい」
我ながら単刀直入だ。
だが腹を割った話が儂は好きじゃ。腹の探り合いは好かぬ。また宇佐美の爺に小言を言われるな。
「種子島、今は鉄砲と呼ばれ始めましたな。大分お気になるご様子。先の善光寺平での戦でご興味を持たれたのでしょうか」
「そうである。あれは侮りがたし。全く被害は出なんだが、あれを撃たれると兵が委縮する。馬も音に驚き怯えてしまう。もっと大量にそして訓練された撃ち手が集まれば、戦の様相が変化するであろう」
上洛する途上ずっとそのことを考えていた。
あれは危険だ。
対策を考えねばならぬ。その一助とするため、鉄砲を多く扱っているという納屋に聞きに来た。
「左様でございましたか。
戦の事は存じ上げませぬが、南蛮ではこの鉄砲が多く使われ、大国同士の戦には必要不可欠であると聞き及びまする」
「日ノ本において鉄砲をうまく使い、戦をしている者はおるか? そしてどのように鉄砲を揃えている? その特性を知りたい」
宗久がそれまで点てていた抹茶?を差し出してきて儂の前に置いた。
それを一気に飲み干し、熱いのを堪えて飲み干す。
やはり茶よりも酒の方がいいな。
「大隅の種子島に10年ほど前、南蛮の者が漂着し、在地の領主に売ったものが2丁。それを複製製造したのが1年後。その後1年でここ堺にて量産が始まりました。
そして現在の生産地は、
一つは堺、
一つは近江の国友村、
そして上野の大胡。
確とは分かりませぬが、大胡が一番大量に作っているかと」
大胡が日の本一?
確かに武田でも100丁に満たなかった。それを先の館林の戦いでは大胡は最低300を使っていた。
「大胡以外で鉄砲を大量に装備している大名はいるか?」
「尾張の織田家が500丁は揃えているかと」
織田は今川と事を構えている。
そこでの戦いで使うか?
よく見ておこう。
「聞くところによりますと、景虎様は大胡政賢殿と懇意の仲と聞き及びまする。鉄砲の話はお聞きなさりませんでしたか?」
聞いたのだが、大分酔いが回っておったので確とは覚えておらなんだ。
それが失敗の原因か?
酒が我が戦の結果を左右している。
何とかせねば毘沙門天様に顔向けできぬ。断酒も考えねばならぬ。
……本来の戦よりも厳しい戦いになりそうじゃ。
「大胡様と言えば、最近多くの東国商人と懇意にしていらっしゃるようで。越後の蔵田屋さんにお伺いいたしました。裕福である事、並みの御大名とは比べ物にならぬかもしれませぬ」
なに?
では100万石程度の収入があるのか?
先に会見した時は10万石にも満たなんだが。
「そういえば越後の蔵田屋様と越後上布と生糸などでお世話になっておりまして気になったことが。東国の商人が大分大胡様を気に入っておいでで、米取引に大きな影響を持っている様にござりまする」
鉄砲だけでなく米もか?
大きい。
あの小さな体を見て侮っていたわ。今は政賢殿は関東管領を担いでいる。
だがそれを辞めた時、関東の情勢は一変する。
「景虎様と上杉様の仇敵である北条様は窮地に立たされておりまする。大名として足腰が立たなくなりつつあると見ております。
それに比べ大胡様は……」
大胡大胡とその話ばかりじゃな。
「4年ほど前、朝廷に対して巨額の献金を成されたと都の口さがない者どもが、朝廷を蔑ろにする地方の諸大名を暗に批判する種にしておりまする」
「そんなに多額の献金を行ったのか?」
儂も献金してきたが500貫文だった。その程度が普通だと蔵田屋に言われた。
「それが……10000貫文にて」
!!!
20倍か!!
城が建つではないか。
「なぜ今まで噂が広まらなんだのだ?」
「それが大胡殿は、5年の間は内密にしてほしいと、山科言継様にお願いいたしたそうで。それでも1年前に噂になり始めました。
朝廷の出費が増えましたので」
そこまで秘密にする必要がどこにあるのだ?
「それと同時に、官位を要求されず、家宝として帝の御宸筆のみ頂いたとのもっぱらの噂。その謙虚さが益々評判を呼んでおります」
分からぬ。
官位は要らぬだと?
