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第8章:嫁取り物語~
朝廷工作もお約束です
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1549年6月中旬
上野国大胡城大広間
山科言継(朝廷の集金人)
目の前に都では想像もつかぬ料理が並べられている。
というより、今の料理が食べ終わるか否かの瞬間を見計らったかのように次の料理が出てくる。これはまことに珍しいものだな。
真新しい檜造りの8畳間。
畳の色も青々としている。
雅た掛け軸や屏風は一切ないが、それも坂東の片田舎では詮無きことだ。
この蒸し暑い時期、殆どの戸をあけ放って景色を眺めながらの食事。雄大な坂東の大地、きっと秋ならば遠くの山々が見事に違いない。物見ができる程の踊り場のような座敷で食事を振舞われている……
これで目の前の武人が剛毅か知的な怜悧さを持つものであれば、一つの絵になろうというもの。
しかし……
「どおどお? 言っち、おいしい?
まだね、富国強兵軍備増強安全保障に感けていて文化的な所端折っていたので、ぜんっぜん料理まで手が行っていないんだぁ。
でも形だけでも整えて見た~」
今年齢15といったか。
元服間もない嫁取りもまだな若武者とはいえ、これはいただけぬ。お会いした時は立派な身なりのキリリとした明朗な国衆と思ったが、話をしていくうちに見る見るその口調と共に服装と髷が崩れていき、今ではどこぞの悪戯小童に見える。
この者が、あの関東管領まで上り詰めた後北条氏の軍勢を退けたとか。しかも4倍の兵力差を打ち破り、北条の先手衆を壊滅させ大将を討ち取ったと。
信じられぬ。
だが、少しだけ領地の様子を見ただけでも富強な事はわかる。それだけわかれば私の仕事はうまくいくに違いない。
「これ。これからの献立表ね。
いつまで逗留していてもいいよん。
やっと赤城の中腹で温泉出たから
そっちに行ってもいいし~♪」
ここへ来る前に駿河の今川、甲斐の武田、相模の後北条に出向き、帝への献金を願い入れたが色よい返事は引き出せなかった。
昨今は甲斐信濃武蔵その他の坂東は戦続き、それも凶作を押しての出兵が多いために余裕がないと言われた。
越後の長尾に行く前に、1年前、偶然なのか?
1万石にも届かない上野の国衆が単独で後北条を打ち払ったとの噂。
その者に会うことになった。
大胡政賢というそうだ。
1万石の身代では大した献金を望めないが、今はたとえ1貫文、いや100文でもよい。御上の台所に入れたい。
そこで見たものが今の料理であった。
「最初のはね、山菜の炒め物とお浸し。
次は豆富ね。
ついでに湯葉も作ってもらっちゃったぁおいしかったでしょ。僕も好きなんだ。
主菜は魚だと飽きてると思ったんで、山鳥のローストした奴。香辛料ないからちょっと物足りないかな。
あとは、てんぷ~ら! アマニ油で揚げたから健康にもいいよ。
最後はでざあと。ぷでぃんぐ~、具がないけどぷでぃん具~。
お米は白米でよかった?
明日の朝食はお粥がいいかなぁ」
捲し立てているが、半分もわからなかった。
しかし、味はわかる。
この世とは違ったものだ。あの世のものとは思わないが、殆ど全てが斬新で、ここでしか食べられないであろう。
「あと、これ、あめにてぃぐっずね。
手ぬぐいと歯ブラシ石鹸が入っているから、あとで湯船で旅の疲れ取った後に使ってみてね」
もう何が何やらわからぬが、ひとまずお礼を。
「此度はこのような歓待、誠に結構なもので感服することしきりにおじゃりまする。
大胡の地に来た甲斐がありまするな。
この地はまるで坂東の中に一縷の御来光が射した極楽の様に思いまする」
「いあいあ。それほどでも……あるよ!
僕の望みはね。この日ノ本すべてに、明るいご来光が射すような安寧を作ることなんだぁ」
なんと!
ここから出で、日ノ本を変えていくと宣言しているのか?
