92 / 339
第11章:逆転だぁ!
ドラゴン襲来
しおりを挟む
1552年1月上旬
上野国緑埜郡平井金山城(現藤岡市南部)
温井孝昌
(古参の憲政直臣)
「後詰はまだか!?
越後は?
足利は??
白井はどうじゃ!!??」
今日も関東管領様は吠えていらっしゃる。側近としてお仕えして、はや10有余年。戦場でもお傍に侍り護衛をしておったが、このところ益々癇癪が酷くなっておられる。
酒量も増え、ほぼ毎日日中も常時酔っ払っておられる。
「残念ながら。
関東管領様。そろそろここ平井を退転する際の御動座先を決めねばなりませぬ。某が考えますに白井長尾か足利長尾が……」
がつっ。
管領様が投げつけてきた盃が儂の額に当たった。額から流れてきた液体は酒ではなく血の味がする。黙って畳に転がっている盃を拾う。
そこへ火急の知らせ。
「上様! 御岳城が落ちましてござります!!
それを聞いた倉賀野16騎が、すべて北条方に寝返りましてございます!
北条勢は余勢を駆って鬼石方面より北上中!
さらに安中と小幡が西から進軍を始めました!!」
これはもういかぬ。
儂は最後の進言をした。
「関東管領様。
もう退転しかございませぬ。
それとも北条へ投降いたしまするか?
退転先は白井(沼田南)長尾がよろしいかと。
吾妻川と利根川が要害となっており、北条を寄せ付けますまい。
あとは大胡が……」
「ええい!
大胡は嫌じゃ。
絶対に行かぬ。
白井に行くぞ!
供をいたせ!
旗本にもそう伝えよ!」
「それが旗本のほとんどが既に退散しておりまする。お供できる者は50名いるかどうか」
儂もその50名には入らぬ。手土産を持って北条へ行くか。怒り狂っている馬鹿殿を尻目に「若殿」の部屋に赴く。
温井孝昌。上杉家の世継ぎ龍若丸を連れ、北条方に寝返る。龍若丸の消息は今のところ不明。
上杉憲当。
北上野の白井長尾家に身を寄せる。
◇ ◇ ◇ ◇
1552年1月下旬
越後国春日山城
直江景綱
(景虎の懐刀)
頭を下げる儂の前に殿が座る。護摩を焚いたらしい残り香が、ふわっと微かに漂った。
「関東管領様は平井を退転なされたか」
「北上野の白井へと居を移されたと、軒猿の早便にて」
「雪の中ご苦労じゃったと伝えてくれ」
殿は、床下にいるものへ聞こえるように言った。
小姓が殿の手に盃を持たせ、酌を始めた。
少し酒量を減らして頂かねば。
体に障る。
いくら言うても聞いてくださらぬ。
まだ判断体力とも支障はないため仕方ないが、それも若いからじゃ。こうも常時飲まれては早死になさることに。
折角この越後がまとまったのじゃ。そう簡単に身罷られては家臣領民が困る。
「先程、毘沙門天様の啓示を見た。儂が平井に関東管領様をお戻しして、坂東の武者共が再び憲当様の御前にひれ伏すさまを」
またか。
皆はこの啓示を有難がり、その進むべき道は神の啓示、だから義は我にあり、必ずや勝利は我が手に。
と、盲信している。
今までそれで勝ってきた。
確かに天啓を得たかのような戦いぶりは
「軍神」
「越後の龍」
と呼ぶに違わぬ。
だが戦は戦場だけでは決まらぬ。
これを言っても聞かぬのは、一度も負けたことがないからだ。
確かに負けねばよい。
が、戦をしていないときに敵は何もしないわけではない。商いに口を出し、家臣の内紛を煽り、外交調略でどんどん攻めてくる。戦は昔から変わらぬものよ。
「雪が解けたら越山する」
「お待ちくだされ。まだほとんど準備ができておりませぬ。
戦備えは何とか致しまするが、土地勘のある者、現在の情勢、調略、すべてがまだ」
「5000も連れていけばよかろう。白井の長尾と親戚である者を選べ。それで事足りる。あとは大胡じゃ」
大胡?
