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第1章:殿さまになっちゃうゾ
大胡大躍進計画!
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1542年5月上旬
上野国大胡城大広間
大胡道定
(大胡家譜代筆頭。主席家老。難しいお年頃46歳)
全く面白くない。
金山崩れと名付けられた大胡本家のお家断絶。本来ならば、儂が跡目を継ぐのが順当であろう!
大胡家の外戚、それも先々代では血がつながっているのが家宰たるわが大胡の家だ。
しかし、上杉様の横やりで隣の厩橋長野家から養子をとることになろうとは!
残念なことに儂に養子しかいないことと、儂も遠縁の家から養子縁組で入った当主であったことに付け込まれた。
討ち死にした当主行茂様の末の弟、仏門に入っていた栄再殿を一時的に還俗させ養子をとらせた。栄再殿は日常のこともままならぬお方であるから、すぐに再度出家することになっている。
遂に、上泉殿に伴われて上座・城主の座にその松風丸が座った。
上泉殿が静々と着座すると、儂の掛け声で皆が浅く垂れていた首をさらに深々と下げた。
「松風丸様。
大胡家中一同、
松風丸様の大胡本家襲名、
お喜びいたしまする!」
「面を上げい」
まだ8歳の童にしては堂々とした物言いだ。
顔を上げて目の前にいる童の姿を観察する。
年の割には体躯が小さいようだ。
顔は瓜実型。端正ともいえる。
姿勢はよい。
眼は……?
吸い込まれるような眼光だ。左隣の上泉殿も居ずまいを正す気配。だが、見ている者の心を落ち着かせるような眼の色でもある。
「出迎え、ご苦労である。
本来ならば後見するはずの長野道忠、どこぞの曲者に道中討ち取られ申した。よって私が直接差配いたす」
先ぶれで聞いていたが道忠殿はなくなられたか。小姓である子息も手傷を負ってここにはいない。
これで後見役に儂が収まれば実質大胡は我が手中に、と思っていたが、はて。
この童、いや松風丸は中身まで童なのか?
この居ずまいは元服の済んだ若武者程度には見える。
「さて、硬いことはここまでにして……気を楽にしてね~」
なんだ? 急に。
「これからね、僕がこの大胡の町を日の本一のにぎやかな街にしちゃいます。できれば手伝ってよね」
片目をつぶって笑いかけてくる。
やはり童か。
己がみた夢をこのような場所で披露するとは。
「一応ね。設計図と作業工程表は作ったから、あとは皆の業務分掌をしっかり決めたいな。
そこで……」
儂の方を見てこういう。
「え~と、大胡の道定さんですね~?
以後よろしく~。
おじさんはこの城と領地の最重要人物です。おじいさまからよく伺っています。とっても思慮深く、ナイスガイ……げふんげふん、気さくで頼りになる武士だとお伺いしてきました。
お近づきの印にこれをお納めくださいな」
縁側に控えていた乳母と思われる女子に指示された物を、
上泉殿の高弟が儂の前に置いた。
儂が物につられると思うてか!!
「家中の方に聞いたところ、お内儀が臥せっていらっしゃるとか。甲斐の永田徳本というお医者さんに無理を言って、滋養に良い本草の書(薬草の専門書)をいただきました。薬湯でも飲ませて上げてね~」
なんと!
雪のことを知っておる。
薬師や医者は、診ないと薬を処方などしないもの。故に本草の書を用意したと。
儂が雪のために様々な薬草を集めては飲ませているが、うまくいかないことを知り、それを持参したというのか。
小賢しいと思うとともに、下調べをして大胡に乗り込んできたことが伺えた。
道忠殿の指図か?
