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第10章:綱成くん、その首頂戴な【北条綱成撃破】
上陸戦後、機動戦闘
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1551年9月中旬
上野国赤岩の渡し
那須洋一郎(え?アニメのキャラに似ているって?それは他人の空似です)
「さぁて。洋二、お前はどっちがいい?
右目か? 左目か? 賭けようぜ」
俺が腐れ縁の那須洋二郎に小声で話し掛ける。名前は殿さんが面白がってつけてくれた名前だ。
まあ、これでもいいか。
冗談だけで生きることはできないが、冗談なしで生きることはできねぇ。
どうせ伊達と酔狂で戦してるんだから、名前などどうでもいいな。
「いや。ここは馬だろう?
目的は使い番を馬で走らせないことだ。お前さんの自己満足のために、わざわざ危ない方法はとれんだろう」
前方40間の所に腰を下ろす騎馬武者の目を射貫くことぐらい、無風の今なら外しようがないのだが。滑車が2つ付いた短弓を撫でながらそう思う。
洋二はいつも冷静にわかったような口を利く。
そんなことだから女子に持てないんだぜ。
「じゃあ、わかったよ。
仕方ないから右の馬の目を射貫く。
そっちは左のな。
あとの2頭は弩弓で仕留める。
30丁もあれば倒れるだろう」
洋二も納得し、矢を準備する。
俺も矢の状態を確かめる。
よし、問題ない。
きちんと真っ直ぐで矢羽根も揃っている。傷もなし。
良くこれだけ細く軽くできたもんだよな。
工業局の連中、眼が悪くなるまで込み入った細工をしたんだろうなぁ。
極細の針金の周りに紙を巻き小さな鋼の鏃を付けている。その上で何かを塗って補強がしてある。長弓の竹の矢よりも遥かに細く軽い。それでいて結構な貫通力がある。
まあ俺たちのような精密な射撃ができる者には、貫通力などいらないけどな。
遠矢でも目を射貫ける。
この「こんぱうんどぼう」という短弓は手入れが大変だが、使うものが使えば百発百中、遠矢で敵の兜首を音もなく倒せる。
今回のような、奇襲ではもってこいだ。
「よしいくぞ」
「はんどさいん」という手振りで皆に合図を送り、薄の生い茂る場所から立ち上がり矢を番えた。
俺の射撃の後、一斉に61本の矢が飛んでいく。
◇ ◇ ◇ ◇
同日午の刻(午前11時)
上野国川俣の渡し
利根石斎(優秀な土木作業プロフェッショナル)
先ほど利根川の両岸に後藤殿の備えと是政殿の備えが上陸し、渡し場の両岸を守備していた北条方200を蹴散らした。
その後、上野側に本隊500が上陸。
儂が率いる黒鍬衆100(畿内からも集めてきた)を使い、川にある仕掛けをしている。
「棟梁~♪ うまくできそう?
練習はしたけど、こっちの方が川幅広そうだけど~」
「はい。うまくいきそうですがな」
今、渡し場の下手に浮きのついた頑丈な綱を渡している。
3本も。
それも北国船などに使われる頑丈な奴だ。
簡単には切れぬ。
「ここより上流にいた関宿の河船は、全て銭を握らせ下流の関宿へ帰らせました。
たとえ北条の船が来ようとも、もう渡河はできますまい」
先行して現地を見て、秘密裏に渡船の親方に話をつけていた上泉秀胤殿が殿に報告した。
「さんきゅーねぇ。
ありがと、たねちゃん。
逃げ散った北条の兵はちゃんと北に逃げて行った?」
「は。50程度は茂林寺方向へ向かった模様」
「想定通りだね」
作戦では、あとはここに針金を張り巡らせ行動の自由を奪う仕掛けをしてから、退散することになる。
あとは勝手に北条勢が退却し、身動きが取れないまま南下してくる由良・佐野・太田勢に殲滅されるのを赤岩で待つだけだ。
敵が赤岩目指して退却しなければだが。
◇ ◇ ◇ ◇
同日午の刻(午前12時)
茂林寺西3町(館林城南方8町)
東雲是政(世界史上初?の竜騎兵部隊長)
「第1小隊、放てぇ~~~!」
ずが~~~ん!!
「第2小隊、放てぇ~~~~!!」
ずががが~ん!!!!