名を捨て、実を取ったのか。ただ噂だけを手にするためだけに10000貫文を献上したのか。
「帝が何か下賜できぬかと何度も大胡殿に遣いを送ったのですが、遂に政賢殿が欲しいと言ったものがございます」
「それはなんじゃ? 綸旨か?」
「いいえ。銭と申しますか……
紙幣の発行を許可していただきたいと。自分の領地だけで使用するつもりとの条件にて。ですが、これは破られまするな。関東や東国の商人が放ってはおきますまい」
儂にはその意味は理解できなんだが、直観的に危険なものを感じた。
大胡政賢。
一体何を考えておる?
◇ ◇ ◇ ◇
その直後
今井宗久
(茶器売らずに武器売ります!)
越後の龍か。
戦場では噂に違わぬ上手を見せるのであろうが、善光寺平では落馬する醜態を見せたという。
しかし、それをそのままにしておかぬ向上心がある。鉄砲の事を頻りと聞いてきた。もし大胡との仲が本当ならば、そちらから大量に買い付けるやもしれません。
甲斐の坂田屋さんと肩を並べる御用商人の座を頂く代わりに、武田様への安価な鉄砲の売り込みがこのような結果を招こうとは。
これで大胡様は我が納屋と微妙な関係となってしまいました。
長尾様は武田様に対抗して、鉄砲の買い付けを大胡様に頼むのか?
だが、そう上手く行くとも思えません。
大胡政賢という御仁。相当な強か者と私には見えます。
既に蔵田屋さんと会津の梁田屋さんを始め、東国の名だたる商人は大胡様と連携していると見てよいでしょう。
東国へ人を入れようにも行商人すら大胡の言いなり。殆どの廻船問屋にも手が回っていると見て良いであろう。旅人として人を入れれば、情報が全くまちまちで全貌が見えてきません。
ただ、厩橋と大胡で大きな商いが行われている証拠が沢山出ている。殊に米相場がそこで決まっているのでは、という証拠は数限りない。このままでは堺を始め、西国の商人が対抗できず食われていくでしょう。
そんな時、大胡と関係の深い長尾様が参られた。
私はこの方に大胡の危険性を示唆し、できれば仲違い、大胡の勢力を少しでも削れればと思い、色々と支援を申し出た。
矢銭5000貫文
鉄砲300丁
その煙硝の継続的な供給
これは武田様に支援しているよりも遥かに多い。
これを蔵田屋さんがどう見るか。
いつかは直接、蔵田屋さんと大胡様との話し合いを持たねばならぬが、それまでに今の劣勢を少しでも挽回せねばいけません。
北条様はもう瓦解寸前。
これを周りの勢力が食いつくすことになろう。
その時、大胡様はどうするか?
武田と長尾は?
両者には争ってもらっては困る。大胡をけん制しなければ版図をますます拡大するでしょう。
しかし、本当に大胡と全面対決でいいのか?
そう思う時もある。
私や堺の命運がかかっている。
博多の神屋さん、播磨の小西さんなどとも話し合い、今後の指針を決めねばなりません。
それまでは極秘裏に事を……
武田・長尾への鉄砲の大量供給は、あからさますぎであった。
私としたことが迂闊であったか。
景虎様にお会いして人相を見てから決めようと思っていたが、その天性の武将らしさを目の前にし、目を曇らされたか?