これはまた気の早い。
「ですが~、いろいろと旧弊があるよね。それをぶっ潰すつもり。けどすぐにはできないのは分かっています。
だから」
急に居を正し厳かに言うた。
「帝の権威が欲しい。行く行くは帝の権威をさらに高めていく一助となりたい」
そして小姓が用意した奉書を載せた三宝を私の目の前に置く。
「これで帝の宸襟を安んじ奉りませ」
お礼と断りを入れ、奉書の中身に眼を通す。
通したが、目が通り越して落ちそうになった。
「い、1万貫文!!??」
「少なかったですかな。今、大胡の出せるのはそれが精いっぱいでござる。
お恥ずかしい」
桁が1桁、いや2桁3桁違う!
何かの間違いか?
「この証文は日ノ本一円の商人司などで引き出すことを可能としてあります。
毎年1000貫文までの銭を必要な時に計10000貫文まで、京都の角倉屋(高瀬川作った角倉了以の父の店)などでお取引出しくだされ」
1万貫文あれば、破損の改修に手が回らぬ内裏の修復どころか、今後10年に渡って内裏の収入を支えることもできる。
これは相当な見返りを要求されるのを覚悟せねば……
「して、政賢さまは、今後如何様な形での帝の御威光を必要とされているのでおじゃるかの?」
「いいえ。某が必要としているのではござらぬ。帝の無垢なる赤子が必要としているのです。
帝に置かれましては、毎年の新嘗祭にて五穀豊穣と民の安寧を祈るのが帝の最大の願いでありましょう。それがこの乱れた世、銭がなく毎年寂しいくらいの小規模にて執り行わねばならぬとのこと。大変お嘆き遊ばされていると聞き及びました。
大いに天下の安寧・五穀豊穣を祈願していただきたい。
ただそれだけです」
これは。
単なる建前ではないのか?
実のところは……
「崇高なる心がけ。麿は関心いたしましたでおじゃる。
そのような心がけのお方には、何かを下賜せねばと思うのが人の常。帝のみならず必ずや殿上人、政賢どのへの御挨拶を致したいと思うのでおじゃるが、どのようなご挨拶がお望みでおじゃろう」
やはり、このまま何もせず1万貫文を受け取ってしまえば、前例を作ってしまう。
今後、大名からの官位目当ての献金へ支障が出る。ここはなんとしてでも何かを受け取っていただかねば。上野介あたりが適当なのか?
「……では。帝の御宸筆(帝の文)を少しばかり……
家宝にいたしまする」
!!
今上様は清廉な方でいらっしゃる。
賂(献金賄賂)を献上されても、それの対価に官位などを下されぬ方。宸筆を密かに売ることで内裏の御料収入の足しにしている。
それを知っていて、言っているのか?
この国衆、ただの国衆ではない。この坂東でも都の情報を掴んでいる。
最近頓に珍しいもの、高価なるものが越後の蔵田屋を通して都に普及しているが、噂によればその元は大胡とも聞く。
ここに来る間にも、仁将」「猛将」「知将」との噂を耳にしたが……
その噂、本当やもしれんな。
とにかく、献金は頂こう。帰ってから参議の方々が対処を考えてくれるであろう。
私は単なる集金屋でしかない。
「ああ、それと。付け足しで悪いんですが~。
雅なことを教えてくれる人、こちらにお招きしたいので~、紹介してくれるとうれし~ですっ!
僕は興味ないんだけどね、今度来るお嫁さんに色々教えてくださいな。
家臣もなんだか張り切っちゃっているので、和歌や蹴鞠とかもいいなぁ」
変わり身の早い若者であるな。態度がころころ変わる。
だが、他の大名の厭味ったらしさよりもはるかに好感が持てる。
とても珍奇だがな。
蹴鞠か。飛鳥井殿か?
和歌は心敬殿・能阿弥殿が良いか?