「第3小隊、放てぇ~~~~~!!」
どどどど~~~ん!!!!
馬から降り、立射で3列それぞれ100丁計300丁の火縄銃が火を放つ。竜騎兵と名付けられた騎馬隊が馬を降り、火縄銃を斉射する。
普通、火縄に火をつけたまま騎乗すれば、火種となる部分が揺れて馬に当たり目も当てられない状態になる。
ある兵が
「竹筒に穴をあけてその中に入れておけば?」
と思い付き、今ではそのような危険もほぼなくなった。
普通は右手に巻いておく予備の火縄も今は油紙に包まれ、火薬とともに腰につけている。
よし。敵左翼が混乱している。兜首の武将も馬がびっくりして暴れて落馬している。
これで、北で対峙するお味方右翼が強襲すれば壊乱するだろう。
こうもあっさり強敵が後退すれば、普通ならばこちら西へは罠があると思い、わざわざ向かってはくるまい。
俺だったら時間をかけて物見を十分に出して、赤岩の渡しへ行こうとするがな。
普通ならこんな物騒な攻撃力を持つ敵がいたら怖くて西へは行けぬ。
仕事は済んだ。
「全員乗馬! 帰投する!!」
さっさと赤岩まで後退だ。
物見を前後左右に放つ。
特に北条方がどちらに撤退するかは、確と見極めねばならぬ。
殿が手を振って出迎えてくれる。
もう撤収してきたのか?
素早い。
「川俣は是ちゃんに任せてきた~。
おつかれさんたくろーす。
で、敵の総大将は?」
「北条綱成です。途中から援軍に入ったのでしょうな」
「!!!!」
殿が、相当びっくりしている。
珍しいな。
「作戦へんこ~。
目標!! 地黄八幡の首!!
こんな機会はめったにないねぇ。
本隊を直ぐに呼び戻そう!
罠とみてもこっちに突っ込むよ。
きっとこっちへ向かってくる。
えすえすあーる武将、なめたらあかん!
僕、名将にはなれないなぁ、草~」
殿は俺に、
「しのちゃん。機動防御で遅滞戦闘。本隊戻ってくるまでここに来させないでね。
これ厳命!」
言われんでもやるさ。
それができるように訓練して、竜騎兵として錬成したのだ!
上野国赤岩の渡し
那須洋一郎(え?アニメのキャラに似ているって?それは他人の空似です)
「さぁて。洋二、お前はどっちがいい?
右目か? 左目か? 賭けようぜ」
俺が腐れ縁の那須洋二郎に小声で話し掛ける。名前は殿さんが面白がってつけてくれた名前だ。
まあ、これでもいいか。
冗談だけで生きることはできないが、冗談なしで生きることはできねぇ。
どうせ伊達と酔狂で戦してるんだから、名前などどうでもいいな。
「いや。ここは馬だろう?
目的は使い番を馬で走らせないことだ。お前さんの自己満足のために、わざわざ危ない方法はとれんだろう」
前方40間の所に腰を下ろす騎馬武者の目を射貫くことぐらい、無風の今なら外しようがないのだが。滑車が2つ付いた短弓を撫でながらそう思う。
洋二はいつも冷静にわかったような口を利く。
そんなことだから女子に持てないんだぜ。
「じゃあ、わかったよ。
仕方ないから右の馬の目を射貫く。
そっちは左のな。
あとの2頭は弩弓で仕留める。
30丁もあれば倒れるだろう」
洋二も納得し、矢を準備する。
俺も矢の状態を確かめる。
よし、問題ない。
きちんと真っ直ぐで矢羽根も揃っている。傷もなし。
良くこれだけ細く軽くできたもんだよな。
工業局の連中、眼が悪くなるまで込み入った細工をしたんだろうなぁ。
極細の針金の周りに紙を巻き小さな鋼の鏃を付けている。その上で何かを塗って補強がしてある。長弓の竹の矢よりも遥かに細く軽い。それでいて結構な貫通力がある。
まあ俺たちのような精密な射撃ができる者には、貫通力などいらないけどな。
遠矢でも目を射貫ける。
この「こんぱうんどぼう」という短弓は手入れが大変だが、使うものが使えば百発百中、遠矢で敵の兜首を音もなく倒せる。
今回のような、奇襲ではもってこいだ。
「よしいくぞ」
「はんどさいん」という手振りで皆に合図を送り、薄の生い茂る場所から立ち上がり矢を番えた。
俺の射撃の後、一斉に61本の矢が飛んでいく。
◇ ◇ ◇ ◇
同日午の刻(午前11時)
上野国川俣の渡し
利根石斎(優秀な土木作業プロフェッショナル)
先ほど利根川の両岸に後藤殿の備えと是政殿の備えが上陸し、渡し場の両岸を守備していた北条方200を蹴散らした。
その後、上野側に本隊500が上陸。
儂が率いる黒鍬衆100(畿内からも集めてきた)を使い、川にある仕掛けをしている。
「棟梁~♪ うまくできそう?