戦上手な武田様と合力しての上野への出兵をしていただけるよう、強くお願いすることも考えねばならぬ。
益々の援助をせねば。
北条様の窮状を作り出したのは、まずは大胡様に間違いない。
そして今度は直接対決となる。
今後の天下を左右する戦になるやもしれませんね。
摂津国堺納屋
長尾景虎
(若気の至りで単純な外交をしてしまう可愛いドラゴン)
「ようこそおいで下さいました。毘沙門天の化身とも謡われる猛将にお会いできること、心待ちにしておりました」
通された茶室の前にて静かに佇んでいた30がらみの、商人にしては落ち着いた感のある男が声を掛けてきた。
今井宗久だ。
ここ数日
「毘沙門天の化身」
「越後の龍」
と称えられると、顔が赤らむのを抑えるのが苦しい。
それもこれも武田晴信と忌々しい鉄砲のせいだ。
だが鉄砲については、この今井宗久に詳しく聞かねばならぬ。
「その噂、返上いたす。鉄砲にしてやられ申した。此度は主に鉄砲について詳しくお伺いしたい」
我ながら単刀直入だ。
だが腹を割った話が儂は好きじゃ。腹の探り合いは好かぬ。また宇佐美の爺に小言を言われるな。
「種子島、今は鉄砲と呼ばれ始めましたな。大分お気になるご様子。先の善光寺平での戦でご興味を持たれたのでしょうか」
「そうである。あれは侮りがたし。全く被害は出なんだが、あれを撃たれると兵が委縮する。馬も音に驚き怯えてしまう。もっと大量にそして訓練された撃ち手が集まれば、戦の様相が変化するであろう」
上洛する途上ずっとそのことを考えていた。
あれは危険だ。
対策を考えねばならぬ。その一助とするため、鉄砲を多く扱っているという納屋に聞きに来た。
「左様でございましたか。
戦の事は存じ上げませぬが、南蛮ではこの鉄砲が多く使われ、大国同士の戦には必要不可欠であると聞き及びまする」
「日ノ本において鉄砲をうまく使い、戦をしている者はおるか? そしてどのように鉄砲を揃えている? その特性を知りたい」
宗久がそれまで点てていた抹茶?を差し出してきて儂の前に置いた。
それを一気に飲み干し、熱いのを堪えて飲み干す。
やはり茶よりも酒の方がいいな。
「大隅の種子島に10年ほど前、南蛮の者が漂着し、在地の領主に売ったものが2丁。それを複製製造したのが1年後。その後1年でここ堺にて量産が始まりました。
そして現在の生産地は、
一つは堺、
一つは近江の国友村、
そして上野の大胡。
確とは分かりませぬが、大胡が一番大量に作っているかと」
大胡が日の本一?
確かに武田でも100丁に満たなかった。それを先の館林の戦いでは大胡は最低300を使っていた。
「大胡以外で鉄砲を大量に装備している大名はいるか?」
「尾張の織田家が500丁は揃えているかと」
織田は今川と事を構えている。
そこでの戦いで使うか?
よく見ておこう。
「聞くところによりますと、景虎様は大胡政賢殿と懇意の仲と聞き及びまする。鉄砲の話はお聞きなさりませんでしたか?」
聞いたのだが、大分酔いが回っておったので確とは覚えておらなんだ。
それが失敗の原因か?
酒が我が戦の結果を左右している。
何とかせねば毘沙門天様に顔向けできぬ。断酒も考えねばならぬ。
……本来の戦よりも厳しい戦いになりそうじゃ。
「大胡様と言えば、最近多くの東国商人と懇意にしていらっしゃるようで。越後の蔵田屋さんにお伺いいたしました。裕福である事、並みの御大名とは比べ物にならぬかもしれませぬ」
なに?
では100万石程度の収入があるのか?
先に会見した時は10万石にも満たなんだが。
「そういえば越後の蔵田屋様と越後上布と生糸などでお世話になっておりまして気になったことが。東国の商人が大分大胡様を気に入っておいでで、米取引に大きな影響を持っている様にござりまする」
鉄砲だけでなく米もか?
大きい。
あの小さな体を見て侮っていたわ。今は政賢殿は関東管領を担いでいる。
だがそれを辞めた時、関東の情勢は一変する。
「景虎様と上杉様の仇敵である北条様は窮地に立たされておりまする。大名として足腰が立たなくなりつつあると見ております。
それに比べ大胡様は……」
大胡大胡とその話ばかりじゃな。
「4年ほど前、朝廷に対して巨額の献金を成されたと都の口さがない者どもが、朝廷を蔑ろにする地方の諸大名を暗に批判する種にしておりまする」
「そんなに多額の献金を行ったのか?」
儂も献金してきたが500貫文だった。その程度が普通だと蔵田屋に言われた。
「それが……10000貫文にて」
!!!
20倍か!!
城が建つではないか。
「なぜ今まで噂が広まらなんだのだ?」
「それが大胡殿は、5年の間は内密にしてほしいと、山科言継様にお願いいたしたそうで。それでも1年前に噂になり始めました。
朝廷の出費が増えましたので」
そこまで秘密にする必要がどこにあるのだ?
「それと同時に、官位を要求されず、家宝として帝の御宸筆のみ頂いたとのもっぱらの噂。その謙虚さが益々評判を呼んでおります」
分からぬ。
官位は要らぬだと?