いや、この童・松風丸本人の言葉でわかる。
この言い方は自身の作為だ。
しかも、儂が己が手にて治してやりたいと思う気持ちまで汲んでいる。
「次に、上泉伊勢ちゃん。
改めてさっきはありがと~。九死に一生とはこのことだよね。二度とこんなこと御免だけど、これからもよろしくね。
で、お願いなんだけど……」
「は、何でござろう?」
「僕ね、運動音痴なんです。全然剣術うまくならないんです。今度時間があったら教えて! 頑張るからさ。
あの綺麗な武技、かっこよかったな~」
「はっ、喜んで」
「これ、指南料の前払いね」
上泉殿の前には、太刀が二振り置かれる。
「どう? 違うかわかる?」
「御免」といい、二振りの太刀を抜き見比べる信綱殿。
横目で見ても、目を見張るのがわかった。
「これは上物。長船の福岡一文字ですな。こちらは?」
「うん。僕が作らせたんだけど、何に使うと便利?」
直刀に近い刃の分厚い太刀をじっと見る信綱殿。
「合戦の時に、敵方の鎧武者をぶったたくのに、適しておりますなぁ」
にやりと笑うと太刀を収めた。
「うん。素人にはこっちのほうが使いやすいよね~」
同じくにやりと笑う。
これまた驚いた。
あのいつも仏頂面で、常に剣のことを考えていると言って、人の言うことをあまり聞かない風の上泉殿が、こうも簡単に靡くとは。
「次は、次席家老の後藤透徹さ~ん」
「はっ、松風殿、その抜けたような、さ~んは、やめていただけますかな?」
始まった。
透徹は頑固者だ。へそを曲げると一切引かぬ。
それに曲がったことや、なよなよしたことは毛嫌いする。
「う~ん。じゃあ何て呼べばいいの?」
「呼び捨てで構いませぬ。ただし!」
「なあに?」
「これから松風殿はこの大胡の家の当主となる故、しかるべき口調、居ずまいを通されよ」
これをどう差配、いなすかのう?
「じゃあいいや。腹心の家臣にはざっくばらんに話したいけどね。ほかの人にするよ。お福~、あれ持ってきて」
またもや縁側の乳母に指図されて、高弟が二人がかりで持ってきた物。
それは朱槍であった。いわゆる家中一の強者の印。それも十文字槍。
重そうだ。
それに1斗樽。
「この朱槍を敵中で振り回す、敵を薙ぎ払う姿を想像して勝手に【お仁王様】と名付けていたんだけどね。
まあいいや。
せめて添え物の、僕が作ったお酒をちょっとだけ飲んでみて、美味しいからさ。それであきらめるから」
しょんぼりとしたしおらしい顔でこう零す。透徹は憮然として盃を持ち、注れた酒を飲み干そうとした。
したが……噎せた!!
あの酒豪の透徹がだ!
「ぶっふぅ、なんちゅう強い酒じゃ!?
これはなんぞ?」
「うん。麦で作った酒を蒸留して作ったんだ。結構いけるんじゃない?
僕は飲めないけど。焼酎と名付けたんだ、しょっちゅうほしくなるといいなって。
えへっ。
今度はゆっくり飲んでみて」
透徹は言われたとおりに、舌でちろりと舐めた。
「おおおお。
これは甘露!
芳醇じゃ。
まったりとしてコクがある……
それでいて少しもしつこくない……」
「まあ、残念だけど、朱槍を持たせる人にこれ上げるから、またの機会に飲んでね」
これは堕ちた。
透徹の弱点を突かれたな。
「……うううう。
松風様の朱槍頂戴いたす!
敵に当たれば真っ先に突っ込んで大暴れいたす!」
と、吠えつつ、まだ盃を離さない。
そればかりか一斗樽を引き寄せ、誰にもやらぬとばかりに抱え込んだ。
卑しいのぅ。
……本草の書で篭絡された儂も言えた義理ではないが。
「次は、金山城で策を練って大活躍したという、東雲尚政く~ん。
若いのにすごいね~。君には孫子の書と戦闘経をプレ‥えーとね、あげちゃうよ。
足利学校から写本を取り寄せたんだ」
こうして小姓まで含めて26名の家臣すべてに、その者が喜ぶ品と言葉を贈り終わり……
「では、いざっ! だいえんかいのじかんだぁ~!!」
そして殿の用意した焼酎と珍しい肴での(我が城にとっては)大宴会が夜遅くまで続いたのであった。
松風丸様、いや、殿は銚子を持ち、家臣を次々と廻り話を聞きながら酌をして回る。
しかし1刻もした頃、殿が中座し、手傷を負って臥せている小姓のもとへ、ひっそりと向かう姿を見て、儂は含むものが消えていくのを感じていた。
上野国大胡城大広間
大胡道定
(大胡家譜代筆頭。主席家老。難しいお年頃46歳)
全く面白くない。
金山崩れと名付けられた大胡本家のお家断絶。本来ならば、儂が跡目を継ぐのが順当であろう!