練習はしたけど、こっちの方が川幅広そうだけど~」
「はい。うまくいきそうですがな」
今、渡し場の下手に浮きのついた頑丈な綱を渡している。
3本も。
それも北国船などに使われる頑丈な奴だ。
簡単には切れぬ。
「ここより上流にいた関宿の河船は、全て銭を握らせ下流の関宿へ帰らせました。
たとえ北条の船が来ようとも、もう渡河はできますまい」
先行して現地を見て、秘密裏に渡船の親方に話をつけていた上泉秀胤殿が殿に報告した。
「さんきゅーねぇ。
ありがと、たねちゃん。
逃げ散った北条の兵はちゃんと北に逃げて行った?」
「は。50程度は茂林寺方向へ向かった模様」
「想定通りだね」
作戦では、あとはここに針金を張り巡らせ行動の自由を奪う仕掛けをしてから、退散することになる。
あとは勝手に北条勢が退却し、身動きが取れないまま南下してくる由良・佐野・太田勢に殲滅されるのを赤岩で待つだけだ。
敵が赤岩目指して退却しなければだが。
◇ ◇ ◇ ◇
同日午の刻(午前12時)
茂林寺西3町(館林城南方8町)
東雲是政(世界史上初?の竜騎兵部隊長)
「第1小隊、放てぇ~~~!」
ずが~~~ん!!
「第2小隊、放てぇ~~~~!!」
ずががが~ん!!!!
「第3小隊、放てぇ~~~~~!!」
どどどど~~~ん!!!!
馬から降り、立射で3列それぞれ100丁計300丁の火縄銃が火を放つ。竜騎兵と名付けられた騎馬隊が馬を降り、火縄銃を斉射する。
普通、火縄に火をつけたまま騎乗すれば、火種となる部分が揺れて馬に当たり目も当てられない状態になる。
ある兵が
「竹筒に穴をあけてその中に入れておけば?」
と思い付き、今ではそのような危険もほぼなくなった。
普通は右手に巻いておく予備の火縄も今は油紙に包まれ、火薬とともに腰につけている。
よし。敵左翼が混乱している。兜首の武将も馬がびっくりして暴れて落馬している。
これで、北で対峙するお味方右翼が強襲すれば壊乱するだろう。
こうもあっさり強敵が後退すれば、普通ならばこちら西へは罠があると思い、わざわざ向かってはくるまい。
俺だったら時間をかけて物見を十分に出して、赤岩の渡しへ行こうとするがな。
普通ならこんな物騒な攻撃力を持つ敵がいたら怖くて西へは行けぬ。
仕事は済んだ。
「全員乗馬! 帰投する!!」
さっさと赤岩まで後退だ。
物見を前後左右に放つ。
特に北条方がどちらに撤退するかは、確と見極めねばならぬ。
殿が手を振って出迎えてくれる。
もう撤収してきたのか?
素早い。
「川俣は是ちゃんに任せてきた~。
おつかれさんたくろーす。
で、敵の総大将は?」
「北条綱成です。途中から援軍に入ったのでしょうな」
「!!!!」
殿が、相当びっくりしている。
珍しいな。
「作戦へんこ~。
目標!! 地黄八幡の首!!
こんな機会はめったにないねぇ。
本隊を直ぐに呼び戻そう!
罠とみてもこっちに突っ込むよ。
きっとこっちへ向かってくる。
えすえすあーる武将、なめたらあかん!
僕、名将にはなれないなぁ、草~」
殿は俺に、
「しのちゃん。機動防御で遅滞戦闘。本隊戻ってくるまでここに来させないでね。
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