名を捨て、実を取ったのか。ただ噂だけを手にするためだけに10000貫文を献上したのか。
「帝が何か下賜できぬかと何度も大胡殿に遣いを送ったのですが、遂に政賢殿が欲しいと言ったものがございます」
「それはなんじゃ? 綸旨か?」
「いいえ。銭と申しますか……
紙幣の発行を許可していただきたいと。自分の領地だけで使用するつもりとの条件にて。ですが、これは破られまするな。関東や東国の商人が放ってはおきますまい」
儂にはその意味は理解できなんだが、直観的に危険なものを感じた。
大胡政賢。
一体何を考えておる?
◇ ◇ ◇ ◇
その直後
今井宗久
(茶器売らずに武器売ります!)
越後の龍か。
戦場では噂に違わぬ上手を見せるのであろうが、善光寺平では落馬する醜態を見せたという。
しかし、それをそのままにしておかぬ向上心がある。鉄砲の事を頻りと聞いてきた。もし大胡との仲が本当ならば、そちらから大量に買い付けるやもしれません。
甲斐の坂田屋さんと肩を並べる御用商人の座を頂く代わりに、武田様への安価な鉄砲の売り込みがこのような結果を招こうとは。
これで大胡様は我が納屋と微妙な関係となってしまいました。
長尾様は武田様に対抗して、鉄砲の買い付けを大胡様に頼むのか?
だが、そう上手く行くとも思えません。
大胡政賢という御仁。相当な強か者と私には見えます。
既に蔵田屋さんと会津の梁田屋さんを始め、東国の名だたる商人は大胡様と連携していると見てよいでしょう。
東国へ人を入れようにも行商人すら大胡の言いなり。殆どの廻船問屋にも手が回っていると見て良いであろう。旅人として人を入れれば、情報が全くまちまちで全貌が見えてきません。
ただ、厩橋と大胡で大きな商いが行われている証拠が沢山出ている。殊に米相場がそこで決まっているのでは、という証拠は数限りない。このままでは堺を始め、西国の商人が対抗できず食われていくでしょう。
そんな時、大胡と関係の深い長尾様が参られた。
私はこの方に大胡の危険性を示唆し、できれば仲違い、大胡の勢力を少しでも削れればと思い、色々と支援を申し出た。
矢銭5000貫文
鉄砲300丁
その煙硝の継続的な供給
これは武田様に支援しているよりも遥かに多い。
これを蔵田屋さんがどう見るか。
いつかは直接、蔵田屋さんと大胡様との話し合いを持たねばならぬが、それまでに今の劣勢を少しでも挽回せねばいけません。
北条様はもう瓦解寸前。
これを周りの勢力が食いつくすことになろう。
その時、大胡様はどうするか?
武田と長尾は?
両者には争ってもらっては困る。大胡をけん制しなければ版図をますます拡大するでしょう。
しかし、本当に大胡と全面対決でいいのか?
そう思う時もある。
私や堺の命運がかかっている。
博多の神屋さん、播磨の小西さんなどとも話し合い、今後の指針を決めねばなりません。
それまでは極秘裏に事を……
武田・長尾への鉄砲の大量供給は、あからさますぎであった。
私としたことが迂闊であったか。
景虎様にお会いして人相を見てから決めようと思っていたが、その天性の武将らしさを目の前にし、目を曇らされたか?
戦上手な武田様と合力しての上野への出兵をしていただけるよう、強くお願いすることも考えねばならぬ。
益々の援助をせねば。
北条様の窮状を作り出したのは、まずは大胡様に間違いない。
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更に彼は生まれつき身体が弱く、武術も魔導の才もないというハンディキャップを抱えていた。また、日本で得た知識を使った技術革新も、世界を崩壊させる危険な技術として封じられてしまう。
彼の代名詞である“微笑み”も単に苦し紛れの策に対する苦笑に過ぎなかった。
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彼は情報の重要性を誰よりも重視し、巧みに情報を利用した謀略で敵を混乱させ、更に戦場では敵の意表を突く戦術を駆使して勝利に貢献していく……。
■■■
あらすじにある通り、主人公にあるのは日本で得た中途半端な知識のみで、チートに類する卓越した能力はありません。基本的には政略・謀略・軍略といったシリアスな話が主となる予定で、恋愛要素は少なめ、ハーレム要素はもちろんありません。前半は裏方に徹して情報収集や情報操作を行うため、主人公が出てくる戦闘シーンはほとんどありません。
■■■
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