あの大胡、北条と敵対しているはずの大胡であるが、なぜ関東管領殿を助けぬ。
「大胡は管領殿に嫌われておるらしい。いくら忠勤に励んでも無視され、此度もお役に立てぬと申しておった」
大胡は毎月、御用商人蔵田屋を通して焼酎などを贈ってくる。殿はそれを愛飲されており、なかなかに好意的である。
儂らにも見せてくださらぬが、贈答の際、桐の箱に特別製の肴と共に文が入っているらしい。
どのような文なのかはおっしゃられぬ。
しかし、ちらっ見えたとき『文ではなく絵』のようにも見えた。
「大胡は儂が越山すれば共に謀反者を攻めるという。
安中と小幡だけは許さぬとも申して居る。最初に裏切った那波は既に誅殺した。後は首謀者のあの者だと。長野一族は救ってくれとも」
なにやら言いくるめられている気もするが、実際の情勢には合っている。さらに言えば大胡は跡を継いだ政賢殿がまだ負けたことがない。
そればかりか寡兵で北条の大軍を3度に渡り退けた。
敵士分には厳しいが、足軽雑兵・領民には寛大で大変慕われていると聞く。
まさに殿の好みの国衆であろう。
好意をもって当然だ。
「4月になったら、出陣だ。手配せよ」
黙って頭を下げる。
本来ならば、景信様を旗頭に宇佐美殿あたりを付けて越山させれば済むもの。今回は北上野の豪族と近しい、越後の国衆からの要請もある。
だからご自身で動くのであろう。
しかし、腰の軽いのは殿の良いところでもあり、危なっかしいところでもある。儂らが周りを支えるしかあるまいな。
上野国緑埜郡平井金山城(現藤岡市南部)
温井孝昌
(古参の憲政直臣)
「後詰はまだか!?
越後は?
足利は??
白井はどうじゃ!!??」
今日も関東管領様は吠えていらっしゃる。側近としてお仕えして、はや10有余年。戦場でもお傍に侍り護衛をしておったが、このところ益々癇癪が酷くなっておられる。
酒量も増え、ほぼ毎日日中も常時酔っ払っておられる。
「残念ながら。
関東管領様。そろそろここ平井を退転する際の御動座先を決めねばなりませぬ。某が考えますに白井長尾か足利長尾が……」
がつっ。
管領様が投げつけてきた盃が儂の額に当たった。額から流れてきた液体は酒ではなく血の味がする。黙って畳に転がっている盃を拾う。
そこへ火急の知らせ。
「上様! 御岳城が落ちましてござります!!
それを聞いた倉賀野16騎が、すべて北条方に寝返りましてございます!
北条勢は余勢を駆って鬼石方面より北上中!
さらに安中と小幡が西から進軍を始めました!!」
これはもういかぬ。
儂は最後の進言をした。
「関東管領様。
もう退転しかございませぬ。
それとも北条へ投降いたしまするか?
退転先は白井(沼田南)長尾がよろしいかと。
吾妻川と利根川が要害となっており、北条を寄せ付けますまい。
あとは大胡が……」
「ええい!
大胡は嫌じゃ。
絶対に行かぬ。
白井に行くぞ!
供をいたせ!
旗本にもそう伝えよ!」
「それが旗本のほとんどが既に退散しておりまする。お供できる者は50名いるかどうか」
儂もその50名には入らぬ。手土産を持って北条へ行くか。怒り狂っている馬鹿殿を尻目に「若殿」の部屋に赴く。
温井孝昌。上杉家の世継ぎ龍若丸を連れ、北条方に寝返る。龍若丸の消息は今のところ不明。
上杉憲当。
北上野の白井長尾家に身を寄せる。
◇ ◇ ◇ ◇
1552年1月下旬
越後国春日山城
直江景綱
(景虎の懐刀)
頭を下げる儂の前に殿が座る。護摩を焚いたらしい残り香が、ふわっと微かに漂った。
「関東管領様は平井を退転なされたか」
「北上野の白井へと居を移されたと、軒猿の早便にて」
「雪の中ご苦労じゃったと伝えてくれ」
殿は、床下にいるものへ聞こえるように言った。
小姓が殿の手に盃を持たせ、酌を始めた。
少し酒量を減らして頂かねば。
体に障る。
いくら言うても聞いてくださらぬ。
まだ判断体力とも支障はないため仕方ないが、それも若いからじゃ。こうも常時飲まれては早死になさることに。
折角この越後がまとまったのじゃ。そう簡単に身罷られては家臣領民が困る。
「先程、毘沙門天様の啓示を見た。儂が平井に関東管領様をお戻しして、坂東の武者共が再び憲当様の御前にひれ伏すさまを」
またか。
皆はこの啓示を有難がり、その進むべき道は神の啓示、だから義は我にあり、必ずや勝利は我が手に。
と、盲信している。
今までそれで勝ってきた。
確かに天啓を得たかのような戦いぶりは
「軍神」
「越後の龍」
と呼ぶに違わぬ。
だが戦は戦場だけでは決まらぬ。
これを言っても聞かぬのは、一度も負けたことがないからだ。
確かに負けねばよい。
が、戦をしていないときに敵は何もしないわけではない。商いに口を出し、家臣の内紛を煽り、外交調略でどんどん攻めてくる。戦は昔から変わらぬものよ。
「雪が解けたら越山する」
「お待ちくだされ。まだほとんど準備ができておりませぬ。
戦備えは何とか致しまするが、土地勘のある者、現在の情勢、調略、すべてがまだ」
「5000も連れていけばよかろう。白井の長尾と親戚である者を選べ。それで事足りる。あとは大胡じゃ」
大胡?