都に帰ったら、色々と忙しくなるな。
そうだ、内府殿(後の近衛前久)が武張った話が好きであった。
しかも1つ違いじゃ。
大胡の話をすれば、きっと大喜びするに違いない。
「あとね。言ちゃんに個人的なお願い。
薬種商売しない?」
上野国大胡城大広間
山科言継(朝廷の集金人)
目の前に都では想像もつかぬ料理が並べられている。
というより、今の料理が食べ終わるか否かの瞬間を見計らったかのように次の料理が出てくる。これはまことに珍しいものだな。
真新しい檜造りの8畳間。
畳の色も青々としている。
雅た掛け軸や屏風は一切ないが、それも坂東の片田舎では詮無きことだ。
この蒸し暑い時期、殆どの戸をあけ放って景色を眺めながらの食事。雄大な坂東の大地、きっと秋ならば遠くの山々が見事に違いない。物見ができる程の踊り場のような座敷で食事を振舞われている……
これで目の前の武人が剛毅か知的な怜悧さを持つものであれば、一つの絵になろうというもの。
しかし……
「どおどお? 言っち、おいしい?
まだね、富国強兵軍備増強安全保障に感けていて文化的な所端折っていたので、ぜんっぜん料理まで手が行っていないんだぁ。
でも形だけでも整えて見た~」
今年齢15といったか。
元服間もない嫁取りもまだな若武者とはいえ、これはいただけぬ。お会いした時は立派な身なりのキリリとした明朗な国衆と思ったが、話をしていくうちに見る見るその口調と共に服装と髷が崩れていき、今ではどこぞの悪戯小童に見える。
この者が、あの関東管領まで上り詰めた後北条氏の軍勢を退けたとか。しかも4倍の兵力差を打ち破り、北条の先手衆を壊滅させ大将を討ち取ったと。
信じられぬ。
だが、少しだけ領地の様子を見ただけでも富強な事はわかる。それだけわかれば私の仕事はうまくいくに違いない。
「これ。これからの献立表ね。
いつまで逗留していてもいいよん。
やっと赤城の中腹で温泉出たから
そっちに行ってもいいし~♪」
ここへ来る前に駿河の今川、甲斐の武田、相模の後北条に出向き、帝への献金を願い入れたが色よい返事は引き出せなかった。
昨今は甲斐信濃武蔵その他の坂東は戦続き、それも凶作を押しての出兵が多いために余裕がないと言われた。
越後の長尾に行く前に、1年前、偶然なのか?
1万石にも届かない上野の国衆が単独で後北条を打ち払ったとの噂。
その者に会うことになった。
大胡政賢というそうだ。
1万石の身代では大した献金を望めないが、今はたとえ1貫文、いや100文でもよい。御上の台所に入れたい。
そこで見たものが今の料理であった。
「最初のはね、山菜の炒め物とお浸し。
次は豆富ね。
ついでに湯葉も作ってもらっちゃったぁおいしかったでしょ。僕も好きなんだ。
主菜は魚だと飽きてると思ったんで、山鳥のローストした奴。香辛料ないからちょっと物足りないかな。
あとは、てんぷ~ら! アマニ油で揚げたから健康にもいいよ。
最後はでざあと。ぷでぃんぐ~、具がないけどぷでぃん具~。
お米は白米でよかった?
明日の朝食はお粥がいいかなぁ」
捲し立てているが、半分もわからなかった。
しかし、味はわかる。
この世とは違ったものだ。あの世のものとは思わないが、殆ど全てが斬新で、ここでしか食べられないであろう。
「あと、これ、あめにてぃぐっずね。
手ぬぐいと歯ブラシ石鹸が入っているから、あとで湯船で旅の疲れ取った後に使ってみてね」
もう何が何やらわからぬが、ひとまずお礼を。
「此度はこのような歓待、誠に結構なもので感服することしきりにおじゃりまする。
大胡の地に来た甲斐がありまするな。
この地はまるで坂東の中に一縷の御来光が射した極楽の様に思いまする」
「いあいあ。それほどでも……あるよ!
僕の望みはね。この日ノ本すべてに、明るいご来光が射すような安寧を作ることなんだぁ」
なんと!
ここから出で、日ノ本を変えていくと宣言しているのか?
これはまた気の早い。
「ですが~、いろいろと旧弊があるよね。それをぶっ潰すつもり。けどすぐにはできないのは分かっています。
だから」
急に居を正し厳かに言うた。
「帝の権威が欲しい。行く行くは帝の権威をさらに高めていく一助となりたい」
そして小姓が用意した奉書を載せた三宝を私の目の前に置く。
「これで帝の宸襟を安んじ奉りませ」
お礼と断りを入れ、奉書の中身に眼を通す。
通したが、目が通り越して落ちそうになった。
「い、1万貫文!!??」
「少なかったですかな。今、大胡の出せるのはそれが精いっぱいでござる。
お恥ずかしい」
桁が1桁、いや2桁3桁違う!