大胡家の外戚、それも先々代では血がつながっているのが家宰たるわが大胡の家だ。
しかし、上杉様の横やりで隣の厩橋長野家から養子をとることになろうとは!
残念なことに儂に養子しかいないことと、儂も遠縁の家から養子縁組で入った当主であったことに付け込まれた。
討ち死にした当主行茂様の末の弟、仏門に入っていた栄再殿を一時的に還俗させ養子をとらせた。栄再殿は日常のこともままならぬお方であるから、すぐに再度出家することになっている。
遂に、上泉殿に伴われて上座・城主の座にその松風丸が座った。
上泉殿が静々と着座すると、儂の掛け声で皆が浅く垂れていた首をさらに深々と下げた。
「松風丸様。
大胡家中一同、
松風丸様の大胡本家襲名、
お喜びいたしまする!」
「面を上げい」
まだ8歳の童にしては堂々とした物言いだ。
顔を上げて目の前にいる童の姿を観察する。
年の割には体躯が小さいようだ。
顔は瓜実型。端正ともいえる。
姿勢はよい。
眼は……?
吸い込まれるような眼光だ。左隣の上泉殿も居ずまいを正す気配。だが、見ている者の心を落ち着かせるような眼の色でもある。
「出迎え、ご苦労である。
本来ならば後見するはずの長野道忠、どこぞの曲者に道中討ち取られ申した。よって私が直接差配いたす」
先ぶれで聞いていたが道忠殿はなくなられたか。小姓である子息も手傷を負ってここにはいない。
これで後見役に儂が収まれば実質大胡は我が手中に、と思っていたが、はて。
この童、いや松風丸は中身まで童なのか?
この居ずまいは元服の済んだ若武者程度には見える。
「さて、硬いことはここまでにして……気を楽にしてね~」
なんだ? 急に。
「これからね、僕がこの大胡の町を日の本一のにぎやかな街にしちゃいます。できれば手伝ってよね」
片目をつぶって笑いかけてくる。
やはり童か。
己がみた夢をこのような場所で披露するとは。
「一応ね。設計図と作業工程表は作ったから、あとは皆の業務分掌をしっかり決めたいな。
そこで……」
儂の方を見てこういう。
「え~と、大胡の道定さんですね~?
以後よろしく~。
おじさんはこの城と領地の最重要人物です。おじいさまからよく伺っています。とっても思慮深く、ナイスガイ……げふんげふん、気さくで頼りになる武士だとお伺いしてきました。
お近づきの印にこれをお納めくださいな」
縁側に控えていた乳母と思われる女子に指示された物を、
上泉殿の高弟が儂の前に置いた。
儂が物につられると思うてか!!
「家中の方に聞いたところ、お内儀が臥せっていらっしゃるとか。甲斐の永田徳本というお医者さんに無理を言って、滋養に良い本草の書(薬草の専門書)をいただきました。薬湯でも飲ませて上げてね~」
なんと!
雪のことを知っておる。
薬師や医者は、診ないと薬を処方などしないもの。故に本草の書を用意したと。
儂が雪のために様々な薬草を集めては飲ませているが、うまくいかないことを知り、それを持参したというのか。
小賢しいと思うとともに、下調べをして大胡に乗り込んできたことが伺えた。
道忠殿の指図か?