あの大胡、北条と敵対しているはずの大胡であるが、なぜ関東管領殿を助けぬ。
「大胡は管領殿に嫌われておるらしい。いくら忠勤に励んでも無視され、此度もお役に立てぬと申しておった」
大胡は毎月、御用商人蔵田屋を通して焼酎などを贈ってくる。殿はそれを愛飲されており、なかなかに好意的である。
儂らにも見せてくださらぬが、贈答の際、桐の箱に特別製の肴と共に文が入っているらしい。
どのような文なのかはおっしゃられぬ。
しかし、ちらっ見えたとき『文ではなく絵』のようにも見えた。
「大胡は儂が越山すれば共に謀反者を攻めるという。
安中と小幡だけは許さぬとも申して居る。最初に裏切った那波は既に誅殺した。後は首謀者のあの者だと。長野一族は救ってくれとも」
なにやら言いくるめられている気もするが、実際の情勢には合っている。さらに言えば大胡は跡を継いだ政賢殿がまだ負けたことがない。
そればかりか寡兵で北条の大軍を3度に渡り退けた。
敵士分には厳しいが、足軽雑兵・領民には寛大で大変慕われていると聞く。
まさに殿の好みの国衆であろう。
好意をもって当然だ。
「4月になったら、出陣だ。手配せよ」
黙って頭を下げる。
本来ならば、景信様を旗頭に宇佐美殿あたりを付けて越山させれば済むもの。今回は北上野の豪族と近しい、越後の国衆からの要請もある。
だからご自身で動くのであろう。
しかし、腰の軽いのは殿の良いところでもあり、危なっかしいところでもある。儂らが周りを支えるしかあるまいな。
0
お気に入りに追加
67
あなたにおすすめの小説

国虎の楽隠居への野望・十七ヶ国版
カバタ山
ファンタジー
信長以前の戦国時代の畿内。
そこでは「両細川の乱」と呼ばれる、細川京兆家を巡る同族の血で血を洗う争いが続いていた。
勝者は細川 氏綱か? それとも三好 長慶か?
いや、本当の勝者は陸の孤島とも言われる土佐国安芸の地に生を受けた現代からの転生者であった。
史実通りならば土佐の出来人、長宗我部 元親に踏み台とされる武将「安芸 国虎」。
運命に立ち向かわんと足掻いた結果、土佐は勿論西日本を席巻する勢力へと成り上がる。
もう一人の転生者、安田 親信がその偉業を裏から支えていた。
明日にも楽隠居をしたいと借金返済のために商いに精を出す安芸 国虎と、安芸 国虎に天下を取らせたいと暗躍する安田 親信。
結果、多くの人を巻き込み、人生を狂わせ、後へは引けない所へ引き摺られていく。
この話はそんな奇妙なコメディである。
設定はガバガバです。間違って書いている箇所もあるかも知れません。
特に序盤は有名武将は登場しません。
不定期更新。合間に書く作品なので更新は遅いです。

日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

お兄様、冷血貴公子じゃなかったんですか?~7歳から始める第二の聖女人生~
みつまめ つぼみ
ファンタジー
17歳で偽りの聖女として処刑された記憶を持つ7歳の女の子が、今度こそ世界を救うためにエルメーテ公爵家に引き取られて人生をやり直します。
記憶では冷血貴公子と呼ばれていた公爵令息は、義妹である主人公一筋。
そんな義兄に戸惑いながらも甘える日々。
「お兄様? シスコンもほどほどにしてくださいね?」
恋愛ポンコツと冷血貴公子の、コミカルでシリアスな救世物語開幕!