何かの間違いか?
「この証文は日ノ本一円の商人司などで引き出すことを可能としてあります。
毎年1000貫文までの銭を必要な時に計10000貫文まで、京都の角倉屋(高瀬川作った角倉了以の父の店)などでお取引出しくだされ」
1万貫文あれば、破損の改修に手が回らぬ内裏の修復どころか、今後10年に渡って内裏の収入を支えることもできる。
これは相当な見返りを要求されるのを覚悟せねば……
「して、政賢さまは、今後如何様な形での帝の御威光を必要とされているのでおじゃるかの?」
「いいえ。某が必要としているのではござらぬ。帝の無垢なる赤子が必要としているのです。
帝に置かれましては、毎年の新嘗祭にて五穀豊穣と民の安寧を祈るのが帝の最大の願いでありましょう。それがこの乱れた世、銭がなく毎年寂しいくらいの小規模にて執り行わねばならぬとのこと。大変お嘆き遊ばされていると聞き及びました。
大いに天下の安寧・五穀豊穣を祈願していただきたい。
ただそれだけです」
これは。
単なる建前ではないのか?
実のところは……
「崇高なる心がけ。麿は関心いたしましたでおじゃる。
そのような心がけのお方には、何かを下賜せねばと思うのが人の常。帝のみならず必ずや殿上人、政賢どのへの御挨拶を致したいと思うのでおじゃるが、どのようなご挨拶がお望みでおじゃろう」
やはり、このまま何もせず1万貫文を受け取ってしまえば、前例を作ってしまう。
今後、大名からの官位目当ての献金へ支障が出る。ここはなんとしてでも何かを受け取っていただかねば。上野介あたりが適当なのか?
「……では。帝の御宸筆(帝の文)を少しばかり……
家宝にいたしまする」
!!
今上様は清廉な方でいらっしゃる。
賂(献金賄賂)を献上されても、それの対価に官位などを下されぬ方。宸筆を密かに売ることで内裏の御料収入の足しにしている。
それを知っていて、言っているのか?
この国衆、ただの国衆ではない。この坂東でも都の情報を掴んでいる。
最近頓に珍しいもの、高価なるものが越後の蔵田屋を通して都に普及しているが、噂によればその元は大胡とも聞く。
ここに来る間にも、仁将」「猛将」「知将」との噂を耳にしたが……
その噂、本当やもしれんな。
とにかく、献金は頂こう。帰ってから参議の方々が対処を考えてくれるであろう。
私は単なる集金屋でしかない。
「ああ、それと。付け足しで悪いんですが~。
雅なことを教えてくれる人、こちらにお招きしたいので~、紹介してくれるとうれし~ですっ!
僕は興味ないんだけどね、今度来るお嫁さんに色々教えてくださいな。
家臣もなんだか張り切っちゃっているので、和歌や蹴鞠とかもいいなぁ」
変わり身の早い若者であるな。態度がころころ変わる。
だが、他の大名の厭味ったらしさよりもはるかに好感が持てる。
とても珍奇だがな。
蹴鞠か。飛鳥井殿か?
和歌は心敬殿・能阿弥殿が良いか?
都に帰ったら、色々と忙しくなるな。
そうだ、内府殿(後の近衛前久)が武張った話が好きであった。
しかも1つ違いじゃ。
大胡の話をすれば、きっと大喜びするに違いない。
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薬種商売しない?」
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彼は情報の重要性を誰よりも重視し、巧みに情報を利用した謀略で敵を混乱させ、更に戦場では敵の意表を突く戦術を駆使して勝利に貢献していく……。
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あらすじにある通り、主人公にあるのは日本で得た中途半端な知識のみで、チートに類する卓越した能力はありません。基本的には政略・謀略・軍略といったシリアスな話が主となる予定で、恋愛要素は少なめ、ハーレム要素はもちろんありません。前半は裏方に徹して情報収集や情報操作を行うため、主人公が出てくる戦闘シーンはほとんどありません。
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