いや、この童・松風丸本人の言葉でわかる。
この言い方は自身の作為だ。
しかも、儂が己が手にて治してやりたいと思う気持ちまで汲んでいる。
「次に、上泉伊勢ちゃん。
改めてさっきはありがと~。九死に一生とはこのことだよね。二度とこんなこと御免だけど、これからもよろしくね。
で、お願いなんだけど……」
「は、何でござろう?」
「僕ね、運動音痴なんです。全然剣術うまくならないんです。今度時間があったら教えて! 頑張るからさ。
あの綺麗な武技、かっこよかったな~」
「はっ、喜んで」
「これ、指南料の前払いね」
上泉殿の前には、太刀が二振り置かれる。
「どう? 違うかわかる?」
「御免」といい、二振りの太刀を抜き見比べる信綱殿。
横目で見ても、目を見張るのがわかった。
「これは上物。長船の福岡一文字ですな。こちらは?」
「うん。僕が作らせたんだけど、何に使うと便利?」
直刀に近い刃の分厚い太刀をじっと見る信綱殿。
「合戦の時に、敵方の鎧武者をぶったたくのに、適しておりますなぁ」
にやりと笑うと太刀を収めた。
「うん。素人にはこっちのほうが使いやすいよね~」
同じくにやりと笑う。
これまた驚いた。
あのいつも仏頂面で、常に剣のことを考えていると言って、人の言うことをあまり聞かない風の上泉殿が、こうも簡単に靡くとは。
「次は、次席家老の後藤透徹さ~ん」
「はっ、松風殿、その抜けたような、さ~んは、やめていただけますかな?」
始まった。
透徹は頑固者だ。へそを曲げると一切引かぬ。
それに曲がったことや、なよなよしたことは毛嫌いする。
「う~ん。じゃあ何て呼べばいいの?」
「呼び捨てで構いませぬ。ただし!」
「なあに?」
「これから松風殿はこの大胡の家の当主となる故、しかるべき口調、居ずまいを通されよ」
これをどう差配、いなすかのう?
「じゃあいいや。腹心の家臣にはざっくばらんに話したいけどね。ほかの人にするよ。お福~、あれ持ってきて」
またもや縁側の乳母に指図されて、高弟が二人がかりで持ってきた物。
それは朱槍であった。いわゆる家中一の強者の印。それも十文字槍。
重そうだ。
それに1斗樽。
「この朱槍を敵中で振り回す、敵を薙ぎ払う姿を想像して勝手に【お仁王様】と名付けていたんだけどね。
まあいいや。
せめて添え物の、僕が作ったお酒をちょっとだけ飲んでみて、美味しいからさ。それであきらめるから」
しょんぼりとしたしおらしい顔でこう零す。透徹は憮然として盃を持ち、注れた酒を飲み干そうとした。
したが……噎せた!!
あの酒豪の透徹がだ!
「ぶっふぅ、なんちゅう強い酒じゃ!?
これはなんぞ?」
「うん。麦で作った酒を蒸留して作ったんだ。結構いけるんじゃない?
僕は飲めないけど。焼酎と名付けたんだ、しょっちゅうほしくなるといいなって。
えへっ。
今度はゆっくり飲んでみて」
透徹は言われたとおりに、舌でちろりと舐めた。
「おおおお。
これは甘露!
芳醇じゃ。
まったりとしてコクがある……
それでいて少しもしつこくない……」
「まあ、残念だけど、朱槍を持たせる人にこれ上げるから、またの機会に飲んでね」
これは堕ちた。
透徹の弱点を突かれたな。
「……うううう。
松風様の朱槍頂戴いたす!
敵に当たれば真っ先に突っ込んで大暴れいたす!」
と、吠えつつ、まだ盃を離さない。
そればかりか一斗樽を引き寄せ、誰にもやらぬとばかりに抱え込んだ。
卑しいのぅ。
……本草の書で篭絡された儂も言えた義理ではないが。
「次は、金山城で策を練って大活躍したという、東雲尚政く~ん。
若いのにすごいね~。君には孫子の書と戦闘経をプレ‥えーとね、あげちゃうよ。
足利学校から写本を取り寄せたんだ」
こうして小姓まで含めて26名の家臣すべてに、その者が喜ぶ品と言葉を贈り終わり……
「では、いざっ! だいえんかいのじかんだぁ~!!」
そして殿の用意した焼酎と珍しい肴での(我が城にとっては)大宴会が夜遅くまで続いたのであった。
松風丸様、いや、殿は銚子を持ち、家臣を次々と廻り話を聞きながら酌をして回る。
しかし1刻もした頃、殿が中座し、手傷を負って臥せている小姓のもとへ、ひっそりと向かう姿を見て、儂は含むものが消えていくのを感じていた。
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