【完結】サキュバスでもいいの?
月狂 紫乃/月狂 四郎
恋愛
【第18回恋愛小説大賞参加作品】
勇者のもとへハニートラップ要員として送り込まれたサキュバスのメルがイケメン魔王のゾルムディアと勇者アルフォンソ・ツクモの間で揺れる話です。

【完結】そして、誰もいなくなった
杜野秋人
ファンタジー
「そなたは私の妻として、侯爵夫人として相応しくない!よって婚約を破棄する!」
愛する令嬢を傍らに声高にそう叫ぶ婚約者イグナシオに伯爵家令嬢セリアは誤解だと訴えるが、イグナシオは聞く耳を持たない。それどころか明らかに犯してもいない罪を挙げられ糾弾され、彼女は思わず彼に手を伸ばして取り縋ろうとした。
「触るな!」
だがその手をイグナシオは大きく振り払った。振り払われよろめいたセリアは、受け身も取れないまま仰向けに倒れ、頭を打って昏倒した。
「突き飛ばしたぞ」
「彼が手を上げた」
「誰か衛兵を呼べ!」
騒然となるパーティー会場。すぐさま会場警護の騎士たちに取り囲まれ、彼は「違うんだ、話を聞いてくれ!」と叫びながら愛人の令嬢とともに連行されていった。
そして倒れたセリアもすぐさま人が集められ運び出されていった。
そして誰もいなくなった。
彼女と彼と愛人と、果たして誰が悪かったのか。
これはとある悲しい、婚約破棄の物語である。
◆小説家になろう様でも公開しています。話数の関係上あちらの方が進みが早いです。
3/27、なろう版完結。あちらは全8話です。
3/30、小説家になろうヒューマンドラマランキング日間1位になりました!
4/1、完結しました。全14話。

グライフトゥルム戦記~微笑みの軍師マティアスの救国戦略~
愛山雄町
ファンタジー
エンデラント大陸最古の王国、グライフトゥルム王国の英雄の一人である、マティアス・フォン・ラウシェンバッハは転生者である。
彼は類い稀なる知力と予知能力を持つと言われるほどの先見性から、“知将マティアス”や“千里眼のマティアス”と呼ばれることになる。
彼は大陸最強の軍事国家ゾルダート帝国や狂信的な宗教国家レヒト法国の侵略に対し、優柔不断な国王や獅子身中の虫である大貴族の有形無形の妨害にあいながらも、旧態依然とした王国軍の近代化を図りつつ、敵国に対して謀略を仕掛け、危機的な状況を回避する。
しかし、宿敵である帝国には軍事と政治の天才が生まれ、更に謎の暗殺者集団“夜(ナハト)”や目的のためなら手段を選ばぬ魔導師集団“真理の探究者”など一筋縄ではいかぬ敵たちが次々と現れる。
そんな敵たちとの死闘に際しても、絶対の自信の表れとも言える余裕の笑みを浮かべながら策を献じたことから、“微笑みの軍師”とも呼ばれていた。
しかし、マティアスは日本での記憶を持った一般人に過ぎなかった。彼は情報分析とプレゼンテーション能力こそ、この世界の人間より優れていたものの、軍事に関する知識は小説や映画などから得たレベルのものしか持っていなかった。
更に彼は生まれつき身体が弱く、武術も魔導の才もないというハンディキャップを抱えていた。また、日本で得た知識を使った技術革新も、世界を崩壊させる危険な技術として封じられてしまう。
彼の代名詞である“微笑み”も単に苦し紛れの策に対する苦笑に過ぎなかった。
マティアスは愛する家族や仲間を守るため、大賢者とその配下の凄腕間者集団の力を借りつつ、優秀な友人たちと力を合わせて強大な敵と戦うことを決意する。
彼は情報の重要性を誰よりも重視し、巧みに情報を利用した謀略で敵を混乱させ、更に戦場では敵の意表を突く戦術を駆使して勝利に貢献していく……。
■■■
あらすじにある通り、主人公にあるのは日本で得た中途半端な知識のみで、チートに類する卓越した能力はありません。基本的には政略・謀略・軍略といったシリアスな話が主となる予定で、恋愛要素は少なめ、ハーレム要素はもちろんありません。前半は裏方に徹して情報収集や情報操作を行うため、主人公が出てくる戦闘シーンはほとんどありません。
■■■
小説家になろう、カクヨム、ノベルアップ+でも掲載しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる